サムスンのワイヤレスイヤホンシリーズ「Galaxy Buds」。シリーズの中で唯一のオープンイヤーイヤホンとして展開されるのが今回レビューする「Galaxy Buds Live」だ。
オープンイヤーというと骨伝導イヤホンだったり、耳周りに引っ掛けて使う耳穴をふさがないイヤホンが一般的だが、Galaxy Buds Liveはごく一般的なカナル型イヤホン(耳栓型イヤホン)。耳穴にイヤホンを突っ込んで使う。
その独特な”そら豆”風のクネクネしたイヤホン形状により耳穴に隙間を作り、カナル型ながらもオープンイヤーに近い開放感を実現した。
オープンイヤーイヤホンながらノイズキャンセリング(ANC)に対応。さすがに騒音のある場所だとオープンイヤーの開放感が勝ってしまうが、自宅や静かな場所で使えば通常のカナル型イヤホンくらいの静寂が得られる。
オープンイヤーのおかげでイヤホンのつけ心地は非常に軽やか。スポーツ用途で使うのはもちろん、在宅用の軽くて長時間と装着していられるイヤホンを探している人にも丁度よさそうだ。
この記事では「Galaxy Buds Live」をレビューしていきたい。
この記事の目次(タッチで移動)
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【レビュー対象製品】Galaxy Buds Live
発売時期 | 2020年9月 |
市場価格 |
カラーリングはブロンズ、ブラック、ホワイトの3色。レビューはブロンズで行う。
Galaxy Buds Live(SM-R180)の製品概要
製品概要
サムスン純正ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds」唯一のオープンイヤーモデル
イヤホンを装着した状態でも周囲の音が(そこそこ)聞こえる
ノイズキャンセリング(ANC)対応、機能ONなら通常のカナル型イヤホンくらいの静けさに
高性能マイク搭載、口元の音を極力ピックアップして通話転送してくれる
ケースカバーが豊富、Galaxy harajukuでオリジナルケースカバーも作成可能
複数デバイス間のペアリング切り替えが簡単、都度現在のペアリングを解除する必要なし
留意点ないしデメリット
オープンイヤーイヤホンならではの音漏れリスクあり
タッチセンサーの場所がわかりにくい(外装デザインに同化してる)
防水性能はオマケ(IPX2、水ハネを防ぐ程度)
スペックシート
イヤホンを付けたままでも周囲の音が聞こえる。カナル型(耳栓型)とあり、多少なりに遮音性あり。
自宅や静かな場所なら静寂が得られる。屋外だとオープンイヤーの開放感の方が目立つ。
12mmドライバー&ベースダクト内蔵。オープンイヤーのおかげで音がこもりにくい。
ノイズキャンセリングONの場合。ノイズキャンセリングOFFの場合は同29時間とロングスタミナ仕様に。
周囲の音をカット、口元の音だけピックアップして通話転送してくれる。在宅ビデオ通話での生活音シャットアウトにも役立つ。
水しぶきを防ぐ程度。雨濡れ、水濡れは故障リスクあり。
Bluetoothバージョン | 5.0 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC、Samsung Scalable |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体8時間、ケース併用で最大29時間 |
(ノイズキャンセリング利用時)イヤホン単体6時間、ケース併用で最大21時間 | |
充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
防水性能 | ○(IPX2) |
通話マイク | ○(ノイズカット機能あり) |
ノイズキャンセリング(ANC) | ○ |
外音取り込み機能 | × |
世界初?の豆型イヤホン、カナル型ながらオープンイヤーに近い開放感
イヤホンは、ほぼ世界初?となる「そら豆」形状のデザインを採用。
耳穴に突っ込むとクネッとした形状のおかげで耳穴に隙間ができるので、カナル型イヤホンながらオープンイヤーイヤホンに近い開放感が得られる。イヤーピースは使っていない。
イヤホンのつけ心地は意外にも安定してる。
イヤーピースこそ使っていないが、寝転んだ状態でイヤホンが抜けたり、ランニングマシンで走っていても揺れたりブレたりしない。耳の穴の凹凸に沿うようにしてイヤホンがひっ付いてて非常に堅牢だ。
また、ワイヤレスイヤホンならではの耳から飛び出てる感がない。耳の穴の中にきれいに隠れていて物理的にもビジュアル的にも収まりがよい。これまた評価ポイント。
充電ケースはラグジュアリー感はんぱない。
今回、ミスティック・ブロンズ色を購入した。
ブロンズカラー(銅色)をベースにした重厚で高級感のある大人フェミニンな色合い。黒や白のイヤホンに比べて主張しつつも主張しない程よいアクセントカラーとして機能している。
購入前は「派手色なのかな?」と思っていたが、そんなことはなかった。黄色人種の肌色に思いのほか馴染む。ここらはやはり韓国企業(アジア企業)であるサムスンが開発しただけのことはある。
この色味のためだけに購入しても損はない。それくらい美しい。
ケースサイズは縦5cm、横5cm、厚さ2.5cmのマカロンサイズ。男性ズボンのポケットに入れておいても邪魔にならない。
充電はUSB Type-Cポートから可能。ワイヤレス充電(Qi充電)にも対応している。
ペアリングまわりのこと
Galaxy Buds Live の主なペアリング仕様
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
新規ペアリングモードの起動方法 | 装着した左右イヤホンのタッチパッドを同時に3秒長押し |
マルチポイント | × |
複数デバイス間のワンタッチでのペアリング切り替え | 対応 |
マルチペアリングとは?
マルチペアリングとは、複数のBluetoothデバイスのペアリング情報が記録できる機能のこと。昨今のワイヤレスイヤホンだとおおよそ5台〜10台のデバイスのペアリング情報が記録できる。
新規ペアリングモードの起動方法について
初回設定時はケース蓋を開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。2回目(2台目)以降のペアリングを行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。
マルチポイントとは?
マルチポイントとは、複数のBluetoothデバイスを同時接続できる機能のこと。Galaxy Buds Liveはマルチポイント非対応。
複数デバイス間のワンタッチでのペアリング切り替えとは?
一般的なワイヤレスイヤホンだと複数デバイス間でペアリングを切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。対してGalaxy Buds Liveは、現在のペアリングを解除する必要なく、Bluetooth設定画面からイヤホン名をタッチするだけでペアリングが切り替えられる。
そのほかペアリングまわりの情報は以下記事を参考に
【Tips】Galaxy Budsシリーズの新規ペアリング方法&ペアリングの切り替え方法まとめ
続きを見る
サムスン「Galaxy Buds Live」を実際に使ってみた感想とレビュー
オープンイヤーイヤホン同等の開放感はある
Galaxy Buds Live の最大の製品特徴たるオープンイヤー。
いざ使うと骨伝導イヤホンよりも遮音性は高いが、それでも周囲の音は聞き取れてる。人の話し声はもちろん、屋外で使えば車の走行音や自転車のチャリチャリ音、自宅で使うときなら宅配便のチャイムも認知できる。
バイクライダーが運転中に使うには少し不安あるかもしれないが、ジョギングやジムで安全を考慮しながら使う程度なら問題ない。十分に実用レベルにあるオープンイヤーイヤホンだ。
そこまでガチなオープンイヤーイヤホンを必要としておらず、日常的に使いまわせるカジュアルなオープンイヤーイヤホンを探している人には丁度いい選択肢となると思う。
ノイズキャンセリング(ANC)は自宅で使えばそこそこ活用できる、屋外だとほぼ意味なし
Galaxy Buds Live は意外にもノイズキャンセリング(ANC)に対応。
屋外だったりうるさい場所だとオープンイヤーならではの開放感が勝ってしまうが、自宅や静かな場所で使う程度であれば、きちんと静かになる。低周波音、もっぱらエアコンの音だったり、屋外から聞こえてくる濁音ノイズが低減できる。
なお、ノイズキャンセリング(ANC)は高周波音にはほとんど効果ないこともあり、ノイズキャンセリング中に人から話しかけられれば気づくし、宅配便のチャイムなどを聞き逃すこともない。
音質は根っからの重低音モデルだが、オープンイヤーのおかげで聞き心地がよい
Galaxy Buds Live は、12mmの大型スピーカーと重低音を響かせるベースダクトを内蔵しているので、とかくまあ重低音サウンド。
一方でオープンイヤーとあって、あまり音がこもった感じにならない。重低音の美味しい部分だけ残した聞き心地のよい重低音サウンドが味わえる。
12mmの重低音イヤホンと言うと、「音が重い」「リスニングが疲れる」「うるさいだけ」等々のイメージがあるかもしれないが、Galaxy Buds Live はオープンイヤー構造にすることでそうした欠点を回避しているよう思える。
通話マイク品質は従来モデルから劇的進化
通話マイク品質は非常によい。屋外でのハンズフリー通話はもちろん、在宅ビデオ通話中の生活音シャットアウトにも活用できる。
ノイズキャンセリング用の集音マイクをそのまま通話時のノイズ除去マイクとして転用しており、口元から離れた場所にある周囲の音が極力除去される(厳密にはトーンダウン)。たとえば、近くでテレビの音を流していてもテレビの音だけがきれいに取り除かれる。
専用アプリ対応、iPhone、Androidかかわらずアプリ利用可能
専用アプリ「Galaxy Wearable」(iPhone版はGalaxy Buds)が利用できる。
前作「Galaxy Buds+」同様にiPhone版アプリにも対応しており、iPhoneユーザーであってもイヤホンのイコライザー調整やタッチ操作コマンドのカスタマイズが可能だ。
【レビュー】Galaxy Buds LiveがiPhoneで使えるか試してみた
続きを見る
サムスン「Galaxy Buds Live」の気になったところ(あるいはデメリット)
シチュエーションによっては音漏れあり
Galaxy Buds Live は一般的なオープンイヤーイヤホンよりも遮音性が高い。骨伝導イヤホンと違って耳穴に突っ込んだイヤホン下部のスピーカーから音が出ているので音漏れも少ない。
ただ、それでも静かな場所だったり、30cm〜50cmくらいの近距離に人がいる環境だと音が漏れてしまいそう。電車や図書館で使う場合はイヤホン音量は半分より下にしておいた方がよさそうだ(※スマホ基準のイヤホン音量)。
タッチセンサーの位置がわかりずらい(押し間違えることが多い)
タッチ操作性は悪い。おそらく Galaxy Buds Live の最大のデメリット。
タッチセンサーエリアがイヤホン筐体デザインに溶け込んでいてタッチセンサーの位置が非常に不明瞭。初見だとどこをタッチすればいいのか分からないと思う。
タッチセンサーの位置を理解してなお、少しズレた場所をタッチしていてタッチ反応しないことが多々ある。この点、普段使っていてストレスに感じる。
【補足】タッチ操作コマンド(デフォルト状態)は以下のとおり
右イヤホン | 左イヤホン | |
1回タッチ | 再生/停止 | |
2回タッチ | 次の曲へ進む | |
3回タッチ | 前の曲へ戻る | |
長押し | ノイズコントロール(ノイズキャンセリング←→外音取り込み) |
着信対応は2回タッチ。着信終了も2回タッチ。着信拒否は長押し。
専用アプリを使えば「長押し」コマンドのみ割り当て変更可能。音声アシスタント起動、ボリューム変更から選択できる(※AndroidスマホであればSpotify再生起動も選択可能)。
防水性能(防滴性能)はIPX2とオマケ程度
防水性能(防滴性能)は水しぶきを防ぐ程度。ほぼオマケだ。
運動中に汗がつく程度であれば問題ないと思うが、土砂降りの雨の中で使ったり、水まわりで使うのは不安が残る。
【まとめ】カジュアルに使えるオープンイヤーイヤホンならこれ一択
Galaxy Buds Live をレビューしてきた。
カナル型のオープンイヤーイヤホンという挑戦的な製品だが、意外にも実用性があって好印象。
屋外や人のいる場所で使えばほぼオープンイヤーイヤホンそのものだし、自宅や静かな場所であればノイズキャンセリングを活用することで遮音性のある普通のワイヤレスイヤホンになる。
スポーツ用途で使うのは王道として、在宅ワークなどで長時間とイヤホンをつけっぱなしにしたいシチュエーションでも活躍しそうだ。
そこまでガチなオープンイヤーイヤホンを必要とせず、そこそこカジュアルに使えるオープンイヤーのワイヤレスイヤホンを探している人であれば、Galaxy Buds Live を試してみてはどうだろうか。
レビュー対象製品
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