日本国内での発売が開始されたAmazon純正ワイヤレスイヤホン「Amazon Echo Buds」(アマゾン・エコー・バッズ)。
Amazonの音声UI「アレクサ」(Alexa)が常時スタンバイする、さながら Amazon Echo のワイヤレスイヤホン版。ボタン操作せずに、「アレクサ!○○して」と声で言うだけでアレクサが起動&操作できる。
そして、アレクサと同時に注目したいのが、ペアリング接続の勝手のよさ。
ペアリング接続の上書き切り替えに対応しており、複数デバイス間でペアリング接続先を切り替える際、切り替えたいデバイスのBluetooth設定画面からイヤホン名を選択するだけでペアリング接続先が上書きで切り替えられる。
巷のワイヤレスイヤホンのように切り替え都度、現在のペアリングを解除する必要はない。
アレクサが使いたい人はもちろん、ワイヤレスイヤホンを複数デバイス間で使いまわそうと考えてる人だと Amazon Echo Buds は用途どんぴしゃりな製品になりそうだ。
Amazon Echo Buds 製品評価
発売時期 | 2022年2月 |
直販価格(税込) | 12,980円〜14,980円 |
▼ 主要機能の対応有無
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | × |
ハイレゾ相当再生 | × |
▼ Amazon Echo Buds の製品評価
低音 | (3.5) |
中音 | (3.5) |
高音 | (3.5) |
イヤホンの装着感 | (4.5) |
ノイズキャンセリング | (4) |
外音取り込み機能 | (3) |
マイク性能 | (4.5) |
バッテリー性能 | (2) |
ここがGood!!
- 音声サービス「アレクサ」を声だけで起動&操作できる
- イヤーウィングあり、ランニング中のイヤホン揺れなど軽減
- ペアリング接続先の上書き切り替えに対応(都度現在のペアリングを解除する必要なし)
- ノイズキャンセリング(ANC)は実用水準の静けさ
ここがBad...
- 「アレクサ」と呼んでも反応しないことがある
- 風切り音が大きめ、屋外でマイク機能を使うと風がうるさい
- バッテリー駆動時間が相場よりも短め(アレクサ常時待機でイヤホン5時間)
製品カラーリングは2色
カラーリングは白と黒の2色。レビューは白で行う。
この記事の目次(タッチで移動)
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Amazon Echo Buds の製品概要
スペックシート抜粋
Bluetoothバージョン | 5.2 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | × |
防水性能 | IPX4 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体6.5時間 |
ケース併用で最大19.5時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線)※ |
特記 | アレクサ搭載 |
※Qi対応は別途オプション
Amazon Echo Buds のペアリング仕様
ペアリング仕様抜粋
Google Fast Pair | × |
マルチポイント | × |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
ペアリング接続の上書き切り替え | 対応 |
新規ペアリングモードの起動方法 | イヤホンをケースに仕舞った状態にして、ケース背面のボタンを3秒長押し |
Google Fast Pair とは?
Google Fast Pairは、Googleが提供するペアリング簡素化システム。
Android OS 6.0以上のスマホであれば、専用のポップアップ画面からワンタッチでペアリング設定できる。
マルチポイントとは?
マルチポイントとは、複数デバイスを同時接続できる機能のこと。
同時接続しているデバイス間で、なにかしらオーディオ再生しているデバイスに音声出力先だけ自動で切り替わる。
マルチペアリングとは?
マルチペアリングとは、複数デバイスのペアリング情報が記録できる機能のこと。
1度記録してしまえば次回以降に再度セットアップする必要がなくなり、ケースふたを開くだけでデバイスと再接続できる。
昨今のワイヤレスイヤホンだとおおよそ5台〜10台のデバイスのペアリング情報が記録できる。
ペアリング接続の上書き切り替えとは?
複数デバイス間でペアリング接続先を切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。
一部メーカーのワイヤレスイヤホンだと現在のペアリング接続を解除せず、ペアリングを移したいデバイスのBluetooth設定画面でイヤホン名を選択するだけでペアリング接続先を上書きして切り替えられる。
新規ペアリングモードの起動方法について
初回設定時はケースふたを開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。
2回目(2台目)以降のペアリングを行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。
新規ペアリングモードの起動方法
新規ペアリングモードの起動方法は簡単。
ケースに左右イヤホンをセット。ケースふたを開いた状態でケース背面のペアリングボタンを3秒長押しするだけ。
なお、初回(デバイス1台目)のペアリングを行う際、iOS、Android向けのAlexaアプリから先に初回セットアップする必要あり。
Amazon Alexa
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複数デバイス間のペアリング切り替え方法
Amazon Echo Buds はペアリング接続の上書き切り替えに対応。
ペアリング切り替え都度、現在のペアリングを解除する必要なし。ペアリングを移したいデバイスのBluetooth設定画面からイヤホン名をタップすれば、そのままペアリングが切り替えられる。
iPhone、iPad環境であればiOSショートカットを使ったペアリング再接続も可能だ。
そのほかペアリングまわりのTipsは以下記事を参考にしてほしい。
【Tips】Amazon Echo Buds(第2世代)のペアリングまわりの設定方法まとめ
続きを見る
Amazon Echo Buds の機能レビュー
バッテリーまわりのこと
バッテリー駆動時間(通常時) | イヤホン単体6.5時間 |
ケース併用で最大19.5時間 | |
バッテリー駆動時間(アレクサ常時待機) | イヤホン単体5時間 |
ケース併用で最大15時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線) |
※オプションでQi(無線)追加可能 |
バッテリー駆動時間は相場よりも短い。アレクサ常時待機となるとイヤホン単体5時間、ケース併用15時間と2022年現在のワイヤレスイヤホンとは思えぬ水準まで下がる。
片耳イヤホンとしても利用できるので、どうしてもバッテリー駆動時間を伸ばしたい人だと片耳イヤホンとして使いまわすのも検討した方がいい。
ケース充電はUSB Type-Cケーブルで行う。ワイヤレス充電(Qi充電)に対応したカスタムケース版を購入すればワイヤレス充電も可能。ワイヤレス充電版は通常ケース版に2,000円をプラスすれば購入できる(通常版12,980円、ワイヤレス充電版14,980円)。
通話マイク仕様
通話時ノイズカット機能 | 対応 |
風切り音カット | × |
通話マイクは高性能。もとよりアレクサ・デバイスとあってマイクの聞き取り精度は高い。
ただ、風切り音カットには対応せず。風の強い場所で使うと”シュバババ”といった風切り音が入り込む。在宅のビデオ通話まだしも、屋外でのハンズフリー通話やアレクサ操作だと勝手の悪さ感じそう。
操作性
ボタン種類 | タッチセンサー式ボタン |
操作コマンドの割り当て変更 | 対応 |
イヤホン外側にタッチセンサーを搭載。タッチセンサー操作で音楽再生コントロールほか、アレクサの手動起動、ノイズキャンセリングのON/OFFなどひととおりの操作が可能。
「アレクサ」アプリを使えばタッチセンサーの操作機能を部分的にOFFにすることも可能なので、タッチセンサーの誤反応に鬱陶しさを感じる人ならカスタムしたい。
音楽操作コマンド(割り当て変更可能)
左イヤホン操作 | 右イヤホン操作 | |
1回押し | 再生/停止 | |
2回押し | 次の曲へ移動 | |
3回押し | 前の曲へ戻る | |
長押し | ノイズキャンセリング←→外音取り込み機能の切り替え |
専用アプリ(アレクサアプリ)からいずれの操作コマンドも割り当て変更可能。左右それぞれに別の操作コマンドを指定できる。
割り当てられる操作内容は上記の操作内容にくわえ、音量アップ、音量ダウン、マイクミュート、アレクサの起動など用意。割り当てなし(無反応)を指定することも可能だ。
通話対応コマンド(割り当て変更不可)
左イヤホン操作 | 右イヤホン操作 | |
2回押し | 着信対応/終了 | |
長押し | 着信拒否 |
防水性能
防水性能 | IPX4(IP4) |
防塵性能 | × |
イヤホン本体の防水性能はIPX4。雨や汗に耐えられる。ジムで運動するときだったり、屋外ランニング中に使うには十分の性能だ。
iPhoneとの相性
iPhoneとの相性 | (非常に普通) |
AACコーデック | 対応 |
iOS向け専用アプリ | 対応 |
iPhoneとの相性は非常によい。
iPhoneで主流のBluetoothオーディオコーデックである「AAC」に対応しているので、iPhoneと接続して使う場合でも問題なくオーディオ再生できる。
専用アプリ(アレクサアプリ)もiPhoneに対応。イコライザー調整、タッチ操作コマンドの割り当て変更など問題なく行える。iPhoneユーザーであっても不利益を被る要素はない。
Amazon Echo Buds の外観&使用感
充電ケースは片手で握り込めるコンパクトサイズ
充電ケースはコンパクト。サイズで言うと縦4cm、横6cm、厚さ3cmほど。
男性であれば片手で握り込めるサイズ感。ズボンのポケットに入れておく場合でもモッコリせず、邪魔にもならない。
ケース外装はマット感のあるプラスチック。適度に磨き上げた触り心地のよさ、質感のよさがあって、プラスチックだがそこまで安っぽさは感じない。
イヤホンはイヤーウィングあり、揺れの少ない装着感
イヤホンサイズはコンパクト。イヤーピースとイヤーウィングのサイズがカスタムできるので、各々の耳のサイズにあった大きさに調整すれば丁度いい装着感が得られる。
イヤホンが気持ち横に出っ張っていて、装着すると耳穴からイヤホンが飛び出る。
ただ、イヤーウィングを耳のひだにしっかりとフィットさせておけばイヤホンの抜け落ちリスクは軽減できるし、ランニング中などのイヤホン揺れも防げる。
見た目とは裏腹にイヤホンの装着感は安定してる。
イヤーピース、イヤーウィングはサイズ変更可能。いずれもシリコン素材なので長時間の装着でも耳への負担が少ない。
Amazon Echo Budsのアレクサ操作でできること
「アレクサ!!」と呼びかけるだけでスマホ操作できる
Amazon Echo Buds の最大のセールスポイントがこれ。
ボタン操作せずに「アレクサ!!」と呼びかけるだけでアレクサが起動。そのまま接続先のスマホが操作できる。
もっぱら以下のような操作はすべてアレクサ経由で行える(音声起動&音声操作だけでまかなえる)。
音楽再生コントロール
音声操作コマンド(一例) | |
再生/停止 | アレクサ!!曲を再生して(止めて) |
特定のプレイリストを再生 | アレクサ!!プレイリスト「〇〇」をシャッフル |
音量の上げ下げ | アレクサ!!音量を上げて(下げて) |
次の曲へ移動 | アレクサ!!次 |
曲の名前をチェック | アレクサ!!曲の名前は? |
運動中に便利なコマンド
音声操作コマンド(一例) | |
タイマー設定&開始 | アレクサ!!タイマー60秒で |
現在の時間確認 | アレクサ!!今何時? |
最新のNHKニュースを聞く | アレクサ!!ニュースを読んで |
他社のワイヤレスイヤホンでも音声アシスタントとしてアレクサを設定できるものがあるが、大方ボタン操作でアレクサを起動する必要がある。
対して Amazon Echo Buds なら「アレクサ!!」と声で呼びかけるだけで起動できる。ボタン操作は必要ない。
ランニング中など手を使わずに音声操作だけで音楽再生をザッピングしたり、ワークアウト休憩中のタイマーセットが可能なのは、未来的であると同時に実用的だ。
アレクサ操作に際しての主たる弱み
「アレクサ!!」と聞き取ってくれないことがある
アレクサを起動するため、まず最初にウェイクワードとして「アレクサ!!」と口に出して呼びかけるわけだが、スルーされることが多い。
マイクの集音性能が弱いのかと思いきや、指示内容それ自体はきちんと聞き取っていたりする。とかく「アレクサ!!」の呼びかけにだけ反応してくれなくて悲しくなる。
他のアレクサ搭載デバイスでも似たようなトラブルに見舞われることはあるのだが、どうしても改善しない、勝手が悪い場合はボタン操作コマンドに「アレクサを起動」を割り当てるなどの代替手段を用意しておいた方がいいかもしれない。
音楽再生コントロールできる音楽サービスは種類が限られる
アレクサ経由(音声操作経由)でコントロールできる音楽サービスだが、Amazon Musicはじめとした以下8つの音楽サービスのみ。
アレクサ経由(音声操作経由)で音楽再生がコントロールできる音楽サービス(2022年2月時点)
- Amazon Music
- Apple Music
- Apple Podcast
- Spotify
- AWA
- dヒッツ
- うたパス
これ以外の音楽サービスだと音声操作経由でコントロールできない。
とはいえ、メジャーな音楽サービスは揃っていて、もっぱらLINE MUSICあたりを使っている人を除けば不満ないかと思う。
ノイズキャンセリング(ANC)対応、1人集中して走りたいときに最適
Amazon Echo Buds はノイズキャンセリング(ANC)こと周囲の騒音の低減機能に対応している。
2万円、3万円する高価格モデルのノイズキャンセリングのような徹底した騒音カットではないが、もとよりイヤホンの物理的な遮音性が高いのでノイズキャンセリングONの状態なら静けさは得られる。
公園内の決まったランニングルートだったり、トレッドミルで1人黙々と走っていたいときなどに機能ONにして音楽を流しておけば、周囲の音が気にならない集中空間そのもの。ついつい聞き入ってしまいそう。
ノイズキャンセリングそれ自体をメインで使いたい人だと物足りなさを感じそうだが、それとなく周囲の騒音を低減する程度に使うくらいであれば実用十分なスペック。
そういえば、音質どうなの...?
音質はよくも悪くも普通。イコライザー調整(音質カスタム)ありきで完成するAmazon Basicの極み
Amazon Echo Buds の音質を一言で言えば普通。
低音、中音、高音がバランスよく鳴るフラット型の音質というべきだろうか。音の強弱、音のメリハリなく、ただただ音が鳴ってるイメージ。
とはいえ、格安の中華イヤホンのように音がスカスカというわけではなく、音の質感のようなものはきちんとある。
イコライザー調整(音質調整)ありきで完成するスタンダードなチューニングだと思っている。「アレクサ」アプリを使えば低音、中音、高音を10段階で細かく調整できるので、人それぞれ好みの音に合わせてカスタムしたい。
音の迫力がほしければ低音(ベース)を、ボーカル重視で音楽を聞きたい人なら中音(ミドル)を、全体的に音をクリアにしたい人なら高音(トレブル)をプラスすればいい。
この記事のまとめ
ここまで Amazon Echo Buds をレビューしてきた。
スポーツイヤホンとして悪くない選択肢。ランニング中など独り言のようにブツブツ言いながら音楽再生をザッピングできるのが本当に便利だ。
いかんせん音声操作デバイスは声に出して操作するのが気恥ずかしかったりするのだが、ランニング中や運動中ならさして気にならない。服装や動作も含めて「私は運動してますよ!」という口実あってこそなせる技だと思っている。
また、ペアリング接続の上書き切り替えにも対応。スマホやPCなど複数デバイス間でストレスなく使えるワイヤレスイヤホンとして考えると優秀クラスの製品だ。
アレクサ用途の人、ワイヤレスイヤホンのペアリング勝手を重視する人など Amazon Echo Buds を試してみてほしい。
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