ワイヤレスイヤホンとして高い人気を誇るApple「AirPods Pro」。
そしてソニーの新作ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」。
どちらもノイズキャンセリング(ANC)を強みとする似た者同士。価格も同じくらいなので、いざどちらを購入すべきなのか、無難にAirPods Pro?等々と考えている人も多そうだ。
そこでこの記事ではApple「AirPods Pro」とソニー「WF-1000XM4」を比較。両者の明確に異なる性能、機能、使い勝手をまとめた。
どちらを購入すべきか迷っている人は記事を参考にしてほしい。
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Apple「AirPods Pro」とソニー「WF-1000XM4」の明確に異なる5つの違い
Apple「AirPods Pro」とソニー「WF-1000XM4」は、単純比較したところで大半のスペックや使い勝手は拮抗していて比較しにくい。
そこで明確に特徴や方向性が異なる部分に着目。
もっぱら以下5つが挙げられる。
- ノイズキャンセリング(ANC)の質
- 風切り音の有無
- オーディオ(音質)の方向性
- 装着感(ホールド感)
- iPhoneとの相性のよさ
以下、この5つを軸にApple「AirPods Pro」とソニー「WF-1000XM4」の違いを解説していく。
1. ノイズキャンセリング(ANC)の質
AirPods Pro
AirPods Proは、風切り音も消し去る徹底したノイズキャンセリングを実現。
とことんまでにデジタル処理して周囲の騒音をカット。電車内のガダゴト音ですら9割方カットできる。
他方、あまりにノイズキャンセリングが強すぎて鼻が詰まる感覚におそわれたり、耳に膜がかかったような違和感を覚える人も。
また、2019年に発売したモデルとあり、もっぱら低周波音を中心とした静音化となる。人の話し声など高周波音はわりと残ったままだ。
ソニー「WF-1000XM4」
AirPods Proに比べてソニー「WF-1000XM4」はマイルドなノイズキャンセリング。
AirPods Proがとことんまでに周囲の音を抑え込むのに対して、ソニー「WF-1000XM4」は周囲の音をカモフラージュするといったアプローチを取る。
AirPods Proならではの鼻が詰まるノイズキャンセリングが苦手な人に丁度いい。当たり外れのない、無難に使えるノイズキャンセリングという意味ではソニー「WF-1000XM4」の方が優秀だ。
また、人の話声など高音域の静音化に関してはソニー「WF-1000XM4」の方が少しばかり優れている。新開発のウレタン製イヤーピースを搭載しており、防音室のロジックで高音を軽減している。
2. 風切り音の有無
AirPods Pro
AirPods Proはほぼほぼ風切り音が発生しない。
ノイズキャンセリング利用時はもちろん、外音取り込みONの状態でもほぼほぼ風の音をシャットアウトしている。
安全面を考慮して屋外では外音取り込み機能ONにしている人などAirPods Proは風切り音がなくて最高だ。
ソニー「WF-1000XM4」
ソニー「WF-1000XM4」は風切り音が結構ある。
ノイズキャンセリング利用時はもちろん、外音取り込み機能ONで風が強い場所に出ると「バババババ」と多分に音が聞こえて鬱陶しい。
新たに「風ノイズ低減モード」を搭載したが、いざそこまで効果が見られないのが正直なところ。
デジタル処理による音質への影響を考慮しているのか、AirPods Proに比べると風切り音対策が幾分甘めに思える。
3. オーディオ(音質)の方向性
AirPods Pro
AirPods Proはフラットな音質。今も昔も変わらぬAppleイヤホンらしさある。
無難に使いまわせるという意味では100点満点。ただ、オーディオになにかしらのこだわりがある人だと音が単調でつまらなさそうだ。
ソニー「WF-1000XM4」
ソニー「WF-1000XM4」は解像度高めのオーディオ。
通常オーディオをハイレゾ相当に高音質補正する「DSEE Extreme」機能に対応。中音域〜高音域を中心にクリアなオーディオが楽しめる。
また、完全ワイヤレスイヤホンでは世界初となるLDACコーデック(Bluetoothコーデックの一つ)に対応している。Androidスマホなどとペアリングして使えばイヤホン単体でハイレゾ音源が再生できるのも魅力の一つ。
4. 装着感(ホールド感)
AirPods Pro
AirPods Proはイヤーピースで耳穴に引っかける昔ながらのイヤホン。
うどん部分を耳の外側に垂らす形にはなるが、イヤーピースを使っているので従来AirPodsよりもホールド感はばっちし。ズボラな人を除けばイヤホンの抜け落ちリスク、紛失リスクも少ないだろう。
ソニー「WF-1000XM4」
ソニー「WF-1000XM4」は、いかにもワイヤレスイヤホンらしい丸ころデザイン。
イヤホンを耳の穴の中にきれいに押し込めるのでホールド感は非常に安定。イヤホンの抜け落ちリスク、紛失リスクもほぼゼロに近い。
ただ、あまりにジャストフィットサイズなので耳が小さい人など長時間のイヤホン装着で耳が痛くなることも。
5. iPhoneとの相性のよさ
AirPods Pro
やはりiPhoneとAirPods Proの相性はいい。
特にAppleデバイス間で使える接続切り替え機能(Apple版マルチポイント)が便利。同一のApple IDでサインインしたAppleデバイス間で同時にAirPods Proが接続できる。
たとえば、iPhoneとMacをAirPods Proで同時接続して、電話はiPhoneで、YouTubeはMacでとオーディオ再生元を自動で切り替えられる。
これもう本当に慣れてしまうとペアリング切り替えの概念が喪失するガチで便利な機能なので逆に注意。
ソニー「WF-1000XM4」
ソニー「WF-1000XM4」はiPhoneで使えないわけではないが、いくらか相性の悪い部分がある。
特にiPhoneはLDACコーデック(ハイレゾ再生)非対応なので、ソニー「WF-1000XM4」のセールスポイントたるLDACコーデックを使ったハイレゾ再生できない。
ハイレゾなど聞かない人なら関係ないが、LDAC狙いで、ハイレゾ狙いでソニー「WF-1000XM4」の購入を検討している人は注意した方がいい。
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【まとめ】結局のところ、AirPods ProとWF-1000XM4、どちらを選ぶべき?
AirPods Proを選ぶべき人
iPhoneユーザー
iPhoneとAirPods Proの組み合わせは無難すぎてひねりもないが、それでも安定感は抜群。
初回のペアリングも専用のポップアップ画面から行えるのでワイヤレスイヤホン初心者でも迷わない。
手元デバイスをApple製品でまとめている人
AirPods ProはAppleデバイス間の自動ペアリング切り替えに対応。
同一のApple IDでサインインしているiPhone、iPad、Mac間であれば、都度オーディオ再生しているデバイスに自動でペアリングが切り替えられる。
これがまた本当に便利。普段からAppleデバイス間でイヤホンを差し替えて使っている人、他社ワイヤレスイヤホンを都度ペアリング切り替えして使っている人であれば、間違いなく利便性が理解できる。
屋外での風切り音を避けたい人
AirPods Proは風切り音がほぼほぼ発生しない。
サイクリングやジョギングなど屋外では安全を考慮して外音取り込み機能を常時ONにしている人などAirPods Proを使った方が風切り音がなくて快適だ。
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ソニー「WF-1000XM4」を選ぶべき人
ハイレゾ再生したい人
ソニー「WF-1000XM4」は完全ワイヤレスイヤホンでは世界初となるLDACコーデックに対応。
もっぱらAndroidスマホで使えばハイレゾ音源やハイレゾサブスクがイヤホン一つで再生できる。ハイレゾ狙いで購入するのは十分な購入理由になる。
全体的にクリアなオーディオを楽しみたい人
AirPods Proに比べて相対的にソニー「WF-1000XM4」の方が強弱あるオーディオが楽しめる。
特に中音域〜高音域はクリアで聞き心地がよい。独自機能「DSEE Extreme」を使えば通常のオーディオ楽曲をハイレゾ相当の高音質に補正して再生できるのも魅力だ。
耳が疲れないノイズキャンセリングを使いたい人
AirPods Proのノイズキャンセリングはデジタル処理が徹底していて、人によっては鼻が詰まる感覚におそわれる。
対してソニー「WF-1000XM4」はマイルドなノイズキャンセリングなので長時間の利用でも耳が疲れない。ここらも明確にAirPods Proとは異なる魅力だろう。
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