AirPods 路線のガジェット・イヤホンを探している人ならこれ。Anker Soundcore Space A40。
昨今、音質重視のワイヤレスイヤホンが増えている。ただ、業界大手のAirPodsは音質よりかは機能性を重視。ノイズキャンセリングやペアリング勝手、バッテリー充電環境などガジェットとしての使い勝手で他社を圧倒しているのは周知の事実だ。
こうしたガジェット寄りのイヤホンを探している人におすすめなのが、この記事で紹介する Anker Soundcore Space A40 。
ノイズキャンセリングが使えるのはもちろんケース併用で最大50時間使えるロングバッテリーを搭載。また、マルチポイント機能も使える。
そのうえで価格は1.2万円と破格。AirPodsと同じベクトルで勝負できるガジェット寄りのイヤホンを探している人だと Anker Soundcore Space A40 は機能的にも価格的にも丁度いい選択肢になりそうだ。
▶ レビュー概略
基本情報
発売時期 | 2022年9月 |
直販価格 | 12,990円 |
販売元メーカー | Anker(中国) |
製品仕様(抜粋)
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
ハイレゾ相当再生 | 対応(LDAC) |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | △(専用アプリ経由のみ可) |
防水 | 対応(IPX4) |
製品評価
低音 | (4) |
中音 | (3.5) |
高音 | (3.5) |
イヤホンの装着感 | (5) |
ノイズキャンセリング | (4.5) |
外音取り込み機能 | (3.5) |
マイク性能 | (4.5) |
バッテリー性能 | (5+) |
ここがGood!!
- ケース併用で50時間使えるロングバッテリー搭載
- マルチポイント対応、デバイス間で自動で音声出力先が切り替えられる
- 実用レベルのノイズキャンセリング性能あり
- イコライザー調整(音質カスタム)対応
- ワイヤレス充電(Qi充電)対応
ここがBad...
- 音質はごく普通のドンシャリ(低音強め)
- LDAC接続中はマルチポイント機能が使えない
- ビジュアル・質感の安っぽさあり
こんな人におすすめ
Anker Soundcore Space A40 は、AirPods路線のガジェット・イヤホンを探している人におすすめ。
50時間バッテリー、マルチポイント、ノイズキャンセリングなど搭載。そのうえで価格1.2万円とありコスパよい。
ビジュアルや質感の安っぽさは否めないが、そもそも安っぽさが気になる人だとAnkerワイヤレスイヤホンとの相性自体が悪いので他社メーカー品を検討した方がいい。
コスパ重視、機能性重視のガジェット・イヤホンを探している人であれば Anker Soundcore Space A40 がおすすめ。
製品カラーリングは3色
カラーリングはブラック、ホワイト、ネイビーの3色。レビューはブラックで行う。
▶ レビュー詳細
この記事の目次(タッチで移動)
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Anker Soundcore Space A40 の製品概要
スペックシート抜粋
Bluetoothバージョン | 5.2 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC、LDAC |
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
防水性能 | IPX4 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体10時間 |
ケース併用で最大50時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
専用アプリ | あり(iOS、Android) |
付属品
イヤーピース、USBケーブル、取扱説明書が付属する。
イヤーピースはXS、S、M、L、XLの5サイズ用意。
Anker Soundcore Space A40 のペアリング・マルチポイント仕様
ペアリング仕様抜粋
Google Fast Pair | × |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | △(専用アプリを使えば可能) |
新規ペアリングモードの起動方法 | ケースのボタンを3秒長押し |
Google Fast Pair とは?
Google Fast Pairは、Googleが提供するペアリング簡素化システム。
Android OS 6.0以上のスマホであれば、専用のポップアップ画面からワンタッチでペアリング設定できる。
マルチポイントとは?
マルチペアリングとは?
マルチペアリングとは、複数デバイスのペアリング情報が記録できる機能のこと。
1度記録してしまえば次回以降に再度セットアップする必要がなくなり、ケースふたを開くだけでデバイスと再接続できる。
昨今のワイヤレスイヤホンだとおおよそ5台〜10台のデバイスのペアリング情報が記録できる。
ペアリング接続の上書き切り替えとは?
複数デバイス間でペアリング接続を切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。
一部のワイヤレスイヤホンであれば現在のペアリング接続を解除せず、ペアリングを移したいデバイスのBluetooth設定画面でイヤホン名を選択するだけでペアリングを上書きして切り替えられる。
新規ペアリングモードの起動方法について
初回設定時はケースふたを開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。
2回目(2台目)以降のペアリングを行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。
新規ペアリングモードの起動方法
新規ペアリングモードの起動方法は簡単。
左右イヤホンをケースに入れ、ケースふたを開いた状態にして、ケース後ろにあるペアリングボタンを3秒長押しすれば新規ペアリングモードに切り替わる。
あるいは、iOS、Android向けの専用アプリの「機器一覧」から「新しい機器と接続する」をタップでも可。
複数デバイス間のペアリング切り替え方法
iOS、Android向けの専用アプリを使った場合に限り、任意のデバイスをワンタップで接続 or 接続解除できる。
通常どおりBluetooth設定画面を経由してペアリング接続を切り替える場合だと先に現在のペアリングを解除する必要あり。
ペアリングを解除するには新規ペアリングモードを起動、あるいは現在のペアリングデバイスのBluetoothをオフにする。
マルチポイント仕様
マルチポイント接続可能台数 | 最大2台 |
オーディオ再生中の音声出力の切り替え | △(着信のみ可) |
マルチポイント機能に対応。なにかしらオーディオ再生を開始するだけで当該デバイス側に自動で音声出力先が切り替わる。
ただ、オーディオ再生中だと音声出力先が切り替わらず。先にオーディオ再生を停止させておく必要がある。
着信時に限り、オーディオ再生の有無関係なく着信デバイス側に音声出力先が切り替わり、イヤホンに着信音が通知される。そのままイヤホンのボタン操作で着信対応も可能だ。
マルチポイント接続可能台数
マルチポイントで同時接続できるデバイスの台数のこと。今日では最大2台が一般的。
オーディオ再生中の音声出力先の切り替え
マルチポイントには、現在のオーディオ再生の有無関係なく音声出力先が切り替わるもの、現在のオーディオ再生が停止している場合のみ音声出力先が切り替わるものの2種類あり。
なおかつ、後者の「現在のオーディオ再生が停止している場合のみ音声出力先が切り替わるもの」だと着信時に限り、現在のオーディオ再生の有無関係なく音声出力先が切り替わる製品が存在する。
Anker Soundcore Space A40 の機能レビュー
バッテリーまわりのこと
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体10時間 |
ケース併用で最大50時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
業界トップクラスとなるバッテリー駆動時間。イヤホン単体10時間、ケース内充電を含めれば最大50時間使える。
1日数時間の利用であれば数週間は外部充電する必要ない。充電ズボラにはありがたい。
充電は有線充電ほかワイヤレス充電(Qi充電)も使えて勝手よし。
通話マイク仕様
通話時ノイズカット機能 | 対応 |
風切り音カット | 対応 |
通話マイク性能はまずまず優秀。
通話中は周囲の音を見極め、周囲の音をゴニョゴニョとした感じに中和・低減。口元の音だけを極力拾って通話転送してくれる。
よほどうるさい場所を除けば、口元の音を気持ち8割くらい拾って通話転送してくれるので勝手いい。
風切り音カット(マイクに風が当たった音の除去)も機能してる。ほぼゼロに近いレベルに風の音が除去される。屋外で通話したい人でも問題ない。
なお、初期状態では風切り音カットが機能オフに設定してある。オンにするには専用アプリを使って設定変更する必要あり。
ボタン操作
ボタン種類 | タッチボタン |
操作コマンドの割り当て変更 | 対応 |
イヤホン外側にタッチセンサーあり。オーディオ操作、通話操作、音声アシスタント起動などひととおり可能。
初期状態だとタッチ音が消音だが、専用アプリからタッチ音を鳴らすようカスタムできる。
タッチ感度は安定。1回タッチ操作に限れば専用アプリから機能オフ(反応オフ)に変更できるので、どうしても誤タッチが鬱陶しい人ならカスタムあれ。
スマホ操作コマンド(割り当て変更可能)
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回タッチ | 音量ダウン | 音量アップ |
2回タッチ | 次の曲へ進む | 再生/停止 |
2秒長押し | ノイズキャンセリング←→外音取り込み機能 |
すべての項目を割り当て変更可能。
上記の操作内容ほか、音声アシスタントの起動、ゲームモードON/OFFも割り当てられる。
通話対応コマンド(割り当て変更不可)
左イヤホン | 右イヤホン | |
2回タッチ | 着信対応/終了 | |
2秒長押し | 着信拒否 |
イヤホン着脱検出(装着検出)
イヤホンの着脱検出(装着検出) | × |
イヤホンの着脱検出(装着検出)には非対応。
対応モデルであればオーディオ再生中にイヤホンを耳から外すとオーディオ再生が自動停止。イヤホンを耳に装着し直すとオーディオ再生が自動開始する。
防水性能
防水性能 | IPX4(IP4) |
防塵性能 | × |
相場一般的なIPX4の防水性能あり。雨や汗が防げる。日常使いで特段に困ることはない。
低遅延モード
低遅延モード | あり |
遅延性能 | 非公表 |
ゲーム以外での利用 | × |
低遅延モード(ゲームモード)あり。専用アプリからON/OFFできる。
デフォルトでも遅延は酷くない。よくも悪くも低遅延モードのON/OFF関係なくゲームに熱中できる。原神やFPSゲームなどプレイしててもグラフィックが処理負けせず、ほぼシームレスに動かせる。
なお、低遅延モードとはいえ遅延が完全に0になるわけではないので音ゲーガチ勢だと別途アプリ側でタイミング調整した方がいいかもしれない。
専用アプリ
専用アプリ | あり(iOS、Android) |
イコライザー調整 | 対応 |
タッチ操作コマンドの割り当て変更 | 対応 |
低遅延モードON/OFF | 対応 |
イヤホンを探す | 対応 |
iOS、Android向けの専用アプリ「Soundcore」が利用可能。ひととおりのカスタム機能は揃う。
専用アプリを通じた接続先デバイスの指定 or 接続解除も可能。複数デバイス間でワイヤレスイヤホンを使いまわそうと考えている人であればアプリも含めて重宝しそうだ。
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iPhoneとの相性
iPhoneとの相性 | (非常によい) |
AACコーデック | 対応 |
iOS向け専用アプリ | あり |
iPhoneとの相性は非常によい。
iPhoneで主流のBluetoothオーディオコーデックである「AAC」に対応。音楽再生や音質それ自体はAndroidスマホで使う場合と比べて変わりない。
専用アプリもそのまま利用できるほか、専用アプリ通じたイコライザー調整も可能だ。
マルチポイントに関してもiPhoneでも問題なく利用できる(マルチポイントに組み込める)。
Anker Soundcore Space A40 の外観デザイン&イヤホン装着感
イヤホンはコンパクト、耳穴にすぽりとハマる
イヤホン形状は小ぶり。クネッとしたデザインのおかげで耳穴にすぽりとハマる。
イヤホン重量は片側5gと軽量。イヤーピースのサイズさえ調整すれば大方問題なく使える、無難で使いやすいイヤホンかと思う。
耳穴から飛び出てるイヤホン面積も少なく、耳穴にきれいにイヤホンが収まる。物理的にもビジュアル的にもシュッとした印象でよし。
ケースもコンパクトで愛くるしい
ケースがものいっそミニマルで愛着わくサイズ感。
数値で言うと縦4.5cm、横6.5cm、厚み2.5cmほど。握りこぶし一つで包めるサイズ感。丸みがあって実際にはもっと小さく感じる。
男性であればズボンのポケットにしろ胸ポケットにしろ問題なく仕舞っておける。持ち出すときに邪魔にならない。
ケース素材はプラスチック。サラサラしてて触り心地こそいいが、いざ机に放置すると底面部などスリ傷付きやすそう。できればケースカバーを使いたい。
Anker Soundcore Space A40 の音質
音質はよくあるドンシャリ(低音強め)
音質はよくも悪くもAnkerらしいドンシャリ音。低音ドンドン、高音シャンシャン。ボーカルは引っ込み気味。
低音が強めなのでバックサウンドを重視して音楽を聞きたい人には丁度いい。
ただ、音がこもって聞こえるのでボーカル重視で音楽を聞きたい人だとイコライザー調整して中音域を引き立てた方がよさそうだ。
もとよりAnkerワイヤレスイヤホンであって、そこまで音質重視ではないし、イコライザー調整して使うのが普通かと思う。
イコライザー調整も可能
iOS、Android向けに配信している専用アプリ「Soundcore」を使ったイコライザー調整に対応。
高音重視、ボーカル重視など音楽シチュエーションに合わせたテンプレ設定の用意あり。そこまでオーディオが詳しくない人でも問題なし。
目盛り単位で細かくチューニングすることも可能。「HearID」こと耳の聞こえ方に合わせたパーソナライズ化したイコライザー作成も可能だ。
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一部Androidスマホであれば「LDAC」接続が可能
Anker Soundcore Space A40 はBluetoothオーディオコーデック「LDAC」に対応。
LDAC対応のAndroidスマホと接続すればハイレゾっぽい高音質なオーディオ再生が可能になる(iPhoneはLDAC非対応)。
LDACとはいえロッシー(CD音源よりも劣化する非可逆圧縮)なので音源の情報量ではCD以下だが、条件さえ整えばビットレートを最大990kbpsまで伸ばせるので「SBC」「AAC」に比べればスペックシート上は高音質になる。
いざ通常のオーディオ再生に比べて劇的に音が変わるわけではないが、流行り物が好きな人だと試してみたい。
【重点レビュー1】ノイズキャンセリングの実力は?
ノイズキャンセリングは実用レベル、日常的に使いたい人におすすめ
Anker Soundcore Space A40 はノイズキャンセリングに対応。機能ONにすると周囲の音を低減・中和できる。
1万円前後のワイヤレスイヤホンだと"なんちゃってノイズキャンセリング"が多かったりするが、一転して Anker Soundcore Space A40 は本格的なノイズキャンセリング。
低周波音を中心に音を低減。電車の中で使えばガタゴト音がゼロとは言わずも低減され、音量を上げずとも動画のセリフなど聞き取れるようになる。
ホワイトノイズ("サーッ”といった機械音)も全くなく、オーディオ再生を止めれば無音そのもの。デジタル耳栓として使いたい人にもおすすめ。
ノイズキャンセリングの強度調整に対応
iOS、Android向けの専用アプリを使えばノイズキャンセリングの強度も調整可能。
人によってはノイズキャンセリングの強度が強すぎて鼻が詰まるような気持ち悪さ感じる人もいるかもしれない。こうした人であれば専用アプリからノイズキャンセリングの強度を弱めたい。
【重点レビュー2】ながら聞きイヤホンとして使える?
外音取り込み機能の完成度は低い、"ながら聞き”運用は難しい
Anker Soundcore Space A40 は外音取り込み機能に対応。機能ONにするとイヤホンを装着したままでもスピーカー通じて周囲の音が聞き取れる。
音の取り込み自体は機能しているが、取り込み音がかなりこもってる。自然な音の取り込みとは言いがたい。"ながら聞き”イヤホン代わりに機能を常時ONで運用するのはちと辛そうだ。
駅のアナウンスを聞き取るために一時的に使うくらいの用途が限界かと思う。
Anker Soundcore Space A40 の気になったところ(あるいはデメリット)
LDAC接続中はマルチポイント機能が自動オフに
大方のAndroidスマホであればLDAC接続が可能だが、LDAC接続中は強制的にマルチポイント機能がオフになる。LDAC狙いの人注意しておきたい。
価格に照らして安っぽいビジュアル(質感)
全体的に勝手いいワイヤレスイヤホンだが、ビジュアルや質感の安っぽさは否めない。
イヤホン筐体やケース内部のツルテカ具合が特に安っぽくて、見た目5,000円で購入できるAnkerの格安ワイヤレスイヤホンと変わらない。一応、同製品は公式価格で12,990円のワイヤレスイヤホンだ。
もとよりAnkerワイヤレスイヤホンであって、高級感よりも機能性やコスパを重視している人が多数派かと思うが、それでもビジュアル買いしたい人だと安っぽさがネックになるかもしれない。
この記事のまとめ
ここまで Anker Soundcore Space A40 をレビューしてきた。
AirPods路線のガジェット・イヤホンとして優秀。50時間バッテリー、マルチポイント、ノイズキャンセリングを中心とした機能面に惹かれる人なら買って損はない。
ビジュアルや質感の安っぽさは否めないが、そもそも安っぽさが気になる人だとAnkerワイヤレスイヤホンとの相性自体が悪いので他社メーカー品を検討した方がいい。
コスパ重視、機能性重視のガジェット・イヤホンを探している人であればAnker Soundcore Space A40 をおすすめしたい。
レビュー対象製品
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