Ankerの新フラッグシップ「Soundcore Liberty 5」。
前作モデル「Soundcore Liberty 4」の2年半ぶりリニュアルモデル。2025年5月より発売開始になりました。
Ankerワイヤレスイヤホンと言うとコスパや機能性ばかり注目されますが、今作はオーディオ性能を重視。
バスレフ型スピーカー&Dolby Audio機能を初搭載。深みのある低音描写に磨きをかけた1品です。
ホームスピーカーのようなドコドコ鳴る低音が好きな人だとオーディオ相性は抜群。普段使いのワイヤレスイヤホンとして重宝しそうです。
この記事では、Soundcore Liberty 5 をレビュー。実機でその使い勝手を見ていきます。
この記事の目次(タッチで移動)
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Anker Soundcore Liberty 5 の製品概要
スペックシートを確認
発売時期 | 2025年5月 |
市場価格 | 14,990円 |
販売元メーカー | Anker(中国) |
Bluetoothバージョン | 5.4 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC、LDAC |
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大8台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | ✗ |
防水性能 | IP54 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体12時間 |
ケース併用で最大48時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
製品概要・前作モデルとの違い
Soundcore Liberty 5 は、Ankerのフラッグシップモデル「Soundcore Liberty 4」の2年半ぶり後継モデル。
音質、ノイズキャンセリング性能、バッテリー駆動時間まで堅実にアップグレード。
なおかつ、価格はそのまま14,990円とあり、非常にコスパよい仕上がりです。
前作モデルとの違い
Soundcore Liberty 5(2025) | Soundcore Liberty 4(2022) | |
定価 | 14,990円 | |
Bluetoothバージョン | 5.4 | 5.0 |
対応Bluetoothコーデック | SBC、AAC、LDAC | |
ノイズキャンセリング | 対応 | |
外音取り込み機能 | 対応 | |
マルチポイント | 対応(最大2台) | |
マルチペアリング | 対応 | |
ペアリング接続先の上書き切り替え | ✗ | |
防水性能 | IP54 | IPX4 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体12時間 | イヤホン単体9時間 |
ケース併用で最大48時間 | ケース併用で最大28時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
※バッテリー駆動時間はいずれもノイズキャンセリングOFFのときの数値
Soundcore Liberty 4 はAnkerワイヤレスイヤホンでは珍しくオーディオ性能を重視した製品でしたが、同路線は今作でも健在。
Ankerワイヤレスイヤホン初となるバスレフ型スピーカーを搭載。深みのある低音描写に磨きをかけた1品です。
さながらホームスピーカーのような音の振動すら感じられる、臨場感ある音が楽しめます。
▼ バスレフ型スピーカー初搭載

出典:Amazon商品ページ
ノイズキャンセリング性能は1万円台ワイヤレスイヤホンの中でほぼトップの実力あり。
オーディオ再生を停止した状態ならデジタル耳栓としても活用できる静けさあります。
カラーリングは5色展開。黒、白、ネイビー、ゴールド、ピンクを用意。なお、当記事でレビューしているのは白色です。
Anker Soundcore Liberty 5 の外観・デザイン
【イヤホン本体】王道のスティック形状
イヤホン形状はAnker王道のスティック型。
イヤホン重量も片側5gと相場平均的。可もなく不可もなく無難に装着できる勝手のよさあります。
イヤホンを装着したイメージ。
イヤホンを装着するとイヤホンの向きが自然と内側を向きます。イヤホンの抜け落ちリスクも軽減。
筒が耳外に飛び出てるため、マスク着脱時にマスク紐に引っかからないよう注意したい。
イヤーピースは全6サイズが付属します(初期装着はMサイズ)。
イヤホンの筒部分には感圧センサー(感圧ボタン)を搭載。
タッチセンサーとは異なり、少しばかり力を入れないと反応しないボタン仕様。
ふとしたタイミングに指腹が触れても誤反応なくて使いやすいです。
タッチ操作コマンドはiOS・Android向けの専用アプリからカスタマイズできます。
オーディオ操作コマンド(デフォルト仕様)
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回押し | 再生/停止 | |
2回押し | 前の曲に戻る | 次の曲に進む |
3回押し | 割り当てなし | |
長押し | ノイズキャンセリング←→外音取り込み切り替え |
いずれの操作枠も変更可能。「音量アップ」「音量ダウン」「音声アシスタント起動」も別途選択できます。
「1回押し」コマンドに限り「写真を撮影」コマンドも用意あり。
通話コマンド(デフォルト仕様)
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回押し | 着信対応 | |
2回押し(変更不可) | 通話終了、(着信時のみ)着信拒否 |
追加設定で「マイクミュート・解除」を追加可能(1回押し、通話時のみ)
イヤホンの着脱検出にも対応。イヤホンを耳から外すとオーディオ停止。イヤホンを装着し直すとオーディオ再生が開始します。
防水はIP54仕様(防塵がIP5、防水がIP4)。汗、雨、濡れ指くらいなら気にしないでOK。
【充電ケース】はんぺん型・ワイヤレス充電(Qi)対応あり
充電ケースははんぺん型。
縦横6cmほど、厚み2.5cmほどのサイズ感。側面部には丸みがあります。
片手で握り込めるサイズ感。ズボンのポケットに入れたままでもモッコリしません。
天板の"d"ロゴは刻印仕様。経年劣化でロゴが剥げることもないかと。
外装はプラスチック。適度に磨きあるサラサラした触り心地です。
ただ、ケースカバーなし運用だと擦り傷や薄傷が付きそうな印象あり。
幸いにもAnkerワイヤレスイヤホンはケースカバーが多め。Amazonあたりを探せば1000円くらいのサードパーティ製のケースカバーがあります。傷を防ぎたい人だとケースカバーも使いたい(→ Amazonでケースカバーを見てみる)。
ケースの上蓋はスライドで開閉可能。片手で上げ下げできます。
上蓋を開いたイメージ。
イヤホンは真上から掴めばそのまま取り出せます。
ケースはワイヤレス充電(Qi)に対応。スマホ向けのワイヤレス充電器を使っている人ならそのまま使いまわせます。
有線で充電する場合はUSB Type-Cケーブルが必要です(同梱あり)。
Anker Soundcore Liberty 5 の音質レビュー
音質は低音重視
低音 | (5) |
中音 | (4) |
高音 | (4.5) |
バスレフ型スピーカーを採用した本格的な低音イヤホン設計。
低音域の沈み具合はワイヤレスイヤホンとは思えぬ深さあって病みつきになります。
ロックサウンド曲やEDM系の曲など聴くと低音がドコドコ鳴ってて、これがやっぱり病みつきになります。
中音域〜高音域も思いのほかクリア。低音の強さのわりに音こもった感じもなし。
Dolby Audio機能(後述)と組み合わせることで音に広がりも生まれ、よりくっきり明瞭なサウンドに変化します。
前作モデルはAnkerでは珍しくオーディオ性能を重視した製品でしたが、今作もその路線は継承。下位の製品ラインナップとは明確に別次元の高音質オーディオです。
LDACコーデックにも対応
ハイレゾ・コーデックたるLDACにも対応。大方のAndroidスマホであればハイレゾ音域(24bit/96kHz)でのオーディオ再生が可能です(iPhoneはLDAC非対応)。
イコライザー調整に対応
iOS・Android向けの専用アプリ「Soundcore」からイコライザー調整が可能。
音楽シチュエーションに合わせたデフォルト・プリセットほか、一から自作できるカスタム・プリセットも用意あり。
聴覚検査を兼ねたイコライザー作成機能(HearID)も搭載。耳の聴こえ方にあったオリジナル・イコライザーが自動で作れます。
「デフォルト」イコライザー(初期設定)がチューニングとして一番完成している気がしますが、より自分好みの音にカスタムしたい人だとイコライザーを活用あれ。
Dolby Audio(ドルビー・オーディオ)初対応
空間オーディオ再生を兼ねた「Dolby Audio」機能に対応。iOS・Android向けの専用アプリから設定できます。
「音楽モード」「Podcastモード」の場合は2Dオーディオ拡張ですが、「ムービーモード」なら3Dオーディオ拡張になります。
「音楽モード」の完成度が高し。低音域がよりシャープでエッジに。ボーカルはよりクリアでくっきりした音に変わります。常時機能ONにして使うのがおすすめ。
「Podcastモード」はボーカルを抽出。ボーカル音声が気持ち9割くらいの音声比率になります。ラジオやライブ配信など聞くときだとこれが良さげ。屋外で騒音ある場所でもボーカルくっきり聞き取れます。
「ムービーモード」は3Dオーディオ仕様ですが、ボーカル音声がいくらか鼻声のように聞こえます。評価の良し悪しは人次第です。
【✗】LC3コーデック(LE Audio)非対応
次世代Bluetoothオーディオコーデック「LC3」には対応せず。
昨今だとハイエンドモデル中心に対応機種が登場していますが、Soundcore Liberty 5 は意外にもスルーしました。
(とはいえ、Bluetooth 5.4仕様なのでハードウェア的にはLC3対応してるはずです)
Anker Soundcore Liberty 5 の機能レビュー
ノイズキャンセリング【★5】
ノイズキャンセリング性能 | (5) |
遮音強度の調整 | 対応(手動 or 自動) |
ノイズキャンセリングは高性能。非常に静かです。
低周波音のノイズカットはもちろん中音域あたりにもマスクあり。甲高い音など低減できてます。
ノイズキャンセリング利用に伴うホワイトノイズ(サーっと言った機械音)も発生なし。オーディオ再生を停止した状態ならデジタル耳栓としても活用できます。
価格1.5万円のワイヤレスイヤホンと考えると完成形と言えるノイズキャンセリングではないでしょうか。これ以上の性能を求めるのなら黙って札束を積むべきです。
ノイズキャンセリングの遮音強度も5段階調整できるため、遮音が強すぎて耳が痛い... といった人でもカスタムできて安心です。
外音取り込み機能(ながら聴き機能)【★4.5】
音の取り込み性能 | (4.5) |
取り込み量の調整 | ✗ |
イヤホンを装着したまま周囲の音が聞き取れる「外音取り込み機能」に対応。
これも高性能水準の実力あり。機能ONにすると明確に周囲の音が明るくなります。
イヤーピース装着による物理的な音こもり感あったり、会話するときに自分の声がこもって聞こえるデメリットこそあるものの、性能それ自体は優秀です。
オーディオ音量を下げた状態であれば"ながら聴き”、骨伝導イヤホンのように周囲の環境音を聞きながらのオーディオ再生も十分可能です。屋外で安全考慮しながら音楽を聴きたい人だと重宝します。
通話マイク品質【★5】
通話マイク性能 | (5) |
通話マイク性能は高性能。
自分の声のピックアップ、周囲の音(口元から離れた音)の除去、風切り音の低減、いずれも機能してます。
また、自分の声をそれとなくクリアに補正する機能もあり。
屋内でビデオ通話マイクとして使うのはもちろん、屋外で歩きながらハンズフリー通話したい人にもおすすめできる高性能マイクです。
マルチポイント・ペアリング切り替え勝手【★4.5】
全体的な使い勝手 | (4.5) |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチポイントとLDACの併用 | 対応 |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | ✗ |
マルチポイント機能に対応。2台のデバイスを同時接続。なにかしらオーディオ再生を開始したデバイス側に自動でオーディオ出力先が切り替わります。
マルチポイントとLDACの併用も可能。他社だと併用できない製品ありますが、Soundcore Liberty 5 なら問題なし。
Google Fast Pair(および「音声の切り替え」)にも対応。Androidスマホで使う場合ならペアリング簡素化。およびAndroidデバイス間で擬似的なマルチポイント切り替えが可能です。
ペアリング接続先の上書き切り替えは非対応
Ankerがなぜか対応しないペアリング接続先の上書き切り替え。
マルチポイント接続外の3台目〜のデバイスにペアリングを切り替えるとき、先に現在のペアリング接続を解除する必要あり。そのあとBluetooth設定画面からイヤホン名を選択すればペアリング接続先が切り替わります。
特定2台のデバイス間ならマルチポイントで十分ですが、3台以上のデバイス間でワイヤレスイヤホンを使いまわしたい人だと切り替え時にストレスありそうです。
バッテリー持ち・充電環境【★5】
バッテリー性能 | (5+) |
(イヤホン単体12時間、ケース併用48時間) | |
ワイヤレス充電 | 対応(Qi) |
バッテリー駆動時間は前作モデルから向上。ノイズキャンセリング常時ONでもイヤホン単体8時間、ケース併用32時間使えるスタミナあり。
前作モデルはノイズキャンセリングOFFの状態でイヤホン単体9時間、ケース併用28時間止まりでした。
ワイヤレス充電(Qi)にも対応。スマホ向けのワイヤレス充電器がそのまま使い回せます。
有線ケーブルで充電する場合はUSB Type-Cケーブルが必要です(同梱あり)。
急速充電にも対応(有線充電時のみ)
バッテリー残量が少ない状況に限り、10分の充電でオーディオ再生5時間分の急速充電が可能です。
まとめ
【Good!】Anker Soundcore Liberty 5 のよかったところ
- ホームスピーカー再生のような深い低音
- ノイズキャンセリングは非常に静か
- ケース併用48時間使える長時間バッテリー搭載
- マルチポイントとLDACの併用可能
【Bad...】Anker Soundcore Liberty 5 の気になったところ
- ペアリング接続先の上書き切り替え非対応
- LC3非対応(Bluetooth 5.4なのに...)
Soundcore Liberty 5 は、価格1.5万円のワイヤレスイヤホンとして考えると音質・機能性ともに完成形に近い1品ではないでしょうか。
特に音質に関してはパナソニック「Technics EAH-AZ40M2」(価格1.5万円)と並んで1万円台の看板役者感あり。
低音域を重視して音を聴きたい人なら Soundcore Liberty 5 、中音域〜高音域を重視したシルキー・サウンド好みの人なら Technics をおすすめしたい。
とかく低音域の沈み具合が良き。ロックサウンドやEDM曲を聴くときの低音ドコドコ感がたまりません。
ノイズキャンセリング性能に関しては1万円台ワイヤレスイヤホンの中ではNo.1クラス。
ノイズキャンセリング狙いの人でも満足できる静けさです。
低音イヤホンに興味ありつつ、ノイズキャンセリング機能もしっかりと堪能したい人だと Soundcore Liberty 5 は価格的にも性能的にも丁度いい選択肢になりそうです。
Anker Soundcore Liberty 5 のおすすめ代替候補
Bose QuietComfort Earbuds(第2世代)(価格2.2万円)
低音のドコドコ感が好きな人ならこれもおすすめ。BOSEの低音サウンドをワイヤレスイヤホンで再現した意欲作です。ノイズキャンセリングも業界トップクラスの静けさあり(レビュー記事を見る)
パナソニック「Technics EAH-AZ40M2」(価格1.5万円)
中音域〜高音域を重視している人ならこれ。老舗・Technicsの現行エントリーモデル。滑らかで歪みのないシルキー・サウンドそのもの(レビュー記事を見る)
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