ついに来ましたAirPods。3年ぶりリニュアルモデル「AirPods 4」が9月より発売開始です。
今作は通常版AirPodsで初となるノイズキャンセリング機能に対応。そして外音取り込み機能(ながら聴き機能)にも対応。従来モデルからほぼメジャー・アップデートされました。
従来どおりのイヤーピースなしのインナーイヤー型イヤホンとあり、ノイズキャンセリング性能は正直そこまで期待していなかったのですが、思っていた以上にノイズキャンセリングが強い。AirPods Proを買う必要なかったなと後悔させる完成度あって驚きました。
また、外音取り込み機能もAirPods Proを思わす高性能仕様に。イヤーピースなしイヤホンとあり、イヤーピースによる物理的な音こもり感なし。周囲の音の9割どころか10割が聞き取れる変態仕様です。むしろこっちの方がノイズキャンセリング以上のセールスポイントかもしれません。
もはやAirPods 4は通常版AirPodsよりかは、イヤーピースなしのAirPods Proと考えてしまって問題ない製品です。
この記事では、AirPods 4をレビュー。前作モデルと比べて何が変わったのか、実際の使い勝手はどうなのか、レビューしていきます。
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AirPods 4の製品概要
スペックシートを確認
発売時期 | 2024年9月 |
直販価格 | 21,,800円〜29,800円 |
販売元メーカー | Apple(アメリカ) |
Bluetoothバージョン | 5.3 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
ノイズキャンセリング | 対応 or 非対応(選択可) |
外音取り込み機能 | |
マルチポイント | △(Appleデバイス間のみ) |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
防水性能 | △(等級不明だが防水防塵仕様) |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体5時間 |
ケース併用で最大30時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
前作モデル「AirPods(第3世代)」からの主だった変更点は以下のとおり。
- ノイズキャンセリング&外音取り込み機能に初対応
- 充電ケースの「探す」機能に初対応
AirPods 4 は、ノイズキャンセリング対応版、ノイズキャンセリング非対応版の2モデル展開。ノイズキャンセリング対応版は直販29,800円、非対応版は直販21,800円で購入できます。
また、ノイズキャンセリング対応版に限り、充電ケースが「探す」機能に対応。iOSアプリ「探す」を使えばイヤホンだけでなくケースも含めて最後に接続していた場所が辿れます。充電ケースにはスピーカーを搭載。「探す」アプリから音を鳴らせます。
前作モデルからの順当なスペックアップですが、ノイズキャンセリング&外音取り込み機能の性能を考慮すると、もはや前作モデルとは別次元の製品。通常版AirPodsの最新モデルよりかは、AirPods Proのイヤーピースなし版と考えてしまって問題ない製品です。
上位版モデル「AirPods Pro」との違い
上位版モデル「AirPods Pro」は、ノイズキャンセリング機能、そして外音取り込み機能に対応。通常版AirPodsと異なりイヤーピースを搭載しており、耳穴をしっかりと遮音できます。
AirPods 4もノイズキャンセリング、外音取り込み機能に対応。いずれもAirPods Proに劣らずの性能あり。通常版モデルだからといって、あえて性能ダウンさせた形跡は確認できませんでした(私感ですが...)。
そのうえでAirPods 4と比較したAirPods Proの強みは以下3つ。
- イヤーピースあり
- 充電ケースがAirTag仕様の「探す」対応(Apple U1チップ搭載)
- スワイプ操作で音量調整が可能
AirPods Proはイヤーピースあり。イヤーピースで物理的にしっかりと遮音。ノイズキャンセリングの遮音強度を物理的に補強してます。また、イヤホンの抜け落ちリスクもいくらか減るかと思います。
対してAirPods 4はイヤーピースなし。昔ながらのインナーイヤー型イヤホンです。軽い装着感が魅力の一方、耳穴にイヤホンを引っ掛けてるだけなのでイヤホンの抜け落ちリスクは残ります。
ノイズキャンセリングの機械的な遮音性能に関しては同等性能ですが、物理的な遮音性能に関してはイヤーピースありのAirPods Proの方が明確に優秀。人の話し声など高周波音は機械的な遮音だけではどうしてもゼロにできず、まだまだイヤーピースに頼らざるを得ない側面あります。
そのため、イヤーピースによる物理的な遮音効果を期待する人だったり、イヤーピースを使ってイヤホンの抜け落ちリスクを軽減したい人であればAirPods Proを選ぶ理由になります。
AirPods 4のデザイン
イヤホンデザインはほぼ前作まま
AirPodsは、前作モデルにてイヤホン・デザインを全面刷新。
ステム(下に伸びた筒)が短く切り取られ、シュッとした印象にイメチェン。AirPods 4も前作モデルのデザインをほぼ踏襲してます。
イヤーピースを使わないインナーイヤー型イヤホンとあり、イヤホンの装着感は軽め。イヤーピース装着による耳穴への締め付け感なし。長時間のイヤホン装着でも耳が疲れにくく、夏場なら蒸れにくい。
イヤホン側面には感圧ボタンを搭載。オーディオ操作、Siri操作、ノイズキャンセリング・外音取り込みの切り替えが可能です。
感圧ボタンなのでイヤホン着脱時などに指腹が触れて誤反応しなくて使いやすい。少しばかり力を入れないと反応しません。
なお、AirPods Proと異なりスワイプ操作による音量調整には対応せず。
ケースは小っちゃくなった
「小さくなった」よりかは「小さっちゃくなった」が正しい。ミニチュア感ある小っちゃなケースサイズで驚きました。
前作モデルに比べても引き締まった印象に。数字で言うと縦4.5cm、横5cm、厚み2cnほど。
ノイズキャンセリング対応版であれば、AirPods Pro同様にケース底面部にスピーカーを搭載。iOSアプリ「探す」から音を鳴らしたり、充電が開始されると音が鳴ります。なお、iPhoneユーザーであれば音を完全OFFにも変更できます(音がうざったい場合に)。
ケースはワイヤレス充電(Qi)に対応。iPhone向けのワイヤレス充電器がそのまま使いまわせます。なお、MagSafe充電には対応しません。
充電が開始されると”チーン”といった音がケースのスピーカーから鳴るので充電ミス(置く場所ミス)も回避できます。
有線ケーブルで充電する場合はUSB Type-Cケーブルが必要です(ライトニングケーブル版は用意なし)。
AirPods 4の音質レビュー
音質はクリアで解像度が高め
低音 | (4-) |
中音 | (4+) |
高音 | (4.5) |
従来モデルに比べて、ものいっそきらびやかな音にリニュアル。ボーカルはくっかり描写。高音域は楽器の音をしっかり描き分け。ソニーやTechnicsなど国産オーディオメーカーを思わす中音域〜高音域の解像度を重視した音の作りに。
イヤーピースなしイヤホンとあり、音こもった感じなくて聞き心地よし。長時間のオーディオ再生でも聞き疲れにくいです。
低音域はちょい地味。ただ、それでも低音がスカスカになってるわけではありません。適度に輪郭を残した低音なので、中華製の格安イヤホンのような無理やり鳴らしてる感じがなく、自然な低音が堪能できます。
簡易なイコライザー調整も可能(iPhone・iPadユーザーなら)
iPhoneユーザーであれば簡易なイコライザー調整が可能。「設定」アプリから変更できます。Androidスマホユーザーだと設定する手段なし。
AirPods 4は中音域〜高音域を重視したイヤホンとあり、人によっては音がシャリついた印象を持つかもしれません。そうした人であればイコライザー調整で「ソフトなサウンド」を「弱め」に変更すると丁度いい塩梅になりますので試してみてください。
イコライザー調整手順
- iPhone本体の「設定」アプリを開く
- 「AirPods」項目をタップ
- 「アクセシビリティ」項目をタップ
- 「iPhoneの"オーディオとビジュアル"設定」をタップ
- 「ヘッドフォン調整」をタップ
空間オーディオ再生も利用可能(iPhone・iPadユーザーなら)
iPhone・iPadと接続した場合であればApple独自の空間オーディオ再生(ステレオを空間化)が利用可能。iPhoneユーザーであれば空間オーディオのパーソナライズ調整にも対応します。
Appleの空間オーディオ再生はすでに実用水準の実力あり。AirPods 4では空間オーディオ再生時の低音域の厚みが向上。ギターサウンドなど色濃く描写されるようになり、通常のオーディオ再生時よりも低音が堪能できます。
ただ、従来モデルに比べて高音域のシャリつき具合がちょい強め。ASMRやFA◯ZAなど繊細な音描写が必要なコンテンツだと音が過敏すぎて気になってくるかもしれません。ここは将来的なソフトウェア・アップデートでの改善を期待したい。
AirPods 4の機能レビュー
ノイズキャンセリング
ノイズキャンセリング性能 | (5) |
ノイズキャンセリング性能は思っていた以上に優秀。AirPods Proのノイズキャンセリング同様に"スゥーっ”と周囲の音が消えていく、かなり強めのノイズキャンセリングです。
イヤーピースなしのイヤホンとあり、物理的に静かにならないのでは?と思っていたのですが、意外や意外にも静か。電車の走行音や工事現場の音などは見事にトーンダウン。屋内など静かな場所で使えば無音そのものです。人の話し声など高周波音は残り気味ですが、オーディオ再生した状態ならほぼ耳に入ってこないレベルです。
ノイズキャンセリング利用に伴うホワイトノイズ(サーッといった機械音)も発生なし。オーディオ再生を停止した状態であればデジタル耳栓としても活用できます。
外音取り込み機能(ながら聴き機能)
外音取り込み性能 | (5+) |
AirPods 4の最大のセールスポイントかもしれない「外音取り込み機能」。イヤホンマイク通じて周囲の音を集音。イヤホンを装着したまま周囲の音が聞き取れます。
AirPods 4の外音取り込み性能は非常に高性能。AirPods Pro同様に機能ONにすると周囲の音が"パッ”と明るくなります。
なおかつ、AirPods 4はイヤーピースなしのイヤホンとあり、イヤーピースによる物理的な音こもりが一切なし。周囲の音の9割どころか10割そのまま耳に入ってきます。
AirPods Proはイヤーピースを搭載するため、どうしても取り込み音がイヤーピースを通過することによる物理的な音こもり感が残ります。AirPods 4はイヤーピースなる物理的な制約を超越。それこそ空間オーディオ再生と組み合わせた状態だと音漏れを疑うレベルに周囲の環境音とオーディオ再生が溶け込んで感動ものです。
通話マイク品質
通話マイク性能 | (5) |
通話マイクは高性能。AirPods Pro同様にビームフォーミングに対応。周囲の音の除去、口元の音のピックアップが可能です。風切り音に関してもカット。風切り音を除去するメッシュカバーも搭載あります。
マルチポイント・ペアリング切り替え勝手
マルチポイント | △(Appleデバイス間のみ可) |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
ここらは従来のAirPods同等。
AirPodsシリーズは、同一のApple IDでサインインしたAppleデバイス間に限ってマルチポイント接続可能。なにかしらオーディオ再生を開始するだけで当該デバイスにオーディオ出力先が自動で切り替わります。
他社メーカー品はマルチポイントに組み込めないものの、手元デバイスをApple製品で固めている人であれば重宝します。
ペアリング接続先の上書き切り替えにも対応。違うデバイスにペアリングを切り替える際、現在のペアリング接続を解除したり、イヤホンの電源を落とす必要なし。Bluetooth設定画面からイヤホン名を選択するだけで当該デバイスにそのまま切り替わります。Windows PCやNintendo SwitchでもAirPodsを使いたい人だと地味に便利。
バッテリー持ち・充電環境
バッテリー性能 | (4) |
(イヤホン単体5時間、ケース併用30時間) | |
ワイヤレス充電 | 対応(Qi) |
バッテリー駆動時間はほぼ従来モデルまま。相場よりもちょい優秀なバッテリー持ち。
充電ケースはワイヤレス充電(Qi)に対応。ただ、意外にもMagSafe充電には対応せず。
有線ケーブルで充電する場合はUSB Type-Cケーブルが必要です。ライトニングケーブル版は用意なし。
まとめ
【Good!】AirPods 4のよかったところ
- AirPods Pro同等のノイズキャンセリング性能、および外音取り込み性能
- イヤーピースなし(軽くて開放感ある装着感)
- クリアで解像度が高めの音質
【Bad...】AirPods 4の気になったところ
- イヤーピースなし(イヤホンの抜け落ちリスクは残る)
- マルチポイントはAppleデバイス専用
- MagSafe充電に非対応(Qiのみ対応)
AirPods 4、買いですね。
製品ポジション的には通常版AirPodsですが、実際のところ上位版モデル「AirPods Pro」のイヤーピースなし版といっても違和感ありません。AirPods Proの代名詞的な機能たるノイズキャンセリング、外音取り込みともに性能もろもろ引き継いでます。
AirPods Proと異なりイヤーピースは搭載せず。軽い装着感や外音取り込み性能の向上に貢献する一方、イヤホンの抜け落ちリスクだったり、物理的に完全に遮音できないデメリットが残ります。
行き着くところ、イヤーピースありのAirPods Proを使いたい人ならAirPods Proを、イヤーピースなしのAirPods Proを使いたい人であればAirPods 4を選ぶと丁度よさそうです。
▼ AirPods Proはこちら(2024年9月時点で現行モデルはAirPods Pro 2)
AirPods 4のおすすめ代替候補
サムスン「Galaxy Buds3」(価格27,500円)
奇しくも製品コンセプトが被ってしまったサムスン新作モデル「Galaxy Buds3」。イヤーピースを使わないインナーイヤー型イヤホン。インナーイヤー型イヤホンにしては音の厚みあり、非常に高音質です(レビュー記事を見る)。
BOSE QuietComfort Ultra Earbuds(価格3.3万円)
ノイズキャンセリング性能をとことんまでに重視している人ならこれ。業界No.1と名高い遮音性能あり。機械的な遮音効果もちろん、イヤホンのハード構造による物理的な遮音性能がとにかく優秀。「機械的+物理的」な総合的な遮音性能で見るとAirPods Proよりも静かです(レビュー記事を見る)。
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