Google純正ワイヤレスイヤホン「Pixel Buds」。その上位版モデルの後継機となる「Pixel Buds Pro 2」が登場です。
音質、ノイズキャンセリング性能、使い勝手ともに前作から堅実に進化した今作。
さらにPixelスマホに搭載されるGoogle自社製チップ「Tensor」をPixel Budsシリーズで初搭載。これまでになくPixelスマホとの親和性が高い1品です。
むしろPixelスマホとの相性がよすぎてiPhoneもちろん他のAndroidスマホすら置いてけぼりな印象あります。
よくも悪くもPixelスマホユーザー向けのワイヤレスイヤホン。Pixelスマホユーザーこそ選ぶべきワイヤレスイヤホンでしょう。
この記事では、Pixel Buds Pro 2 をレビュー。実機でその使い勝手を見ていきます。
この記事の目次(タッチで移動)
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Google Pixel Buds Pro 2 の製品概要
スペックシートを確認
発売時期 | 2024年9月 |
市場価格 | |
販売元メーカー | Google(米国) |
Bluetoothバージョン | 5.4 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大8台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
防水性能 | IP54 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体12時間 |
ケース併用で最大48時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
製品概要・前作モデルとの違い
Pixel Buds Pro 2 は、2024年10月に発売開始。
Pixel Budsシリーズの上位版モデル「Pixel Buds Pro」の2年ぶり後継機です。
今作はGoogle自社開発チップ「Tensor」を初搭載。
同じくTensorチップを搭載するGoogle Pixelスマホと接続すれば接続安定性もちろん音質も含めて向上。スペックシート以上の進化が感じられます。
前作モデルとの違い
Pixel Buds Pro 2(2024) | Pixel Buds Pro(2022) | |
搭載CPU | Google Tensor A1 | 不明(他社製造) |
Bluetoothバージョン | 5.4 | 5.0 |
対応Bluetoothコーデック | SBC、AAC ※ | SBC、AAC |
ノイズキャンセリング | 対応 | |
外音取り込み機能 | 対応 | |
マルチポイント | 対応(最大2台) | |
マルチペアリング | 対応 | |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 | |
防水性能 | IP54 | IPX4 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体12時間 | イヤホン単体11時間 |
ケース併用で最大48時間 | ケース併用で最大31時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
※LE Audio対応との公式記載あるもLC3コーデックは解禁されず(2025年5月時点)
物自体はBluetoothワイヤレスイヤホンなのでGoogle Pixel以外のAndroidスマホやiPhoneでも使えますが、実際のところ使うメリットは限りなく小さめ。
音質はPixelスマホとそれ以外で全くの別物ですし、iPhoneに関しては専用アプリが使えないほか、マルチポイント機能をONにもできず(デフォルトOFF、専用アプリ上から変更必要)。
路線的にはAppleのAirPodsやサムスンのGalaxy Budsに近いでしょうか。自社スマホで使うことを前提に設計された仕様が節々から感じられます。
LE Audioにも対応。LC3コーデックも使えるはず...ですが、現状だとLC3接続できません。LC3狙いの人は注意(2025年5月時点)。
Google Store価格は定価36,800円。昨今だとAmazonはじめとした各種通販で2.7万円前後で買えます。
カラーリングはPorcelain(白)、Hazel(黒)、Wintergreen(緑)、Peony(ピンク)の4色展開。
Google Pixel Buds Pro 2 の外観・デザイン
【イヤホン本体】豆粒大のちっちゃなサイズ感
イヤホンサイズは前作モデルと打って変わって小さめ。どちらかと言うと”ちっちゃめ”。
豆粒大の大きさで愛くるしさあります。
イヤホン内側にシリコン素材でできたイヤーウィングの搭載あり(着脱不可)。
イヤーピースで耳穴とフィットさせ、イヤーウィングは耳のひだに引っかけて固定します。
イヤホンを装着したイメージ。
イヤホンを耳の中で時計回りに回して装着。イヤホン筐体サイズが小さめとあり、とりあえずで耳奥にねじ込めます。
装着感の当たり外れは少ない方かと思います。
耳から飛び出してる面積も少なめ。マスク紐との干渉もありません。
イヤホン外側にタッチセンサーを内蔵。タッチだけでもろもろイヤホン操作できます。音量調整も可能です。
タッチ操作コマンドは以下のとおり。
オーディオ操作コマンド
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回タップ | 再生/停止 | |
2回タップ | 次の曲に進む | |
3回タップ | 前の曲に戻る | |
長押し(変更可能) | ノイズキャンセリング切り替え | |
前方に向かってスワイプ | 音量を上げる | |
後方に向かってスワイプ | 音量を下げる |
Android向けの専用アプリを使えば長押しコマンドのみ変更可能(iOS向けにはアプリ配信なし)。「ノイズキャンセリング切り替え」あるいは「Gemini起動」の好きな方を割り当てられます。
通話コマンド
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回タップ | 着信対応 | |
2回タップ | 通話終了・着信拒否 |
イヤホンの着脱検出にも対応。イヤホンを耳から外すとオーディオ停止。イヤホンを装着し直すとオーディオ再生が開始します。
防水はIP54仕様(防塵がIP5、防水がIP4)。汗、雨、濡れ指くらいなら気にせず使えます。
【充電ケース】たまご型デザイン・ワイヤレス充電(Qi)対応あり
充電ケースはPixel Budsシリーズ伝統のたまご型デザイン。
丸くて薄くて、ついつい河川敷で石投げしたくなるサイズ感です。
ほぼ片手で握り込めるサイズ感(数値で言うと縦6cm、横5cm、厚み2cmほど)。
充電ケース下部にはスピーカーあり。
充電開始時や「イヤホンを探す」利用時などサウンドが鳴ります。サウンドOFFにも変更できます(Android向けの専用アプリが必要)。
外装はプラスチック。適度に磨いたスルスル仕上げ。
ケースカバーを使わなくとも擦り傷は付きにくそうな印象あり。裸運用もギリ行けそうです。
ちなみに、Amazonを探すとサードパーティ製のケースカバーがちらほらあり。1000円くらいで買えます。Google純正のケースカバーは展開ありません(→ Amazonでケースカバーを見てみる)。
ケースの上蓋を開いたイメージ。
イヤホンは上からそのまま掴んで取り出せます。
ケースはワイヤレス充電(Qi)に対応。スマホ向けのワイヤレス充電器を使っている人ならそのまま使いまわせます。
有線で充電する場合はUSB Type-Cケーブルが必要です(同梱あり)。
ちなみに、ワイヤレスイヤホンでは珍しく充電ケース側にもIPX4の防水対応あり。軽く濡れる程度なら問題ありません。
Google Pixel Buds Pro 2 の音質レビュー
音質はスマホとの相性いかん
低音 | (4.5) |
中音 | (4) |
高音 | (4) |
土台の音質は低音イヤホン。
11mmの大口径ドライバーを搭載することもあり、やはり低音域の強さが目立ちます。
ただ、その分、音こもったような、あるいは音がぼやっとした印象も否めず。
中音域〜高音域はそこまで解像度は高くなく、シャープでクリアな音を好む人だと気になるところかもしれません。
Pixelスマホで使う場合なら一転してシルキーな音に
Pixel Buds Pro 2 はTensorチップを搭載することもあり、Google Pixelスマホとの相性のよさが目に見えて顕著です。
Google Pixelスマホと接続して使うと音こもり感が減り、全体的にシルキーな音(滑らかで柔らかい音)に印象が変わります。
音の粒も細かくなり、高音域の音描写に関しても解像度アップ。
なおかつ、低音域のリズム感も適度に残ってて全体的にバランスよく音が楽しめます。
iPhoneユーザーもちろんのことGoogle Pixel以外のAndroidスマホユーザーだと単なる低音イヤホンくらいにしか感じられないと思いますが、Google Pixelユーザーだと一転してシルキーな音としてポジティブな評価になりそうです。
LDACコーデック非対応
ハイレゾ・コーデックことLDACには非対応。
イコライザー調整に対応
Android向けの専用アプリ「Pixel Buds」からイコライザー調整が可能。
音楽シチュエーションに合わせたプリセット変更ほか、目盛り単位での細かなカスタム・チューニングにも対応します。
iOS向けには専用アプリの配信なし
iOS向けには専用アプリ「Pixel Buds」の配信なし。イコライザー調整もできません。iPhoneで使いたい人は注意。
空間オーディオ対応(Pixelスマホ向け)
Pixelスマホと接続した状態に限り、Pixel Buds Pro 2 独自の空間オーディオ(3Dオーディオ)機能を利用可能。
とはいえ、物自体は5.1chサラウンド再生に最適化した空間オーディオ。
通常コンテンツ(2chステレオサウンド)を空間オーディオ化するわけではなく、5.1chサラウンド再生に対応したコンテンツの臨場感をより向上させるための機能です。
自ずと5.1chサラウンド再生に対応したコンテンツが必要。YouTubeやNetflixに対応コンテンツの配信こそありますが、数は限りなく少なめ。
正直なところ活用機会は多くありません。実用性は微妙です。
LC3コーデックは使えない

出典:Google公式サイト
Pixel Buds Pro 2 はLE Audio対応。
次世代Bluetoothオーディオコーデック「LC3」もハードウェアレベルでは対応します。
ただ、現状でLC3接続できず。筆者環境上ではADB(デバッグツール)で確認してもLC3接続の形跡なく、どう頑張ってもAAC接続止まりでした。
2025年5月時点でLC3は使えないの前提で購入検討すべきです。
LC3はワイヤレス通信ながらも30msでの低遅延通信が可能なBluetoothコーデック。Pixelスマホは「Pixel 7」以降のモデルであればLE Audio&LC3コーデックが使えます。
Google Pixel Buds Pro 2 の機能レビュー
ノイズキャンセリング【★5】
ノイズキャンセリング性能 | (5) |
遮音強度の調整 | ✗ |
ノイズキャンセリングは高性能。非常に静かです。
低周波音のすり減り具合に関しては業界トップクラス。中〜高周波音に関しても甲高い音にマスクかかったような音の低減あります。
ノイズキャンセリング利用に伴うホワイトノイズ(サーっと言った機械音)も発生なし。オーディオ再生を停止した状態ならデジタル耳栓としても活用できます。
Tensorチップを活用して従来よりも高精度な音の検出を可能にしたとあり、前作モデルに比べて飛躍的な性能向上を感じます。ノイズキャンセリング狙いの人にもおすすめです。
外音取り込み機能(ながら聴き機能)【★5】
音の取り込み性能 | (5) |
取り込み量の調整 | ✗ |
イヤホンを装着したまま周囲の音が聞き取れる「外音取り込み機能」に対応。
これも業界トップクラスの完成度あり。機能ONにすると明確に周囲の音が明るくなります。
ホワイトノイズ(サーっといった機械音)が微弱に発生していますが、なにかしらオーディオを流している状態なら気にならないレベルです。
取り込み中であっても自分の声がごもったような音にもならず、イヤホンを装着したままの会話も問題ありません。
機能ONにしつつオーディオ音量も下げておけば骨伝導イヤホンのような"ながら聴き"運用も可能。屋外で歩きながらイヤホン再生したい人だと重宝します。
通話マイク品質【★5】
通話マイク性能 | (5) |
通話マイクは高性能。
自分の声のピックアップ、周囲の音の切り分け除去、風切り音の低減(ほぼ無風化)、いずれも機能してます。
屋外で通話してても周囲の音の9割方がカットできてます。屋内でビデオ通話マイクとして使うくらいなら十分すぎる性能です。
マルチポイント・ペアリング切り替え勝手【★5】
全体的な勝手のよさ | (5) |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大8台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
Google Fast Pair | 対応 |
ペアリング勝手は全体的に優秀。複数台のデバイス間でワイヤレスイヤホンを使いまわしたい人でも勝手いいです。
Google Fast Pair(および「音声の切り替え」)にも対応。Androidスマホで使う場合ならペアリング簡素化。およびAndroidデバイス間で擬似的なマルチポイント切り替えが可能です。
マルチポイント機能に対応(最大2台)
最大2台のデバイスを同時接続。なにかしらオーディオ再生を開始したデバイス側に自動でオーディオ出力先が切り替わります。
ペアリング接続先の上書き切り替え対応
マルチポイント接続外の3台目〜のデバイスにペアリングを切り替えるとき、Bluetooth設定画面からイヤホン名を選択するだけで切り替わります。都度、現在のペアリング接続を解除する必要はありません。
新規ペアリングモードの起動コマンド用意あり
充電ケースに左右イヤホンをセット。充電ケースの上蓋を開く。なおかつ、充電ケース背面にあるペアリングボタンを3秒長押しすれば新規ペアリングモード(新規ペアリング受け入れ状態)に切り替えられます。
マルチポイントを機能ONにするにはAndroid向けの専用アプリを使う必要あり
マルチポイント機能はデフォルトでOFF。Android向けの専用アプリ「Pixel Buds」上で機能ONに変更して使います。
同専用アプリはiOS向けに配信なし。iPhoneしか持ってない人だとマルチポイントを機能ONに変更できないので注意。
バッテリー持ち・充電環境【★5+】
バッテリー性能 | (5+) |
(イヤホン単体12時間、ケース併用48時間) | |
ワイヤレス充電 | 対応(Qi) |
バッテリー駆動時間は前作モデルから飛躍的に向上。
ノイズキャンセリング常時ONでもイヤホン単体で8時間、ケース併用で最大30時間のバッテリー持ち。前作モデルはノイズキャンセリングOFFでケース併用31時間止まりでした。
ワイヤレス充電(Qi)にも対応あり。スマホ向けのワイヤレス充電器がそのまま使い回せます。有線ケーブルで充電する場合はUSB Type-Cケーブルが必要です(同梱あり)。
まとめ
【Good!】Google Pixel Buds Pro 2 のよかったところ
- Pixelスマホとの圧倒的なまでの親和性
- ノイズキャンセリング・外音取り込みは業界トップクラスの性能あり
- マルチポイント・ペアリング勝手よし
- 通話マイクも高性能
【Bad...】Google Pixel Buds Pro 2 の気になったところ
- Pixel以外のAndroidスマホ(&iPhone)で使うメリットは小さい
- LC3接続できない
- iOS向けには専用アプリの配信なし
Pixel Buds Pro 2 は、潔いまでにGoogle Pixelスマホユーザーに向けたワイヤレスイヤホンですね。
特に音質はGoogle Pixelスマホありきで完成する高音質仕様。単なる低音イヤホンが一転してシルキーな音(丁寧かつ繊細な音)に化けます。
Tensorチップ搭載によりノイズキャンセリング性能などイヤホン単体性能も向上してますが、それ以上にGoogle Pixelスマホとの親和性が勝る1品です。
基本的にはGoogle Pixelスマホユーザーが購入すべき製品でしょう。
他のAndroidスマホユーザーだったりiPhoneユーザーだと製品の真価にあずかれず、特に音質面は微妙な評価になりそうです。
Google Pixel Buds Pro 2 のおすすめ代替候補
ソニー「WF-1000XM5」(価格3.3万円)
ソニーの現行フラッグシップモデル。iPhone・Androidスマホに関係なく無難に使える高音質仕様。ハイレゾ相当に音質補正する「DSEE Extreme」にも対応(レビュー記事を見る)
AKG N5 Hybrid(価格3.9万円)
AKG初の完全ワイヤレスイヤホン。専用ドングル介してLC3plus接続(遅延10ms)が可能。そのほかフラッグシップ相当機能を完備(レビュー記事を見る)
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