世はまさにスケルトン時代。米大手JBLからもスケルトン・イヤホンこと「JBL Tune Flex GHOST」発表された。
見てのとおりのスケスケ・デザイン。ガジェオタ気質の人だとビジュアルだけでも満足できそう。
見てくれだけでなくギミックも充実。イヤーピースを付け替えることでオープン型イヤホン、カナル型イヤホンの2in1の使い方が可能なカスタムモデルとして展開される。
独特なデザイン、カスタマイズ性の高さ、いずれもガジェオタ好みの仕上がり。他のワイヤレスイヤホンとは何か違う雰囲気ある製品を探している人に JBL Tune Flex GHOST をおすすめしたい。
▶ レビュー概略
基本情報
発売時期 | 2022年10月 |
市場価格 | 1.2万円 |
販売元メーカー | JBL(ハーマン)(米国) |
製品仕様(抜粋)
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
ハイレゾ相当再生 | × |
マルチポイント | × |
ペアリング接続先の上書き切り替え | × |
防水 | 対応(IPX4) |
製品評価
低音 | (4) |
中音 | (4) |
高音 | (4) |
イヤホンの装着感 | (4) |
ノイズキャンセリング | (4-) |
外音取り込み機能 | (3.5) |
マイク性能 | (4) |
バッテリー性能 | (4.5) |
ここがGood!!
- スケルトン仕様のおしゃれデザイン
- クリアな高音質オーディオ
- オープン型イヤホンとしても利用可能
- オープン型イヤホンにしては低音が残ってる
ここがBad...
- ノイズキャンセリング性能はごく普通(そこまで高性能ではない)
- ペアリングまわりの勝手が悪い、複数デバイス間で使いまわしにくい
- ケースのワイヤレス充電(Qi充電)非対応
製品カラーリングは3色
レビューはホワイト(GHOSTカラー)で行う。
▶ レビュー詳細
この記事の目次(タッチで移動)
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JBL Tune Flex GHOST の製品概要
スペックシート抜粋
Bluetoothバージョン | 5.2 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | × |
防水性能 | IPX4 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体8時間 |
ケース併用で最大32時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
専用アプリ | あり(iOS、Android) |
付属品
イヤーピース、USBケーブル、取扱説明書が付属する。
イヤーピースは通常の密閉タイプのもの、オープン型イヤホン相当にカスタムできる開放タイプのものの2種類あり。
JBL Tune Flex GHOST のペアリング接続仕様
仕様抜粋
Google Fast Pair | 対応 |
マルチポイント | × |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | ×(先に現在のペアリングを解除する必要あり) |
新規ペアリングモードの起動方法 | 左右イヤホンをケースから出して、ペアリング再接続できない状態で数秒放置 |
Google Fast Pair とは?
Google Fast Pairは、Googleが提供するペアリング簡素化システム。
Android OS 6.0以上のスマホであれば、専用のポップアップ画面からワンタッチでペアリング設定できる。
マルチポイントとは?
マルチペアリングとは?
マルチペアリングとは、複数デバイスのペアリング情報が記録できる機能のこと。
1度記録してしまえば次回以降に再度セットアップする必要がなくなり、ケースふたを開くだけでデバイスと再接続できる。
昨今のワイヤレスイヤホンだとおおよそ5台〜10台のデバイスのペアリング情報が記録できる。
ペアリング接続先の上書き切り替えとは?
複数デバイス間でペアリング接続を切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。
一部のワイヤレスイヤホンであれば現在のペアリング接続を解除せず、ペアリングを移したいデバイスのBluetooth設定画面でイヤホン名を選択するだけでペアリングを上書きして切り替えられる。
新規ペアリングモードの起動方法について
初回設定時はケースふたを開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。
2回目(2台目)以降のペアリングを行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。
新規ペアリングモードの起動方法
新規ペアリングモードを起動するためのボタンや操作コマンドなし。
初回(デバイス1台目)のペアリングであればケースふたを開くだけで新規ペアリングモードが起動する。
2回目(デバイス2台目)以降のペアリングを行う場合、ケースから左右イヤホンを取り出し、ペアリング再接続できない状態で数秒放置すると自動で新規ペアリングモードに切り替わる。
なお、そのまま放置すると既存のペアリングデバイスと再接続してしまうため、先に既存ペアリングデバイスのBluetoothをオフにしておく必要あり。
複数デバイス間のペアリング切り替え方法
複数デバイス間でペアリング接続を切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要あり。
現在のペアリングを解除した状態にして、ペアリングを移したいデバイスのBluetooth設定画面からイヤホン名をタップすればペアリング接続が切り替えられる。
現在のペアリングを解除するには現在のペアリングデバイスのBluetoothをオフにする。
JBL Tune Flex GHOST の機能レビュー
バッテリーまわりのこと
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体8時間 |
ケース併用で最大32時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
バッテリー駆動時間はケース併用30時間超のスタミナ仕様。ノイズキャンセリング常時ONでもイヤホン単体6時間、ケース併用で24時間となかなか優秀。
ケース充電はUSB Type-Cケーブルで可能。Androidスマホユーザーなら充電ケーブルが使いまわせる。
ワイヤレス充電(Qi充電)には対応せず。
通話マイク仕様
通話時ノイズカット機能 | 対応 |
風切り音カット | × |
通話マイク性能はまずまず優秀。
通話時ノイズカットがきちんと機能してる。口元の音と周囲の音を見極め、口元の音だけ通話転送できる。
周囲の音がすべてカットできてるわけではないが、気持ち8割方カット。価格1.2万円の製品と考えれば優秀だ。
ただ、風切り音のみカットできず。というかカットしてない。屋外で使うとイヤホンに風が当たった音が入り込んで鬱陶しい。
基本的には風のない場所で使いたい。
ボタン操作
ボタン種類 | タッチセンサー |
操作コマンドの割り当て変更 | 対応 |
イヤホン装着検出(オート再生/停止機能) | × |
イヤホン本体にタッチセンサーあり。オーディオ操作、通話対応、音声アシスタント起動などひととおり可能。
タッチ感度は可もなく不可もなく。通話マイクとタッチセンサーの場所が重なってるせいか、ときおり”ガサガサっ”とした不快な音がある。これが気になる人もいるかもしれない。
スマホ操作コマンド(割り当て変更可能)
以下3つのテンプレ設定から左右それぞれに1つづつ割り当てられる。割り当てOFFも可能。
1. 再生の操作
1回タッチ | 再生/停止 | |
2回タッチ | 次の曲へ | |
3回タッチ | 前の曲へ | |
長押し | 音声アシスタント起動 |
2. 音量の操作
1回タッチ | 音量を上げる | |
2回タッチ | 音量を下げる | |
長押し | 音声アシスタント起動 |
3. アンビエントサウンドの操作
1回タッチ | ノイズキャンセリング←→アンビエントサウンドの切り替え | |
2回タッチ | トークスルーON/OFF | |
長押し | 音声アシスタント起動 |
通話対応コマンド(割り当て変更不可)
左イヤホン | 右イヤホン | |
2回タッチ | 着信終了 | |
着信拒否 | ||
長押し | 着信拒否 | |
(通話中のみ)マイクミュートON/OFF |
防水性能
防水性能 | IPX4(IP4) |
防塵性能 | × |
ワイヤレスイヤホンでは一般的なIPX4の防水性能あり。雨や汗が防げる。運動中に使うくらいなら問題ない。
低遅延モード
低遅延モード | あり |
遅延性能 | 非公表 |
ゲーム以外での利用 | 可能 |
低遅延モードに相当する「ビデオモード」あり。専用アプリから機能ON/OFFできる。
デフォルトだとわりかし遅延が目立ちがち。同機能をONにすることで遅延プラマイゼロといったところ。
機能ON/OFFするたびにイヤホンが再接続されるので都度設定するのは面倒くさい。YouTubeやNetflixなど動画視聴メインの人なら常時機能ONでもいいかもしれない。音質にもほとんど影響は見られない。
専用アプリ
専用アプリ | あり(iOS、Android) |
イコライザー調整 | 対応 |
タッチ操作コマンドの割り当て変更 | 対応 |
低遅延モード(ビデオモード)ON/OFF | 対応 |
イヤホンを探す | 対応 |
iOS、Android向けの専用アプリ「JBL Headphones」が利用可能。
イコライザー調整ほか主たるイヤホン・カスタマイズに対応している。
アプリは使わなくても問題ないが、ノイズキャンセリングの強度やイヤーピースに合わせたサウンドチューニングも設定できるので使う機会は多い。ほぼ必須アプリだ。
JBL Headphones
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iPhoneとの相性
iPhoneとの相性 | (非常によい) |
AACコーデック | 対応 |
iOS向け専用アプリ | あり |
iPhoneとの相性は非常によい。
iPhoneで主流のBluetoothオーディオコーデックである「AAC」に対応。専用アプリもiPhone向けに提供あり、イコライザー調整やタッチ操作コマンドの割り当て変更など可能だ。
概してiPhoneで使う場合でもデメリットらしいデメリットは見当たらない。iPhoneユーザーにもおすすめできる。
JBL Tune Flex GHOST の外観デザイン&イヤホン装着感
イヤホン形状はAirPods、デザインはスケルトンで格好よし
スケルトン仕様で格好よさ際立つイヤホン本体。
基盤や配線が透け透け。このメカ感、ガジェット感たまらない。
イヤーピースは2種類用意。
「密閉型イヤーピース」を使えば通常のカナル型イヤホンとして利用可能。
「開放型イヤーピース」(実質的な先端保護パーツ)を装着すればオープン型イヤホンになる。
イヤホン形状はごくごく普通のAirPodsとあり、イヤホンの装着感も違和感なし。無難に使える。
イヤホン重量も片側5gと平均的。長時間のイヤホン装着で疲れるようなこともない。
オープン型イヤホン利用時であっても装着感は通常のイヤーピース利用時と変わらず。
他社のオープン型イヤホンに比べるとヘッド形状が気持ち大きめ。おかげでイヤホンが抜け落ちそうなユルさはない。オープン型ではあるが、思いのほかしっかりとイヤホンがホールドされてる。
ケースサイズもコンパクト、デザインはイヤホン同様にスケルトン仕様
イヤホン同様にケースもまたスケルトンボディを採用。
ケース外装素材には航空機の窓などに使われる特殊ポリカーボネート素材を使用。透明度と硬さを併せ持つ。
いざ実機を触ると非常に硬い。最近だとワイヤレスイヤホンでも傷防止のためにケースカバーを装着している人が多いが、JBL Tune Flex GHOST に関してはケースカバーは要らないと思う。裸のまま使ってもスリ傷すら付きそうにない。
ケースサイズはコンパクト。数値で言うと縦4cm、横5cm、厚さ2.5cmほど。
握りこぶし1つで握り隠せるサイズ感。男性ズボンのポケットもちろんシャツの胸ポケットにもらくらく入る。
JBL Tune Flex GHOST の音質
【通常イヤーピース装着時】音質はバランス型、丁寧かつクリアな音が魅力
低音〜高音までバランスよく音が鳴る、絵に描いたような高音質オーディオ。
専用アプリでイヤーピースありのサウンド設定に変更することで低音が少しばかり減り、イヤーピースによる音こもりが軽減される。
もっぱら丁寧かつクリアな音を好む人であればオーディオ相性はよさそうだ。
【オープン型イヤホン利用時】オープン型にしては低音の質感あり
JBL Tune Flex GHOST は、オープン型のイヤーピース(というか先端保護)を装着することでオープン型イヤホンとしても利用可能。
不思議にも音質は通常イヤーピース装着時と変わらず。低音〜高音までバランスよく音が鳴る。
オープン型イヤホンだと音が抜けてしまい、特に低音がスカスカになりがちだが、そうしたマイナス点も見られない。スピーカーの露出部分が狭く、イヤーピースなしでも音が抜けすぎないせいか、低音の質感のようなものが確かに見て取れる。
中音域〜高音域の明瞭感も問題なし。オープン型イヤホンながらも明瞭感と低音の質感をキープしてる。
オープン型イヤホンで音質にこだわりたい人でも満足できそう。むしろオープン型イヤホンとして使おうと考えている人にこそおすすめ。
専用アプリからイコライザー調整可能
iOS、Android向けに配信する専用アプリ「JBL Headphones」からイコライザー調整可能。
音楽シチュエーションに合わせたテンプレ・チューニングが用意されるほか、目盛り単位でのより細かなチューニングも可能。
デフォルトの音質で気に食わなかった人ならイコライザーで各々好みに合わせて調整したい。
JBL Headphones
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【重点レビュー1】ノイズキャンセリング&外音取り込み機能の性能は?
ノイズキャンセリング性能はごく普通
JBL Tune Flex GHOST はノイズキャンセリング対応。機能ONにすれば周囲の騒音が低減できる。
ノイズキャンセリング性能はごく普通。セールスポイントかと言われると微妙。
いざ使うと低周波音を中心に音が中和・低減できてる。たとえば電車やバスの中で使えばガタゴト音(走行音)が中和され、音量を上げずとも動画の台詞など聞き取りやすくなる。
なんちゃって機能ではないし、一定の実用性は見いだせる。ノイズキャンセリングをとりあえずで使ってみたい人であればこれでも十分かと思う。
外音取り込み機能も価格なりだが、音量を下げればかろうじて実用性を見いだせる
JBL Tune Flex GHOST は外音取り込み機能に対応。機能ONにすればイヤホンを装着したままでもイヤホン・スピーカー通じて周囲の音が聞き取れる。
音の取り込み具合は価格なり。気持ち1段階ほど周囲の音が明るくなるが、イヤーピース装着による音こもりは多分に残る。
オープン型のイヤーピースに変更して、音量を下げた状態にすれば多少なりに周囲の音が聞き取りやすくなる。
機能ONと同時に音量を最小に自動調整する「トークスルー」機能にも対応。もとより自宅など静かな場所であれば、同機能を活用すれば”ながら聴きイヤホン"としての運用も現実的になる。
【重点レビュー2】オープン型イヤホンとしての実力は?
オープン型イヤホンとしての使い勝手は非常によい
JBL Tune Flex GHOST は2Way仕様でオープン型イヤホンとしても利用可能。
ーーとはいえ、本命たる使い方こそがオープン型イヤホンだと筆者としては思っている。
オープン型イヤホンは付け心地の軽さ一方、低音がスカスカだったり、イヤホンの抜け落ちリスクがあったり、遮音性が低かったりとデメリットも目立つ。
JBL Tune Flex GHOST ならこうしたデメリットがほぼ相殺できてる。
他社のオープン型イヤホンに比べてスピーカーの露出部分が狭め。これによりオープン型イヤホンにしては遮音性が確保される。
遮音性の確保が低音の質感につながり、オープン型イヤホンにしては異様にリッチな低音が響く。
また、オープン型イヤホンにしては珍しく耳奥までイヤホンを突っ込めるのでイヤホンの抜け落ちリスクも低い。オープン型イヤホンならではの装着時の耳元のユルさがない。屋外でも紛失の不安なく使えるフィット感だ。
そのうえでオープン型イヤホンならではの開放感は健在。音の明瞭感は残ってる。
もとよりオープン型イヤホンとして使おうと考えている人であれば JBL Tune Flex GHOST はぜひにおすすめしたい。むしろオープン型イヤホンとして使うべきだ。
JBL Tune Flex GHOST の気になったところ(あるいはデメリット)
ペアリングまわりの勝手は悪い(特に複数デバイス間で使いたい人だと)
全体的に粗の少ないワイヤレスイヤホンだが、唯一ケチを付けるならばペアリング勝手。
ペアリング接続先の上書き切り替えに対応せず。複数デバイス間でペアリング接続先を切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。
たとえば、スマホからPCに接続を移す場合、先にスマホのBluetoothをオフにして現在のペアリングを解除。そのあとPC側のBluetooth設定画面からイヤホン名を選択してペアリング接続し直す。
昨今だと現在のペアリングを解除せずに、ペアリングを上書きする形でBluetooth設定画面からワンタップでペアリングが切り替えられる製品も登場している。これに比べると勝手の悪さは否めない。
この記事のまとめ
ここまで JBL Tune Flex GHOST をレビューしてきた。
スケルトン・デザインの格好よさ、低音〜高音までバランスよく音が鳴る高音質オーディオが主たる強み。
そして、やはりオープン型イヤホンとしての使い勝手がなによりの魅力だ。
他社オープン型イヤホンよりも遮音性が確保されるため、屋外でも騒音に邪魔されずに音楽が聞き取りやすい。低音もスカスカにならない。
スケルトン・デザインに興味を持っている人はもちろん、オープン型イヤホンを探している人にもおすすめ。むしろオープン型イヤホンを探している人こそ JBL Tune Flex GHOST を試してみてほしい。きっと気に入るはずだ。
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