

人気ゲーミングイヤホン「VR3000」のワイヤレスイヤホン版として登場した「final VR3000 Wireless」。
専用ドングルを介して接続することで20ms通信できる業界屈指の低遅延ワイヤレスイヤホンとして打ち出されます。
どうしてもワイヤレスイヤホンだと100ms〜200msの遅延あってゲームやるには向かないイメージありますが、final VR3000 Wireless ならほぼ有線イヤホンと変わらぬ低遅延仕様。ゲームやることを前提にした低遅延ワイヤレスイヤホンを探している人だと重宝しそうです。
この記事では、final VR3000 Wireless をレビュー。実機で使い勝手を見ていきます。
この記事の目次(タッチで移動)
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final VR3000 Wireless の製品概要
スペックシート

| 発売時期 | 2024年12月 |
| 直販価格 | 15,800円 |
| 販売元メーカー | final(日本) |
| Bluetoothバージョン | 5.2 |
| Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC |
| ノイズキャンセリング | 対応 |
| 外音取り込み機能 | 対応 |
| マルチポイント | ー |
| マルチペアリング | 対応(最大?台) |
| ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
| イヤホンの着脱検出 | 対応 |
| 防水性能 | IPX5 |
| バッテリー駆動時間(※) | イヤホン単体8時間〜11時間 |
| ケース併用で最大28時間〜38時間 | |
| ケース充電方法 | USB Type-C(有線)のみ |
※ノイズキャンセリングONの場合はイヤホン単体8時間、ケース併用28時間。外音取り込みONの場合はイヤホン単体11時間、ケース併用で最大38時間。
製品概要

final VR3000 Wireless は、国産大手音響メーカー・finalが展開するゲーミング・ワイヤレスイヤホン。
同社のベストセラーたる有線ゲーミングイヤホン「VR3000 for Gaming」を土台にしたワイヤレスイヤホン版。専用ドングル経由で通信すれば遅延を20msまで低減できます。
専用ドングルはUSB Type-Cポートに装着可能。スマホやPCもちろんNintendo SwitchやPS5でも20ms通信が可能です。
ゲーミング用途の低遅延ワイヤレスイヤホンを探している人に向けた紛うことなきゲーミング・ワイヤレスイヤホンですね。
ノイズキャンセリング機能にも対応あり。お気持ち程度の静けさですが、耳栓くらいの感覚で使えるかと。
定価は15,800円。カラーリングは黒1色のみ用意。
final VR3000 Wireless の外観デザイン・使い勝手
イヤホンデザイン・装着感
イヤホン形状はショートスティック型。
ステム短め、筐体小さめのすっきりした印象のイヤホンです。
イヤーピースのサイズさえ調整すれば大方の耳に合う理想的な装着感ですね。VR3000 も相当にイヤホン装着感がよかったですが、final VR3000 Wireless も装着感に対する並々ならぬこだわりを感じます。
イヤーピースは5サイズ用意。サイズ調整すればイヤホン揺れも減らせます。
イヤホン操作性
イヤホン外側にタッチセンサーボタンあり。オーディオ操作、音量調整、通話対応など可能です。
タッチ感度は安定。複数回タッチもきちんと認識されます。
イヤホンの着脱検出には非対応。イヤホン着脱と連動したオーディオの自動再生/停止は機能せず。
イヤホン本体の防水等級はIPX5。雨や汗はもちろんイヤホンの水洗いもできますね。
デフォルト仕様(変更不可)
| 左イヤホン | 右イヤホン | |
| 1回タップ | ノイズキャンセリング切り替え | 再生/停止 |
| 2回タップ | 音量を下げる | 音量を上げる |
| 3回タップ | 前の曲に戻る | 次の曲に進む |
| 5回タップ | 音声アシスタント起動 | |
デフォルト仕様(変更不可)
| 左イヤホン | 右イヤホン | |
| 1回タップ | 着信対応 | |
| 2回タップ | 通話修了 | |
| 3回タップ | 着信拒否 | |
充電ケース仕様
ケースサイズはコンパクト。片手で握り込めるサイズ感です(寸法は縦4.5cm、横6cm、厚み2.5cmほど)。
ケース外装は全面プラスチック素材。いかにも感あるプラスチックなので正直安っぽさは否めず。
指紋が付きやすいのできれい好きな人だと気になるところかもしれません。
なお、ケースカバーはサードパーティ製品を含めて全く展開なし。裸運用が前提です(参考: Amazonでケースカバーを探す)。
ワイヤレス充電(Qi)には非対応。USB Type-Cケーブルを使った有線充電のみ対応です(ケーブル同梱なし)。
final VR3000 Wireless の音質レビュー
音質は低音重視
| 低音 | (4) |
| 中音 | (4-) |
| 高音 | (3.5) |
デフォルトの音質は低域強め、ウォーム感ある音ですね。
音場はちょい広め、音の定位感はしっかりしてて、ここらはゲーミングイヤホンらしさあります。
中〜高音域は音が潰れているわけではありませんが、低音域が強めと言うこともあってゲーミングイヤホンにしては控えめな方かと思います。公式いわく「VR3000のワイヤレス版」とは言うものの音質は別製品な気がしますね。
より明瞭な音にカスタムしたい人だとノイズキャンセリングを機能OFFにして、イコライザー調整で中〜高音域を引き上げて使った方がいいかもしれません。これなら音場の広さや定位感と相まってゲーミングイヤホンらしい音の仕上がりになります。
イコライザー調整に対応
iOS・Android向けの専用アプリ「final CONNECT」からイコライザー調整が可能。
10バンドイコライザー仕様。イコライザーは常時1つだけ設定可能。複数イコライザーの保存はできません。
もっぱら中音域〜高音域がほしい人だとカスタム必須。設定した内容はイヤホン本体に適用されるため、ドングル接続時であっても設定が持ち越せます。
【✕】空間オーディオ非対応
空間オーディオ再生(3Dオーディオ再生)は非対応。
【✗】LC3コーデック非対応
LE Audio(およびLC3コーデック)は非対応。
final VR3000 Wireless の機能レビュー
ノイズキャンセリング【★3.5】
| ノイズキャンセリング性能 | (3.5) |
| 遮音強度の調整 | ー |
ノイズキャンセリング性能は微妙。
機能ONにするとごくごくわずかに静かになった... ように感じますが、とはいえ少しばかり音がこもっただけでしょうか。
ノイズキャンセリングらしい周囲の音をシャットアウトするような静けさは感じられません。スポンジの耳栓を耳に詰めてるくらいの静けさです。
機能利用に伴うホワイトノイズ(サーっと言った機械音)は発生なし。この点は評価。
外音取り込み機能(ながら聴き機能)【★3.5】
| 音の取り込み性能 | (3.5) |
| 取り込み量の調整 | ー |
外音取り込み機能は微妙。
外音取り込み機能を使うとイヤホンマイクで周囲の音を集音。イヤホンを装着したままスピーカー経由で周囲の環境音が聞き取れます。
ただ、final VR3000 Wireless の外音取り込みは実用性は低め。
ごくごくわずかに周囲の音が明るくなったようにも感じますが、明瞭な音ではありませんし、音こもった状態は残ります。
常時機能ONにして"ながら聴き"みたいな使い方したい人には合いません(もとよりゲーミングイヤホンなのでレアな使い方かと思いますが)。
通話マイク品質【★4】
| 通話マイク性能 | (4) |
通話マイク性能は実用水準。
自分の声のピックアップはできてます。周囲の音の除去も完全ではありませんが機能してます。
ただ、風切り音に関してはほとんど除去できず。屋外で使いたい人だと風の当たった音がうるさそう。
マルチポイント・ペアリング切り替え勝手【★3.5】
| 全体的な勝手のよさ | (3.5) |
| マルチポイント | ー |
| マルチペアリング | 対応(最大?台) |
| ペアリング接続先の上書き切り替え | 対応 |
| Google Fast Pair | ー |
ペアリング勝手は微妙ですね。
特にBluetooth接続とドングル接続を併用する人(複数デバイス間でペアリングを切り替えて使う人)だとペアリング切り替えでストレスを感じそうです。
ドングルをデバイスに挿すと強制的に当該デバイスにペアリング接続先が切り替わります。ただ、同時にBluetooth接続しているデバイスとの接続は解除されるので再度使う場合はペアリングし直す必要あります。
もとより特定デバイス専用のワイヤレスイヤホンとして、ドングル接続オンリーで使った方がストレスなさそうです。
バッテリー持ち・充電環境【★4】
| バッテリー性能 | (4) |
| (イヤホン単体8時間〜11時間、ケース併用28時間〜38時間) | |
| ワイヤレス充電 | ー |
| 急速充電 | ー |
バッテリー持ちはそこそこ優秀。
ノイズキャンセリング常時ONでもイヤホン単体8時間、ケース併用で28時間のスタミナです。
ドングル接続時のバッテリー駆動時間は不明ですが、公式スペックシートを見ると特に注記ないので通常利用時と同じくらいでしょうか。筆者個人的な感想ですが、普段使いでそこまでバッテリーが持たないと感じたことはありません。
【独自機能】20ms通信
final VR3000 Wireless のセールスポイントたる専用ドングル通じた低遅延通信。理論値20msで通信できます。
専用ドングルはUSB Type-Cポートに装着可能。スマホやPCもちろんNintendo SwitchやPS5でも利用できます。

ドングル端子部に段差あり。Nintendo Switchなどケースカバーの上からでも干渉せずに奥まで差し込めます。
実際にドングル接続でゲームしてみると普通にプレイできてますね。あからさまな遅延らしい遅延は感じませんし、音と映像とボタン押しの同期具合が完璧です。
また、ドングル経由だと音域が拡大するのか、気持ち音も明瞭になります。土台の低音重視サウンドこそ変わりませんが、通常のBluetooth接続よりも明瞭くっきりな音で多分にゲーミングイヤホンらしさあります。

なお、他社メーカー品だと専用ドングルを充電ケース内部に仕舞っておけるものがありますが、final VR3000 Wireless は充電ケース内部にドングルの収納スペースなし。
ドングルだけの別途販売は行っておらず、ドングルを紛失した場合は限りなく詰み。再度ワイヤレスイヤホン自体を買い直す必要あるので注意。
この記事のまとめ
【Good!】final VR3000 Wireless のよかったところ
- 専用ドングルの汎用性の高さ(USB Type-Cポートならもれなく装着可)
- 音場が広いゲーミングイヤホンらしい音の作り
- バッテリー駆動時間もそこそこ長い
- 軽量コンパクトなイヤホンなので長時間の装着でも疲れにくい
【Bad...】final VR3000 Wireless の気になったところ
- ゲーミングイヤホンにしては音質は低音寄り(ウォーム感あり)
- ノイズキャンセリング性能は平凡
- イヤホン・ケースともに指紋が付きやすい
- 充電ケース内部にドングル収納できない
20ms通信に嘘偽りなし。ゲーミング・ワイヤレスイヤホンとして考えれば final VR3000 Wireless は理想的な1品でしょう。
ただ、音質が思っていた以上にゲーミングイヤホンらしくないのが気になりました。
音場が広く、音の定位感もしっかりしてますが、低音重視のウォーム系サウンドなのでゲーミングイヤホンらしい音の明瞭さを求める人だとイコライザー調整は必須です。
専用ドングルはUSB Type-Cポートに装着できるのでNintendo SwitchやPS5でも問題なく使えます。ゲーム特化のワイヤレスイヤホンを探している人なら試してみる価値ありです。
final VR3000 Wireless のおすすめ代替候補
AKG N5 Hybrid(価格3.9万円)
AKG初の完全ワイヤレスイヤホン。専用ドングル介してLC3plus接続(遅延10ms)が可能。複数デバイス間のペアリング切り替え勝手もよし(レビュー記事を見る)
ソニー INZONE Buds(価格2.7万円)
ソニーのゲーミングブランド「INZONE」。専用ドングル介してLC3接続(遅延30ms)が可能(レビュー記事を見る)
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