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ソニー(SONY)

ソニー「INZONE Buds」レビュー|LC3対応ゲーミングイヤホン(ドングルあり)

2025年2月15日

ソニーのゲーミングブランド「INZONE」から登場した完全ワイヤレスイヤホン「INZONE Buds」(型番WF-G700N)。

次世代Bluetoothオーディオコーデック「LC3」に対応したワイヤレスイヤホン。Bluetooth通信ながらも30ms(誤差0.03秒)で通信できる低遅延性能に強みを持つ製品です。

LC3に対応したデバイスはまだまだ数が少なめですが、INZONE Buds は専用のUSB-Cドングルを介したLC3接続に対応。USB Type-Cポートを備えるデバイスであれば事実上あらゆるデバイスをLC3対応化させられます

PS5やNintendo Switch、ゲーミングPC(Windows PC)などでゲームデバイスでワイヤレスイヤホンを使いたい人だと相性は抜群です。

この記事では、INZONE Buds をレビュー。実機で使い勝手を見ていきます。

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ソニー「INZONE Buds」製品概要

スペックシートを確認

発売時期2023年10月
相場価格2.7万円
販売元メーカーソニー(国産)
Bluetoothバージョン5.3
Bluetooth対応コーデック(LE Audio仕様)LC3のみ
従来仕様(Classic Audio)は非対応
ノイズキャンセリング対応
外音取り込み機能対応
マルチポイント
マルチペアリング対応(最大?台)
ペアリング接続先の上書き切り替え
防水性能IPX4
バッテリー駆動時間イヤホン単体12時間
ケース併用で最大24時間
ケース充電方法USB Type-C(有線)のみ

 

 

製品概要

INZONE Buds は、ソニーのゲーミングギアブランド「INZONE」(インゾーン)の完全ワイヤレスイヤホン製品。2023年10月に発売開始。

eスポーツチーム「Fnatic」が監修したゲーミングイヤホンの位置付け。次世代Bluetoothオーディオコーデック「LC3」に対応。ワイヤレスイヤホンながらも30ms(誤差0.03秒)で通信できます。

LC3に対応したデバイスはまだまだ数が少なめですが、INZONE Buds は専用のUSB-Cドングルを介したLC3接続に対応。USB Type-Cポートを備えるデバイスであれば事実上あらゆるデバイスをLC3対応化させられます

PS5やNintendo Switch、ゲーミングPC(Windows PC)などLC3非対応のゲームデバイスでも問題なく使える名実ともにゲーミングイヤホンです。

 

 

【注意点1】LC3以外のBluetoothオーディオコーデックには非対応

INZONE Buds はLE Audio仕様のワイヤレスイヤホン。対応するBluetoothオーディオコーデックは「LC3」のみ。「SBC」「AAC」「LDAC」といった従来コーデックには対応しません。

そもそもの「LE Audio」は従来仕様こと「Classic Audio」との互換性なし。対応プロファイルからして別物です。LE Audioに対応しないデバイスだと初回のペアリング設定すらできないので注意。

ドングル経由で接続する場合はペアリング設定の必要なし。それゆえ、LC3対応デバイスがそこまで普及していない2025年時点においては、おおよそドングル経由で接続して使うことになるかと思います。

LC3(LE Audio)への対応状況

LC3(LE Audio)への対応状況
iPhone・iPad非対応
AndroidGoogle Pixel、Xperiaなど一部のメーカー品のみ対応(参考情報
WIndowsWindows 11以上、かつバージョン22H2以降、かつメーカーが機能解禁してる製品のみ対応(参考情報
Mac非対応
Chromebook非対応
Nintendo Switch(Lite含む)非対応
PS5Bluetoothそのものが非対応

いずれも2025年2月時点の情報

 

 

【注意点2】イヤホン・カスタマイズはWindows向けの専用アプリを使う必要あり

イコライザー調整、立体音響カスタマイズ、タッチ操作コマンドの変更などはWindows向けの専用アプリ「INZONE Hub」を使う必要あり。

アプリはWindows 10、WIndows 11向けに提供。MacやChromebook向けにはアプリ提供なし。

iOS・Android向けの専用アプリ(Sound Connect)でもいくらかカスタマイズできますが、立体音響カスタマイズには対応せず(そもそもLE Audioに対応しないデバイスだと初回のペアリング設定できず、アプリにもアクセスできませんが...)。

デフォルト状態で使うだけなら専用アプリも必要ありませんが、もっぱら立体音響カスタマイズしたい人だとWindows向けの専用アプリ「INZONE Hub」が必須です。

参考記事

 

 

ソニー「INZONE Buds」の外観・デザイン

イヤホン本体

イヤホン本体はソニーいわくの"エルゴノミック・サーフェス・デザイン"を採用。

耳介に合わせてイヤホンが"すぽり”とハマる気持ちよさあります。

イヤホン側面部のくぼみをトラガス部分に引っ掛けて使うため、イヤホンの装着感も安定。長時間のイヤホン装着でも疲れにくいです。

イヤホン装着時のイメージ。マスク紐の引っかかりもありません。

イヤーピースは4サイズが付属。汎用イヤーピースなので他社イヤーピースにも交換できます(丸型)。

イヤホン外側にタッチボタンあり。タッチ操作経由でのオーディオ操作、着信対応、マイクミュートON/OFFなど可能です。

iOS・Android向けの専用アプリ(あるいはWindows向けの専用アプリ)を使えば操作コマンドの割り当て変更も可能です。

操作コマンド

オーディオ操作コマンドは以下8枠に割り当て可能(以下はデフォルト仕様)

左イヤホン右イヤホン
1回タップノイズキャンセリング切り替え再生/停止
2回タップ(割り当てなし)次の曲に進む
3回タップ(割り当てなし)前の曲に戻る
長押しマイクON/OFF(割り当てなし)

通話コマンドは変更不可

左イヤホン右イヤホン
2回タップ着信対応
着信終了
長押し着信拒否

オーディオ操作コマンドは以下から選択(重複選択可)

  • 再生/停止
  • 次の曲に進む
  • 前の曲に戻る
  • 音量1アップ
  • 音量1ダウン
  • ゲームの音を上げる
  • チャットの音を上げる
  • マイクON/OFF
  • ノイズキャンセリング切り替え
  • 反応OFF(タッチ反応OFF)

イヤホンの着脱検出にも対応。イヤホン着脱と合わせて自動でオーディオ再生/停止します。

 

 

充電ケース

充電ケースはちょい大きめ。数値で言うと縦4cm、横5cm、厚みは3cm〜4cmほど。

サイズ的には片手で握り込める大きさですが、ケースがぶ厚めなのでズボンのポケットに入れておくとモッコリします。

外装は紙っぽい素材。LinkBudsシリーズで採用されるエコ感?あるケース素材です。

爪を立てると薄傷が付きそうな雰囲気あります。

ソニー製品とありAmazonあたりを探すとケースカバーが多め。薄傷を防ぎたい人なら合わせて調達しておきたい。なお、純正ケースカバーの展開はありません(→ Amazonでケースカバーを見てみる)。

ケース上蓋の"SONY"ロゴは刻印仕様。経年劣化で剥げることもありません。

ケースを開いたイメージ。

ケース内側に専用ドングルの収納スペースあり。

ワイヤレス充電(Qi)は非対応。充電にはUSB Type-Cケーブルが必要です(同梱あり)。

 

 

ソニー「INZONE Buds」の音質レビュー

音質はそこそこ

低音(4)
中音(4+)
高音(4)

音質はそこそこ。悪くはないが、特段に優れているわけでもありません

ボーカル重視のソニーっぽいサウンドあり。音場もそこそこ広めです。

ただ、低音、高音はまとまりない印象が拭えず。ボーカル以外の音はBGM感覚でジャカジャカ鳴ってるだけです。

価格2.7万円のワイヤレスイヤホンとして考えると音質は微妙。ゲーミングイヤホンなので音質はそこまで重視していないのかもしれません。基本的にはイコライザーを活用してゲームSEが聞きやすいように調整して使うことになるかと思います

ソニー・ワイヤレスイヤホンでおなじみLDACコーデックは対応せず。また、ソニー独自の音質補正機能「DSEE」も非対応です。

 

 

イコライザー調整に対応

iOS・Android向けの専用アプリ(あるいはWindows向けの専用アプリ)を使ったイコライザー調整に対応。

音質シチュエーションに合わせたプリセット変更、あるいは目盛り単位の細かなチューニングに対応します。

また、iOS・Android向けの専用アプリを使う場合に限り、聴覚の特性に合わせたパーソナライズ・イコライザーも作成できます(ファインド・ユア・イコライザー機能)。

 

 

立体音響設定はWindows向けアプリ必須

専用機能「360 Spatial Sound for Gaming」に対応。耳の位置を測定し、音の鳴り方を立体音響仕様に変更できます

ただ、同機能はWindows向けに提供される専用アプリ「INZONE Hub」でしか設定できず。Mac向けには配信なし。iOS・Android向けの専用アプリからも設定できません。

 

 

ソニー「INZONE Buds」の機能性レビュー

ノイズキャンセリング

ノイズキャンセリング性能(4)
ノイズキャンセリングの強度調整

ノイズキャンセリング機能に対応。機能ONにすると周囲の音を中和・低減できます。

遮音性能は実用水準。同等価格のソニー製品に比べて機械的な遮音性能はそこまで高くありませんが、イヤホン構造のおかげで物理的に周囲の音を低減。とりあえずで静かになります。

ノイズキャンセリング利用による耳への圧迫感も少なく、常時機能ONで使うのも気持ち悪さありません。

ただ、ノイズキャンセリング利用に伴うホワイトノイズ(サーっと言った音)の発生あり。ゲームのサウンドBGMがほとんどない静かな状況だとホワイトノイズの音がスピーカーに乗ってて鬱陶しいかもしれません。

 

 

外音取り込み機能(ながら聞き機能)

取り込み性能(4-)
取り込み量の調整対応(手動)

イヤホンマイクで周囲の音を集音。イヤホンを装着したままスピーカー経由で周囲の音が聞き取れる「外音取り込み」機能に対応。

取り込み性能は普通。機能していますが、少なからず高性能ではありません

周囲の音が大きい状況(屋外での徒歩中など)でオーディオ再生を停止あるいは小音量にすれば、とりあえずで周囲の音が聞き取れるくらいの性能です。

ノイズキャンセリング同様にホワイトノイズ(サーっと言った音)の発生あり。オーディオ再生を停止した状態だと明確にホワイトノイズが認知できます。

 

 

通話マイク品質

通話マイク性能(4)

通話マイクは実用水準

口元の音のピックアップ、周囲の音の除去が機能してます。

周囲の音の除去率は低めですが、屋内でゲームチャットするようなシチュエーションであれば特に問題ないレベルです。

風切り音の除去率は低め。マイクに当たった風の音が、ほぼほぼスピーカーに乗ってます。基本的には屋内で使うべきマイクです。

 

 

マルチポイント・ペアリング切り替え勝手

マルチポイント
マルチペアリング不明
ペアリング接続先の上書き切り替え不明

マルチポイントは非対応。LE Audio仕様のワイヤレスイヤホンだとマルチポイント非対応が一般的です。

マルチペアリングの可否、ペアリング接続先の上書き切り替え可否は不明。筆者の手元環境にLE Audio対応デバイスが1台しかないため検証できず。

ドングル接続モードが基本的な使い方になるため、通常のBluetooth接続を前提にしたマルチポイント・マルチペアリングを気にする必要性は低いかと。ドングルを差し替えるだけで当該デバイスにペアリング接続先が事実上切り替わります

なお、ドングル接続モード、通常のBluetooth接続モードを併用する場合、手動でモードを切り替える必要あり。左右イヤホンのタッチセンサーを同時に1秒(2秒?)長押しするとモードが切り替わります。

 

 

バッテリー持ち・充電環境

バッテリー駆動時間イヤホン単体12時間
ケース併用で最大24時間
ワイヤレス充電

バッテリー駆動時間は優秀。通常のBluetooth接続時、ドングル接続時、いずれの場合でもイヤホン単体12時間駆動できます。

ドングルタイプのワイヤレスイヤホンだとイヤホン単体6時間前後の製品が多め。ドングル接続で12時間使えるのは紛うことなき強み

ソニー独自開発の低消費電力プロセッサー「L1」を搭載したこともあり(なおかつのLE Audio単体仕様とあり)、バッテリー持ちは INZONE Buds のセールスポイントと言えます。

ケースのワイヤレス充電(Qi)には非対応。USB Type-Cケーブルを使って有線充電する必要あり(ケーブル同梱あり)。

 

 

【本命機能】USB-Cドングルを使ったLC3接続について

【知らない人向け】そもそものLC3とは?

「LC3」は2020年に仕様策定された次世代Bluetoothオーディオコーデック

Bluetooth接続ながらも30ms(誤差0.03秒)で通信できる低遅延性能が主たる強み。

既存コーデックだと遅延100ms〜200msが一般的。低遅延に強みを持つaptX Adaptiveも50ms〜80ms止まり。LC3の遅延性能は30msと既存コーデックを上回ります。

肝心のLC3対応デバイスはまだまだ少なめですが、INZONE Buds は、USB-C仕様の専用ドングルを介して接続することで通常だとLC3が使えないデバイスも含めてLC3対応化

PS5やNintendo Switch、ゲーミングPC、あるいはiPhoneやiPadなどUSB Type-Cポートを備えるデバイスであればもれなくLC3接続が可能です。

 

 

専用ドングルの仕様

INZONE Buds の専用ドングルはUSB Type-Cポートに装着可能。

変換アダプターを使えば他のポートにも装着こそできますが、動作は保証されず。購入を検討する場合、基本的にはUSB Type-Cポートに装着するのを前提にして考えるべきです。

ドングルは縦横2.5cmほど(端子部分を含む)。厚み0.5cmほど。

厚みは0.5cm。スマホ同等の厚みです

端子がちょい長め。Nintendo Switchケースやスマホケースの上から装着する場合でもドングルがケース干渉しにくいです。ここらはゲーミングイヤホンならでは?のお心遣い。

ドングル経由のパススルー充電には非対応。デバイス本体を充電する場合、都度ドングルを外す必要あり。

 

 

LC3の使い勝手は?

ゲームのジャンルにもよりますが、遅延は0.1秒(100ms)を超えてくると明確に視認できます。

対してLC3の遅延は0.03秒(30ms)。オープンワールドゲームやFPSなどリアルタイムでの音の反応が求められるゲームであっても、ほぼ違和感なくプレイできてます

ゲーム操作に対する反応の遅さ、遅れが気になることもなし。一見すると有線イヤホンを挿しているかのように錯覚する映像と音声の同期具合です。

スペックシート上、遅延ゼロと言うわけではありませんが、よほど耳がいい変態スナイパーを除けば体感レベルで遅延ゼロと感じる仕上がりかと思います

 

 

この記事のまとめ

【Good!】ソニー「INZONE Buds」のよかったところ

  • 業界で数少ない「ドングル付きのLC3対応ワイヤレスイヤホン」
  • イヤホン単体12時間使えるスタミナ・バッテリー
  • イヤホンの装着感は安定(かつ疲れない)
  • 潔いまでのゲーミングイヤホン

【Bad...】ソニー「INZONE Buds」の気になったところ

  • LC3以外のコーデックは完全非対応
  • 音質・機能ともに価格に照らして性能は並
  • Windows向け専用アプリが使えないと所々カスタマイズできず

INZONE Buds、「ドングル付きのLC3対応ワイヤレスイヤホン」として考えると業界で数少ない選択肢

また、ドングル接続であってもイヤホン単体12時間使えるスタミナ、長時間のイヤホン装着でも疲れにくいイヤホン構造とあり、ゲームプレイを前提にした設計思想が確かに見て取れます。

名実ともにゲーミングイヤホン。もとよりゲーミング用途で購入を検討している人であれば間違いない製品かと思います

一方でLC3以外のBluetoothコーデックに対応していなかったり(というかLE Audio以外に非対応)、Windows向けの専用アプリを使わないとゲーム特化の立体音響機能が設定できなかったりと、いくらか玄人向け製品の側面もあります。

特にセールスポイントの一つたるゲーム特化の立体音響機能の設定はWindows向けの専用アプリ必須。対応OSはWindows 10、Windows 11のみ。スマホやMacからは設定できません。

総じてゲーミングイヤホンとしての購入を検討してて、なおかつWindows向けの専用アプリが使える人が購入するのが一番ベストでしょう

 

 

ソニー「INZONE Buds」のおすすめ代替候補

AKG N5 Hybrid(価格3.9万円)

ドングル介してLC3plus接続(遅延10ms)が可能な唯一無二の製品。ブランド的にオーディオオタク向けの製品ですが、奇しくもゲーミングイヤホンとして優秀(レビュー記事を見る

Anker Soundcore VR P10(価格14,990円)

Ankerのゲーミングイヤホン。ドングル経由でLC3接続できます(レビュー記事を見る

 

 

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