ソニーのエントリーモデルが約3年ぶりアップデート。ソニー「WF-C510」が2024年9月より発売開始になりました。
ソニーのワイヤレスイヤホンも色々と増えてきましたが(関連記事)、その中でも9,000円で買える入門機に位置付けられる同機。
ソニーらしいボーカル重視のサウンドにくわえて新たにマルチポイント機能に対応。2台のデバイスを同時接続できるように。オーディオ出力先を切り替えるために都度ペアリング切り替えする必要ありません。
ソニー最小クラスとなる軽量コンパクトなイヤホンデザインも魅力。耳栓のごとく耳奥まで押し込めるので非常に収まりよし。できるだけ小さめのイヤホンを探している人だと気に入ります。
この記事では WF-C510 を実機レビュー。前作モデルと比べて何が変わったのか、実際の使い勝手はどうなのか、レビューしていきます。
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ソニー「WF-C510」の製品概要
スペックシートを確認
発売時期 | 2024年9月 |
相場価格 | 9,000円 |
販売元メーカー | ソニー(日本) |
Bluetoothバージョン | 5.3 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
ノイズキャンセリング | ✗ |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大8台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
防水性能 | IPX4 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体11時間 |
ケース併用で最大22時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
ソニー「WF-C510」は、2021年に登場したソニーのエントリーモデル「WF-C500」の後継機。約3年ぶりにリニュアルした。
前作モデルからの主だった変更点は以下のとおり。
- マルチポイント初対応
- 外音取り込み機能(ながら聴き機能)初対応
- イヤホンがより軽量コンパクトに
ほぼ順当にアップグレード。マルチポイントに対応したので特定2台のデバイス間で使う場合ならペアリング切り替えの必要ありません。
中位版モデル「WF-C700N」(価格1.4万円)との差別化のためか、ノイズキャンセリング機能には対応せず。ノイズキャンセリングを使いたい人だと+5,000円積んで WF-C700N を選びたい。
イヤホンサイズは軽量コンパクト。女性でも難なく装着できます。男性なら耳栓のごとく耳奥まで詰め込めて非常に収まりよいです。
カラーリングは黒、白、ブルー、イエローの4色展開。小売価格は9,900円ですが、相場9,000円前後で販売あり。購入後1年間の製品保証も付きます。
ソニー「WF-C510」のデザイン
イヤホンは業界屈指の軽量コンパクト仕様に
前作モデルも相当に軽量コンパクトでしたが、ここからさらに軽量コンパクト化。
イヤホンサイズはミニチュア感あり。女性でも難なく装着できますし、男性なら耳栓のごとく耳奥まで詰め込めます。「前作モデルから21%の体積カット」なる宣伝文句も嘘ではありません。
イヤホン重量も4gと軽量クラス。装着してて重さらしい重さは感じません。
イヤーピースは3サイズを用意。
イヤホン外側には物理ボタンを搭載。オーディオ操作など可能です。iOS・Android向けの専用アプリ「Sound Connect」を使えば操作コマンドの割り当て変更にも対応します。
※デフォルト状態
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回押し | 外音取り込み機能ON/OFF | 再生/停止 |
2回押し | -- | 次の曲へ進む |
着信対応/終了 | ||
3回押し | -- | 前の曲へ戻る |
4回+α押し | 音量を下げ続ける | 音量を上げ続ける |
長押し | 着信拒否 |
※通話関連のコマンドは変更不可
タッチセンサーではなく物理ボタンを採用。イヤホン着脱時に指腹が触れて誤反応することもありません。
イヤホンの着脱検出には非対応。イヤホン着脱と連動したオーディオ再生/停止は機能しません。
ケースもコンパクトに
充電ケースも前作モデルからコンパクトに(公称23%サイズダウン)。
いざ手で持つと「小さい」よりかは「小っちゃい」と言いたくなるミニマル感あり。ズボンのポケットやシャツの胸ポケットにもらくらく入るサイズ感です。
ケース上蓋の「SONY」ロゴは刻印仕様。経年劣化で剥げることはありません。
ケースを開いたイメージ。
ワイヤレス充電(Qi)には非対応。USB Type-Cケーブルを使った有線充電のみ対応です。
ソニー「WF-C510」の音質レビュー
音質はボーカル重視
低音 | (3.5) |
中音 | (4.5) |
高音 | (4) |
音質は王道のソニー・サウンド。ボーカル描写に長けます。高音域は解像度が高く、楽器の音まできれいに描き分けられてます。音場もそこそこ広くて臨場感あり。
低音が地味ですが、例に漏れず低音がほしい人だとイコライザー調整(or CLEAR BASS)を活用しろと言わんばかりの仕上がり。よくも悪くもボーカル重視のソニー・サウンドとしては完成してます。
ボーカルを中心として音楽を楽しみたい人、動画を観たい人とのオーディオ相性は抜群です。
DSEEにも対応
ソニー独自の音質補正機能「DSEE」にも対応。機能ONにすると高音域がよりクリアになります。
ただ、「DSEE」を機能ONにするとイコライザー調整が機能OFFになるため、低音域がほしい人とは相性悪め。高音域を重視する人なら「DSEE」を、低音域を重視する人ならイコライザー調整(あるいはCLEAR BASS)を選びたい。
「DSEE」はiOS・Android向けの専用アプリ「Sound Connect」から設定可能。Bluetooth接続品質を「音質優先」に変更すれば「DSEE」を機能ONにできます。
イコライザー調整にも対応
iOS・Android向けの専用アプリ「Sound Connect」からイコライザー調整が可能。
簡易なプリセット変更ほか、目盛り単位での細かなチューニング、好みの音質に合わせたパーソナライズ・イコライザー作成にも対応します(ファインド・ユア・イコライザー機能)。
ソニー独自の低音イコライザー機能「CLEAR BASS」も利用可能。通常の低音値(400)をいじるよりもCLEAR BASS経由で低音を引き上げた方が低音が崩れにくく、無理やり鳴らしてる感のないきれいな低音になるのでおすすめ。
なお、イコライザー調整と「DSEE」は併用できず。どちらか片方しか使えません。
空間オーディオ再生にも対応(ほぼ実用性なし)
ソニー独自の空間オーディオサービス「360 Reality Audio」に対応。特定の音楽アプリの特定の音源を再生する場合に限り、空間オーディオ仕様の3Dオーディオ再生が可能です。iPhone・Androidスマホに関係なく使えます。
ただ、対応アプリが致命的に少ない。↑上記の3アプリのみ対応(2024年10月時点)。日本ではほとんど知られぬ音楽アプリです。
「360 Reality Audio」は2020年ころから提供を開始したものの、かれこれ今日まで対応アプリが増えず。商品の公式サイトでも大体的にPRしていますが、実用性はほぼ皆無です。もとより空間オーディオ狙いの人であれば他社メーカー品がおすすめです。
ソニー「WF-C510」の機能レビュー
ノイズキャンセリングは非対応
ノイズキャンセリング機能には非対応。
外音取り込み機能(ながら聴き機能)
外音取り込み性能 | (4.5) |
イヤホンを装着したまま周囲の音が聞き取れる「外音取り込み」機能に初対応。前作モデルは非対応でした。
U1万円ワイヤレスイヤホンにしては優秀な取り込み性能あり。機能ONにすると明確に周囲の音が明るくなります。
取り込みによるホワイトノイズ(サーッといった機械音)も発生なし。常時機能ONでも気持ち悪さありません。
イヤーピースによる物理的な音こもり感こそ残りますが、オーディオ音量も下げた状態であれば周囲の音もそれとなく聞き取れます。”ながら聴き"狙いの人にもおすすめです。
通話マイク品質
通話マイク性能 | (4) |
通話マイクは実用水準の性能あり。自分の声のピックアップ、周囲の音の除去ともに機能してます。
風切り音に関しては除去が弱め。屋外で通話するシチュエーションだと風の音が入り込んでうるさいかもしれません。屋内でビデオ通話のマイクとして使う分には問題なし。
マルチポイント・ペアリング切り替え勝手
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大8台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
マルチポイントに初対応。前作モデルは非対応でした。
マルチポイントは最大2台のデバイスを同時接続できる機能。なにかしらオーディオ再生を開始したデバイス側に自動でオーディオ出力先が切り替わります。手動でオーディオ出力先を(というかペアリング接続先を)切り替える必要はありません。
ペアリング接続先の上書き切り替えにも対応。マルチポイント接続外にデバイスにペアリングを切り替えるとき、現在のペアリング接続を解除したり、イヤホンの電源を落とす必要なし。Bluetooth設定画面からイヤホン名を選択するだけで当該デバイスにそのままペアリング接続が切り替わります。
「Google Fast Pair」にも初対応。Androidスマホで使う場合なら初回のペアリング設定が簡素化されます。「音声の切り替え」(Audio Switch)には非対応です。
バッテリー持ち・充電環境
バッテリー性能 | (4) |
(イヤホン単体11時間、ケース併用22時間) | |
ワイヤレス充電 | ✗ |
バッテリー駆動時間は前作モデルとほぼ変わらず(前作モデルはケース併用20時間)。相場同等のバッテリー水準です。
充電環境もそのまま。USB Type-Cケーブルを使った有線充電のみ対応。ワイヤレス充電(Qi)には対応せず。
まとめ
【Good!】ソニー「WF-C510」のよかったところ
- ボーカル描写に長けた安定のソニー・サウンド
- マルチポイント対応
- イヤホンは軽量コンパクトで装着感よし
【Bad...】ソニー「WF-C510」の気になったところ
- ノイズキャンセリング非対応
- 空間オーディオ再生は実用性なし
ソニー「WF-C510」は、ソニーのエントリーモデルとして過不足ない仕上がり。ボーカル描写に長けたソニー・サウンドが確かにあり。イコライザー調整やDSEEを活用すれば、より自分好みのサウンドにカスタムできます。
マルチポイントにも対応。複数デバイス間でワイヤレスイヤホンを使いまわしたい人だと相性いいです。
ノイズキャンセリング機能には対応せず。ノイズキャンセリングに対応したソニーの中位版モデル「WF-C700N」が1.4万円で購入できるため、あえて9,000円でノイズキャンセリング非対応の「WF-C510」を購入すべきか迷うところかもしれません。
ノイズキャンセリング機能を必要としておらず、とりあえずで”ソニー”ブランドのワイヤレスイヤホンを探している人であれば WF-C510 は価格的にも性能的にも丁度よし。それこそ音質はソニー製品そのもの。ボーカル重視で音楽を聴きたい人、動画を観たい人との相性は抜群です。
ソニー「WF-C510」のおすすめ代替候補
ソニー「WF-C700N」(価格1.4万円)
ソニーの中位版モデル。ノイズキャンセリング機能に対応する。物自体はWF-C510 とほぼ変わらず、事実上のノイズキャンセリング対応版です(レビュー記事を見る)。
オーディオテクニカ「ATH-CKS30TW」(価格7,000円)
オーディオテクニカの現行スタンダードモデル。「クリアな重低音」をコンセプトにしたオーディオ特化モデル。マルチポイントにも対応する。価格1.1万円のカスタムモデルならノイズキャンセリングも利用可能(レビュー記事を見る)。
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