ワイヤレスイヤホン業界トップのノイズキャンセリング性能ここにあり。「BOSE QuietComfort Earbuds Ⅱ」。
BOSEが2000年に発表した世界初のノイズキャンセリング対応ヘッドフォン「QuietComfort」。同ブランド名を持つワイヤレスイヤホン「BOSE QuietComfort Earbuds Ⅱ」は、まさしくノイズキャンセリング機能に特化した製品だ。
機械的な遮音性能、物理的な遮音性能、いずれも最上級の実力。同時にノイズキャンセリングの遮音に潰されない高音質をキープした。ノイズキャンセリングにも音質にもこだわりたい人なら間違いなく「BOSE QuietComfort Earbuds Ⅱ」はおすすめ。
【レビュー概略】BOSE「QuietComfort Earbuds Ⅱ」
基本情報・スペックシート
基本情報
発売時期 | 2022年9月 |
市場価格 | 3.3万円 |
販売元メーカー | BOSE(米国) |
スペックシート
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み(ながら聞き機能) | 対応 |
マルチポイント | × |
ペアリング接続先の上書き切り替え | △(アプリ経由のみ可) |
防水 | 対応(IPX4) |
Bluetoothバージョン | 5.3 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体6時間 |
ケース併用で最大24時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
評価ポイント
- 業界トップ水準のノイズキャンセリング性能
- ノイズキャンセリングのオート遮音調整が優秀
- イヤホンの装着感&遮音性が抜群
- 低音ズンズン、ボーカルくっきりしたBOSEサウンド
- タッチセンサーの上下スワイプで音量調整可能
とにもかくにもノイズキャンセリング機能に強み。
ソフトウェア処理による機械的なノイズカット性能の高さはもちろん、イヤホン構造による物理的な遮音性能も高い。イヤホン側面部のゴムバンド(スタビリティバンド)によって耳の隙間を限りなくゼロに。機械的なノイズカットだけでは除去しにくい人の話し声なども物理的に低減してる。
それでもってノイズが音質を潰さず。低音〜中音がしっかり鳴る。BOSEスピーカーらしさあるズンズン来る低音、くっきりしたボーカル音が印象的だ。
微妙だったところ(あるいは明確なデメリット)
- ペアリング接続まわりの動作がやや不安定
- マルチポイント非対応(ハイエンドモデルのわりに)
ペアリング勝手はよくない。ペアリングが自動で再接続されなかったり、専用アプリのイヤホンデータにアクセスできなかったり、専用アプリを通じたペアリング接続先の上書き切り替えも上手くいかないことが多々ある。
BOSEに限った話ではないが、純オーディオメーカーのワイヤレスイヤホンは概してペアリング勝手が悪い。特に複数デバイス間でワイヤレスイヤホンを使いまわそうと考えている人だと普段使いでストレス感じる機会が多いかもしれない。
製品をおすすめできる人
- ノイズキャンセリング性能をなにより重視する人
- オーディオ性能も諦めたくない人
BOSE QuietComfort Earbuds Ⅱ は、ノイズキャンセリング狙いの人のための王道ワイヤレスイヤホン。
ノイズキャンセリング性能の高さはもちろん、ノイズに潰されない高音質オーディオも実現。ボーカルくっきりした音質のおかげでノイズキャンセリングの遮音MAX状態でも聞き心地よい。
BOSEのノイズキャンセリング・ブランド「QuietComfort」を名乗る製品だけあってノイズキャンセリングありきで設計されたであろう完成度。ノイズキャンセリング狙いの人なら第1検討候補でよし。
追記(2023年11月付)
同製品のカスタムモデル「QuietComfort Ultra Earbuds」が新登場。空間オーディオ再生、マルチポイントに追加対応。
BOSE「QuietComfort Ultra Earbuds」レビュー|空間オーディオ再生&マルチポイントに追加対応したカスタムモデル
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▶ レビュー詳細
この記事の目次(タッチで移動)
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BOSE QuietComfort Earbuds Ⅱ の外観・デザイン
イヤホンサイズは意外にもコンパクト、装着感も安定
物理的な遮音性の高さに照らしてイヤホンサイズは意外にもコンパクト。
イヤーピースのサイズさえ調整すれば耳穴にすぽりとハマる。
イヤホンの装着感も安定。"スタビリティバンド"と呼ぶイヤホン側面のシリコンバンドが耳穴としっかりフィット。物理的な遮音性を高めつつ装着感をも高めた。
イヤホン重量は片側7gと相場よりも少しだけ重め。とはいえ、イヤホンの装着感が安定してるおかげか長時間のイヤホン装着でも疲れにくい。
ケースサイズは気持ち大きめ、ズボンのポケットには入る
充電ケースは気持ち大きめ。数値で言うと縦6.5cm、横6cm、厚み2.5cmほど。
握りこぶし一つで包めるサイズ感。他社製品よりも気持ち大きめだが、男性であればズボンのポケットにしろ胸ポケットにしろ仕舞っておけるので問題ないかと思う。
ケース素材はプラスチック。マット加工してあり触り心地よい。
ただ、裸で放置しとくと擦り傷つきそうな印象。できればケースカバーを使いたい。ケースカバーはAmazonあたりで1,000円前後で買える。
BOSE QuietComfort Earbuds Ⅱ の音質
低音ズンズン、ボーカルくっきり
BOSEスピーカーらしさあるズンズン響く低音あり。音場の広さと相まってホームオーディオで音楽を聞いてるような錯覚ある。
ノイズキャンセリング対応でズンズン低音だと音こもりそうな印象だが、そこはBOSE。低音に負けじとボーカルくっきり伸びてて聞き心地よい。
イコライザーとノイズキャンセリング強度を微調整して音質のバランス取るBOSE独自機能「CustomTuneテクノロジー」を搭載。ノイズキャンセリングの遮音強度MAXで音楽を聞いててもボーカルが負けないよう調整されてるのは感じる。
音こもりすぎないノイズキャンセリング対応のワイヤレスイヤホンを探している人だと BOSE QuietComfort Earbuds Ⅱ との相性はよさそうだ。
イコライザー調整にも対応
iOS、Android向けに配信している専用アプリ「BOSE MUSIC」を使ったイコライザー調整に対応。
イヤーピースのサイズを大きめに変更すると低音がこもり気味でストレス感じる人もいるかもしれない。こうした人なら別途イコライザー調整して中音域〜高音域を引き上げたい(あるいは低音を下げる)。
ノイズキャンセリングの性能は?
ノイズキャンセリングは業界トップの実力
BOSE QuietComfort Earbuds Ⅱ はノイズキャンセリングに対応。機能ONにすると周囲の音を低減・中和できる。
機能ON/OFFで明確に違いあり。電車やバスの中で音楽を聞いたり、動画を観たりするときに音量を上げずにそのまま音が聞き取れるようになる。
ノイズキャンセリングによる耳への圧迫感らしい圧迫感もない。
BOSE独自機能「CustomTuneテクノロジー」により、イヤホンを装着するたびに周囲の環境音に合わせてノイズキャンセリング強度を微調整してくれる。そのおかげか耳への圧迫感も軽減(軽減よりかは最適化)されててよし。
ノイズキャンセリングの遮音強度は調整可能
手動でノイズキャンセリング強度を調整可能。iOS、Android向けの専用アプリ「BOSE MUSIC」から調整できる。
遮音が強すぎて耳が辛い、耳が圧迫される人だと手動カスタムしたい。
ホワイトノイズほぼなし、デジタル耳栓としての活用も現実的
ノイズキャンセリングに伴うホワイトノイズ("サーッ”といった機械音)はごくわずか。
オーディオ再生を止めた状態だとほぼほぼ無音に近い環境になる。勉強中や読書中などデジタル耳栓として使いたい人にもおすすめ。
外音取り込み(ながら聞き機能)の性能は?
外音取り込み機能は高性能、ながら聞き用途にも合いそう
BOSE QuietComfort Earbuds Ⅱ は外音取り込み機能に対応。機能ONにするとイヤホンマイク通じて周囲の音を集音。イヤホンを装着したままスピーカー通じて周囲の音が聞き取れる。
音の取り込み精度は高い。イヤーピースによる物理的な音こもりこそ残るものの、同機能を通じた機械的な音の取り込みによる音こもりは少ない。(ほぼ)クリアな音と言ってしまって問題ない。
音の取り込みに伴うホワイトノイズも微弱(ほとんど聞こえない)。風切り音も除去してる。屋外で歩きながらイヤホンを使うときなど安全対策がてら常時機能ONでもいいかもしれない。
外音取り込み機能はイヤホンのタッチセンサー長押しで機能ON/OFFできる。
ペアリング仕様
【概略】ペアリング仕様
Google Fast Pair | × |
マルチポイント | × |
マルチペアリング | 対応(最大6台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | △(専用アプリ経由のみ可) |
新規ペアリングモードの起動方法 | ケース背面のボタンを3秒長押し |
Google Fast Pair とは?
Google Fast Pairは、Googleが提供するペアリング簡素化システム。
Android OS 6.0以上のスマホであれば、専用のポップアップ画面からワンタップで初回のペアリング設定できる。
マルチポイントとは?
マルチペアリングとは?
マルチペアリングとは、複数デバイスのペアリング設定情報が記録できる機能のこと。
1度記録してしまえば次回以降に再度セットアップする必要がなくなり、ケースふたを開くだけでデバイスと再接続できる。
昨今のワイヤレスイヤホンだとおおよそ5台〜10台のデバイスのペアリング設定情報が記録できる。
ペアリング接続先の上書き切り替えとは?
違うデバイスにペアリング接続を切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。
一転、「ペアリング接続先の上書き切り替え」に対応したワイヤレスイヤホンであれば、現在のペアリングを解除する必要なし。ペアリングを移したいデバイスのBluetooth設定画面でイヤホン名を選択するだけでペアリング接続先が切り替わる。
新規ペアリングモードの起動方法について
大方のワイヤレスイヤホンだと初回設定時はケースふたを開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。
2回目(2台目)以降のペアリング接続を行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。
新規ペアリングモードの起動方法
左右イヤホンをケースに入れ、ケースふたを開いた状態にして、ケース背面にあるペアリングボタンを3秒長押しで新規ペアリングモードに切り替えられる。
複数デバイス間のペアリング切り替え方法
iOS、Android向けの専用アプリ「BOSE MUSIC」を使った場合のみ、ペアリング接続先をワンタップで解除 & 切り替えできる。
ただ、専用アプリを使った同ペアリング切り替えは動作不安定。特に「スマホ→PC」へ切り替える場合の成功率が極めて低い。
専用アプリを使わずに切り替える場合、先に現在のペアリング接続を解除しておく必要あり。
ペアリング接続を解除するには新規ペアリングモードを起動、あるいは現在のペアリングデバイスのBluetoothをオフにする。
細かな機能レビュー
バッテリー持ち・充電環境
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体6時間 |
ケース併用で最大24時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
バッテリー駆動時間は相場同等。ケース併用で24時間使える。
ケース充電は有線のみ。ワイヤレス充電(Qi充電)には対応せず。
通話マイク
通話時ノイズカット機能 | 対応 |
風切り音カット | 対応 |
通話マイク性能は優秀。屋内外問わずに使える。
通話時の周囲の音のノイズカット(トーンダウン)、および声のピックアップが機能してる。
風切り音カット(通話マイクに当たった風の音カット)も機能してるので屋外で通話したい人でも問題ない。
ボタン操作
ボタン種類 | タッチセンサー |
操作コマンドの割り当て変更 | △(長押しのみ変更可) |
イヤホンの装着検出 | 対応 |
イヤホン外側にタッチセンサーボタンあり。音楽コントロール、通話対応、音声アシスタント起動などひととおり操作可能。
タッチセンサーの上下スワイプによる音量調整もできて便利。
イヤホンの装着検出(オーディオの自動停止&再生)は初期状態だと機能OFFだが、専用アプリを使えば機能ONにカスタムできる。
スマホ操作コマンド(長押しのみ変更可能)
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回タッチ | 再生/停止 | |
2回タッチ | 次の曲に進む | |
3回タッチ | 前の曲に戻る | |
上下スワイプ | 音量アップ or ダウン | |
長押し | ノイズキャンセリング←→外音取り込み機能 | 音声アシスタント起動 |
長押しのみカスタム可能。「ノイズキャンセリング←→外音取り込み機能」「音声アシスタント起動」のどちらかを割り当てられる。両方同じコマンドの指定も可。
通話対応コマンド(割り当て変更不可)
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回タッチ | 着信対応 | |
2回タッチ | 着信終了 | |
(着信時)着信拒否 |
防水性能
防水性能 | IPX4(IP4) |
防塵性能 | × |
相場相当のIPX4の防水性能あり。雨や汗が防げる。"生活防水"言うだけあって日常使いなら大方問題ない。
専用アプリ
専用アプリ | あり(iOS、Android) |
イコライザー調整 | 対応 |
操作コマンドの割り当て変更 | △(長押しコマンドのみ変更可) |
低遅延モード(ゲームモード) | × |
イヤホンを探す | 対応 |
※アプリのファームウェア7.1.5時点
iOS、Android向けの専用アプリ「BOSE MUSIC」が利用可能(BOSE CONNECTではないので注意)。
アプリは使わなくても問題ないが、ノイズキャンセリングの遮音強度の調整やイコライザー調整したい人だと必須。
Bose Music
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iPhoneとの相性
iPhoneとの相性 | (非常によい) |
AACコーデック | 対応 |
iOS向け専用アプリ | あり |
iPhoneとの相性は非常によい。
iPhoneで主流のBluetoothオーディオコーデックである「AAC」に対応。Androidスマホで使う場合と比べて音質が劣化することもない。
また、iOS向けの専用アプリも提供あり。ノイズキャンセリング調整、イコライザー調整などもろもろ可能だ。
BOSE QuietComfort Earbuds Ⅱ の気になったところ(あるいはデメリット)
ペアリング接続がやや不安定
BOSE QuietComfort Earbuds Ⅱ はBluetooth LE(Low Energy)を活用してイヤホン・アプリ・スマホ本体を簡易接続していると思われるが、この接続がやや不安定だ。
ペアリングが自動で再接続されなかったり、専用アプリのイヤホンデータにアクセスできなかったり、専用アプリを通じたペアリング接続先の上書き切り替えも上手くいかないことがある。
同様のトラブルに遭遇した人がいたら、せめてもの対策として以下の手順を試してみてほしい。
- スマホ本体側のペアリング接続設定を1度削除
- 専用アプリ通じたペアリング接続設定を先に行う
- 新規ペアリングモードを再び起動
- スマホ本体側で再度ペアリング接続設定する
この状態だとスマホ本体とイヤホンは通常のBluetooth接続で、イヤホンとアプリはBluetooth LE接続になる(...と思われる)。
これによりペアリングの自動再接続が機能。専用アプリにもアクセス可能。専用アプリを通じたペアリング接続先の上書き切り替えも機能した。
BOSEに限った話ではないが、純オーディオメーカーのワイヤレスイヤホンは概してペアリング接続まわりの勝手が悪い。ここらの勝手だけで見るとAppleに完敗してて辛いところ。
この記事のまとめ
ここまで BOSE QuietComfort Earbuds Ⅱ をレビューしてきた。
噂どおりのノイズキャンセリングの実力。機械的なノイズカット精度の高さ、イヤホン構造による物理的な遮音性の高さ、いずれも優秀。総合力で見れば完全ワイヤレスイヤホン業界でトップと名高いAirPods Proのノイズキャンセリングよりも静か。
それでもってノイズキャンセリング(ノイズ)がオーディオを潰さず。BOSEスピーカーらしいズンズン来る低音、くっきりしたボーカルが映える。
ペアリング接続まわりの勝手が悪いのは否めないが、これ以外は特に不満らしい不満なし。音質とノイズキャンセリング性能を両立したノイズキャンセリング対応イヤホンを探している人だと BOSE QuietComfort Earbuds Ⅱ は丁度いい選択肢になりそうだ。
レビュー対象製品
【追記】カスタムモデルが発売開始になりました
同製品のカスタムモデル「QuietComfort Ultra Earbuds」が新登場。空間オーディオ再生、マルチポイントに追加対応。
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