LE Audio準拠の新Bluetoothオーディオコーデック「LC3」。
昨今続々とLC3対応ワイヤレスイヤホンが登場。特にその低遅延性能が本命視されます。
AndroidスマホであればGalaxyやPixelなど一部メーカー品がLE Audioを解禁。LC3対応ワイヤレスイヤホンと組み合わせればLC3接続が可能です。
この記事では、LE Audio（LC3）に対応するAndroidスマホの情報、各社メーカーごとの対応状況をまとめました。スマホ選びの参考にしてみてください。
この記事の目次（タッチで移動）
広告
【前提】LE Audio（LC3）に関する基本情報
LE Audioとは？
LE Audioは2020年に仕様策定されたBluetoothの新規格。
Bluetooth Low Energy（Bluetooth LE）を使って通信することで高音質・低遅延・省電力の3つを同時に実現します。
SBCやAACなど従来コーデックを定義する「Classic Audio」に取って代わる国際標準規格として打ち出されます。
LC3とは？
LC3は、LE Audioで定義される新たなBluetoothオーディオコーデック。
「LC3」コーデックなら30ms、より上位の「LC3plus」コーデックなら10msの超・低遅延通信が可能です。
また、LC3、LC3plusともにハイレゾ音域での高音質オーディオ再生にも対応します。
2025年時点でメジャーなBluetoothオーディオコーデックとは言えませんが、ソニーのゲーミング・ワイヤレスイヤホンなどでLC3を採用する事例あり。
特にその低遅延性能がワイヤレスイヤホン業界におけるブレイクスルーとして注目されます。
Auracast（ブロードキャスト）とは？
LE Audioの本命機能？とされるのが「Auracast」。
日本語媒体だと「ブロードキャスト」や「音声の共有」と表記されることが多いです。
親機となる送信デバイスから不特定多数の受信デバイスに向けてBluetooth通信で音声伝達できる新機能です。
マルチスピーカーでの採用だったり、公共施設や大型イベントでの多言語アナウンス放送での活用が想定されます。
なお、AuracastはLE Audio対応スマホの中でも一部の製品に限り対応。からなずしもすべての機種で対応するわけではないので注意。
基本的には以下3つのどれかに分類されます。
- LE Audioのみ対応（Auracastは非対応）
- LE Audioに対応、かつAuracastの受信のみ対応
- LE Audioに対応、かつAuracastの送信・受信いずれにも対応
iPhoneはLE Audio非対応
2025年7月時点でiPhone・iPadはいずれもLE Audio非対応。
LC3コーデックは使えませんし、当然ながらAuracastの受信・送信もできません。
LE AudioはBluetoothの国際業界団体で策定された次世代の標準規格であり、遅かれ早かれAppleもLE Audio対応機種を発表するとは思いますが、現時点では一切使えません。
Google PixelのLE Audio（LC3）対応状況
概略
GoogleはLE Audioを試験運用中（2025年7月時点）。
Android OS 13以降のモデルかつBluetooth 5.2以上のPixelスマホに限り、LE Audioが事実上利用できます。
試験運用中であり、デフォルトでは機能OFFになってます。
機能ONにするには「開発者向けオプション」から設定変更する必要あり。設定変更手順は以下記事より。
-
Google PixelスマホのLE Audio（LC3）を機能ONにする方法＆対応スマホまとめ
続きを見る
LE Audio（LC3）対応状況
以下のPixelシリーズに限ればLE Audioの試験運用あり。
LE AudioおよびLC3コーデックが利用できます。
| 機種名 | LE Audio対応有無（LC3接続の可否） | Auracastへの対応有無 | ASHA（補聴器接続） |
| Pixel 9シリーズ | 対応 | 対応 | ? |
| Pixel 8シリーズ | 対応 | ? | ? |
| Pixel 7シリーズ | 対応 | ?（おそらく非対応） | ? |
| Pixel 6シリーズ以前 | ✗ | ✗ | ✗ |
Auracastの対応状況はPixel 9シリーズを除き不明。
対応する機種だと「開発者向けオプション」に「Bluetooth LE Audio ブロードキャスト UI プレビューを有効にする」項目があるはずです。
Pixel 7シリーズに関しては筆者環境で確認しましたが、おそらくAuracast対応せず。「開発者向けオプション」に当該設定項目がありません（2025年6月時点）。
なお、Pixel 7aに関しては2025年に入ってから障害の報告がちらほらあり。
LE Audio対応機種ですが、「設定」アプリに機能項目が表示されないようです。Pixel 7a狙いの人は注意。
参考記事（外部ページ）：LEオーディオってgoogle pixel7aで使えますか？｜Google Pixelヘルプ
【✗】Pixel 6シリーズ以前はLE Audio非対応
Pixel 6シリーズ以前のモデルはLE Audio非対応。
Pixel 6シリーズに限るとLE Audioの対応条件（Android OS 13〜、Bluetooth 5.2〜）こそ満たしていますが、2025年時点で機能の提供なし。今後解禁されるかは不明です。
GalaxyスマホのLE Audio（LC3）対応状況
概略
Galaxy（というかサムスン）はLE Audioをすでに標準機能として提供。
One UI 6.1以降にアップデートした機種であればデフォルトで機能ONになってます。
一部の機種に限るとAuracast機能も提供あり。Androidスマホメーカーの中ではかなり頑張ってる方です。
関連記事
-
GalaxyスマホとLC3（LE Audio）対応ワイヤレスイヤホンを接続する方法
続きを見る
Galaxy Sシリーズ
サムスン公式リリース（注釈4,5）にAuracastの対応スマホの記載あり。
この情報を参考にしてLE Audioの対応有無、Auracastの対応有無を判断しました。
いずれもOne UI 6.1以降へのアップデートが必要です。
| 機種名 | LE Audio対応有無（LC3接続の可否） | Auracastへの対応有無 | ASHA（補聴器接続） |
| Galaxy S25シリーズ | 対応 | 対応（送信・受信） | 対応 |
| Galaxy S24シリーズ | 対応 | 対応（送信・受信） | 対応 |
| Galaxy S23シリーズ（FE除く） | 対応 | 対応（送信・受信） | 対応 |
| Galaxy S23 FE | 対応 | 対応（受信のみ） | 対応 |
Galaxy S22シリーズ以前の機種はLE Audio非対応
Galaxy Zシリーズ
Zシリーズに関してもサムスン公式リリース（注釈4,5）にAuracastの対応スマホの記載あり。
この情報を参考にしてLE Audioの対応有無、Auracastの対応有無を判断しました。
いずれもOne UI 6.1以降へのアップデートが必要です。
| 機種名 | LE Audio対応有無（LC3接続の可否） | Auracastへの対応有無 | ASHA（補聴器接続） |
| Galaxy Z Fold 6 | 対応 | 対応（送信・受信） | 対応 |
| Galaxy X Fold 5 | 対応 | 対応（送信・受信） | 対応 |
| Galaxy Z Fold 4 | 対応 | 対応（受信のみ） | 対応 |
| Galaxy Z Flip 6 | 対応 | 対応（送信・受信） | 対応 |
| Galaxy Z Flip 5 | 対応 | 対応（送信・受信） | 対応 |
| Galaxy Z Flip 4 | 対応 | 対応（受信のみ） | 対応 |
Galaxy Z Fold 3、Galaxy Z Flip 3以前の機種はLE Audio非対応
Galaxy Aシリーズ
Aシリーズに関してもサムスン公式リリース（注釈4,5）にAuracastの対応スマホの記載あり。
この情報を参考にしてLE Audioの対応有無、Auracastの対応有無を判断しました。
いずれもOne UI 6.1以降へのアップデートが必要です。
| 機種名 | LE Audio対応有無（LC3接続の可否） | Auracastへの対応有無 | ASHA（補聴器接続） |
| Galaxy A55 | 対応 | 対応（受信のみ） | 対応 |
| Galaxy A54 | 対応 | 対応（受信のみ） | 対応 |
| Galaxy A36 | 対応 | 対応（受信のみ） | 対応 |
（日本発売機種のみ抜粋、日本未発売のGalaxy A56も対応リストにあり）
XperiaのLE Audio（LC3）対応状況
Xperia 1シリーズ
Xperia 1シリーズはソニー公式のLE Audio対応検証報告あり。以下は同情報を参考にしています（▶ WF-1000XM5 対応情報）。
なお、Auracastの対応状況はオンラインマニュアル上で「ブロードキャスト」機能の利用方法ページが存在している機種を「対応」としています。
| 機種名 | LE Audio対応有無（LC3接続の可否） | Auracastへの対応有無 | ASHA（補聴器接続） |
| Xperia 1 VII | 対応 | 対応（送信・受信） | 対応 |
| Xperia 1 VI | 対応 | 対応（送信・受信） | 対応 |
| Xperia 1 V | 対応 | 対応（送信・受信） | ✗ |
| Xperia 1 IV | 対応 | ✗ | ✗ |
| Xperia 1 III 以前の機種 | ✗ | ✗ | ✗ |
Xperia 5シリーズ
Xperia 5シリーズもソニー公式のLE Audio対応検証報告あり。以下は同情報を参考にしています（▶ WF-1000XM5 対応情報）。
| 機種名 | LE Audio対応有無（LC3接続の可否） | Auracastへの対応有無 | ASHA（補聴器接続） |
| Xperia 5 V | 対応 | ✗ | ✗ |
| Xperia 5 IV | 対応 | ✗ | ✗ |
| Xperia 5 III 以前の機種 | ✗ | ✗ | ✗ |
Xperia 10シリーズ
Xperia 10シリーズはLE Audio対応が明記される機種はありません（▶ WF-1000XM5 対応情報）。
AQUOSのLE Audio（LC3）対応状況
AQUOS Rシリーズ
AQUOS R10（2025）は公式スペックシートに「LE Audio」対応の記載あり。
ただ、Auracastは非対応のようです。
AQUOS R9、R9 Pro、R8 Proの3機種はソフトバンク向けの公式スペックシートに「LC3」対応の記載あり。
なぜかシャープ公式サイトページだと「LE Audio」も「LC3」も記載ありません。
Auracastの対応の有無は不明。とはいえ、最新モデルのAQUOS R10で対応しないので旧世代モデルで対応するとも思えませんが。
出典；ソフトバンク
シャープとしてそこまでLE Audioに力を入れていないのか、公式情報が少なく、全体像が不明瞭な状況です。
Xiaomi、POCOのLE Audio（LC3）対応状況
Xiaomi 14T Pro
公式スペックシート（▶ 公式サイトを見る）にLE Audio対応の旨が記載あり。
LC3コーデックほかAuracast、ASHA（補聴器接続）にも対応します。
とはいえ、草の根レベルでの検証報告が少ないので実際に使えるのか、どういった勝手なのかは不明です。報告あれば待ってます（▶ 筆者DMリンク）。
POCO F6 Pro
これも公式スペックシート上にはLE Audio対応との記載あり（▶ 公式サイトを見る）。
LC3コーデックほかAuracast、ASHA（補聴器接続）にも対応します。
出典：POCO
とはいえ、これも草の根レベルでの検証報告が少ないので実際に使えるのかは不明。報告あれば待ってます（▶ 筆者DMリンク）。
OPPOのLE Audio（LC3）対応状況
LE Audio対応機種は未展開（2025年7月時点）。
最新モデルも含めてLE Audio対応機種の情報は見当たりません。
NOTHINGのLE Audio（LC3）対応状況
NOTHING（Phoneシリーズ）はLE Audio対応の音沙汰なし（2025年7月時点）。
この記事のまとめ
日本国内で展開されるAndroidスマホメーカーごとのLE Audio対応状況をまとめてきました。
2025年7月時点の主な対応スマホとなると、Galaxyスマホ、あるいはPixelスマホあたりが妥当なところです。
特にGalaxyスマホはLE Audioを標準機能として提供するほか、Auracast（ブロードキャスト）にも対応するなどかなり力が入ってます。
現時点でLE Audio狙いの人だとGalaxyスマホを選ぶのが妥当なチョイスかと思います。
関連記事
LC3関連記事
-
LC3（LC3plus）対応ワイヤレスイヤホンの選び方＆おすすめ製品まとめ【2025年版】
続きを見る
-
【Tips】ソニー・ワイヤレスイヤホンをLE Audio（LC3接続）に切り替える手順まとめ
続きを見る
-
【Tips】パナソニック「Technics EAH-AZ100」をLC3接続（LE Audio）に切り替える手順まとめ
続きを見る
-
【Tips】オーディオテクニカ「ATH-CKS50TW2」をLC3接続（LE Audio）に切り替える手順まとめ
続きを見る
Galaxyスマホ関連記事
-
GalaxyスマホとLC3（LE Audio）対応ワイヤレスイヤホンを接続する方法
続きを見る
-
【型落ち良品】中古Galaxyスマホ選ぶならこれ！おすすめ機種ランキング（2025年版）
続きを見る
-
【サムスン】日本国内で発売されるGalaxyスマホ一覧（発売順）
続きを見る
