中華オーディオ・ブランド「EarFun」から登場したフラッグシップモデル「EarFun Air Pro 3」。
価格9,000円でノイズキャンセリング、マルチポイント、ケース併用で45時間使えるロングバッテリーなど揃えた。
ノイズキャンセリングは遮音効果-43dbと数万円するハイエンドモデルと同等レベルの性能。U1万円のノイズキャンセリングにしては実用的すぎて逆に驚く。
AirPodsのような音質よりかは機能性を重視したワイヤレスイヤホンを探している人だと EarFun Air Pro 3 は丁度いい選択肢になりそうだ。
▶ レビュー概略
基本情報
発売時期 | 2023年1月 |
直販価格 | 8,999円 |
製品仕様(抜粋)
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
ハイレゾ相当再生 | 対応(aptX Adaptive) |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | × |
防水 | 対応(IPX5) |
製品評価
低音 | (4.5) |
中音 | (4) |
高音 | (3.5) |
イヤホンの装着感 | (5) |
ノイズキャンセリング | (5) |
外音取り込み機能 | (4) |
マイク性能 | (4.5) |
バッテリー性能 | (5+) |
イヤホン単体9時間、ケース併用で最大45時間 |
ここがGood!!
- マルチポイント対応、2台のデバイス間でペアリング切り替えの必要なし
- ハイエンド級のノイズキャンセリング性能あり(-43db)
- ケース併用で45時間使えるロングバッテリー搭載
- 音質のイコライザー調整可能
- ワイヤレス充電(Qi充電)対応
ここがBad...
- 「aptX Adaptive」は活用できる機会&スマホ少ない
- ノイズキャンセリングの遮音強度は調整できず
こんな人におすすめ
EarFun Air Pro 3 は、AirPodsのような音質よりかは機能性を重視したワイヤレスイヤホンを探している人におすすめ。
音質こそ普通。イコライザー調整して使うのが基本になると思うが、これ以外は特に不満なし。価格9,000円でノイズキャンセリング、マルチポイント、45時間使えるロングバッテリーなど揃えており機能面は優秀だ。
特にノイズキャンセリングは遮音効果-43dbと数万円するハイエンドモデルと同等性能で存在感際立つ。機能ON/OFFで明確に周囲の音の遮音具合が変わる。ノイズキャンセリングを初めて使う人、あるいは勝手知れてる人でも満足できるはずだ。
製品カラーリングは3色
カラーリングはブラック、ホワイト、ネイビーの3色。レビューモデルはブラック。
▶ レビュー詳細
この記事の目次(タッチで移動)
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EarFun Air Pro 3 の製品概要
スペックシート抜粋
Bluetoothバージョン | 5.3 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC、aptX Adaptive |
ノイズキャンセリング | 対応 |
外音取り込み機能 | 対応 |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
防水性能 | IPX5 |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体9時間 |
ケース併用で最大45時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
イヤホンの装着検出機能 | × |
専用アプリ | あり(iOS、Android) |
付属品
イヤーピース、USBケーブル、取扱説明書、イヤホンの掃除棒が付属する。
イヤーピースはXS、S、M、Lの4サイズ用意。
EarFun Air Pro 3 のペアリング・マルチポイント仕様
ペアリング仕様抜粋
Google Fast Pair | × |
マルチポイント | 対応(最大2台) |
マルチペアリング | 対応(最大?台) |
ペアリング接続先の上書き切り替え | × |
新規ペアリングモードの起動方法 | ケース内部のボタンを3秒長押し |
Google Fast Pair とは?
Google Fast Pairは、Googleが提供するペアリング簡素化システム。
Android OS 6.0以上のスマホであれば、専用のポップアップ画面からワンタップで初回のペアリング設定できる。
マルチポイントとは?
マルチペアリングとは?
マルチペアリングとは、複数デバイスのペアリング情報が記録できる機能のこと。
1度記録してしまえば次回以降に再度セットアップする必要がなくなり、ケースふたを開くだけでデバイスと再接続できる。
昨今のワイヤレスイヤホンだとおおよそ5台〜10台のデバイスのペアリング情報が記録できる。
ペアリング接続先の上書き切り替えとは?
複数デバイス間でペアリング接続先を切り替える場合、先に現在のペアリングを解除する必要がある。
一部のワイヤレスイヤホンであれば現在のペアリング接続を解除せず、ペアリングを移したいデバイスのBluetooth設定画面でイヤホン名を選択するだけでペアリングを上書きして切り替えられる。
新規ペアリングモードの起動方法について
初回設定時はケースふたを開くだけで自動で新規ペアリングモードが起動する。
2回目(2台目)以降のペアリングを行う場合は新規ペアリングモードを手動で起動する必要がある。
新規ペアリングモードの起動方法
初回(1台目)ならケースふたを開けばそのまま起動。
2回目(2台目)以降は左右イヤホンをケースに入れ、ケースふたを開いた状態にして、ケース内部にあるペアリングボタンを3秒長押しで新規ペアリングモードに切り替えられる。
複数デバイス間のペアリング切り替え方法
ペアリング接続の上書き切り替え不可。切り替え都度、先に現在のペアリングを解除する必要あり。
ペアリングを解除するには新規ペアリングモードを起動、あるいは現在のペアリングデバイスのBluetoothをオフにする。
なお、新規ペアリングモードを起動した場合、マルチポイント接続しているデバイスが2台ともペアリング解除されるので注意。
マルチポイント仕様
マルチポイント接続可能台数 | 最大2台 |
オーディオ再生中の音声出力先の切り替え | △(着信のみ可) |
マルチポイント機能に対応。なにかしらオーディオ再生を開始するだけで当該デバイス側に自動で音声出力先が切り替わる。
オーディオ再生中だと音声出力先が切り替わらず。デバイス2台ともオーディオ再生が停止している場合のみ、なにかしらオーディオ再生を開始したデバイス側に自動で音声出力先が切り替わる。
なお、着信時に限り現在のオーディオ再生状態に関係なく着信デバイス側に自動で音声出力先が切り替わる。そのままイヤホンのボタン操作で着信対応も可能だ。
マルチポイント接続可能台数
マルチポイントで同時接続できるデバイスの台数のこと。もっぱら2台接続できる製品が一般的。
オーディオ再生中の音声出力先の切り替え
マルチポイントには、現在のオーディオ再生状態に関係なく音声出力先が切り替わるもの、現在のオーディオ再生が停止している場合のみ音声出力先が切り替わるものの2種類あり。
EarFun Air Pro 3 の機能レビュー
バッテリーまわりのこと
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体9時間 |
ケース併用で最大45時間 | |
ケース充電方法 | USB Type-C(有線)、Qi(無線) |
バッテリー駆動時間は非常に優秀。イヤホン単体9時間、ケース内充電を含めれば最大45時間使える。
巷のワイヤレスイヤホンだとケース併用で24時間〜30時間くらいの製品が一般的。これに比べると優秀そのもの。1日数時間の利用であればケース内充電だけで1週間〜使いまわせる。
通話マイク仕様
通話時ノイズカット機能 | 対応 |
風切り音カット | 対応 |
通話マイクはなかなか優秀。
通話時の周囲の音のノイズカット(トーンダウン)、および声のピックアップが機能してる。多少なりに騒音がある場所でも難なく通話できそうな印象。
風切り音カット(通話マイクに当たった風の音カット)も機能してる。屋外での通話も行けそう。
ボタン操作
ボタン種類 | タッチボタン |
操作コマンドの割り当て変更 | 対応 |
イヤホン外側にタッチボタンあり。音楽コントロール、通話対応、音声アシスタント起動などひととおり操作可能。
タッチ感度は安定。専用アプリを使えば操作の割り当てOFF(タッチ反応OFF)にも変更できるので誤タッチが鬱陶しい人ならカスタムしたい。
スマホ操作コマンド(割り当て変更可能)
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回押し | 音量ダウン | 音量アップ |
2回押し | 再生/停止 | |
3回押し | 前の曲に戻る | 次の曲に進む |
2秒長押し | ノイズキャンセリング←→外音取り込み機能 | 音声アシスタント起動 |
上記すべての項目を割り当て変更可能。操作の割り当てOFF(タッチ反応OFF)も選べる。
通話対応コマンド(割り当て変更不可)
左イヤホン | 右イヤホン | |
2回押し | 着信対応/終了 | |
3回押し | 着信拒否 |
防水性能
防水性能 | IPX5(IP5) |
防塵性能 | × |
相場よりも優秀なIPX5の防水性能あり。雨や汗が防げる。汚れたイヤホンの水洗いも可能(浸水はNG)。
専用アプリ
専用アプリ | あり(iOS、Android) |
イコライザー調整 | 対応 |
操作コマンドの割り当て変更 | 対応 |
低遅延モード(ゲームモード) | 対応 |
イヤホンを探す | × |
※アプリのファームウェア1.0.5時点
iOS、Android向けの専用アプリ「EarFun Audio」が利用可能。
アプリは使わなくても問題ないが、イヤホンの細かなカスタマイズしたい人だと必須。ひととおりのカスタマイズ機能は揃ってる。
EarFun Audio
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iPhoneとの相性
iPhoneとの相性 | (非常によい) |
AACコーデック | 対応 |
iOS向け専用アプリ | あり |
iPhoneとの相性は非常によい。
iPhoneで問題なくオーディオ再生できるほか、iPhoneで主流のBluetoothオーディオコーデックである「AAC」にも対応。音質面の相性も悪くない。
マルチポイントに関してもiPhoneでも利用できる(マルチポイントに組み込める)。
EarFun Air Pro 3 の外観デザイン&イヤホン装着感
イヤホン形状は王道AirPods、クセない装着感
AirPodsを思わす王道スタンダードなイヤホン形状。イヤーピースのサイズを調整すれば難なく装着できる。
イヤホン重量は5gと相場同等。イヤホンの重心が自然と内側を向くように設計されているおかげで重さも感じず収まりよい。
ケースも小さめ、ズボンのポケットに入るサイズ
充電ケースはコンパクトサイズ。数値で言うと縦5cm、横6cm、厚み3cmほど。握りこぶし一つで包めるサイズ感。
男性であればズボンのポケットにしろ胸ポケットにしろ仕舞っておける。
ケース素材はプラスチック。特に加工らしい加工なく安っぽさを感じるかもしれない。
また、底面から側面にかけてケース成形時のつなぎ目がくっきり残ってて初見だと傷跡かと勘違いしそう。いずれもケースカバーを付けてしまえば問題ないが、ケースの作りは価格なりと感じる。
EarFun Air Pro 3 の音質
音質は低音強め
デフォルトの音質は低音強め。音の力強さと感じる一方、曲によっては音こもり気味との印象も持った。
11mmの大型ダイナミックドライバーを搭載するハード設計レベルでの低音仕様とあり、よくも悪くも低音が強めだ。
ボーカルも負けじと残ってはいるが、それでもボーカルを重視して音を聞きたい人だとイコライザー調整が必須かと思う。デフォルトままだと典型的な低音イヤホンだ。
イコライザー調整にも対応
iOS、Android向けに配信している専用アプリ「EarFun Audio」を使ったイコライザー調整に対応。
デフォルトの音質だと典型的な低音イヤホンとあり、中音域〜高音域を重視する人ならイコライザー調整を活用したい。音が明るくなって土台の低音も映える。
筆者は上記↑のようにカスタム・チューニングしてる。中音域〜高音域を5前後に引き上げるのがおすすめ。
EarFun Audio
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一部Androidスマホであれば「aptX Adaptive」接続が可能
EarFun Air Pro 3 はBluetoothオーディオコーデック「aptX Adaptive」に対応。Snapdragon系CPUを搭載した一部Androidスマホと接続すればaptX Adaptive接続になる。
補足
aptX Adaptiveは下位互換性あり。aptX Adaptive非対応のAndroidスマホだとaptX接続になる(iPhoneはaptX Adaptive、aptXともに非対応)
aptX Adaptiveはハイレゾ相当の音源をワイヤレス経由で再生できるBluetoothオーディオコーデック(最大96kHz/24bit、990kbps)。
ただ、あくまでロッシー再生(情報量が減る非可逆圧縮)にとどまるのでCD音源よりも情報量は少ない。aptX Adaptive接続だからといって明確に音質が向上するわけではない。セールスポイントと言えるかは微妙だ。
ノイズキャンセリング&外音取り込み機能の実力は?
ノイズキャンセリングはハイエンドモデル同等の高性能仕様
EarFun Air Pro 3 はノイズキャンセリングに対応。機能ONにすると周囲の音を低減・中和できる。
機能ON/OFFで明確に遮音具合が変わる。よくも悪くも機械的に周囲の音がトーンダウン。電車やバスの中で音楽を聞きたいときなど音量を上げずにそのまま音が聞き取れるようになる。
公称-43dbの遮音低減性能に嘘偽りない。-43dbは数万円する高価格ワイヤレスイヤホンが搭載するノイズキャンセリングと同等スペック。価格9,000円のワイヤレスイヤホンにしては逆に異様さ光る高性能仕様だ。
ホワイトノイズ("サーッ”といった機械音)も全くなく、オーディオ再生を止めれば無音に近い環境に。デジタル耳栓として使いたい人にもおすすめ。
ながら聞きイヤホンとしては微妙(無理ではないが...)
EarFun Air Pro 3 は外音取り込み機能に対応。機能ONにするとイヤホンマイク通じて周囲の音を集音。イヤホンを装着したままスピーカー通じて周囲の音が聞き取れる。
音の取り込みは機能しているが、取り込み音に多分に音こもりあり。音が反響してて聞きづらさある。常時機能ONで”ながら聞き”するには辛そうな印象だ。
駅でホームアナウンスを聞き取るために一時的に使うくらいが限度だろう。
EarFun Air Pro 3 の気になったところ(あるいはデメリット)
ノイズキャンセリングの遮音強度が調整できない
よくも悪くも高性能なノイズキャンセリングとあり、人によっては耳が詰まるような気持ち悪さあるかもしれない。
高価格ワイヤレスイヤホンだとノイズキャンセリングの遮音強度を調整できるものがあるが、EarFun Air Pro 3 は調整不可。常時デフォルトままで使うことになる。
どうしてもノイズキャンセリングの遮音強度が耳に合わない場合だと機能OFFにする必要あり、せっかくのノイズキャンセリング機能が無駄になりそうな気がしてる。
この記事のまとめ
ここまで EarFun Air Pro 3 をレビューしてきた。
U1万帯では最優良クラスのワイヤレスイヤホン。ノイズキャンセリング、マルチポイント、45時間使えるロングバッテリーなどいずれも1級品の仕上がり。音質は典型的な低音イヤホンだが、イコライザー調整してしまえば関係ない。
"EarFun"なるブランド知名度が低いのが数少ない欠点だが、これを除けば全体的に粗らしい粗がない。AirPodsのような音質よりかは機能性を重視したワイヤレスイヤホンを探している人だと丁度いい選択肢になりそうだ。
レビュー対象製品
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