ソニーの中堅モデル「WF-C700N」が2年ぶりリニュアル「WF-C710N」。
前作モデルは価格1.5万円で音質、機能性、使い勝手の三拍子そろったソニー・ワイヤレスイヤホンでは珍しいコスパ特化モデルでした。
今作は全体的にマイナーアップデートにとどまるものの、堅実な性能向上、そして初採用となったグラスブルー色の美しさが映える仕上がりです。
特にこのグラスブルー色ですね。非常に美しい。2000年代のスケルトン・ガジェットを思わす色合いです。
ビー玉と錯覚する質感と相まって物体・存在レベルで愛着わきます。
この記事では、ソニー「WF-C710N」をレビュー。実機でその使い勝手、そしてグラスブルー色を見ていきます。
この記事の目次(タッチで移動)
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ソニー「WF-C710N」の製品概要
スペックシートを確認
発売時期 | 2025年4月 |
直販価格 | 17,600円 |
販売元メーカー | ソニー(日本) |
Bluetoothバージョン | 5.3 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大8台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
防水性能 | IPX4 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体8.5時間 |
ケース併用で最大30時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
※バッテリー駆動時間はノイズキャンセリングONの状態
製品概要・前作モデルとの違い
ソニー「WF-C710N」は、2025年4月に発売開始したソニーの新作ワイヤレスイヤホン。
2023年に登場したソニーの中堅モデル「WF-C700N」の後継モデルにして第2世代モデル。
全体的にマイナーアップデートですが、ノイズキャンセリング性能、外音取り込み性能、いずれも順当に性能向上。2万台〜のワイヤレスイヤホンと比べても遜色ない性能あります。
また、バッテリー駆動時間はケース併用30時間に強化。前作モデルは同20時間止まりでした。
前作モデルとの違い
WF-C710N のスペックシート以上の注目点がやはりデザイン。今回初採用となったグラスブルー色が非常に美しい。
単なるスケルトンではなく2000年代のスケルトン・ガジェットを思わすブルーのスケルトン。テック感(Tech感)と光沢さがマッチ。
どことなく艶っぽさあり、スケルトンならではのチープ感なし。むしろ高級感すら感じられる仕上がりです。
スペックシートだけ見ると前作モデルでも十分な気がしますが、グラスブルー色が気になる人だと WF-C710N が途端に魅力的な選択肢になりそうです。
直販価格は17,600円。カラーリングは黒、白、ピンク、グラスブルーの4色。レビュー機は当然ながらグラスブルー色です。
メーカー公式の保証期間は1年ですが、ヤマト運輸がAmazonで展開する長期保証(780円買い切り)を追加すれば保証期間を最大5年間に延長できます。
ソニー「WF-C710N」の外観・デザイン
イヤホン本体
イヤホン形状はカナル型(耳栓型)。
サイズ感は前作モデルと同じくらいですが、いくらか角張った印象あります。
イヤホン内側は変わらずコンパクトに成形されてます。
イヤホンを装着したイメージ。
前作モデルはひたすらにイヤホンを耳奥に詰め込んで装着しましたが、今作は耳のひだに沿って"すぽり”とハマる装着感あり。
角張ったイヤホン形状のせいか、きちんとイヤホンが耳のひだに引っかかり、装着感が安定します。イヤホン揺れも少なめです。
耳から飛び出てる面積も少なめ。マスク紐との干渉もありません。
当記事でレビューするのはグラスブルー色。イヤホン本体は全面的にスケルトン仕立てです。
ギュウギュウに詰まったイヤホン内部パーツがいい味出してます。
イヤホン外側にはタッチセンサーボタンを搭載。所々オーディオ操作できます。
操作コマンド
以下ユニットを左右それぞれ1つづつ設定可能。「割り当てなし」(タッチ反応OFF)も選べます。
1. 再生コントロール
1回押し | 再生/停止 |
2回押し | 次の曲へ |
3回押し | 前の曲へ |
長押し | 音声アシスタント起動 |
2. 外音コントロール
1回押し | ノイズキャンセリング←→外音取り込み機能 |
2回押し | Quick Access(Amazon Music、Spotifyの再生開始) |
3回押し | Quick Access(Amazon Music、Spotifyの再生開始) |
長押し | クイックアテンション |
クイックアクションは、ボタンを押してる間のみ外音取り込み機能をONにする操作コマンド
X. 固定コマンド(変更不可)
(右イヤホン)4回押し〜 | 音量を上げる |
(左イヤホン)4回押し〜 | 音量を下げる |
(左右固定)通話コマンド ※変更不可
左イヤホン | 右イヤホン | |
2回押し | 着信対応/終了 | |
長押し | 着信拒否 |
イヤホンの着脱検出にも対応。イヤホン着脱と連動してオーディオ再生・停止します。
防水はIPX4仕様(生活防水等級)。雨や汗に軽く濡れる程度なら問題なし。
充電ケース
充電ケースは前作モデルと変わらぬ形状。
片手で握り込めるコンパクトサイズ。数値で言うと縦3cm、横7cm、厚み3cmほど。
ケース外装はポリカーボネート素材(...と思われる)。
衝撃耐性と透明さを併せ持ちます。イヤホン本体同様にスケスケボディ。とことんまでに詰め込まれたテクノロジー感に心躍ります
外装は剛性あり、薄傷も付きそうになし。あえてケースカバーを使う必要もないかと思います。
ちなみに、Amazonで探すと1000円くらいのケースカバーがちらほらあります。純正ケースの展開はありません(→ Amazonでケースカバーを見てみる)。
ケースの上蓋を開いたイメージ。
イヤホンはマグネット吸着あり。内から外に向かってイヤホンをズラせば簡単に取り出せます。
ケースのワイヤレス充電(Qi)は非対応。USB Type-Cケーブルを使った有線充電のみ対応です(ケーブル同梱あり)。
ケースは防水対応なし。濡れるのは厳禁(イヤホン本体側のみIPX4の防水対応あり)。
ソニー「WF-C710N」の音質レビュー
【音質】ボーカル重視のソニー・サウンド健在
低音 | (4) |
中音 | (4.5) |
高音 | (4+) |
ボーカルを中心に添えたウォーム感ある音の作り。
低音域はしっかり鳴り、高音域はシャンシャンしすぎず締まりあり。特定の音が悪目立ちしない全体的な音のバランスを意識した仕上がりです。
前作モデルよりも物理的な遮音性が高いからか、気持ち低音が強く感じます。
とはいえ、音こもることもなく、ボーカル重視の王道ソニー・サウンド感あって聴き心地よし。
聞く曲のジャンルに関係なく無難に80点以上が出せる高音質オーディオと言ってしまって問題ないかと思います。
LDACやaptX Adaptiveなどハイレゾ・コーデックは非対応
前作モデルに続きハイレゾ・コーデックには非対応。SBC、AACコーデックのみ対応です。
イコライザー調整に対応
iOS・Android向けの専用アプリ「Sound Connect」を使ったイコライザー調整が可能。
簡易なプリセット変更ほか、目盛り単位での細かなチューニングにも対応します。また、自分好みのイコライザーが自動生成できる「ファインド・ユア・イコライザー」(ソニー独自機能)も用意あり。
低音域を強化するソニー独自設定「CLEAR BASS」にも対応。音こもらず、低音域だけ強くできます。
初期プリセット「Excited」を使えばCLEAR BASSの勝手がよくわかります。かなり強めの重低音サウンドに化けます。
より高音域をすっきりさせたい人なら初期プリセット「Treble Boost」がおすすめ。
DSEE対応
ソニー独自の音質補正機能「DSEE」対応。BluetoothオーディオをCD相当の音質にソフトウェア補正して再生できます。
もっぱら高音域が補完され、俗に言う”クリアな音”に近いオーディオになります。
実際に使うと音のザラつきが減り、イコライザー調整だけでは対応できない音の解像度の引き上げが見て取れます。常時機能ONで使いたいところ(ただ、バッテリー消耗が多少なりに激しくなります)。
空間オーディオ対応
ソニー独自の空間オーディオサービス「360 Reality Audio」に対応。
特定の音楽アプリの、特定の音源を再生する場合に限り、空間オーディオ再生が可能です。iPhone・Androidスマホに関係なく使えます。
ただ、対応アプリが致命的に少ない。↑上記の3アプリのみ対応。日本ではほとんど知られぬ音楽アプリです(そもそも日本の楽曲もゼロに近い状態です)。
もとより空間オーディオ狙いの人であれば他社メーカー品がおすすめ。
ソニー「WF-C710N」の機能レビュー
ノイズキャンセリング
ノイズキャンセリング性能 | (4.5+) |
遮音強度の調整 | ✗ |
ノイズキャンセリングは高性能。機能ONにすると明確に周囲の音がトーンダウンします。
デュアルマイク(2マイク)を活用したアクティブ・ノイズキャンセリングに初対応。前作モデルはシングルマイク仕様でした。低周波音を中心に確かな音の低減・遮音が見て取れます。
また、前作モデルよりもイヤホン構造による物理的な遮音性が高いからか、体感レベルでわかる静けさもあります。
ノイズキャンセリング利用に伴うホワイトノイズ(サーっと言った機械音)も発生なし。オーディオ再生を停止した状態ならデジタル耳栓代わりになります。
総じてノイズキャンセリング狙いでワイヤレスイヤホンを選びたい人にもおすすめできるレベルにある製品です。
外音取り込み機能(ながら聴き機能)
音の取り込み性能 | (4.5) |
取り込み量の調整 | 対応 |
イヤホンを装着したままスピーカー経由で周囲の音が聞き取れる「外音取り込み機能」に対応。
取り込み性能は高め。機能ON/OFFで明確に周囲の音の明るさが変わります。
オーディオ音量を小さくした状態(あるいは停止)なら人の話し声も問題なく聞き取れます。
取り込みノイズ(サーっと言った音)が強く出てるものの、オーディオを流してる状態なら気にならないレベルです。
出先で歩きながら音楽を聴きたいときなど常時機能ONにして"ながら聴き"運用するのは十分に現実的です。
通話マイク品質
通話マイク性能 | (4+) |
通話マイク性能は実用水準。自分の声のピックアップ、周囲の音の除去、風切り音の低減ともに機能してます。
周囲の音の除去が気持ち弱かったり、周囲の音を除去したときに自分の声が"ゴニョニョ"とこもった感じになるのを除くと総じて文句なし。
屋内でビデオ通話マイクとして使う分には問題ない性能です。
マルチポイント・ペアリング切り替え勝手
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大8台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
Google Fast Pair | 対応 |
マルチポイント対応。最大2台のデバイスと同時接続。なにかしらオーディオ再生を開始したデバイス側に自動でオーディオ出力先が切り替わります。
ペアリング接続先の上書き切り替えにも対応。マルチポイント接続外のデバイスにペアリングを切り替えるとき、Bluetooth設定画面からイヤホン名を選択するだけで切り替わります。都度、現在のペアリング接続を解除する必要はありません。
新規ペアリングモードの起動方法
左右イヤホンをケースにセットし、ケース蓋を開いたままケース背面のボタンを5秒長押しすると新規ペアリングモードに切り替わります。

ケース背面にペアリングボタンあり
バッテリー持ち・充電環境
バッテリー性能 | (5) |
(イヤホン単体8.5時間、ケース併用30時間) | |
ワイヤレス充電 | ✗ |
バッテリー持ちは優秀。ノイズキャンセリングONの状態でイヤホン単体8.5時間持ちます。ちなみに、ノイズキャンセリングOFFの状態だと同12時間まで伸ばせます。
巷のノイズキャンセリングモデルだと(よくて)イヤホン単体6〜7時間くらい。イヤホン単体8.5時間はかなりのスタミナ仕様です。
ワイヤレス充電(Qi)は非対応
前作モデルに続きワイヤレス充電(Qi)は非対応。
フラッグシップモデルとの差別化のためか、いまだに中堅モデルにワイヤレス充電を搭載せず。充電はUSB Type-Cケーブルを使った有線充電のみ対応です(ケーブル同梱あり)。
急速充電にも対応
バッテリー残量が少ないときに限り、5分の充電でオーディオ再生1時間分の急速充電が可能です。
まとめ
【Good!】 ソニー「WF-C710N」のよかったところ
- ビジュアルの美しさ(グラスブルー色)
- ノイズキャンセリングは高性能
- バッテリー持ちは優秀(ノイズキャンセリング常時ONでも8.5時間持ち)
- ボーカル重視の高音質サウンド
【Bad...】ソニー「WF-C710N」 の気になったところ
- 前作モデルに比べて全体的にマイナーアップデート
- LDAC非対応
- ケースのワイヤレス充電(Qi)非対応
ソニー「WF-C710N」は、全体的に前作モデルのマイナーアップデートですが、物自体は悪くないのが憎いところです。
ノイズキャンセリング性能は2万円台モデルと肩を並べられる高性能仕様ですし、バッテリー持ちもノイズキャンセリング常時ONで8.5時間(ケース併用で30時間)とかなりのスタミナ仕様。
そしてなによりグラスブルー色が素晴らしい。ビジュアルのよさはもちろんビー玉のような質感あって物体・存在レベルで愛着わく仕上がりです。
前作モデルは公式販売が終了したものの第三者による販売がちらほら続いており、Amazonだと1.2万円前後で買えます。
コスパ重視の人だと前作モデルでも十分かもしれませんが、ノイズキャンセリング性能を重視してる人だったり、やはりグラスブルー色が気になってる人だと WF-C710N を選びたい。というか選ばざるを得ない憎い1品です。
▼ 前作モデル(WF-C700N) レビュー記事を見る
ソニー「WF-C710N」の代替候補はこれがおすすめ
Nothing Ear(a)(価格14,800円)
英Nothing社のスケルトン筐体イヤホン。低音しっかり、ノイズキャンセリングは高性能。LDACコーデックも使えます(レビュー記事を見る)
JBL LIVE BEAM 3(価格1.7万円)
2024年に登場したJBLの準フラッグシップ。価格は2.6万円→1.7万円に値下げ。低音域〜中音域に強み。LDACコーデック対応。ノイズキャンセリングも高性能です(レビュー記事を見る)
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