韓国サムスンが展開する純正ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds」(ギャラクシー・バッズ)。
2024年に全面リニュアル。通常版モデルに「Galaxy Buds3」、上位版モデルに「Galaxy Buds3 Pro」が展開されます。
うち、上位版モデルの「Galaxy Buds3 Pro」は価格3.7万円とワイヤレスイヤホン製品にしては高額ですが、AirPods ProやBOSEワイヤレスイヤホンと並ぶ高性能ノイズキャンセリング、そして外音取り込み性能あり。いざ3.7万円を出すだけの価値はあります。
この記事では、Galaxy Budsの上位版モデル「Galaxy Buds3 Pro」を実機レビュー。実際の使い勝手はどうなのか、実機でレビューしていきます。
この記事の目次(タッチで移動)
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Galaxy Buds3 Pro の製品概要
スペックシートを確認
発売時期 | 2024年8月 |
直販価格 | 38,500円 |
販売元メーカー | サムスン(韓国) |
Bluetoothバージョン | 5.3 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC、Samsung Seamless |
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | △(Galaxyデバイス間のみ) |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
防水性能 | IP57 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体6時間 |
ケース併用で最大30時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
製品概要・Galaxy Buds3との違い
Galaxy Buds3 Pro は、韓国サムスンが展開する純正ワイヤレスイヤホン。同時発表された Galaxy Buds3(価格27,500円)の上位版モデルの位置付けです。
Galaxy Buds3との主な違いは以下のとおり。
- イヤーピース搭載
- ノイズキャンセリング性能に特化
- 外音取り込み機能が利用可能(かつ高性能)
- 音の方向性
Galaxy Buds3 は、イヤーピースを使わないインナーイヤー型イヤホンとして展開。イヤホンの軽い装着感、音こもりにくいクリアな音質を強みとします。
対して Galaxy Buds3 Pro はイヤーピースを使った密閉型イヤホン。イヤーピースが耳穴としっかりとフィットすることで物理的な遮音性を確保。ノイズキャンセリング機能による静けさも補強します。
Galaxy Buds3もノイズキャンセリング機能こそ対応しますが、イヤーピースを使わないインナーイヤー型イヤホンのため、そこまで静かにはなりません。ノイズキャンセリング狙いの人であれば最初から Galaxy Buds3 Pro を選びべきです。
Galaxy Buds3 Pro は外音取り込み機能にも対応(※Galaxy Buds3は非対応)。イヤホンを装着したまま周囲の音が聞き取れます。周囲の音をほぼ10割方取り込む高性能仕様。常時機能ONにしておけば”ながら聴き”イヤホンとしても活用できます。
イヤーピースを搭載するため、低音もしっかりこもります。Galaxy Buds3シリーズはボーカルを中心とした音の作りですが、Galaxy Buds3 Proであればボーカルと一緒に力強い低音も楽しめます。
Galaxyスマホ専用のBluetoothコーデック「Samsung Seamless」にも対応。Galaxyスマホと接続して使えば、より高音質なオーディオ再生が可能です。
▼ Galaxy Buds3(通常版モデル)
Galaxy Buds3 Pro のデザイン・外観
イヤホンデザイン
従来の豆型デザインから刷新。安定した使い勝手が強みのステムデザイン(筒が伸びたイヤホンデザイン)に変更になりました。
サムスン公式いわくの”ブレードデザイン”を採用。角張ったエッジ感あるデザインが特に男性好み。シルバー色と相まってシャープでクールな雰囲気が多分にあります。
イヤホン外側のエッジ部分にはLEDを搭載。通知があったり、ペアリング設定時などにライトが点灯します。これまた格好いい。
業界一般的なステムデザインのイヤホンとあり、装着感も安定。イヤーピースのサイズさえ調整すれば大方の耳に合います。
イヤーピースは3サイズが付属。独自形状のイヤーピースであり、他社イヤーピースには交換できません。
ステム側面には感圧ボタンを搭載。ボタン操作でオーディオ・コントロールしたり、上下スワイプで音量調整できます。
感圧ボタンなのでイヤホン着脱時などに指腹が触れて誤反応することもありません。少しばかり力を入れて使います。タッチセンサーボタンや物理ボタンに比べると勝手いいです。
ボタン操作コマンド
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回押し | 再生/停止 | |
着信対応・終了 | ||
2回押し | 次の曲に進む | |
3回押し | 前の曲に戻る | |
長押し | ノイズキャンセリングの切り替え | |
着信拒否 |
「長押し」コマンドのみカスタマイズ可能。音声アシスタント操作、Spotify起動などに変更できます(左右別々の割り当ても可)。
イヤホンの着脱検出にも対応。オーディオ再生中にイヤホンを外すと自動停止。イヤホンを装着し直すと自動でオーディオ再生が開始します。
ケースデザイン
従来のスクエア型ケースは廃止。AirPodsケースを思わすオーソドックスなケースデザインに刷新されました。
ケースサイズはコンパクト。片手で握り込めるサイズ感です。
ケースの上蓋はスケルトン仕様に。ケース本体のシルバー色と相まってガジェット感が多分にあり。
ケースふたには「SAMSUNG」のロゴあり
ケースを開いたイメージ。
ケースはワイヤレス充電(Qi)に対応。スマホ向けのワイヤレス充電器がそのまま使いまわせます。なお、有線で充電する場合はUSB Type-Cケーブルが必要です(同梱あり)。
Galaxy Buds3 Pro の音質レビュー
音質は従来モデルよりも劇的に向上
低音 | (4.5) |
中音 | (4.5) |
高音 | (4) |
低音域〜中音域を重視したオーディオ・チューニング。なおかつ、音場が広くて臨場感あり。音を聴く満足感は非常に高めです。
通常版モデル「Galaxy Buds3」と異なりイヤーピースを搭載しているため、低音もしっかり鳴ります。それでもって極度に音こもった感じなく、ボーカルもしっかり楽しめます。
従来のGalaxy Budsシリーズは単なる低音イヤホンの側面あり、そこまで高音質なイメージはありませんでしたが、Galaxy Buds3 Pro は「音質重視のワイヤレスイヤホン」として括っても問題ないレベルの製品かと思います。
ハイレゾ・コーデックも利用可能(Galaxyスマホ専用)
Galaxyスマホ(One UI 4.0以上)と接続して使う場合なら「Samsung Seamless Codec」(サムスン・シームレス・コーデック)が利用可能。ハイレゾ音域(24bit/48kHz)でのオーディオ再生が可能です。
転送する情報量は88kbps〜512kbps止まりですが、通信環境に合わせて適時もっとも高音質な状態でオーディオ再生できるため、屋内外どこで音楽を聴いてても常時90点以上の高音質オーディオが楽しめます。
より上位のコーデックたる「SSC-UHQ」(24bit/96kHz)にも対応。One UI 6.1.1以上を搭載したGalaxy S24〜S23シリーズ、Galaxy Zシリーズなどであれば同コーデックで接続できます。
なお、Galaxyスマホ以外のAndroidスマホ、あるいはiPhoneで使う場合は「SBC」「AAC」のいずれかのコーデックで接続代替されます。
イコライザー調整にも対応
Android向けの専用アプリ「Galaxy Wearable」からイコライザー調整が可能(iOS向けにはアプリ配信なし)。
従来モデルは簡易なプリセット変更しかできませんでしたが、Galaxy Buds3 Pro は目盛り単位で細かくチューニングできます。
空間オーディオ再生にも対応(Galaxyスマホ専用)
Galaxyスマホと接続した場合に限り、サムスン独自の空間オーディオ再生が利用可能(正式名称は"360オーディオ")。アプリ関係なくオーディオ再生そのものを空間オーディオ仕様に変更できます。
空間オーディオの完成度は従来モデルよりも向上。従来モデルは高音域が劣化して音がカサついてましたが、今作は音の劣化がほとんどない。常時機能ONで使ってても気持ち悪くない実用水準の空間オーディオ再生です。
もとよりGalaxyスマホだと本体機能の「Dolby Atmos」を機能ONにすれば空間オーディオっぽいオーディオ再生が可能ですが、Galaxy Buds3 Proの空間オーディオはこれといい勝負。音の臨場感を重視する人だと常時機能ONで使うのもおすすめ。
Galaxy Buds3 Proの機能レビュー
ノイズキャンセリング
ノイズキャンセリング性能 | (5) |
遮音強度の調整 | 対応 |
ノイズキャンセリングは高性能。機能ONにすると周囲の音を遮音。明確な静けさが得られます。
ノイズキャンセリング利用に伴うホワイトノイズ(サーっといった機械音)も発生しておらず、オーディオ再生を停止した状態ならデジタル耳栓としても活用できる静けさです。
イヤーピースを大きめのものに変更すれば物理的な遮音性も向上。人の話し声など機械的なノイズキャンセリングではカットしにくい音も物理的に低減できます。イヤーピースの窮屈感が嫌いでなければイヤーピースのサイズ変更も検討したい。
ノイズキャンセリングの遮音強度は調整可能。遮音が強すぎて頭が痛い...といった人であればこれで調整したい。Android向けの専用アプリから調整できます(iPhoneだとアプリ配信なく調整不可)。
外音取り込み機能(ながら聴き機能)
ノイズキャンセリング性能 | (5) |
取り込み性能の調整 | 対応 |
イヤホンを装着したまま周囲の音が聞き取れる「外音取り込み」機能にも対応。
音の取り込み性能は高性能。ノイズキャンセリング機能と並び Galaxy Buds3 Pro のセールスポイントとして挙げられます。
機能ONにすると周囲の音のほぼ10割方を取り込み。取り込みに伴うノイズも発生しておらず、常時機能ONのままでも気持ち悪さありません。骨伝導イヤホンのような、"ながら聴き”用途で使いたい人にも最適です。
取り込み音がイヤーピースを通過することによる物理的な音こもり感こそ残りますが、機械的な音の取り込み性能に関しては業界トップクラスの完成度。それこそAirPodsやBOSEと並ぶ非常に高性能な外音取り込み性能です。
通話マイク品質
通話マイク性能 | (4.5) |
Galaxy Budsシリーズの代名詞たる通話マイク性能は健在。自分の声のノイズ除去、周囲の音のノイズ除去ともに機能してます。風切り音が少しばかり目立ちますが、屋内でビデオ通話する分には問題ありません。
マルチポイント・ペアリング切り替え勝手
マルチポイント | △(Galaxyデバイス間のみ可) |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
従来モデル同様にGalaxyデバイス間に限ったマルチポイントに対応。他社メーカーのデバイスはマルチポイントに組み込めず。
ペアリング接続先の上書き切り替えには対応。違うデバイスにペアリングを切り替えるとき、現在のペアリング接続を解除したり、イヤホンの電源を落とす必要なし。Bluetooth設定画面からイヤホン名を選択するだけで当該デバイスにそのまま切り替わります。
バッテリー持ち・充電環境
バッテリー性能 | (4) |
(イヤホン単体6時間、ケース併用30時間) | |
ワイヤレス充電 | 対応(Qi) |
バッテリー駆動時間は従来モデルまま。相場よりもちょい優秀なバッテリー持ち。
充電環境もそのまま。ワイヤレス充電(Qi)にも対応します。なお、有線ケーブルで充電する場合はUSB Type-Cケーブルが必要です(同梱あり)。
まとめ
【Good!】Galaxy Buds3 Pro のよかったところ
- 低音域〜中音域を重視した高音質オーディオ
- ノイズキャンセリング性能は高性能
- 外音取り込み機能(ながら聴き機能)は業界トップクラスの実力あり
- シャープでクールなイヤホンデザイン
【Bad...】Galaxy Buds3 Pro の気になったところ
- マルチポイントはGalaxyデバイス専用
- ワイヤレスイヤホンにしては割高(3.7万円)
Galaxy Buds3 Pro、価格を除けば欠点らしい欠点なし。
Galaxy Budsシリーズの単なるマイナー・アップデートにとどまらず、音質・機能性ともに明確に進化。
特にノイズキャンセリング機能、外音取り込み機能に関してはAirPods ProやBOSEワイヤレスイヤホンと並びうる高性能仕様です。製品ビジュアルはシャープでクールな印象になり、男性好みの雰囲気が多分にあります。
価格は3.7万円とAirPods ProやBOSEと並ぶ高額な部類のワイヤレスイヤホンですが、Galaxy Buds3 Proであれば「Samsung Seamless」コーデックが使えるので特にGalaxyスマホユーザーであれば、まだその割高価格が許容しやすいかもしれません。
Galaxyスマホユーザーで次数年と使っていけるハイエンドモデルを探している人であれば、Galaxy Buds3 Pro を選んでみては。
Galaxy Buds3 Pro のおすすめ代替候補
BOSE QuietComfort Ultra Earbuds(価格3.6万円)
ノイズキャンセリング機能と空間オーディオ再生を重視している人ならこれ。業界No.1と名高い遮音性能あり。空間オーディオ再生の完成度も高く、さながら防音室で爆音鳴らしてる錯覚あるワイヤレスイヤホンです(レビュー記事を見る)。
Galaxy Buds3(価格2.7万円)
Galaxy Buds3の通常版モデル。イヤーピースを使わないインナーイヤー型イヤホン。Galaxyスマホユーザーならハイレゾ・コーデックたる「Samsung Seamless」が利用できます(レビュー記事を見る)。
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