ヤマハの人気ワイヤレスイヤホン「TW-E3B」がついにアップデート。
ヤマハらしい高音質オーディオを市場価格6,000円で実現してベストセラー商品になったヤマハ「TW-E3B」。これの後継モデルとなる「TW-E3C」が2022年11月より発売開始に。
前作モデルの勝手そのままに新たにマルチポイントに対応。スマホやPCなど複数デバイス間でストレスなく使いまわせるワイヤレスイヤホンを探している人だと待ちに待ったアップデートだ。
スマホ単体で使うのであれば「TW-E3B」でも問題ない。「TW-E3C」はマルチポイント狙いの人にこそおすすめ。
▶ レビュー概略
基本情報
発売時期 | 2022年11月 |
市場価格 | 1万円前後 |
製品仕様(抜粋)
ノイズキャンセリング | × |
外音取り込み機能 | 対応 |
ハイレゾ相当再生 | 対応(aptX Adaptive) |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | × |
防水 | 対応(IPX5) |
製品評価
低音 | (4.5) |
中音 | (4.5) |
高音 | (4.5) |
イヤホンの装着感 | (4) |
ノイズキャンセリング | -- |
外音取り込み機能 | (3.5) |
マイク性能 | (3.5) |
バッテリー性能 | (4) |
ここがGood!!
- 原音描写重視の優しく丁寧な音質
- イコライザー調整(音質カスタム)対応
- 聴覚保護機能あり、小音量でも明瞭な音が聞き取れる
- マルチポイント対応、2台のデバイスをペアリング切り替えせずに使える
- IPX5の防水性能あり、汚れたら水洗いも可
ここがBad...
- ペアリング可能台数(記録可能台数)は最大3台と少なめ
- マイク性能はごく普通
- タッチ操作コマンドが左右バラバラで使いにくい(変更不可)
こんな人におすすめ
「TW-E3C」はマルチポイントが使えるヤマハ・ワイヤレスイヤホンを探している人におすすめ。
マルチポイントは2台のデバイスを同時接続できる機能。なにかしらオーディオ再生を開始したデバイス側に音声出力先が自動で切り替わる。都度、手動で音声出力先を切り替える必要はない。
もとよりスマホ・PC間でワイヤレスイヤホンを使いまわそうと考えている人だと重宝すること違いない”神”機能だ。
一方で、よくも悪くも前作モデル「TW-E3B」のアップデートモデルであり後継モデルであり、マルチポイント以外の差別化ポイントは少ない。マルチポイントが必要ない人であれば「TW-E3B」でも十分かもしれない。
「TW-E3C」はマルチポイントが使いたい人、あるいは新しいもの好きな人にこそおすすめ。
製品カラーリングは6色
カラーリングはレッド、ブラック、グリーン、グレー、ネイビー、ベージュの6色。レビューはレッドで行う。
▶ レビュー詳細
この記事の目次(タッチで移動)
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ヤマハ「TW-E3C」の製品概要
スペックシート抜粋
Bluetoothバージョン | 5.2 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC、aptX Adaptive |
ノイズキャンセリング | × |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
防水性能 | IPX5 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体9時間 |
ケース併用で最大24時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
専用アプリ | あり(iOS、Android) |
付属品
イヤーピース、USBケーブル、取扱説明書が付属する。
イヤーピースはXS、S、M、Lの4サイズ用意。
ヤマハ「TW-E3C」のペアリング・マルチポイント仕様
ペアリング仕様抜粋
Google Fast Pair | × |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大3台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | ×(先に現在のペアリングを解除する必要あり) |
新規ペアリングモードの起動方法 | イヤホンのタッチボタンを左右同時に3秒長押し |
マルチペアリング台数は最大3台と前作モデルまま。
3台以上のデバイスのペアリング設定情報が保持できず。4台目以降のデバイスをつなぐと古いペアリング設定情報から上書き削除されるので注意。
Google Fast Pair とは?
Google Fast Pairは、Googleが提供するペアリング簡素化システム。
Android OS 6.0以上のスマホであれば、専用のポップアップ画面からワンタッチでペアリング設定できる。
マルチポイントとは?
マルチペアリングとは?
マルチペアリングとは、複数デバイスのペアリング情報が記録できる機能のこと。
1度記録してしまえば次回以降に再度セットアップする必要がなくなり、ケースふたを開くだけでデバイスと再接続できる。
昨今のワイヤレスイヤホンだとおおよそ5台〜10台のデバイスのペアリング情報が記録できる。
ペアリング接続先の上書き切り替えとは?
複数デバイス間でペアリング接続を切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。
一部のワイヤレスイヤホンであれば現在のペアリング接続を解除せず、ペアリングを移したいデバイスのBluetooth設定画面でイヤホン名を選択するだけでペアリングを上書きして切り替えられる。
新規ペアリングモードの起動方法について
初回設定時はケースふたを開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。
2回目(2台目)以降のペアリングを行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。
新規ペアリングモードの起動方法
新規ペアリングモードの起動方法は簡単。
左右イヤホンをケースから取り出して、イヤホン本体のタッチボタンを左右同時に3秒長押しするだけ。
複数デバイス間のペアリング切り替え方法
複数デバイス間でペアリング接続を切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要あり。
ペアリングが解除された状態にして、ペアリングを移したいデバイスのBluetooth設定画面からイヤホン名をタップすればペアリング接続先が切り替わる。
ペアリングを解除するには新規ペアリングモードを起動、あるいは現在のペアリングデバイスのBluetoothをオフにする。
マルチポイント仕様
マルチポイント接続可能台数 | 最大2台 |
音声出力していないデバイス側の着信通知 | 対応 |
マルチポイントに対応。最大2台のデバイスを同時接続。オーディオ再生を開始するだけで当該デバイス側に自動で音声出力先が切り替わる。
なにかしら着信時は、着信デバイス側に音声出力先が切り替わり、イヤホンに着信音が通知される。そのままイヤホンのタッチセンサー操作で着信対応も可能だ。
マルチポイント接続可能台数
マルチポイントで同時接続できるデバイスの台数のこと。今日では最大2台が一般的。
3台〜のデバイスを同時接続できる製品は存在せず(筆者が確認した限りでは)。
音声出力していないデバイス側の着信通知
現在のオーディオ再生の有無関係なく、着信反応したデバイス側に音声出力先が切り替わり、イヤホンに着信音が通知される。
大方のマルチポイント製品で標準対応しているが、U1万円のマルチポイント製品だと、ごくまれに同仕様に対応しない製品もある。
ヤマハ「TW-E3C」の機能レビュー
バッテリーまわりのこと
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体9時間 |
ケース併用で最大24時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
バッテリー駆動時間は前作と変わらず24時間。
充電方法もUSB Type-Cケーブルのみとそのまま。ワイヤレス充電(Qi充電)には対応せず。
通話マイク仕様
通話時ノイズカット機能 | △(cVc8.0仕様) |
風切り音カット | 対応 |
通話マイク性能はまずまず。
クアルコム製チップに標準搭載されるcVc仕様のノイズカットに対応。ただ、これは通話音声をクリアに加工するもの。周囲の音をトーンダウンさせる効果はほとんど見られず。
もとより周囲の音がうるさい場所だとあまりノイズカットらしいノイズカットは味わえない。基本的には室内など静かな場所で使った方がいい。
ボタン操作
ボタン種類 | タッチボタン |
操作コマンドの割り当て変更 | × |
イヤホンの装着検出 | × |
イヤホン本体にタッチセンサー内蔵。オーディオ操作、通話操作、音声アシスタント起動などひととおり可能。
前作モデルは物理ボタンだったが、一転してタッチセンサー仕様に。2回タッチ処理など上手く反応しないことがある。筆者個人としては前作の物理ボタンの方が操作感が安定してて良かった。
スマホ操作コマンド(割り当て変更不可)
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回タッチ | 再生/停止 | 外音取り込み機能のON/OFF |
2回タッチ | 前の曲へ戻る | 次の曲へ進む |
3回タッチ | 音声アシスタント起動 | ゲーミングモードON/OFF |
1秒長押し | 音量1下げ | 音量1上げ |
通話対応コマンド(割り当て変更不可)
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回タッチ | 着信対応 | -- |
3回タッチ | -- | 着信拒否 |
1秒長押し | 通話を切る | -- |
防水性能
防水性能 | IPX5(IP5) |
防塵性能 | × |
防水性能は前作モデルと同じくIPX5。雨や汗が防げるほか、いざとなればイヤホンの水洗いも可能。
専用アプリ
専用アプリ | あり(iOS、Android) |
イコライザー調整 | 対応 |
タッチ操作コマンドの割り当て変更 | × |
低遅延モードON/OFF | 対応 |
イヤホンを探す | × |
前作モデルから一転、専用アプリ「Headphone Control」に新対応。
ひととおりのカスタム機能は揃う。アプリは必須ではないが、もっぱらイコライザー調整したい人だとアプリもセットで使いたい。
Headphone Control
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iPhoneとの相性
iPhoneとの相性 | (非常によい) |
AACコーデック | 対応 |
iOS向け専用アプリ | あり |
iPhoneとの相性は非常によい。
iPhoneで主流のBluetoothオーディオコーデックである「AAC」に対応。専用アプリもそのまま利用できるほか、専用アプリ通じたイコライザー調整も可能だ。
マルチポイントに関してもiPhoneでも問題なく利用できる(マルチポイントに組み込める)。特段iPhoneユーザーであっても割を食うことはない。
ヤマハ「TW-E3C」の外観デザイン&イヤホン装着感
イヤホン形状は前作モデルを踏襲、無難に装着しやすい
イヤホン形状は前作モデル「TW-E3B」を踏襲。
イヤーピースを耳穴に突き刺して、そのままイヤホンを時計回りに回すとイヤホンが耳穴にジャストフィットする。
イヤーピースのサイズさえ調整すれば大方問題なく使える。無難で使いやすいイヤホン形状だ。
ケースもほぼ前作まま、高級感だけプラス
ケースに関しても前作モデル「TW-E3B」を使いまわしたようなデザイン。
サイズで言うと縦3.2cm、横7cm、厚み2.8cmほど。握りこぶし一つで包めるサイズ感。
男性であればズボンのポケットにしろ胸ポケットにしろ仕舞っておける。
ケース素材はプラスチック。底面はスリ傷付きやすそう。できればケースカバーを使いたい。
ケース内部には物理的なザラザラ加工が追加された。どことなく高級感あって良き。
なお、今回レビューしているモデルカラーはレッド(ラズベリー)だが、どちらかと言うと「えんじ色」に近い、なかなか渋味ある色合い。
男性が使っててもさまになる色合い一方、明るめのフレッシュな赤色をイメージしている人は注意した方がいい。
ヤマハ「TW-E3C」の音質
原音重視の高音質オーディオは健在
前作同様に原音重視、ヤマハいわくの"TRUE SOUND"を志向した高音質オーディオあり。
低音、中音、高音、いずれもバランスよく音が鳴る。中途半端な味付けなく、楽曲の持つ味をそのまま引き出してる。
音はこもらず、音場(音の広がり)もそこそこあり。長時間のリスニングでも聞き疲れずに使える王道の高音質オーディオらしさは多分に感じられる。
今作モデルはイコライザー調整にも対応したので、あまりに丁寧な音にむずかゆさ感じた人であればイコライザー調整を活用したい。
イコライザー調整も可能
iOS、Android向けに配信している専用アプリ「Headphone Control」に初対応。これに伴いイコライザー調整できるようになった。
低音重視、ボーカル重視など音楽シチュエーションに合わせたテンプレ設定を用意しているため、そこまでオーディオが詳しくない人でも問題なし。
目盛り単位で細かくチューニングすることも可能。2つまで独自チューニング設定を保存できる。こだわりたい人ならこっち。
Headphone Control
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一部Androidスマホであれば「aptX Adaptive」接続が可能
Bluetoothオーディオコーデック「aptX Adaptive」に新対応。一部Androidスマホと接続すればハイレゾ(ハイレゾ・ワイヤレス)相当の高音質なオーディオ再生が可能になる。
通常のオーディオ再生に比べて劇的に音が変わるわけではないが、流行り物が好きな人だと試してみる価値あり。
ただ、aptX Adaptiveは対応しているスマホが少ない。もっぱらソニー、シャープ、Xiaomiのスマホのみ。iPhone、Pixel、Galaxyなど主要なスマホはaptX Adaptiveに非対応。
関連リンク(外部):aptX Adaptive対応スマホ一覧|米クアルコム
(aptX Adaptiveは下位互換性あり。aptX Adaptiveに対応していないAndroidスマホであればaptXで接続代替される)
【重点レビュー1】外音取り込み機能の実力は?
外音取り込みは至って普通、”ながら聞き”運用は難しい
ヤマハ「TW-E3C」は外音取り込み機能に初対応。機能ONにするとイヤホンを装着したままイヤホンマイク通じて周囲の音が聞き取れる。
ただ、取り込み性能はごく普通。機能ONにすると周囲の音が(気持ち)明るくなるが、明瞭とは言いがたい。イヤホン音量も下げないと正直そこまで機能ON/OFFの違いはわからない。
また、トンネル内を走行している列車のような”コーっ"といったノイズ音が目立つので長時間と常用すると気持ち悪さ感じる。
常時機能ONで”ながら聞き”イヤホンとして、骨伝導イヤホンのような使い方をしたい人には合わない。
【重点レビュー2】前作モデル「TW-E3B」との違いは?
主たるアップデート点は「マルチポイント」「イコライザー調整」対応の2点
現在も販売が続くヤマハ「TW-E3B」。2020年に発売開始して長らくヒット飛ばした人気モデルだ。
「TW-E3C」はそのまま後継モデルの位置づけ。主たる違いは以下のとおり。
「TW-E3C」はマルチポイントに初対応。
音質に関してはどちらも原音重視、ヤマハいわくの"TRUE SOUND"路線の優しく丁寧な音が鳴る。
「TW-E3C」はイコライザー調整にも対応。自分好みの音にカスタムしたい人だと評価ポイントとなる。
イヤホン筐体デザインはほぼそのまま。「TW-E3C」は「TW-E3B」の中身だけアップデートした文字どおりの意味での後継モデルに。
昨今だとマルチポイント対応の有無が製品選びの評価軸となりつつあるが、もとよりスマホ単体で使うのであれば前作モデル「TW-E3B」でも問題ない。
「TW-E3C」はマルチポイントを活用したい人、複数デバイス間でワイヤレスイヤホンを使いまわそうと考えている人におすすめ。
ヤマハ「TW-E3C」の気になったところ(あるいはデメリット)
ペアリング情報の保持可能台数は最大3台と少なめ
ヤマハ「TW-E3C」のペアリング可能台数は最大3台。
3台以上のデバイスのペアリング情報が保持できず、4台目以降のデバイスをつなぐと古いペアリング情報から上書き削除される。
スマホ、タブレット、PCと使いまわす人だと3台ギリギリ。Nintendo Swtichやスマートウォッチも含めるとペアリング枠が足りない。
せっかくのマルチポイント対応なのだし3台以上のペアリング枠がほしかった...
この記事のまとめ
ここまでヤマハ「TW-E3C」をレビューしてきた。
前作モデル「TW-E3B」の純然たるアップデートモデルであり後継モデル。マルチポイントが使えるのがなによりの評価ポイントだ。
ただ、よくも悪くも物自体は前作モデル「TW-E3B」と代わり映えしない印象も受けた。マルチポイントが必要ない人であれば「TW-E3B」でも十分かもしれない。
「TW-E3C」はマルチポイントが使いたい人、あるいは新しいもの好きな人におすすめ。
レビュー対象製品
前作モデル「TW-E3B」はこちら(現在も販売中)
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