JBLの2023年仕様のフラッグシップモデル「JBL TOUR PRO 2」が登場です。
JBLらしい高音質オーディオにくわえ、ノイズキャンセリングやマルチポイントなど最新のトレンド機能を網羅。バッテリー駆動時間はケース併用40時間とスタミナ仕様です。
また、製品の最大の特徴たる「スマートディスプレイ」。充電ケース上のタッチディスプレイから所々オーディオ操作できるギミックが追加されました。ガジェット好きにはたまらぬビジュアルでしょう!
価格は2.8万円とさすがのフラッグシップ価格ですが、価格だけの機能と価値はある、非常に満足感の高いワイヤレスイヤホンです。もとよりフラッグシップ級のワイヤレスイヤホンを探している人なら JBL TOUR PRO 2 は文句なしにおすすめです。
この記事では、JBL TOUR PRO 2 を実機でレビューしていきます。
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JBL TOUR PRO 2 の製品概要
基本情報
発売時期 | 2023年3月 |
市場価格 | 3万円前後 |
販売元メーカー | JBL(ハーマン)(米国) |
スペックシート
Bluetoothバージョン | 5.3 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | ✗ |
防水性能 | IPX5 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体10時間 |
ケース併用で最大40時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
JBL TOUR PRO 2 の外観・デザイン
イヤホンデザイン
業界一般的なステムデザイン(筒が伸びたデザイン)、JBLいわくの"ショートスティック型イヤホン"を採用。
他社製品よりもステムが短め。イヤホン装着すると耳元ですっきり収まります。イヤーピースのサイズさえ調整すれば大方の耳に合います。
イヤホン重量は片側6gと相場よりも少し重めですが、イヤホン重量が全体に分散されてることもあり、装着感は不思議と軽め。長時間のイヤホン装着でも疲れにくいです。
イヤホン外側にはタッチセンサーボタンを搭載。オーディオ操作や通話対応が可能です。
iOS・Android向けの専用アプリを使えば操作コマンドの割り当て変更もできます。
以下の操作コマンドを左右それぞれに割り当て可能
1. 再生&音声アシスタントの操作
1回タッチ | 再生/停止 |
2回タッチ | 次の曲へ |
3回タッチ | 前の曲へ |
1回タッチ → 長押し | 音声アシスタント起動 |
2. 音量コントロール
1回タッチ | 音量上げる |
2回タッチ | 音量下げる |
1回タッチ → 長押し | 音声アシスタント起動 |
3. アンビエントサウンドの操作
1回タッチ | ノイズキャンセリング←→外音取り込み機能 |
2回タッチ | トークスルーON/OFF |
1回タッチ → 長押し | 音声アシスタント起動 |
通話対応コマンド(割り当て変更不可)
左イヤホン | 右イヤホン | |
2回タッチ | 着信対応/終了 | |
1回タッチ → 長押し | 着信拒否 |
イヤホンの着脱検出(装着検出)こと”オートプレイ機能”にも対応。
オーディオ再生中にイヤホンを耳から外すとオーディオ再生が自動停止。イヤホンを耳に装着し直すとオーディオ再生が自動開始します。iOS・Android向けの専用アプリから機能OFFにも変更できます。
充電ケース
充電ケースは少し大きめ。サイズで言うと縦5.5cm、横6cm、厚み3cmほど。
手で握ったときのサイズ感はテニスボールくらい。シャツの胸ポケットに入れておくと明確に存在感あり。スマートディスプレイを搭載したせいか、他社製品よりも気持ち大きめです。
ケースはワイヤレス充電(Qi)に対応。スマホ向けのワイヤレス充電器が使いまわせます。有線で充電する場合はUSB Type-Cケーブルが必要です(同梱あり)。
スマートディスプレイについて
JBL TOUR PRO 2 の最大セールスポイントたる「スマートディスプレイ」。
充電ケース上のタッチディスプレイを通じて以下のような操作が可能です。
- オーディオ再生/停止
- 曲送り
- 曲戻し
- 音量調整
- イコライザー調整
- 空間オーディオ(空間サウンド)切り替え
- タイマー開始&停止
大方の操作はiOS・Android向けの専用アプリから操作できるものの(あるいはイヤホンのタッチボタン経由)、PC接続時であってもスマートディスプレイ経由で同等の操作できるので、地味に使う機会は多いです。
なにより充電ケースでオーディオ操作できる新味感はたしかにあり。ガジェオタ好みのガジェットに仕上がってます。
ただのフラッグシップ・イヤホンだとつまらない、なにか一つ新味感がほしい人だと JBL TOUR PRO 2 のスマートディスプレイが紛うことなきセールスポイントとなりそうです。
JBL TOUR PRO 2 の音質レビュー
音質はボーカル重視
JBLらしいボーカルくっきりした音質。プラスαで低音に厚み。クリアで迫力ある音です。
音場も広く、音の力強さのわりに音こもった感じもない。ボーカルを中心にしてオーディオが楽しめます。
iOS、Android向けに配信している専用アプリ「JBL Headphones」を使ったイコライザー調整にも対応。プリセット変更ほか、目盛り単位の細かなチューニングも可能です。
なお、LDACコーデックには対応しません(フラッグシップモデルでは意外ですが)。
JBL独自の空間オーディオ対応、実用性はギリ見いだせる
Appleやソニーが相次ぎ展開している「空間オーディオ」(立体音響オーディオ)。これのJBL版こと「空間サウンド」に初対応。iOS、Androidともに利用できます(PC環境でも可)。
完成度はまあまあ。3モードあって、うち「ムービー」モードだと明確に空間オーディオらしさあり。アクション映画やASMR動画など見てると音が四方八方に分散。イヤホン再生ながらホームシアター再生しているような音の厚みが感じられます。
他のモード(ミュージック、ゲーミング)だと正直代わり映えしません。
JBL TOUR PRO 2 の機能レビュー
ノイズキャンセリング
外音取り込み性能 | (5) |
JBL TOUR PRO 2 はノイズキャンセリング機能に対応。機能ONにすると周囲の音を低減・中和できます。
低周波音を中心に音をしっかりと遮断。ボーカルくっきりした音質と相まり、ノイズキャンセリングONの状態なら電車のガタゴト音の中でオーディオ再生しててもボーカルや動画の台詞など明確に聞き取れます。
ホワイトノイズ("サーッ”といった機械音)も全くなし。オーディオ再生を止めてノイズキャンセリング単体でデジタル耳栓として使いたい人にもおすすめです。
外音取り込み機能(ながら聴き機能)
外音取り込み性能 | (4.5+) |
イヤホンを装着したまま周囲の音が聞き取れる「外音取り込み」機能にも対応。
音の取り込み性能はなかなか優秀。機能ONにすると明確に周囲の音が明るくなります。
機能ONにしつつ、オーディオ音量を下げておけば、音楽を聞きながら周囲の生活音も聞き取れる、いわゆる”ながら聞き”運用も可能です。コンビニレジでイヤホン付けたままの会話も問題ありません。
音の取り込み量は調整可能。iOS・Android向けの専用アプリからカスタマイズできます。
通話マイク品質
通話マイク性能 | (5) |
通話マイク性能は極めて優秀。通話音声から周囲の音、および風切り音を除去。口元の音だけピックアップして通話転送してくれます。
口元の音のピックアップ精度は非常に高い。屋外で通話してても通話音声の9割近くが集音できます。屋外でマイク代わりに使いたい人にも最適です。
マルチポイント・ペアリング切り替え勝手
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | ✗ |
マルチポイント機能に対応。最大2台のデバイスを同時接続。なにかしらオーディオ再生を開始したデバイス側に自動でオーディオ出力先が切り替わります。都度、手動でオーディオ出力先(というかペアリング接続先)を切り替える必要はありません。
ペアリング接続先の上書き切り替えには非対応。特定2台のデバイス間ならマルチポイントで事済みますが、マルチポイント接続外の3台目〜のデバイスに接続する場合、先に現在のペアリング接続を解除する必要あり。
バッテリー持ち・充電環境
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体10時間 |
ケース併用で最大40時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
バッテリー駆動時間は優秀。昨今だとケース24時間〜30時間くらいの製品が一般的ですが、ケース併用で40時間使えます。
ワイヤレス充電(Qi)にも対応。有線で充電する場合はUSB Type-Cケーブルが必要です(同梱あり)。
まとめ
【Good!】よかったところ
- ボーカルくっきりした高音質オーディオ
- ノイズキャンセリング機能は高性能
- マルチポイント対応
- "スマートディスプレイ"なるガジェオタ好みのガジェット感
【Bad...】気になったところ
- スマートディスプレイの操作バリエーションが少ない
JBL TOUR PRO 2 は、音質・機能性ともに優秀な王道フラッグシップ感にくわえ、”スマートディスプレイ”なるガジェオタ好みの要素を追加した意欲作。そのビジュアル、その操作性、ともに目を見張るものがあります。
ただ、同時にスマートディスプレイの操作バリエーションは少なめ。オーディオ再生/停止、音量操作などイヤホン本体からも操作できてしまうため、あえて充電ケース経由で操作するシチュエーションが少なかったりします。
ワイヤレスイヤホンとしては非常に優秀。音質・機能ともに文句ありません。価格は2.8万円とフラッグシップ級の価格ですが、もとは取れるはずです。
”スマートディスプレイ”狙いの人よりかは、フラッグシップ性能プラスαでスマートディスプレイを狙っている人だと JBL TOUR PRO 2 は丁度いい製品かもしれません。
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