Amazon限定で登場したJBLの隠れモデル「JBL WAVE FLEX」をレビュー。
先に登場した2in1イヤホン「JBL TUNE FLEX」のインナーイヤー特化版。インナーイヤー型イヤホンならではの軽い装着感、JBLらしいボーカルくっきりしたクリアな音質、そして異様に高品質な通話マイクを揃えた。
ノイズキャンセリングやマルチポイントなど流行り機能こそ対応していないが、これはこれであり。音質重視のインナーイヤー型イヤホンとしておすすめ。
▶ レビュー概略
基本情報
| 発売時期 | 2022年11月 |
| 市場価格 | 8,800円前後 |
| 販売元メーカー | JBL（ハーマン）（米国） |
製品仕様（抜粋）
| ノイズキャンセリング | × |
| 外音取り込み機能 | 対応 |
| ハイレゾ相当再生 | × |
| マルチポイント | × |
| ペアリング接続先の上書き切り替え | × |
| 防水・防塵 | 対応（IP54） |
製品評価
| 低音 | （4） |
| 中音 | （4.5） |
| 高音 | （4） |
| イヤホンの装着感 | （4） |
| ノイズキャンセリング | -- |
| 外音取り込み機能 | （3） |
| マイク性能 | （4.5） |
| ペアリング切り替え勝手 | （2） |
| バッテリー性能 | （5） |
| イヤホン単体8時間、ケース併用で最大32時間 |
ここがGood!!
- インナーイヤー型イヤホンならではの軽い装着感
- 音漏れ少ないイヤホン構造（インナーイヤー型にしては）
- ボーカルくっきりした聞き心地よい音質
- 通話マイクは高品質
- ケース併用で最大32時間使えるロングバッテリー
ここがBad...
- ペアリング切り替え勝手が悪い（複数デバイス間で使いまわしにくい）
- 外音取り込み機能はオマケ
こんな人におすすめ
JBL WAVE FLEX は、音質重視のインナーイヤー型イヤホンを探している人におすすめ。
ボーカルくっきりしたJBLらしいサウンドに加え、スピーカーの開口部を狭くすることで低音を確保。インナーイヤー型イヤホンながらも低音がスカスカにならず心証よい。
イヤーピースを使わないインナーイヤー型イヤホンとあり、長時間のイヤホン装着でも耳が疲れない。というか何も装着していないように錯覚する軽さ。夏場だと耳の中が蒸れなくて勝手よし。
製品カラーリングは2色
カラーリングはブラック、ホワイトの2色。レビューモデルはブラック。
▶ レビュー詳細
この記事の目次（タッチで移動）
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JBL WAVE FLEX の製品概要
スペックシート抜粋
| Bluetoothバージョン | 5.2 |
| Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
| ノイズキャンセリング | × |
| 外音取り込み機能 | × |
| マルチポイント | × |
| 防水性能 | IP54 |
| バッテリー駆動時間 | イヤホン単体8時間 |
| ケース併用で最大32時間 | |
| ケース充電方法 | USB Type-C（有線）のみ |
| イヤホンの装着検出機能 | × |
| 専用アプリ | 対応（iOS、Android） |
付属品
USBケーブル、取扱説明書が付属する。
インナーイヤー型イヤホンのためイヤーピースは用意せず。
JBL WAVE FLEX のペアリング仕様
ペアリング仕様抜粋
| Google Fast Pair | 対応 |
| マルチポイント | × |
| マルチペアリング | 対応（最大?台） |
| ペアリング接続先の上書き切り替え | × |
| 新規ペアリングモードの起動方法 | ペアリング再接続できない状態で数秒放置 |
Google Fast Pair とは？
Google Fast Pairは、Googleが提供するペアリング簡素化システム。
Android OS 6.0以上のスマホであれば、専用のポップアップ画面からワンタップで初回のペアリング設定できる。
マルチポイントとは？
マルチペアリングとは？
マルチペアリングとは、複数デバイスのペアリング情報が記録できる機能のこと。
1度記録してしまえば次回以降に再度セットアップする必要がなくなり、ケースふたを開くだけでデバイスと再接続できる。
昨今のワイヤレスイヤホンだとおおよそ5台〜10台のデバイスのペアリング情報が記録できる。
ペアリング接続先の上書き切り替えとは？
複数デバイス間でペアリング接続先を切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。
一部のワイヤレスイヤホンであれば現在のペアリング接続を解除せず、ペアリングを移したいデバイスのBluetooth設定画面でイヤホン名を選択するだけでペアリングを上書きして切り替えられる。
新規ペアリングモードの起動方法について
初回設定時はケースふたを開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。
2回目（2台目）以降のペアリングを行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。
新規ペアリングモードの起動方法
新規ペアリングモードを手動で起動するためのボタンや操作コマンドの用意なし。
ケースからイヤホンを取り出し、ペアリング再接続できない状態で数秒放置すると自動で新規ペアリングモードに切り替わる仕様だ。
2台目以降のペアリング接続設定を行う場合は、既存デバイスのBluetoothを全OFFにしてペアリング再接続しないよう準備する必要あって面倒。
複数デバイス間のペアリング切り替え方法
ペアリング接続の上書き切り替え不可。切り替え都度、先に現在のペアリング接続を解除する必要あり。
ペアリングを解除するには現在のペアリングデバイスのBluetoothをOFFにする。
ペアリングが解除された状態でBluetooth設定画面からイヤホン名を選択すると当該デバイスにペアリング接続先が切り替わる。
JBL WAVE FLEX の機能レビュー
バッテリーまわりのこと
| バッテリー駆動時間 | イヤホン単体8時間 |
| ケース併用で最大32時間 | |
| ケース充電方法 | USB Type-C（有線）のみ |
バッテリー駆動時間はケース併用32時間と優秀クラス。
今日のワイヤレスイヤホンだとケース併用で30時間〜使えればほぼ業界トップクラス水準だ。
ケース充電方法は有線のみ。ワイヤレス充電（Qi充電）には非対応。
通話マイク仕様
| 通話時ノイズカット機能 | 対応 |
| 風切り音カット | 対応 |
価格に照らして通話マイクは高性能。屋内外で問題なく使いまわせる。
通話時の周囲の音のノイズカット（トーンダウン）、および声のピックアップが機能してる。風切り音（通話マイクに当たった風の音）もきれいに除去。
多少なりに騒音がある場所でも難なく通話できそうな印象。ウェブ通話のためのマイクを探している人にもおすすめ。
ボタン操作
| ボタン種類 | タッチセンサー |
| 操作コマンドの割り当て変更 | 対応 |
| イヤホンの装着検出 | × |
イヤホン外側にタッチセンサーボタンあり。音楽コントロール、通話対応、音声アシスタント起動などひととおり操作可能。
タッチ感度は安定。複数回タッチもきちんと回数分カウントされる。普段使いでタッチミスは少ない。
左右それぞれに以下3つから1セットづつ割り当て可能。
再生コントロール
| 1回タッチ | 再生/停止 | |
| 2回タッチ | 次の曲に進む | |
| 3回タッチ | 前の曲に戻る | |
| 1回タッチ→長押し | 音声アシスタント起動 | |
音量コントロール
| 1回タッチ | 音量1アップ | |
| 2回タッチ | 音量1ダウン | |
| 1回タッチ→長押し | 音声アシスタント起動 | |
アンビエントサウンド
| 1回タッチ | 外音取り込み機能ON/OFF | |
| 2回タッチ | トークスルーON/OFF | |
| 1回タッチ→長押し | 音声アシスタント起動 | |
通話対応コマンド（割り当て変更不可）
| 左イヤホン | 右イヤホン | |
| 2回タッチ | 着信対応/終了 | |
| 1回タッチ→長押し | 着信拒否 | |
防水性能
| 防水性能 | IP4 |
| 防塵性能 | IP5 |
相場相当のIP4の防水性能、およびIP5の防塵性能あり。雨、汗、砂ホコリなど防げる。日常使いなら屋外での利用も大方問題ない。
専用アプリ
| 専用アプリ | あり（iOS、Android） |
| イコライザー調整 | 対応 |
| 操作コマンドの割り当て変更 | 対応 |
| 低遅延モード（ゲームモード） | 対応 |
| イヤホンを探す | 対応 |
※アプリのファームウェアv3.9.0時点
iOS、Android向けの専用アプリ「JBL Headphones」が利用可能。
アプリは使わなくても問題ないが、イコライザー調整やタッチ操作コマンドの割り当てカスタマイズしたい人だと必須。
iPhoneとの相性
| iPhoneとの相性 | （非常によい） |
| AACコーデック | 対応 |
| iOS向け専用アプリ | あり |
iPhoneとの相性は非常によい。
iPhoneで問題なくオーディオ再生できるほか、iPhoneで主流のBluetoothオーディオコーデックである「AAC」にも対応。音質面の相性も悪くない。
専用アプリもiOS向けに提供あり。アプリからイコライザー調整など可能だ。
JBL WAVE FLEX の外観デザイン＆イヤホン装着感
イヤホンの装着感は非常に軽い
イヤホン外側
イヤホン内側
イヤホン横側
イヤホン片側4gの軽量仕様。イヤーピースを使わないインナーイヤー型イヤホンとあり、装着感は非常に軽い。数分も装着してると装着感が消失。一見すると何も付けていないよう錯覚する。
ケースは小さめ、ズボンのポケットに入るサイズ
充電ケースは小さめ。数値で言うと縦5cm、横5.5cm、厚み2cmほど。
握りこぶし一つで包めるサイズ感。厚みが2cmしかなく、手で持つと非常に小さく感じる。
男性であればズボンのポケットにしろ胸ポケットにしろ仕舞っておける。出先に持ち出すときなど邪魔になることもないだろう。
ケース素材はプラスチック。特に加工らしい加工なし。プラスチックならではの安っぽさ、あるいは野暮ったさは否めない。
気になる人だとケースカバーを使いたい。JBL製品（大手メーカー製品）とあってかAmazonなど探すと野良ブランドのケースカバーが多め。だいたい1,000円前後で購入できる。
JBL WAVE FLEX の音質
音質はボーカルくっきりで聞き心地よし
JBLサウンドは健在。スピーカーを思わすボーカルくっきり出たオーディオ・チューニングのおかげで音楽が聞きやすい。
おまけにイヤーピースを使わないインナーイヤー型イヤホンとあり、音こもりらしい音こもりない。長時間のリスニングでも聞き疲れない。
JBLのインナーイヤー型イヤホンは他社製品よりもスピーカー開口部が小さめ。インナーイヤー型の弱点たる低音も適度に残ってる。
イコライザー調整も可能
iOS、Android向けに配信している専用アプリ「JBL Headphones」を使ったイコライザー調整が可能。
音楽シチュエーションに合わせたテンプレ変更ほか、目盛り単位の細かなチューニングにも対応。もっぱら低音を強めたい人なら活用あれ。
JBL WAVE FLEX の気になったところ（あるいはデメリット）
外音取り込み機能はおまけ
JBL WAVE FLEX は「外音取り込み機能」に対応。機能ONにするとマイク通じて周囲の音を集音。イヤホン・スピーカー通じてイヤホン装着したままでも周囲の音が聞き取れるようになる。
インナーイヤー型イヤホンで「外音取り込み機能」を搭載する珍しい試みだが、いざ使ってみると性能は微妙。
ホワイトノイズ（サーッといった取り込み音）が強くなるだけで同機能による音の取り込みはほとんど機能せず。
もとよりインナーイヤー型イヤホン。イヤーピースを使わないイヤホンとあり、よくも悪くも機能OFFの状態でも周囲の音は聞こえがち。あえて「外音取り込み機能」を使うメリットらしいメリットがないのが正直なところ。
ペアリング勝手は悪い（複数デバイス間で使いまわしにくい）
JBLのワイヤレスイヤホンは概して優秀。音質もボーカルくっきりしてて好き。... なんだけどもペアリング勝手の悪さだけが圧倒的な弱点として今日なお残る。
新規ペアリングモードを起動するためのボタンや操作コマンドが用意されず、手動で新規ペアリングモードが起動できない。
2台目以降のデバイスとペアリング接続設定する場合、既存デバイスのBluetoothを全OFFにしてペアリング再接続できない状態にする必要あって非常に面倒だ。
※ ペアリング再接続できない状態で数秒放置すると新規ペアリングモードに自動で切り替わる
また、違うデバイスにペアリング接続先を切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。これもまた現在のペアリングデバイスのBluetoothをオフにする必要あって面倒だ。
JBL WAVE FLEX に限らずJBLワイヤレスイヤホン全般に言えるデメリットだが、特に複数デバイス間でワイヤレスイヤホンを使いまわそうと考えている人だと同デメリットが響きがちなので注意あれ。
この記事のまとめ
ここまで JBL WAVE FLEX をレビューしてきた。
インナーイヤー型イヤホンならではの装着感の軽さ、JBLらしいボーカルくっきりした高音質サウンドが好印象。
なにゆえ搭載したのかわからない外音取り込み機能さておき、全体的に粗らしい粗がない優良モデル。インナーイヤー型イヤホンを探している人、イヤーピースなしの開放感あるイヤホンを好む人だと JBL WAVE FLEX は勝手の面でも価格においても丁度いい選択肢になるはずだ。
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