ワイヤレスイヤホン(Bluetoothイヤホン)の弱点として知られるペアリング切り替え勝手の悪さ。違うデバイスにペアリングを切り替えるたび、まず先に現在のペアリング接続を解除する必要がある。
この面倒くささを取っ払ったワイヤレスイヤホンが、この記事で紹介する「スマホ・PC間のペアリング切り替えが簡単なワイヤレスイヤホン」。
より具体的に言うと「現在のペアリング接続を解除せずに、Bluetooth設定画面からイヤホン名を選択するだけでペアリング接続先が切り替えられるワイヤレスイヤホン」だ。
以下では、これまで筆者がレビューしてきた製品の中から同仕様に対応する製品だけ抜粋して紹介する。ワイヤレスイヤホン選びの参考にしてみてほしい。
この記事の目次(タッチで移動)
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ワイヤレスイヤホンのペアリング切り替え方法について知っておきたいこと
1. ペアリング接続先を切り替えるには、まず先に現在のペアリング接続を解除する必要あり
ワイヤレスイヤホン(Bluetoothイヤホン)は、違うデバイスにペアリング接続を切り替えるたびに、まず先に現在のペアリング接続を解除する必要がある。
解除するには現在のペアリングデバイスのBluetoothをオフにしたり、あるいはイヤホンを再起動する手間あって面倒だ。
2. 一部メーカー品なら現在のペアリング接続を解除する必要なし(※この記事の主題)
この記事で紹介する「スマホ・PC間のペアリング切り替えが簡単なワイヤレスイヤホン」であれば、ペアリング切り替え都度、現在のペアリング接続を解除する必要なし。
Apple、Google、サムスンあたりのワイヤレスイヤホンが同仕様に対応する。いずれもBluetooth設定画面からイヤホン名を選択するだけで当該デバイスにペアリング接続先が強制的に切り替わる。
3. 同機能の正式名称らしい名称なし、「マルチペアリング」とは微妙に意味合いが異なる
同機能の正式名称らしい名称なし。当サイトで製品レビューするときは「ペアリング接続先の上書き切り替えに対応」などと記載している。
ネット情報だと「マルチペアリング」を同機能の正式名称かのように取り扱う情報もある。
ただ、あくまでマルチペアリングは複数デバイスのペアリング設定情報を記録・保持できる機能名称に過ぎない。記録できるだけで上書き切り替えを担保しているわけではない。勘違いせぬよう注意。
4. 特定2台のデバイス間で使いまわすだけなら「マルチポイント」でも十分
通常のワイヤレスイヤホンだと1台のデバイスとしか接続できない。
対してマルチポイント機能に対応したワイヤレスイヤホンなら最大2台(or 3台)のデバイスを同時接続できる。
なにかしらオーディオ再生を開始したデバイスに自動でオーディオ出力先が切り替わるため、そもそもペアリング接続先を手動で切り替える必要がなくなる。
特定2台のデバイス間でワイヤレスイヤホンを使うだけであれば、こうしたマルチポイント対応ワイヤレスイヤホンでも十分だ。
ペアリング切り替えが簡単なおすすめワイヤレスイヤホン8選
1. Apple「Beats Solo Buds」(価格12,800円)
2024年6月発売開始。Beatsの新作エントリーモデル「Beats Solo Buds」。
Beatsは全製品ともペアリング接続先の上書き切り替えに対応。Beats最安モデルとなるBeats Solo Budsも当然ながら対応する。
Beats Solo Budsは、Beatsらしい低音サウンド、軽量コンパクトなイヤホン装着感に強み。ワイヤレスイヤホンでは珍しくイヤホン本体側のみバッテリー搭載。イヤホン単体で18時間使える。
目立った機能こそないものの1万円くらいで買えるペアリング切り替えが簡単なワイヤレスイヤホンという意味では丁度いいポジションの製品かと思う。
2. サムスン「Galaxy Buds FE」(価格1.2万円)
Galaxy Buds FEは、"FE"(サムスン Fun Edition)名義を冠したGalaxy Budsの入門モデル。2023年9月に発売開始した。
Galaxy Budsシリーズは全製品ともペアリング接続先の上書き切り替えに対応。Galaxy Buds FEも上書き切り替えできる。
Galaxy Buds FEはノイズキャンセリング機能が使えるほか、オーディオは低音重視でわりとしっかりした作り。Galaxyスマホで使う場合ならサムスン独自のBluetoothコーデック「Samsung Scalable」を使った高音質オーディオ再生も可能だ。
ペアリング切り替えの勝手を重視しつつ、Galaxyスマホユーザー、あるいはノイズキャンセリングを使いたい人だとGalaxy Buds FEは丁度いい選択肢になる。
3. パナソニック「Technics EAH-AZ40」(価格1万円)
Technics EAH-AZ40は、パナソニック「Technics」ブランドの旧世代モデル(2021年モデル)。2024年時点で後継機が登場したが、現在も販売継続中。価格は1.5万円→1万円前後に値下げ。
旧世代モデルとは思えぬ勝手のよさあり。ペアリング接続先の上書き切り替えに対応するほか、マルチポイントにも対応する。
高級オーディオブランド「Technics」ならではの高音質オーディオも健在。中音域〜高音域にかけて音の粒が細かいクリア・サウンド。もともと1.5万円の製品だったこともあり、現在なお下手なワイヤレスイヤホンよりも高音質。
旧世代モデルでも構わない人であれば、コスパと機能性と音質の観点から Technics EAH-AZ40 はかなりおすすめ。
4. パナソニック「Technics EAH-AZ40M2」(価格1.5万円)
先に紹介した Technics EAH-AZ40 の後継モデル「Technics EAH-AZ40M2」。2023年10月に発売開始した。
Technicsシリーズは全製品ともペアリング接続先の上書き切り替えに対応。また、マルチポイントにも対応する。Technics EAH-AZ40M2 は業界初となるマルチポイント3台接続に対応。もはや"ペアリング切り替え”なる概念を喪失するレベルの勝手のよさあり。
音質は言わずとしれた高音質仕様。ハイレゾを思わす”淀みない”クリア・サウンドが特徴的。くわえて、今作よりLDACコーデックに対応。より明瞭な音に磨きをかけた。
コスパ重視の人なら前作モデルでも十分だが、マルチポイント3台接続に興味がある人、できるだけ新製品がいい人だと Technics EAH-AZ40M2 がおすすめ。
5. Google「Pixel Buds A-Series」(価格1万円)
Google Pixel Budsの通常版モデル「Pixel Buds A-Series」。
Googleのワイヤレスイヤホンはペアリング接続先の上書き切り替えに標準対応。上位版モデルならマルチポイント機能にも対応する。マルチポイントが必要ない人なら通常版モデルこと Pixel Buds A-Series で十分。
音質や機能面で特色なく全体的に地味なワイヤレスイヤホンだが、ペアリング勝手のよさの1点において購入する価値はある。相場価格は1万円前後だが、ときたまイオシスで未使用品7,980円の販売あり。先にイオシスを覗いておいた方がいい。
6. Amazon Echo Buds(第二世代)(価格12,980円〜)
Amazon純正ワイヤレスイヤホン「Echo Buds」。音声UI「アレクサ」を内蔵したEchoシリーズの1製品として展開される。
ペアリング接続先の上書き切り替えに対応するほか、マルチポイントも使える。ノイズキャンセリングやケースのワイヤレス充電(Qi)にも対応するなど、Amazonベーシック製品を思わす市場ニーズのツボを抑えたコスパ製品に。
標準価格は12,980円〜だが、Amazonセール期なら6,980円〜購入可能。ワイヤレス充電(Qi)非対応版ならもっと安い。Amazonセール期を狙って購入したい。
7. ソニー「WF-C700N」(価格1.4万円)
ソニーの中堅モデル「WF-C700N」。2023年に登場したソニーの現行機種の1つ。
ソニーのワイヤレスイヤホンはペアリング接続先の上書き切り替えに対応(※古い製品を除き)。WF-C700Nもペアリング接続先の上書き切り替えに対応する。
また、マルチポイント機能にも対応。2台のデバイスを同時接続できる。
ソニーの上位版モデル同様にノイズキャンセリング機能やDSEE(ソニー独自の音質補正機能)にも対応。そのうえでの価格1.4万円とあり、非常にコスパよい1品に。
そのほかペアリング接続先の上書き切り替えに対応する主な製品
AirPodsシリーズ
AirPodsシリーズは、いずれもペアリング接続先の上書き切り替えに対応。また、Appleデバイス間であればマルチポイント接続もできる。
【現行モデル】AirPods Pro(第2世代)(価格39,800円)
2022年9月発売開始。ノイズキャンセリング&外音取り込み機能に対応した上位版モデル。
【現行モデル】AirPods(第3世代)(価格27,800円)
2021年10月発売開始。ノイズキャンセリングに対応しない通常版AirPodsの最新モデル。
Beatsシリーズ
Beats(Beats by dr.Dre)はApple傘下のオーディオブランド。ペアリング仕様に関してはAirPodsに準拠。ペアリング接続先の上書き切り替えにも対応する。
【現行モデル】Beats Fit Pro(価格2.2万円)
2022年1月発売開始。Beatsワイヤレスイヤホンの最上位モデル。Apple自社製チップを搭載。Appleデバイスのマルチポイント接続、Apple独自の空間オーディオ再生など利用可能。
【現行モデル】Beats Studio Buds +(価格2.5万円)
2023年6月に発売開始。Beatsの現行スタンダードモデル。Apple自社製チップは搭載せず。純然たるBeatsオーディオを堪能するためのオーディオ特化仕様。
【旧世代モデル】Beats Studio Buds(価格1.7万円)
Beats Studio Budsの旧世代モデル(2021年8月販売)。現在も販売継続中。価格1.7万円ほど。Apple自社製チップは搭載せず。
ソニー
ソニーは最新モデルに限りペアリング接続先の上書き切り替えに対応。マルチポイントもほぼ標準搭載する。
【現行モデル】LinkBuds S(価格2万円)
2022年6月発売。ソニーの見本市モデル「LinkBuds」。上位版モデル同等のハイエンド機能を2万円でもろもろ搭載した。マルチポイントも使える。ワイヤレス充電(Qi)のみ対応せず。
【現行モデル】LinkBuds(価格2万円)
2022年2月発売。ソニーの見本市モデル「LinkBuds」の初代モデル。イヤホン装着でも耳穴を完全にふさがない”ながら聞き”イヤホンとして人気。骨伝導イヤホンの感覚でイヤホンを使いたい人向け。
【現行モデル】WF-1000XM5(価格3.3万円)
2023年に登場したソニーの現行フラッグシップ。業界トップと名高い高性能ノイズキャンセリング、音質をハイレゾ相当に補正する「DSEE Extreme」機能に強み。
この記事のまとめ
ここまで「スマホ・PC間の切り替えが簡単なワイヤレスイヤホン」をまとめてきた。
対応する製品はもろもろ1万円を超えてくるが、Beats Solo Buds あたりなら12,800円(直販)で購入できてコスパよい。
よりコストカットしたい人であればマルチポイント対応のワイヤレスイヤホンを検討したい。むしろ特定2台のデバイス間でワイヤレスイヤホンを使いたいだけならマルチポイント製品でも十分。
2024年現在、マルチポイントに対応した1万円以下のワイヤレスイヤホンが増えており、いざマルチポイント対応のワイヤレスイヤホンを選んだ方が安上がりかもしれない。
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