日本のガジェオタ界隈でも徐々に知名度を獲得しつつある中国の新興ブランド「水月雨」(MoonDrop)。
なかでも2023年に登場した「Space Travel」は、そのスケルトンデザインの近未来感が注目を集めました。"宇宙旅行”をコンセプトにした製品で、さながら宇宙の煌めきを思わす絶妙な色合いに仕上がってます。
見た目の話題性ばかり先行しがちですが、音質やノイズキャンセリング性能も悪くない。価格6,000円くらいのワイヤレスイヤホンとして考えると非常に優秀なワイヤレスイヤホンです。
この記事では 水月雨 MoonDrop Space Travel を実機レビュー。主に見れくれ以外の使い勝手はどうなのか、詳しくレビューしていきます。
この記事の目次(タッチで移動)
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水月雨 MoonDrop Space Travel の製品概要
スペックシートを確認
発売時期 | 2023年8月 |
相場価格 | 6,300円 |
販売元メーカー | 水月雨(中国) |
Bluetoothバージョン | 5.3 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | ✗ |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | ✗ |
防水性能 | IPX4 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体4時間 |
ケース併用で最大16時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
水月雨 MoonDrop Space Travel は、中国のオーディオブランド「水月雨」(MoonDrop)が展開するワイヤレスイヤホン。
スペックシートは至って普通(6,300円のワイヤレスイヤホンとして普通)。ただ、ノイズキャンセリングや外音取り込み機能に対応。いずれも実用水準の性能あります。
デメリットはバッテリー駆動時間。イヤホン単体4時間、ケース併用16時間と短めです。昨今のワイヤレスイヤホンだとイヤホン単体6時間前後、ケース併用で24時間〜30時間前後が相場とあり、かなり地味な数字です。ケースのデザイン性に全振りしたせいか、バッテリー積載容量は少なめです。
Amazonにて公式販売あり。購入後1年間の製品保証も付きます。
水月雨 MoonDrop Space Travel のデザイン
イヤホンは王道のスティック形状
王道のスティック型イヤホン。イヤーピースのサイズさえ調整すればクセなく装着できます。イヤホンの装着感の当たり外れは少ないです。
イヤホン重量は片側4gと軽量級。長時間のイヤホン装着でも疲れにくいです。
イヤホン側面にはタッチセンサーボタンを搭載。オーディオ操作や通話対応など可能です。
iOS・Android向けの専用アプリ「MOONDROP Link」を使えば操作コマンドの割り当て変更もできますが、筆者環境では変更画面まで進めませんでした(Android ver2.0.6c時点)。
※デフォルト状態
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回押し | 再生/停止 | |
着信対応/終了 | ||
2回押し | 前の曲に戻る | 次の曲へ進む |
3回押し | 音声アシスタント軌道 | |
着信終了 | ||
3秒長押し | ノイズキャンセリング切り替え |
イヤホンの着脱検出には非対応。イヤホン着脱と連動したオーディオ再生/停止は機能しません。
ケースデザインは業界随一のおしゃれ仕様
このデザインですね。素晴らしいですね。デザイン買いして正解でした。
ケースの上半分がスケルトンになってて、下半分にケースバッテリーが内蔵されます。
ケースを光に当てたときの熱源感が宇宙の煌めきそのもの。"Space Travel"(宇宙旅行)をコンセプトにした製品なのも頷けます。
イヤホンを取り外したイメージ。ケース単体でもさまになります。
ケースの上蓋はありません。ケースを落下させるとイヤホンが飛び出す可能性大ですが、そこは御愛嬌ということで...
イヤホンの取り出し方は簡単。ケース側面のイヤホン露出部分を下から上に向かってスライドさせれば取り出せます。
ワイヤレス充電(Qi)には非対応。USB Type-Cケーブルを使った有線充電のみ対応します。
水月雨 MoonDrop Space Travel の音質レビュー
音質は日本人好みの仕上がり
低音 | (3.5) |
中音 | (4.5) |
高音 | (4) |
音質はボーカル重視。かつ高音域の描写にも長けます。音場もそこそこ広め。全体的にクリアな音質なので聴きやすいです。
中華メーカーとなると低音域と高音域を重視したドンシャリ傾向あるオーディオ・チューニングが一般的ですが、水月雨 MoonDrop Space Travel はさながら国産オーディオメーカーを思わす中音域〜高音域を主体とした音の作り。日本人好みの音質だと思います。
低音は控えめですが、専用アプリからイコライザー調整すれば気持ち低音重視の音質にカスタマイズできます。
イコライザー調整にも対応
iOS・Android向けの専用アプリ「MOONDROP Link」から簡易なイコライザー調整に対応します。
低音の雰囲気のみ変更可能。初期状態は「Reference」(標準)。ちょい低音が強めの「Basshed」(雰囲気)、音場重視の「Monitor」(モニター)の3種類から選択できます。
目盛り単位の細かなチューニングには対応せず。
水月雨 MoonDrop Space Travel の機能レビュー
ノイズキャンセリング
ノイズキャンセリング性能 | (4) |
ノイズキャンセリングは価格に照らして優秀。機能ONにすると明確に周囲の音がトーンダウンします。
人の話し声など高周波音は残り気味ですが、低周波音に関しては擦り減り。ノイズキャンセリング利用に伴うノイズ(サーッといった機械音)も発生しておらず、オーディオ再生を停止した状態であればデジタル耳栓代わりになります。
ただ、屋外で使う場合だと風切り音(マイクに風があたった音)が大きくなるデメリットあり。"ゴーっ"と言った風切り音が目立ちます。屋外で使うときは機能OFFにしておいた方がよさげです。
外音取り込み機能(ながら聴き機能)
外音取り込み性能 | (4) |
イヤホンを装着したまま周囲の音が聞き取れる「外音取り込み」機能に対応。
取り込み性能はなかなか優秀。機能ONにすると周囲の音が1トーンくらい明るくなります。オーディオ音量も下げた状態であれば(あるいは停止)周囲の環境音も聞こえます。
取り込みに伴うノイズ(サーッといった機械音)も発生しておらず、常時機能ONにして使う場合でも気持ち悪さありません。ただ、屋外で使う場合だと風切り音(マイクに風があたった音)が相当に入り込み、"ゴーっ"と言った音が目立つので注意。
通話マイク品質
通話マイク性能 | (4.5) |
マイク性能は価格に照らして優秀。風切り音はじめとした周囲の音のノイズカットが明確に機能。屋外で通話してても風の音がほとんど入り込みません。
屋内でビデオ通話マイクとして使うくらいなら問題すら感じません。
マルチポイント・ペアリング切り替え勝手
マルチポイント | ✗ |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | ✗ |
ペアリング仕様は価格なり。
複数デバイスのペアリング設定情報は記録できるものの(最大台数は不明)、ペアリング接続先の上書き切り替えには非対応。
違うデバイスにペアリングを切り替える場合、先に現在のペアリング接続を解除する必要あり。そのあとBluetooth設定画面からイヤホン名を選択すれば当該デバイスにペアリング接続が切り替わります。
なお、新規ペアリングモードを起動するための操作コマンドの用意なし。2台目以降のデバイスでペアリング設定する場合、既存ペアリングデバイスのBluetoothをOFFにして、再接続できない状態で数秒待つと新規ペアリングモードが起動します(3台目以降も同様)。
バッテリー持ち・充電環境
バッテリー性能 | (2) |
(イヤホン単体4時間、ケース併用16時間) | |
ワイヤレス充電 | ✗ |
バッテリー駆動時間は相場よりも短め。昨今だとケース24時間〜30時間くらいの製品が一般的ですが、水月雨 MoonDrop Space Travel はケース併用16時間止まり。デザイン性に全振りしたせいか、バッテリー持ちは弱めです。
ケースのワイヤレス充電(Qi)には対応せず。USB Type-Cケーブルを使った有線充電のみ対応です。
【補足】操作ボイスがかわいい
「お前は何を言っているんだ?」と言われるかもしれませんが、かわいいのです。
水月雨 MoonDrop Space Travel には、メーカー公式のライバー(というかVTuber)として展開される"水月ゆき"の操作ボイスを搭載。よくある無機質な操作音声やSEではなく、女の子の声で「ペェアリィング♪」「へいっ!」といった操作ボイスが流れる人情味あふれる仕様です。
特にノイズキャンセリングを起動したときの「しーっ....」なるボイスがたまらん。他社メーカーも見習って採用してほしいですたい。
まとめ
【Good!】水月雨 MoonDrop Space Travel のよかったところ
- ケースデザインは業界随一のおしゃれ仕様
- ボーカル重視の高音質オーディオ
- 実用水準のノイズキャンセリング性能あり
- 操作ボイスがかわいい
【Bad...】水月雨 MoonDrop Space Travel の気になったところ
- バッテリー駆動時間が短い(ケース併用16時間止まり)
- ノイズキャンセリング利用時の風切り音がうるさい
水月雨 MoonDrop Space Travel は、そのデザイン性の高さはもちろんのこと、音質やノイズキャンセリング性能も優秀。ボーカル重視の丁寧な音質、実用水準のノイズキャンセリング性能、いずれも評価ポイントです。
バッテリー駆動時間が短く、屋外でノイズキャンセリングを使う場合だと風切り音がうるさい欠点こそありますが、ここらを除くと文句なし。全体的に見て完成度の高いワイヤレスイヤホンです。これで価格6,300円となると非常にコスパよい製品かと思います。
そして、なによりこのスケルトン・デザインですね。手に取るたびにニヤけてしまう。インテリア家電としても飾っとくだけでもさまになります。
販売元の水月雨(MoonDrop)はまだまだ小規模メーカーとあり、気づかぬ間に生産終了・販売終了となっている可能性もあるので、在庫があるうちの積極的な購入をおすすめします(小売基本価格は税込6,300円)。
水月雨 MoonDrop Space Travel のおすすめ代替候補
Anker「Soundcore P40i」(価格7,990円)
U1万円の全部盛りイヤホンを探している人におすすめ。価格7,990円でノイズキャンセリング、マルチポイント、ケース併用60時間バッテリーを揃えます。専用アプリを使えばイコライザー調整も可能です(レビュー記事を見る)。
オーディオテクニカ「ATH-CKS30TW」(価格7,000円)
低音重視の人におすすめ。「クリアな重低音」をコンセプトにしたオーディオ特化モデル。マルチポイントにも対応する。価格1.1万円のカスタムモデルならノイズキャンセリングも利用可能(レビュー記事を見る)。
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