2020年を代表する小型スマホである「iPhone SE(2020)」「iPhone 12 mini」を比較レビュー。
どちらも似たような小型スマホ、小型iPhoneであり、性能も勝手も悪くない。「どちらを選んでもハズレなし!」と言われんばかりなのだが、それゆえに、どちらを選ぶべきなのか迷っている人も多いかと思う。
そこでこの記事では双方のiPhoneを実機で比較レビューしていく。メリット、デメリットを見比べ、製品の違いを確認するとともに、どういった人におすすめなのかまとめていきたい。
この記事の目次(タッチで移動)
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iPhone 12 miniとiPhone SE(2020)の製品概要
iPhone 12 mini
発売時期 | 2020年11月 |
Apple Store価格 | 82,080円(税込)〜 |
画面サイズ | 5.4インチ |
本体重量 | 133g |
画面サイズ | 5.4インチ(2340×1080) |
本体サイズ | 縦13.1cm、横6.4cm、厚さ0.7cm |
本体重量 | 133g |
メモリ | 4GB(非公式情報) |
ストレージ | 64GB/128GB/256GB ※microSD非対応 |
CPU | Apple A14 Bionic |
カメラ | 外側①1200万画素(標準広角)、外側②1200万画素(超広角) |
内側①1200万画素 | |
充電端子 | lightning |
ワイヤレス充電(Qi) | ○ |
イヤホンジャック | × |
指紋センサー | × |
おサイフケータイ(felica) | ◯(Apple Pay) |
SIMカード規格 | nanoSIM、eSIM(DSDS仕様) |
そのほか | 5G対応、防水/防塵、MagSafeアクセサリー対応 |
iPhone 12 miniは、4種類あるiPhone 12シリーズの中の最小コンパクトモデル。通常iPhoneサイズだと本体重量が160g前後だが、iPhone 12 miniは133gしかない。
基本性能は他のiPhone 12シリーズと変わらず。中身はごくごく一般的なハイエンドスマホそのもの。iPhoneシリーズで初となる5G通信にも対応しており、5Gプランを契約している人なら5Gを使った超高速通信も使える。
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iPhone SE(2020)
発売時期 | 2020年4月 |
Apple Store価格 | 49,280円(税込)〜 |
画面サイズ | 4.7インチ |
本体重量 | 147g |
画面サイズ | 4.7インチ(1334×750) |
本体サイズ | 縦13.8cm、横6.7cm、厚さ0.7cm |
本体重量 | 148g |
メモリ | 3GB(非公式情報) |
ストレージ | 64GB/128GB/256GB ※microSD非対応 |
CPU | Apple A13 Bionic |
カメラ | 外側①1200万画素(標準) |
内側①700万画素 | |
充電端子 | lightning |
ワイヤレス充電(Qi) | ○ |
イヤホンジャック | × |
指紋センサー | ○ |
おサイフケータイ(felica) | ◯(Apple Pay) |
SIMカード規格 | nanoSIM、eSIM(DSDS仕様) |
そのほか | 防水/防塵 |
iPhone SE(2020)は、iPhone SEの第2世代モデルとして2020年4月より発売開始。
iPhone 8相当のコンパクトサイズの中にApple Payやワイヤレス充電など最新iPhone機能を詰め込んだ。
Apple Store価格で5万円で購入できるコスパのよさも魅力。ほぼほぼ格安スマホに該当する価格帯であり、ドコモやauなどキャリアだと端末返却含めて2万円〜3万円台と破格プライスで購入できる。
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iPhone 12 miniとiPhone SE(2020)の根本的な5つの違い
双方ともにコンパクトスマホ、もっと言えば小さいiPhoneであり、そこまで勝手が異なるわけではない。
そのうえで無理にでも差らしい差を見い出すのであれば以下5点が挙げられる。
- ディスプレイサイズの違い
- 生体認証の違い
- 基本性能の違い
- カメラスペックの違い
- 充電環境の違い
1. ディスプレイサイズの違い
iPhone 12 mini | iPhone SE(2020) | |
画面サイズ | 5.4インチ(有機EL) | 4.7インチ(TFT液晶) |
本体サイズ | 縦13.1cm、横6.4cm、厚さ0.7cm | 縦13.8cm、横6.7cm、厚さ0.7cm |
本体重量 | 133g | 148g |
ポイント
ディスプレイサイズはiPhone 12 miniの方が大きい、なおかつ本体サイズはiPhone 12 miniの方が小さい
どちらも昨今にしては小さなスマホだが、iPhone 12 miniの方がより軽くて小さい。それでいて画面サイズはiPhone 12 miniの方が大きい逆転現象が起きている。
いざ実機を手に取るとiPhone 12 miniの小ささ、軽さは異常。小さいおかげで軽く感じるし、軽いおかげで小さくも感じる。iPhone SE(2020)ですら大きく、重く感じてしまうので不思議だ。
小さいスマホの観点から言えばどちらも優秀。ただ、より小ささ、軽さ、コンパクトさを追求するとなるとiPhone 12 miniを選んだ方が満足できそう。
2. 生体認証の違い
iPhone 12 mini | iPhone SE(2020) | |
顔認証(Face ID) | ○ | × |
指紋認証(Touch ID) | × | ○ |
ポイント
iPhone SE(2020)は指紋認証に対応、昨今のマスク生活下で利便性高し
iPhone 12 miniは顔認証(Face ID)のみ対応。対してiPhone SE(2020)は指紋認証(Touch ID)のみ対応となる。
コロナ禍のマスク生活ですっかり顔認証の人気が廃れてしまい、指紋認証ニーズが高まっていることを踏まえると、iPhone SE(2020)の指紋認証ことTouch IDは疑う余地のないアピールポイントだ。
対してiPhone 12 miniは顔認証のみ対応。指紋認証は利用できない。
マスクを付けていると顔認証できないので出先でロック解除したり、店頭レジでApple Pay決済を使うときなど顔認証の代わりにパスコードを入力する必要がある。この点、マスク生活が続く限りはデメリットとして残り続けるだろう。
3. 基本性能の違い
iPhone 12 mini | iPhone SE(2020) | |
搭載CPU | A14 | A13 |
CPUリリース年次 | 2020年 | 2019年 |
5G対応有無 | ○ | × |
▼ CPU性能スコア(参考Geekbench 5)
iPhone 12 mini | iPhone SE(2020) | |
シングルコア得点 | 1589 | 1332 |
マルチコア得点 | 4003 | 3241 |
ポイント
基本スペックはiPhone 12 miniの方が上、5G通信も利用可能
iPhone 12 miniは、今年度iPhone(iPhone 12シリーズ)の一翼とあり、Apple最新CPU「A14」チップを搭載している。
A14チップは5G通信をサポートしているので、5G対応のSIMカードを使えば5Gならではの超高速通信が可能だ(※5G通信できる地域に限り)。
対してiPhone SE(2020)は、2019年度iPhoneことiPhone 11に搭載される「A13」チップを搭載している。
年次としては1年違いなので、ベンチマークスコアでも使わないと性能差が確認できないレベル。ただ、5G通信には非対応。住んでる地域の5Gの普及状況にもよるが、5Gを積極的に活用したい人、次数年とiPhoneを使いまわしたい人だと5G非対応のiPhone SE(2020)が物足りなく感じそう。
4. カメラスペックの違い
iPhone 12 mini | iPhone SE(2020) | |
カメラレンズ枚数 | 2枚 | 1枚 |
標準レンズ | 1200万画素 | 1200万画素 |
超広角レンズ | 1200万画素 | × |
ナイトモード | ○ | × |
ポイント
iPhone 12 miniだと超広角レンズ撮影、夜間撮影が強い
iPhone 12 miniは超広角レンズ、およびナイトモードを搭載しており、よりバリエーションに富んだ写真が撮影できる。iPhone SE(2020)はシングルレンズ仕様で地味な感じ。
ただ、カメラレンズの描写力そのものに極端な差は見られない。特に日中の撮影だと一部のカメラオタクでもない限りは「差」が理解できる人はまれだ。
実用性の観点から言うとどちらでも代替可能なレベルにあると思う。以下いくらか比較撮影したので確認してみてほしい。
日中の撮影(どちらも標準レンズ、オート撮影)
▼ 写真クリックで拡大
日中の撮影(超広角レンズ、オート撮影)※iPhone 12 miniのみ
iPhone 12 miniは超広角レンズを備えており、人間の視野と同じ120度での写真撮影が可能。もっぱら風景や建造物など横に長い写真を撮影する際に重宝する。
iPhone SE(2020)は標準レンズのみの搭載とあり、超広角レンズ搭載はiPhone 12 miniこその強みとなる。
▼ 写真クリックで拡大
夜間の撮影(どちらもオート撮影、標準レンズ)
iPhone 12 miniはナイトモード(暗所撮影サポート機能)を搭載。オート撮影でも多少なりに白飛び少なく、明るめの写真が撮影できる。
▼ 写真クリックで拡大
5. 充電環境の違い
iPhone 12 mini | iPhone SE(2020) | |
バッテリー容量 | 2227mAh | 1821mAh |
バッテリー持ち | ビデオ再生15時間(公称) | ビデオ再生13時間(公称) |
充電環境 | ライトニング充電、ワイヤレス充電、MagSafe充電 | ライトニング充電、ワイヤレス充電 |
急速充電(USB PD充電) | ○ | ○ |
ポイント
iPhone 12 miniはMagSafe充電に対応
昨今のiPhoneシリーズがこぞって3000mAh前後のバッテリー容量なので双方ともにバッテリー容量は少ない方。
とはいえ、スマホゲームをがっつりプレイするような人でもなければバッテリー切れを恐れる必要はない。電話したりLINEしたり空き時間にニュースアプリを見る程度の使い方をしている人なら日中にバッテリーがなくなることはまれ。
双方の数少ない違いとしてiPhone 12 miniが対応する「MagSafe充電」がある。背面にマグネットで充電器を貼り付けて充電できる。物自体はワイヤレス充電(Qi充電)の一種なのだが、その見た目、使い勝手に新味があって面白い。
以上5点を踏まえた根本的なセールスポイントの違い
iPhone 12 mini | iPhone SE(2020) | |
ディスプレイサイズの違い | 5.4インチとそこそこ大きめ | 4.7インチ、iPhone 8と同じ小さめサイズ |
生体認証の違い | 顔認証のみ。マスク付けてると機能せず | 指紋認証のみ。マスク付けてても問題なく使える |
基本性能の違い | 5Gに対応した2020年最新仕様 | iPhone 11同等の2019年仕様。5Gには非対応 |
カメラスペックの違い | 超広角撮影や暗所撮影もらくらく | 超広角撮影や暗所撮影は弱い |
充電環境の違い | Lightning充電、ワイヤレス充電、MagSafe充電に対応 | Lightning充電、ワイヤレス充電のみ |
出先で指紋認証を使う機会が多そうな人ならiPhone SE(2020)
コロナ禍のマスク生活の中で指紋認証ニーズが劇的に高まっている。指紋認証が使えるiPhone SE(2020)は「指紋認証対応」の1点だけで絶対的なセールスポイントになる。
iPhone 12 miniは最新モデルゆえに顔認証にしか対応せず、出先でマスクを付けているときなど顔認証が使えない。都度パスコード入力する必要があるので面倒に感じるシチュエーションが多い。
その点、iPhone SE(2020)ならマスクを付けていても問題ない。まだまだ続くであろうマスク生活において実用的な優位を保ち続けそうだ。
iPhone SE(2020)は新品価格で4万円後半〜、中古相場だと3万円前後〜購入できる。
5Gやカメラ性能など最新機能を求めるならiPhone 12 mini
iPhone 12 miniは2020年仕様の最新機能&性能を備える。iPhone SE(2020)よりもメジャーアップデート感があって、とかく新しいiPhoneという意味では優秀だ。
それこそiPhone SE(2020)はiPhone 8の筐体を流用したTHE無難なアップデートモデルに過ぎない。従来からのiPhoneユーザーだと、いざ乗り換えてもあまり新鮮味が感じられないのが正直なところ。
iPhone 12 miniなら筐体デザイン、サイズ感、カメラともに従来iPhoneからアップデートされてる。また、5G通信も使えるので5Gが普及後も問題なく使える。次3年〜4年とiPhoneを買い換える気がない人ならiPhone 12 miniを選んだ方が中長期的なコスパに優れそうだ。
iPhone 12 miniは新品相場が6.5万円前後〜、中古だと5万円前後〜購入できる。
この記事のまとめ
iPhone 12 miniとiPhone SE(2020)をひととおり比較してきた。
最新機能を搭載したiPhone 12 mini、ホームボタン(指紋認証)を搭載したiPhone SE(2020)といったところ。
どちらもサイズ感は似ていて片手で使うのに最適。昨今のスマホ大型化に辟易している人なら気に入るはずだ。記事を参考に最適な1台を見つけてほしい。
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