Apple純正ワイヤレスイヤホンと言えば「AirPods」(エアポッズ)が有名ですが、これと対をなすもう一つのApple純正ワイヤレスイヤホンが「Beats」(ビーツ)です。
BeatsことBeats by Dr.dreは、2014年にAppleに買収され、現在はAppleブランド製品として展開されます。
そのため、2024年現在、以下5機種がApple純正ワイヤレスイヤホンとなります。
この記事では同5機種を比較。それぞれ何が違うのか、どういった人が購入すべきなのか解説します。
この記事の目次(タッチで移動)
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Apple・Beatsワイヤレスイヤホンの現行ラインナップ一覧
Appleが展開する完全ワイヤレスイヤホンとして以下の5製品が展開されます。
AirPods製品一覧
AirPods Pro(第2世代) | AirPods(第4世代) | |
製品の立ち位置 | 上位版モデル | 通常版モデル |
発売時期 | 2022年9月 | 2024年9月 |
直販価格 | 39,800円 | 29,800円 |
Bluetoothバージョン | 5.3 | |
Bluetoothコーデック | SBC、AAC | |
防水性能 | IPX4 | |
ケースの充電ポート | USB Type-C | |
ワイヤレス充電 | 対応(Qi、MagSafe) | 対応(Qiのみ) |
ノイズキャンセリング | 対応 | |
外音取り込み機能 | 対応 | |
Apple版空間オーディオ | 対応 | |
Apple版マルチポイント | 対応 | |
バッテリー駆動時間 | 30時間 | 30時間 |
(イヤホン単体6時間) | (イヤホン単体5時間) | |
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AirPodsは上位版モデルにAirPods Pro(第2世代)、通常版モデルにAirPods(第4世代)を展開。
もともとノイズキャンセリングと外音取り込み機能はAirPods Proの専売特許でしたが、AirPods(第4世代)にて通常版AirPodsにも機能が移植。今現在では双方ともにノイズキャンセリング・外音取り込み機能が使えます。
なお、AirPods(第4世代)に関してはノイズキャンセリング(&外音取り込み機能)非対応版も展開あり。こっちは価格21,800円。ノイズキャンセリングが必要ない人なら検討余地あり。
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【何が違う?】AirPods Pro・AirPods(第4世代)を比較レビュー
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Beats製品一覧
Beats Fit Pro | Beats Studio Buds+ | Beats Solo Buds | |
製品の立ち位置 | 最上位モデル | 通常版モデル | エントリーモデル |
発売時期 | 2022年10月 | 2023年6月 | 2024年6月 |
直販価格 | 27,800円 | 24,800円 | 12,800円 |
Bluetoothバージョン | 5.0 | 5.3 | |
Bluetoothコーデック | SBC、AAC | ||
防水性能 | IPX4 | ✗ | |
ケースの充電ポート | USB Type-C | ||
ワイヤレス充電 | ✗ | ||
ノイズキャンセリング | 対応 | ✗ | |
外音取り込み機能 | 対応 | ✗ | |
Apple版空間オーディオ | 対応 | ✗ | |
Apple版マルチポイント | 対応 | ✗ | |
バッテリー駆動時間 | 30時間 | 30時間 | 18時間 |
(イヤホン単体6時間) | (イヤホン単体6時間) | (イヤホン単体18時間) | |
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Beatsは最上位モデルにBeats Fit Pro、通常版モデルにBeats Studio Buds+(第2世代)、入門モデルにBeats Solo Budsを展開中。
最上位モデルのBeats Fit ProのみApple自社製チップを搭載。AirPodsシリーズ同様にAppleデバイス間に限ったマルチポイント接続、空間オーディオ再生(ステレオを空間化)が使えます。
他の2機種はApple自社製チップを搭載せず。Apple版マルチポイント、空間オーディオにも非対応です。
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Beats(ビーツ)ワイヤレスイヤホンの選び方&おすすめ5選【2024年版】
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AirPodsとBeatsどっちがいい?選ぶべき7つのポイント
1. Appleデバイス間のマルチポイント機能の対応有無
Apple版マルチポイント | |
AirPods Pro(第2世代) | 対応 |
AirPods(第4世代) | 対応 |
Beats Fit Pro | 対応 |
Beats Studio Buds+ | ✗ |
Beats Solo Buds | ✗ |
AirPodsシリーズはAppleデバイス間に限りマルチポイント接続が可能。Beats製品だとBeats Fit Proのみ同マルチポイント機能に対応します。
同一のApple IDでサインインしたiPhone、iPad、Mac、Apple Watch間で同時接続。なにかしらオーディオ再生しているデバイスに自動でオーディオ出力先が切り替わります。手元デバイスをApple製品で固めている人だとペアリング切り替えの手間ひま省けて便利。
2. Apple版空間オーディオ(ステレオを空間化)の対応有無
Apple版空間オーディオ(ステレオを空間化) | |
AirPods Pro(第2世代) | 対応 |
AirPods(第4世代) | 対応 |
Beats Fit Pro | 対応 |
Beats Studio Buds+ | ✗ |
Beats Solo Buds | ✗ |
Apple版空間オーディオこと「ステレオを空間化」機能。iPhone・iPadと接続した場合に限り、オーディオ再生を空間オーディオ化。ホームスピーカーのような360度から音が鳴るオーディオ再生に変更できます。
2024年現在、ほぼすべてのiOSアプリで空間オーディオ再生が利用可能。Macシリーズに関してもSafariなどごくごく一部のアプリで空間オーディオ再生できます(関連記事)。
Apple版空間オーディオは、AirPodsシリーズほか、Beats製品ではBeats Fit Proのみ対応します。
なお、Beats Studio Buds+、Beats Solo Budsに関しても「空間オーディオに対応」と宣伝されるものの、あくまでApple版空間オーディオとは異なるソフトウェア依存(Apple Music依存)の空間オーディオ再生なので勘違い注意。
参考記事
Beatsワイヤレスイヤホンが対応する空間オーディオの種類の違い(&設定方法)
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3. ワイヤレス充電機能の搭載有無
ワイヤレス充電 | |
AirPods Pro(第2世代) | 対応(Qi、MagSafe) |
AirPods(第4世代) | 対応(Qiのみ) |
Beats Fit Pro | ✗ |
Beats Studio Buds+ | ✗ |
Beats Solo Buds | ✗ |
AirPodsとBeatsで全く正反対なのが充電仕様。
AirPodsシリーズは有線充電ほかワイヤレス充電にも対応。
対してBeatsシリーズはワイヤレス充電(Qi充電)に対応せず。都度ケーブルを抜き差しして充電する必要あり。普段からワイヤレス充電を活用している人だと勝手の悪さを感じそう。
なお、AirPodsシリーズは、AirPods ProのみMagSafe充電に対応します。MagSafeとQiは互換性があるので、そこまで対応・非対応の違いを気にする必要はありませんが、MagSafe充電を前提にしたマグネットタイプの充電アクセサリーを使っている人だと注意。AirPods(第4世代)はMagSafeを搭載しないのでマグネットでくっつきません。斜めタイプの充電器だとずり落ちます。
4. 音質(音の方向性)
音の方向性 | |
AirPods Pro(第2世代) | フラットな音、空間オーディオなら音の強弱あり |
AirPods(第4世代) | フラットな音、空間オーディオなら音の強弱あり |
Beats Fit Pro | 低音+高音重視、空間オーディオならボーカルもくっきり |
Beats Studio Buds+ | 低音+高音重視、音場が気持ち広め |
Beats Solo Buds | 低音+高音重視 |
AirPodsとBeatsでほぼ正反対の音質を志向。丁度よく差別化されます。
AirPodsシリーズは音の強弱が少ないフラットなオーディオ。気持ち中音域〜高音域を重視してますが、それでもBeats製品ほどの音の派手さはありません。音楽、動画、ゲームまで無難に楽しめる音です。
なお、空間オーディオ再生に変更するとボーカルとバックミュージックが分離。音の強弱(のようなもの)が生まれる。空間オーディオを使うか否かで音の評価が一転しそうです。
BeatsシリーズはBeatsならではの低音サウンド。高音域も明るめ。とかくバックミュージックが映える。
音こもった感じあり、ボーカルは聞き取りにくい。Beats Fit Proだと空間オーディオに変更すればボーカルが聞きやすくなる。Beats Studio Buds+は気持ち音場を広めでボーカル重視に。Beats Solo Budsはボーカルが聞き取りにくい。
5. ノイズキャンセリング性能
ノイズキャンセリング性能 | |
AirPods Pro(第2世代) | + |
AirPods(第4世代) | |
Beats Fit Pro | |
Beats Studio Buds+ | |
Beats Solo Buds | ✗ |
ノイズキャンセリング性能はAirPodsシリーズの方が優秀。
機能ONにすると明確に周囲の音をシャットアウト。電車のガタゴト音や自動車の走行音すらかき消す、危険すら感じるレベルの静けさに。オーディオ再生を止めた状態ならデジタル耳栓としても活用できます。
なおかつ、AirPods Proに関してはイヤーピースを搭載しており、物理的な遮音性も高め。体感的にもノイズキャンセリング効果が高めです。
Beatsシリーズは実用水準のノイズキャンセリング性能こそありますが、AirPodsシリーズには敵わず。周囲の音を濁して中和する程度の性能です。ノイズキャンセリング狙いの人であれば黙ってAirPodsシリーズを選びたい。
6. 外音取り込み機能(ながら聴き機能)の性能
外音取り込み性能 | |
AirPods Pro(第2世代) | |
AirPods(第4世代) | + |
Beats Fit Pro | |
Beats Studio Buds+ | |
Beats Solo Buds | ✗ |
ノイズキャンセリングと並ぶAirPodsシリーズのセールスポイント「外音取り込み機能」。
イヤホンを装着したままスピーカー通じて周囲の音が聞き取れます。昨今でいう”ながら聴き”に使う機能です。
AirPodsシリーズは業界トップの外音取り込み性能あり。周囲の音の9割方が聞き取れる。なおかつ、イヤーピースを使わないAirPods(第4世代)に関しては骨伝導イヤホン級の開放感あり。イヤーピースなる物理的な障壁なく、周囲の音の9割どころか10割そのまま聞こえる変態仕様です。
Beats製品は外音取り込み機能に対応するものの完成度は低め。音の取り込みによるノイズや反響が大きく、常時機能ONで使うには気持ち悪さあり。おまけ機能として捉えておきたい。
7. Androidスマホとの相性
Android向けの専用アプリ | |
AirPods Pro(第2世代) | ✗ |
AirPods(第4世代) | ✗ |
Beats Fit Pro | あり |
Beats Studio Buds+ | あり |
Beats Solo Buds | あり |
Androidスマホで使う場合、専用アプリ「Beats」に対応するBeatsシリーズの方が勝手よし。Androidスマホで使う場合でもアプリ通じてiPhoneユーザー同等のカスタマイズが可能。また、ソフトウェア・アップデートも受けられます。
AirPodsシリーズはAndroid向けのアプリ提供なし。Androidスマホ経由でソフトウェア・アップデートする手段が存在しません。しょっちゅうアップデートが降りてくるわけではありませんが、AndroidスマホでAirPodsを使う場合の注意点として理解しておきたい。
なお、iPhoneユーザーであればAirPods、Beatsともに「設定」アプリ内から所々カスタマイズ&アップデートできます。
【まとめ】「AirPods」と「Beats」、どんな人におすすめ?
AirPods Pro(第2世代)がおすすめな人
- ノイズキャンセリングを主として使いたい人
- イヤーピースありのAirPodsを使いたい人
- MagSafe充電が使いたい人
AirPods Pro(第2世代)はノイズキャンセリング狙いで購入すべき製品。通常版AirPodsと異なりイヤーピースを搭載。イヤーピースによる物理的な遮音性が加わり、ノイズキャンセリングの静けさが最大限に堪能できます。
イヤーピースが耳穴としっかりとフィットするため、イヤホンの装着感も安定。イヤホンの抜け落ちリスク(紛失リスク)も軽減できます。これも地味だが堅実なセールスポイントとなりそう。
概して「イヤーピースありのAirPods」を使いたい人であればAirPods Pro(第2世代)を選びたい。
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AirPods(第4世代)がおすすめな人
- 外音取り込み機能を主として使いたい人(骨伝導イヤホン代わりに使いたい人)
- イヤーピースなしの軽い装着感を重視する人
AirPods(第4世代)は、イヤーピースを使わない通常版AirPods。とはいえ、ノイズキャンセリング、外音取り込み機能に対応。いずれもAirPods Pro同等の性能あり。
特に外音取り込み機能はAirPods Proよりも優秀。イヤーピースなる物理的な障壁を撤廃したことで周囲の音の9割どころか10割が聞き取れます。常時機能ONにして骨伝導イヤホンのように使いたい人だと相性よし。
一方ではイヤーピースを搭載しないため物理的な遮音性は低め。それゆえ、AirPods Proよりもノイズキャンセリングの静けさは控えめです。
概して「外音取り込み機能」を主として使いたい人にAirPods(第4世代)はおすすめ。
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Beats Fit Proがおすすめな人
- Beats製品ならではの音の強弱がほしい人
- AirPods同等機能(Apple版マルチポイント、空間オーディオ)を使いたい人
- Androidスマホユーザー
Beats Fit ProはBeats製品の皮を被った実質的なAirPods Pro。
AirPodsシリーズと同じくApple自社製チップを搭載。Apple版マルチポイントや空間オーディオ(ステレオを空間化)などAirPods機能がそのまま使えます。
同時にBeatsらしいドンシャリ・サウンドを搭載。低音と高音が強調されます。Beatsは音こもってボーカルが聞きづらかったりしますが、空間オーディオ再生と組み合わせることでボーカルも聞き取りやすくなります。
AirPodsと異なりAndroid向けに専用アプリを提供。Androidスマホユーザーでもアプリ通じてソフトウェア・アップデートできる強みあり。
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Beats Studio Buds+がおすすめな人
- 音のバランスを重視する人
- Androidスマホユーザー
Beats Studio Buds+はApple自社製チップを搭載せず。純然たるBeats製品。Apple版マルチポイントや空間オーディオ再生は使えません。
Beatsワイヤレスイヤホンにしては音のバランスよし。低音イヤホンながらも音場が広く、そこまで音こもった感じがない。バックミュージックだけでなくボーカルも楽しみたい人、配信動画をよく視聴する人だとBeats Studio Buds+とのオーディオ相性はよさげ。
Android向けに専用アプリを使えばソフトウェア・アップデートも可能。iPhoneユーザーだけでなくAndroidスマホユーザーにもおすすめです。
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Beats Solo Budsがおすすめな人
- バックミュージック重視で音楽が聞きたい人
- Androidスマホユーザー
Beats Solo BudsはBeatsワイヤレスイヤホンの入門モデル。
Beatsらしい低音の強さ、高音の明るさを重視。音こもってボーカルこそ聞き取りづらいものの、バックミュージックの派手さは入門モデルとはいえ折り紙付きです。純然たるBeatsサウンドを楽しむための入門モデルとしては丁度いい1品です。
Android向けに専用アプリを提供。Androidスマホユーザーでもアプリ通じてソフトウェア・アップデートできます。
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