シャオミのU1万円マルチポイント対応モデル「Xiaomi Redmi Buds 4 Pro」をレビュー。
正味9,000円でマルチポイント、ノイズキャンセリング、空間オーディオ再生を揃えた Xiaomi Redmi Buds 4 Pro 。コスパのよさは折り紙付きだ。
マルチポイントが使いたい人、ワイヤレスイヤホンを複数デバイス間で使いまわしたい人に特におすすめ。
また、ノイズキャンセリングや空間オーディオ再生も実用水準の実力あり。ここらのハイエンド機能を使ってみたい人だと機能的にも価格的にも丁度いい入門機になりそうだ。
▶ レビュー概略
基本情報
発売時期 | 2023年3月 |
市場価格 | 9,000円前後 |
販売元メーカー | シャオミ(中国) |
製品仕様(抜粋)
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
ハイレゾ再生コーデック | 対応(LDAC) |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | × |
防水 | 対応(IP54) |
製品評価
低音 | (4) |
中音 | (4) |
高音 | (3.5) |
イヤホンの装着感 | (4) |
ノイズキャンセリング | (4) |
外音取り込み機能 | (4) |
マイク性能 | (4.5) |
バッテリー性能 | (5+) |
イヤホン単体9時間、ケース併用で最大36時間 |
ここがGood!!
- マルチポイント対応、2台のデバイス間でペアリング切り替えの必要なし
- 実用水準の空間オーディオ再生に対応、音の迫力が明確に変化
- 通話マイクは高品質、屋内外で使いまわせる
- ケース併用で36時間使える長時間バッテリー搭載
ここがBad...
- 充電ケースのデザインはパチもんAirPodsそのもの
- そのわりに充電ケースがワイヤレス充電(Qi)非対応
こんな人におすすめ
Xiaomi Redmi Buds 4 Pro は、機能性重視のワイヤレスイヤホンを探している人におすすめ。
価格9,000円でマルチポイント、ノイズキャンセリング、空間オーディオ再生など対応。AirPodsと同等ベクトルで勝負できる機能性重視のワイヤレスイヤホンに。
シャオミのワイヤレスイヤホンにしては音質もクリア。低音こもった感じない。長時間のリスニングでも聞き疲れなくて心象よい。
製品カラーリングは2色
カラーリングはブラック、ホワイトの2色展開。レビューはホワイトで行う。
▶ レビュー詳細
この記事の目次(タッチで移動)
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Xiaomi Redmi Buds 4 Pro の製品概要
スペックシート抜粋
Bluetoothバージョン | 5.3 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC、LDAC |
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
防水性能 | IP54 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体9時間 |
ケース併用で最大36時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
イヤホンの装着検出機能 | 対応 |
専用アプリ | あり(iOS、Android) |
付属品
イヤーピース(S・M・L)、USBケーブル、取扱説明書が付属する。
Xiaomi Redmi Buds 4 Pro のペアリング・マルチポイント仕様
ペアリング仕様抜粋
Google Fast Pair | × |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | × |
新規ペアリングモードの起動方法 | ケース底面のボタンを2秒長押し |
Google Fast Pair とは?
Google Fast Pairは、Googleが提供するペアリング簡素化システム。
Android OS 6.0以上のスマホであれば、専用のポップアップ画面からワンタップで初回のペアリング設定できる。
マルチポイントとは?
マルチペアリングとは?
マルチペアリングとは、複数デバイスのペアリング設定情報が記録できる機能のこと。
1度記録してしまえば次回以降に再度セットアップする必要がなくなり、ケースふたを開くだけでデバイスと再接続できる。
昨今のワイヤレスイヤホンだとおおよそ5台〜10台のデバイスのペアリング設定情報が記録できる。
ペアリング接続先の上書き切り替えとは?
違うデバイスにペアリング接続先を切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。
他方、一部メーカー品であれば現在のペアリング接続を解除せず、ペアリングを移したいデバイスのBluetooth設定画面でイヤホン名を選択するだけでペアリングを上書きして切り替えられる。
新規ペアリングモードの起動方法について
初回設定時はケースふたを開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。
2回目(2台目)以降のペアリングを行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。
新規ペアリングモードの起動方法
左右イヤホンをケースに入れ、ケースふたを開いた状態にして、ケース底面にあるペアリングボタンを2秒長押しで新規ペアリングモードに切り替えられる。
複数デバイス間のペアリング切り替え方法
ペアリング接続先の上書き切り替え不可。接続先の切り替え都度、先に現在のペアリングを解除する必要あり。
ペアリングを解除するには新規ペアリングモードを起動、あるいは現在のペアリングデバイスのBluetoothをオフにする。
なお、新規ペアリングモードを起動した場合、マルチポイント接続しているデバイスが2台ともペアリング解除されるので注意。
マルチポイント仕様
マルチポイント接続可能台数 | 最大2台 |
オーディオ再生中の音声出力先の切り替え | 対応 |
マルチポイント機能に対応。オーディオ再生中・停止中に関係なく、なにかしらオーディオ再生を開始するだけで当該デバイス側に自動で音声出力先が切り替わる。
着信通知も問題なく可能。着信したデバイス側に自動で音声出力先が移動。そのまま着信音がイヤホンに通知される。イヤホンのボタン操作で着信対応も可能だ。
マルチポイント接続可能台数
マルチポイントで同時接続できるデバイスの台数のこと。もっぱら2台接続できる製品が一般的。
オーディオ再生中の音声出力先の切り替え
マルチポイントには、現在のオーディオ再生状態に関係なく音声出力先が切り替わるもの、現在のオーディオ再生が停止している場合のみ音声出力先が切り替わるものの2種類あり。
Xiaomi Redmi Buds 4 Pro の機能レビュー
バッテリーまわりのこと
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体9時間 |
ケース併用で最大36時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
バッテリー駆動時間は優秀。昨今のワイヤレスイヤホンだとケース併用で24時間使えるのがスタンダード。ケース併用36時間は業界相場よりも上だ。
ケース充電はUSB Type-Cケーブル使った有線充電のみ対応。ワイヤレス充電(Qi)には非対応。
通話マイク仕様
通話時ノイズカット機能 | 対応 |
風切り音カット | 対応 |
通話マイクは高品質。屋内外で使いまわせる。
通話時の周囲の音のノイズカット(トーンダウン)、および風切り音カットが明確に機能。通話音声に口元の音だけ浮かび上がるような錯覚ある完成度。
屋内でのビデオ通話もちろん、屋外で歩きながらのハンズフリー通話でも活用できそう。
ボタン操作
ボタン種類 | タッチセンサー |
操作コマンドの割り当て変更 | 対応 |
装着装着 | 対応 |
イヤホン外側にタッチセンサーボタンあり。音楽コントロールや通話対応が可能。音声アシスタント起動には対応せず。
タッチセンサー感度は安定。1回タッチ操作が封じられてることもあり、誤タッチ操作もなくて勝手よい。
スマホ操作コマンド(割り当て変更可能)
左イヤホン | 右イヤホン | |
2回タッチ | 再生/停止 | |
3回タッチ | 次の曲へ | |
長押し(割り当て変更不可) | ノイズキャンセリングON/OFF |
iOS・Android向けの専用アプリから操作コマンドのカスタマイズ可能。「前の曲へ」「音量アップ・ダウン」コマンドを別途追加できる。左右別々の操作コマンド指定も可能だ。
通話対応コマンド(割り当て変更不可)
左イヤホン | 右イヤホン | |
2回タッチ | 着信対応 | |
3回タッチ | 着信終了 | |
(着信時のみ)着信拒否 |
防水性能
防水性能 | IP4 |
防塵性能 | IP5 |
IP54の防塵・防水性能あり。雨、汗、泥、砂など防げる。日常使いなら大方問題ない。
専用アプリ
専用アプリ | あり(iOS、Android) |
イコライザー調整 | 対応 |
操作コマンドの割り当て変更 | 対応 |
低遅延モード(ゲームモード) | × |
イヤホンを探す | 対応 |
iOS・Android向けの専用アプリ「Xiaomi EarBuds」が利用可能。
アプリは使わなくても問題ないが、イコライザー調整や操作コマンドの割り当て変更などで使う機会が多め。また、空間オーディオ再生もアプリから設定する必要あり。
なお、Amazon上の説明だとiOSアプリが使用できないとの記載あるが、2023年9月時点、問題なくiOSアプリでも利用できてる。アプリもダウンロードできる(v1.5.0時点)。
Xiaomi Earbuds
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▶ iOS版アプリはこちら(リンク)
iPhoneとの相性
iPhoneとの相性 | (非常によい) |
AACコーデック | 対応 |
iOS向け専用アプリ | あり |
iPhoneとの相性は非常によい。
iPhoneで主流のBluetoothオーディオコーデックである「AAC」に対応。Androidスマホで使う場合と比べて音質面の相性は悪くない。
専用アプリやマルチポイントに関してもiPhoneユーザーでも問題なく使える。
Xiaomi Redmi Buds 4 Pro の外観デザイン&イヤホン装着感
イヤホン形状&デザインはまんまAirPodsだが、シルバーラインがせめてもの意地
イヤホン形状&デザインはまんまAirPods。ゆえにイヤホンの装着感は安定。よくも悪くもAirPods準拠の使い勝手。
イヤーピースのサイズさえ調整すれば耳問わず、人問わず難なく装着できるかと思う。
側面のシルバーラインがAirPodsとのせめてもの差別化ポイント(ブラック色だと普通の黒いライン)。
充電ケースはAirPodsのパチもん感が多分にあり
充電ケースはコンパクト。数値で言うと縦4.5cm、横6.5cm、厚み2cmほど。
握りこぶし一つで包めるサイズ感。男性であればズボンのポケットにしろ胸ポケットにしろ仕舞っておける。
ケース素材はプラスチック。AirPodsを思わすツヤテカ仕上げ。というかまんまAirPods。なぜここまで似せてしまったのかわからないレベルのAirPods。
シャオミのワイヤレスイヤホンなのでAmazonを探せば1,000円前後で買えるケースカバーが見つかる。AirPodsのパチもん感を薄めたい人ならケースカバーを活用あれ。
Xiaomi Redmi Buds 4 Pro の音質
意外にもクリアな音質
デフォルトの音質は中音域〜高音域を重視。いわゆる”クリアな音”。低音こもった感じがなくて音が聞きやすい。
シャオミのワイヤレスイヤホンだともれなく低音ドンシャリなイメージだが、一転してボーカルくっきりしてて驚き。音場の広さもそこそこあって(良い意味で)格安ワイヤレスイヤホンらしくない音質に。
高音域が少しばかりシャリシャリしてる気もするが、気になる人はイコライザー調整で対応したい。
イコライザー調整に対応
iOS・Android向けに配信している専用アプリ「Xiaomi EarBuds」を使ったイコライザー調整に対応。
低音増強、ボーカル増強、高音増強のいずれかに変更できる。デフォルトはバランス。デフォルト音質の高音域のシャリつきが気になる人なら低音増強あたりにカスタムあれ。
空間オーディオ再生(イマージブサウンド再生)は本格的な仕上がり
Xiaomi Redmi Buds 4 Pro は空間オーディオ再生こと”イマージブサウンド”に対応。iOS・Android向けの専用アプリから機能ON/OFFできる。
機能ONにすると明確に音の鳴り方が変化。通常のオーディオ再生時よりも低音の厚みが増し、音場が広がる。ホームオーディオっぽい音の増幅あってYouTube動画一つ見るにしろリッチコンテンツに化ける。
ワイヤレスイヤホン業界における空間オーディオの先駆者たるApple「AirPods」の空間オーディオ再生よりは劣るものの、これはこれで実用水準。空間オーディオ再生を名乗って恥ずかしくない実力あり。空間オーディオを試してみたい人だと価格的・機能的に丁度いい。
一部Androidスマホであれば「LDAC」接続が可能
Xiaomi Redmi Buds 4 Pro はBluetoothオーディオコーデック「LDAC」に対応。一部Androidスマホと接続すればLDAC接続になる(iPhoneはLDAC非対応)。
LDACはハイレゾっぽい高音質なオーディオ再生が可能になる。ただ、あくまでスペックシート上の高音質。筆者個人的にはあまり評価もしてないし期待もしてない。
ロッシー再生(オリジナル音源から音質が劣化する非可逆圧縮)でビットレートが最大990kbps止まりなので耳でわかるレベルの明確な音質の向上は見られない。過度な期待は禁物だ。
なお、LDACと空間オーディオは併用できない。どっちかと言うと空間オーディオを使った方が音を聞く満足度は高い。
ノイズキャンセリング&外音取り込み機能の実力は?
ノイズキャンセリングは実用水準の静けさ
Xiaomi Redmi Buds 4 Pro はノイズキャンセリング機能に対応。機能ONにすると周囲の音を中和・低減できる。
実用水準... と言えるだけの性能はあり。機能ONにすると周囲の音が1トーン、2トーンほどトーンダウン。ノイズキャンセリングならではの耳が詰まるような、周囲の音が”すっ”と消えていく感覚は味わえる。
ただ、人の話し声など高周波音にはあまり効果なし。電車やバスの中で使うと走行音こそ低減するが、周囲の人の声は残ってる。
なお、公式スペックシートだと遮音低減効果は公称マイナス43dbとハイエンドモデル級の性能値。とはいえ、筆者体感ではマイナス37dbくらい。さすがに43dbは盛りすぎだと思う。
概して価格に照らせば合格ラインのノイズキャンセリング性能。ノイズキャンセリングを試してみたい人だと丁度いい。
外音取り込み機能もそこそこ実用水準
Xiaomi Redmi Buds 4 Pro は外音取り込み機能に対応。機能ONにするとイヤホンマイク通じて周囲の音を集音。イヤホンを装着したままスピーカー通じて周囲の音が聞き取れる。
いざ使うと周囲の音が取り込めてる。イヤーピースによる物理的な音こもりこそ残るものの、気持ち周囲の音の6〜7割くらいは取り込めてる印象。目立ったノイズも出ておらず、普段使いでストレスなく使える完成度。
屋外で歩きながら、安全考慮しながらイヤホンを使いたいときなど音量下げつつ機能ONにしておけば”ながら聞き”運用も現実的だ。
Xiaomi Redmi Buds 4 Pro の気になったところ(あるいはデメリット)
ケースのパチもんAirPods感は拭えず
毎度ながらなぜここまでAirPodsに似せてしまうのかわからない。
充電ケースのデザインがまんまAirPods。そのわりにケースがワイヤレス充電(Qi充電)には対応せず。
ケースカバーに入れてしまえば関係ないが、裸のまま使いたい人だと価格9,000円とは思えぬパチもん感にテンション下がりそう。
この記事のまとめ
ここまで Xiaomi Redmi Buds 4 Pro をレビューしてきた。
概して優秀なワイヤレスイヤホン。U1万円でマルチポイントが使えるのはもちろん、実用水準のノイズキャンセリングだったり、明確に音の鳴り方が変化する空間オーディオ再生だったり、いずれも完成度の高い仕上がり。
オーディオもシャオミ・ワイヤレスイヤホンにしては珍しく中音域〜高音域を重視したクリアな音で心象よし。
充電ケースのパチもんAirPods感は拭えないが、もとよりケースカバーを付けてしまう人だと見てくれは関係ないかと思う。もっぱら機能性重視のワイヤレスイヤホンを探している人に Xiaomi Redmi Buds 4 Pro はおすすめしたい。
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