BOSEの現行フラッグシップ「QuietComfort Earbuds Ⅱ」。これのカスタムモデルとなる「QuietComfort Ultra Earbuds」の発売が開始となりました。
プラスαで空間オーディオ再生とマルチポイント機能に対応。オーディオ設計やノイズキャンセリング性能はほぼオリジナルモデルまま。BOSE公式いわく「次世代モデル」の位置づけですが、実際のところは「カスタムモデル」と言うべきかと思います。
BOSEならではの低音サウンド、高性能ノイズキャンセリングにくわえ、空間オーディオ再生やマルチポイントを使いたい人に「QuietComfort Ultra Earbuds」はおすすめです。
この記事では、QuietComfort Ultra Earbuds を実機でレビューしていきます。
この記事の目次(タッチで移動)
広告
BOSE「QuietComfort Ultra Earbuds」の製品概要
スペックシートを確認
発売時期 | 2023年10月 |
市場価格 | 3.3万円 |
販売元メーカー | BOSE(米国) |
Bluetoothバージョン | 5.3 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC、aptX Adaptive |
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大6台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
防水性能 | IPX4 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体6時間 |
ケース併用で最大24時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ ※ |
※別売りの純正ケースカバーを装着すればワイヤレス充電(Qi)にも対応
BOSE QuietComfort Ultra Earbuds は、オリジナルモデル「QuietComfort Earbuds Ⅱ」の実質的なカスタムモデル。
イヤホンの本体形状や基本的なオーディオ設計はオリジナルモデルと変わらず。プラスαで以下のような点が変更(or追加)されました。
- BOSE独自の空間オーディオ再生に初対応
- マルチポイント機能に初対応
- aptX Adaptive対応(aptX関連コーデック対応)
- イヤホン・デザインがガンメタリック仕様に変更
- 価格は3万円→3.6万円前後に値上げ
もっぱらの違いは空間オーディオ再生とマルチポイントの対応有無。
BOSE独自の空間オーディオ再生こと「イマーシブ・オーディオ」に初対応。空間オーディオだと低音の迫力と臨場感、くっきり伸びるボーカルサウンドを両立した、さながらホームシアタースピーカーのようなオーディオ再生が可能です。
最大2台のデバイスを同時接続できるマルチポイント機能にも初対応。なにかしらオーディオ再生を開始したデバイス側に自動でオーディオ出力先が切り替わります。
逐一、手動でペアリング切り替えする必要なし。もとより複数デバイス間でワイヤレスイヤホンを使いまわしたい人だと日常的に重宝すること間違いない"神"機能です。
基本的なオーディオ性能、ノイズキャンセリング性能はオリジナルモデル「QuietComfort Earbuds Ⅱ」と変わらず(というか使いまわし)。空間オーディオ再生やマルチポイントに興味ない人だとオリジナルモデル「QuietComfort Earbuds Ⅱ」で十分かもしれません。
BOSE QuietComfort Ultra Earbuds の外観・デザイン
イヤホン形状はオリジナルまま、装着感は安定
イヤホン形状はオリジナル版「QuietComfort Earbuds Ⅱ」まま。イヤホン外側のタッチパネル部分だけガンメタリック仕様に変更されました。
イヤホンサイズは意外にもコンパクト。イヤーピースのサイズさえ調整すれば耳穴の形に沿ってすぽりとハマります。
"スタビリティバンド"と呼ぶイヤホン側面のシリコンバンドが耳穴としっかりフィット。装着感もちろん物理的な遮音性も高めです。
耳から飛び出てるイヤホン面積も少なめ。マスク着用時でもマスク紐の邪魔になりません。
イヤホン外側にタッチセンサーボタンでもろもろ操作可能。音楽コントロール、通話対応、音声アシスタント起動できます。
また、タッチセンサーの上下スワイプで音量調整できて地味に便利(...いやこれ本当に地味だが便利)。
イヤホンの装着検出(イヤホン着脱によるオーディオの自動再生&停止)は初期状態だと機能OFFですが、iOS・Android向けの専用アプリを使えば機能ONに変更できます。
充電ケースはオリジナル版まま
充電ケースはオリジナル版「QuietComfort Earbuds Ⅱ」の使いまわし。デザイン変更すら一切ない潔さ。
充電ケースは気持ち大きめ。数値で言うと縦6.5cm、横6cm、厚み2.5cmほど。
とはいえ、男性であればズボンのポケットにしろ胸ポケットにしろ仕舞っておけるサイズ感なので問題ないかと。
ケース素材はプラスチック。軽くマット加工してあり触り心地よい。
ただ、裸で放置しとくと擦り傷つきやすそう。できればケースカバーを使いたい。ケースカバーはAmazonあたりで1,000円前後で販売あり。オリジナル版「QuietComfort Earbuds Ⅱ」のケースカバーがそのまま使いまわせるので製品の数は多めです。
ちなみに、同時発表されたBOSE純正ケースカバーを使えばワイヤレス充電(Qi)できるようになります。価格が6,500円と割高ですが、日常的な充電ストレスから解放されたい人(ケーブル抜き差しするのが面倒くさい人)なら検討してもいいかもしれません。
▼ ワイヤレス充電(Qi)可能なBOSE純正ケースカバー
BOSE QuietComfort Ultra Earbudsの音質レビュー
低音ズンズン、ボーカルくっきり
低音 | (5+) |
中音 | (4.5) |
高音 | (4) |
BOSEらしいズンズン鳴る低音が特徴的。音場も広く、ボーカルもくっきり伸びてて、さながらホームシアタースピーカーを思わす音の作り。
音質はオリジナル版「QuietComfort Earbuds Ⅱ」とほぼ変わらないが、今作はプラスαで空間オーディオ再生に対応。
空間オーディオ再生に変更すると"ズンズン”鳴る低音が、"ヴォンヴォン”に近い音に変化。なおかつ、音場は広くなって音の臨場感が向上。ボーカルとバックミュージックが分離することで、ボーカルもよりくっきり伸びやかに独立した音として描写されます。
これもうBOSEのホームシアタースピーカーをそのまま再現したかのような音の迫力。圧倒的な低音の中にボーカルがくっきり際立つBOSEサウンドそのものです。
空間オーディオ狙いであえてBOSE QuietComfort Ultra Earbuds を購入する価値はあります。
空間オーディオ再生はiOS・Android向けの専用アプリから設定可能。アプリ関係なくオーディオ再生そのものを空間オーディオ仕様に変更できます。一度設定しまえば専用アプリが使えないWindows PCやMac環境でも空間オーディオ再生になります。
イコライザー調整にも対応
iOS、Android向けに配信している専用アプリ「BOSE MUSIC」を使ったイコライザー調整に対応。
低音、中音、高音を調整するだけの簡易なイコライザー変更が可能です。
デフォルトままでもBOSEらしさある、BOSEスピーカーらしさある低音サウンドで完成していますが、より自分好みの音にカスタムしたい人ならイコライザー調整を活用あれ。
BOSE QuietComfort Ultra Earbudsの機能レビュー
ノイズキャンセリング
ノイズキャンセリング性能 | (5+) |
ノイズキャンセリングは業界トップの実力あり。機械的な遮音性能の高さはもちろん、イヤホン構造による物理的な遮音性も高め。
イヤホン側面部のゴムバンド(スタビリティバンド)で耳の隙間を限りなくゼロに。機械的な遮音では除去しにくい人の話し声なども物理的に低減しており、非常に静かです。
AirPods Proはじめ機械的な遮音性能の高さばかりアピールするノイズキャンセリング製品多しですが、物理的な遮音性能も含めたノイズキャンセリング製品と考えると BOSE QuietComfort Ultra Earbuds に敵うワイヤレスイヤホンは現状ないかと思います。
iOS、Android向けの専用アプリ「BOSE MUSIC」を使えばノイズキャンセリングの強度調整も可能。ノイズキャンセリングが強すぎて気持ち悪い... といった状況も回避できます。
外音取り込み機能(ながら聴き機能)
ノイズキャンセリング性能 | (5) |
イヤホンを装着したまま周囲の音が聞き取れる「外音取り込み機能」にも対応。
音の取り込み精度は非常に高い。イヤーピース装着による物理的な音こもり感こそ残るものの、機械的な音の取り込みによる音こもりは少ない。周囲の音の9割〜10割が聞き取れてます。十分に実用水準にある性能です。
屋外でノイズキャンセリングの遮音MAX状態だとガチで事故りそうな静けさなので、屋外で安全を考慮しながら音楽を聞きたいときだと外音取り込み機能を使いたい。音楽と一緒に周囲の環境音も聞き取れるので安心です。
通話マイク品質
通話マイク性能 | (4.5) |
通話マイクも高性能。屋内外問わずに使えます。周囲の音はトーンダウン。風切り音(通話マイクに当たった風の音カット)は除去。自分の声だけピックアップして通話転送できます。屋外で通話したい人でも問題ない性能です。
マルチポイント・ペアリング切り替え勝手
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大6台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
QuietComfort Earbuds Ⅱ からアップデートされた数少ない追加機能「マルチポイント」。
最大2台のデバイスを同時接続。接続したデバイス間で、なにかしらオーディオ再生を開始したデバイスに自動でオーディオ出力先が切り替わります。手動でペアリング切り替えする必要はありません。
ペアリング接続先の上書き切り替えにも初対応。ペアリング切り替え都度、現在のペアリング接続を解除する必要なし。Bluetooth設定画面からイヤホン名を選択すれば当該デバイスにペアリング接続先が切り替わります。
バッテリー持ち・充電環境
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体6時間 |
ケース併用で最大24時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
バッテリー駆動時間は相場水準。ケース併用で24時間使えます。
ケース充電は有線のみ対応。ワイヤレス充電(Qi充電)には対応しませんが、別売りの純正ケースカバーを使えばワイヤレス充電できるようになります。
▼ ワイヤレス充電(Qi)可能なBOSE純正ケースカバー
まとめ
【Good!】BOSE「QuietComfort Ultra Earbuds」のよかったところ
- BOSEスピーカーらしさある低音サウンド(&空間オーディオ再生)
- 業界トップのノイズキャンセリング性能
- マルチポイント対応
【Bad...】BOSE「QuietComfort Ultra Earbuds」の気になったところ
- 基本性能は「QuietComfort Earbuds Ⅱ」と大差ない
- そのわりに価格が高い(3.6万円)
- ワイヤレス充電(Qi)を使いたい場合は専用のケースカバーを購入する必要あり(価格6,500円)
BOSE QuietComfort Ultra Earbuds はフラッグシップモデルとして文句ない完成度あり。
高音質オーディオ、業界No.1のノイズキャンセリング性能、マルチポイント対応など総合的・多面的に優秀。昨今だと4万円超のワイヤレスイヤホンも多く、いざ3.6万円の製品価格に照らすとコスパのよさすら感じてきます。
ただ、物自体はオリジナルモデル「QuietComfort Earbuds Ⅱ」とそこまで変わらず。プラスαで追加された空間オーディオ再生、マルチポイント、aptX Adaptiveあたりの機能が必要ない人であれば QuietComfort Earbuds Ⅱ でも十分かもしれません。
BOSE QuietComfort Ultra Earbuds は、まさしく全部入りのフラッグシップモデルを探している人に向けた製品。BOSEサウンド、高性能ノイズキャンセリング、最新のトレンド機能、いずれも譲れない人におすすめです。
▼ オリジナル版「QuietComfort Earbuds Ⅱ」はこちら(レビュー記事を見る)
関連記事
他のBOSEワイヤレスイヤホンを探す
【抜粋】BOSEのおすすめワイヤレスイヤホン3選(2024年版)
続きを見る
Bose QuietComfort Earbuds(第2世代)レビュー|BOSE入門モデルとして100点満点
続きを見る
iPhone向けのおすすめワイヤレスイヤホンを探す
iPhoneと相性よし!おすすめのワイヤレスイヤホンまとめ(2024年)
続きを見る
Androidスマホ向けのおすすめワイヤレスイヤホンを探す
Androidスマホと相性よし!おすすめワイヤレスイヤホンまとめ(2024年版)
続きを見る
Galaxyスマホと相性よし!おすすめワイヤレスイヤホンまとめ(2024年)
続きを見る
最近のワイヤレスイヤホンを探す
【2024年】完全ワイヤレスイヤホンの新製品&人気製品まとめ(発売予定含む)
続きを見る
【2024年版】完全ワイヤレスイヤホンおすすめランキング|価格別・機能別のNo.1ベスト製品を一挙紹介
続きを見る