ソニーの新作ワイヤレスイヤホン「LinkBuds S」(WF-LS900N)。
"ながら聴きも、ハマり聴きも”をコンセプトにした普段使いに特化したワイヤレスイヤホン。SixTONESがイメージキャラクターを務めることでも知られる。
ソニーのワイヤレスイヤホンだが、あくまでBluetoothワイヤレスイヤホンとあり、iPhoneとのペアリング接続も可能だ。
この記事では、iPhoneと LinkBuds S をペアリング接続したうえで、どこまで使えるのか、なにか使えない機能はあるのかなど検証レビューした。
iPhoneユーザーで LinkBuds S を使おうと考えている人がいたら記事を参考にしてみてほしい。
この記事の目次(タッチで移動)
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【確認】この記事で取り上げているのはソニー「LinkBuds S」(WF-LS900N)
この記事では、2022年6月に国内発売が開始された「LinkBuds S」(型番:WF-LS900N)を使ってiPhoneでの検証レビューを行った。
ソニー「LinkBuds S」はiPhoneで使える?接続相性や実際の使い勝手をレビュー
以下のような動作チェックをiPhoneで行った。
チェック項目をタップすると該当部分までスクロールできる。
ペアリングまわりの動作チェック
対応可否 | チェック項目 |
○ | ペアリング接続 |
× | Google Fast Pairを使ったペアリング接続 |
○ | ペアリング再接続 |
○ | 複数デバイス間のワンタップでのペアリング切り替え |
○ | 専用アプリを使ったペアリング切り替え |
○ | iOSショートカットを使ったペアリング切り替え |
オーディオまわりの動作チェック
対応可否 | チェックリスト |
○ | オーディオ再生 |
○ | 「DSEE Extreme」使ったオーディオ再生 |
× | 「LDAC」使ったオーディオ再生(ハイレゾ相当再生) |
○ | イコライザー調整 |
○ | イヤホン着脱によるオーディオの自動停止/再生 |
機能面の動作チェック
対応可否 | チェックリスト |
○ | ノイズキャンセリング |
○ | 外音取り込み機能(&クイックアテンション) |
○ | 音声アシスタント(Siri)起動 |
○ | タッチ操作コマンドの割り当て変更 |
○ | クイックアクセス連携 |
○ | スピーク・トゥ・チャット |
○ | アダプティブサウンドコントロール |
○ | 360 Reality Audio |
とりあえずのまとめ
ソニー「LinkBuds S」はiPhoneでも問題なく使える。
土台BluetoothワイヤレスイヤホンなのでBluetoothでiPhoneと接続可能。オーディオ再生できるほか、ノイズキャンセリングはじめとした「LinkBuds S」ならではの機能も利用できた。
iPhoneだと利用できなかった機能は2つ。「Google Fast Pair」と「LDAC」。
Google Fast Pairは、GoogleがAndroidスマホ向けに提供しているペアリング簡素化システム。
LDACは、ハイレゾ相当の高音質再生を可能とするBluetoothコーデック。もっぱらAndroidスマホだとLDAC対応だが、iPhoneはLDAC非対応。LDAC接続そのものができない。
どちらもAndroidスマホ向けの機能。iPhoneユーザーだと使いようがない。
昨今のワイヤレスイヤホンだとLDAC対応がセールスポイントだったりするが、もとより「LDACなんて知らねーよ」という人であれば、あえて気にする必要もない項目かと思う。あくまでプラスアルファ機能にとどまる。
オーディオ再生やノイズキャンセリング自体は問題なく使えるので、iPhoneユーザーで「LinkBuds S」を検討している人は安心してほしい。
【詳しく】ペアリングまわりの動作チェック
【○】ペアリング接続は問題なし
ソニー「LinkBuds S」はBluetooth 5.2仕様のBluetoothイヤホン。iPhoneのBluetooth設定画面から問題なくペアリング接続できる。
【×】「Google Fast Pair」を使ったペアリング接続はできない
ソニー「LinkBuds S」はGoogleが提供するペアリング簡素化システム「Google Fast Pair」に対応。
Androidスマホであれば専用のポップアップ画面からワンタップでペアリング接続できるが、iPhoneでは利用できない。もとよりAndroidスマホ向けの機能だ。
【○】ペアリング再接続も問題なし
初回のペアリング設定さえ完了させれば、次回以降はケース蓋を開くだけで自動でiPhoneと「再接続」される。
【○】Bluetooth設定画面からのペアリング切り替え可能
iPhone以外のデバイスとペアリング接続しているとき、iPhoneの「設定」アプリの「Bluetooth」設定画面からイヤホン名をタップすれば、そのままペアリングが切り替えられる(iPhoneと再接続できる)。
他社のワイヤレスイヤホンだとペアリングの切り替え都度、現在のペアリングを解除したり、イヤホンの電源を一度落とす必要があるが、ソニー「LinkBuds S」はそうした手間暇かからない。
【○】専用アプリを使ったペアリング切り替え可能
iPhone以外のデバイスとペアリング接続しているとき、専用アプリ「Headphones Connect」を使えばそのままペアリングが切り替えられる(iPhoneと再接続できる)。
ペアリングの切り替えにはアプリトップ画面に表示される「接続する」ボタンをタップする。
【○】iOSショートカット(AirPlay)使ったペアリング切り替え可能
iOSショートカットで提供される「AirPlay」を使ったペアリング切り替えに対応。
ホーム画面に設置したショートカットの起動アイコンをタップするだけで、そのままペアリングが切り替えられる(iPhoneと再接続できる)。
切り替え都度「設定」アプリを開いたり、専用アプリを起動しなくていいので非常にラク。ショートカットの作り方は以下記事で解説している。
iPhoneとワイヤレスイヤホン(Bluetoothイヤホン)をペアリング再接続するショートカット
続きを見る
【詳しく】オーディオまわりの動作チェック
【○】オーディオ再生は問題なし
ソニー「LinkBuds S」は、iPhoneで主流のBluetoothオーディオコーデックであるAACに対応。iPhoneとペアリングした場合でも問題なくオーディオ再生できる。Androidスマホと比べて音質面の劣化もない。
【○】「DSEE Extreme」を使ったオーディオ再生可能
iOS版の専用アプリ「Headphones Connect」に機能ON/OFF項目あり。機能ONにしてオーディオを高音質補正できた。
「DSEE Extreme」はソニー独自のオーディオ補正機能。手持ち楽曲、サブスク楽曲、YouTubeやNetflixのオーディオをハイレゾ相当に高音質補正してオーディオ再生できる。
中音域〜高音域の音が底上げされ、よりクリアで力強いオーディオが楽しめる。バッテリー消費が激しいのが欠点だが、非常に聴き応えあるオーディオに化けるのでiPhoneユーザーでも試してみてほしい。
【×】LDAC非対応(ハイレゾ相当再生不可)
iPhoneはLDAC(エルダック)非対応。
LDACはSBC、AACと並ぶBluetoothオーディオコーデックの一つ。ハイレゾ相当のデータ量をワイヤレス経由で転送できる上位版コーデックだ。
大方のAndroidスマホだとLDAC対応だが、iPhoneはLDAC非対応。LDACを使う手段がない。
【○】専用アプリを使ったイコライザー設定可能
専用アプリ「Headphones Connect」を使ったイコライザー調整が可能。
iOS版アプリでも設定項目が表示される。
【○】イヤホン着脱によるオーディオ再生/停止に対応
iPhoneと接続している場合でもイヤホン着脱によるオーディオの自動再生/停止が機能した。
iOS版の専用アプリ「Headphones Connect」にも機能ON/OFF項目が確認できる。
【詳しく】機能面の動作チェック
【○】ノイズキャンセリングは利用可能
iPhoneとペアリングした場合でも問題なくノイズキャンセリング(ANC)は動作。
専用アプリ「Headphones Connect」で機能項目を確認。また、左イヤホンのタッチセンサーを1回タップすればノイズキャンセリングを機能ON/OFFできた。
【○】外音取り込み機能&クイックアテンションも動作
外音取り込み機能にも対応。
専用アプリ「Headphones Connect」上で設定項目が確認できたほか、音の取り込み具合もカスタム可能。
左イヤホンのタッチセンサーを1回タップすればノイズキャンセリングと入れ替える形で機能ON/OFFできた。
また、左イヤホンのタッチセンサーを長押ししてる間だけ外音取り込み機能がONになる「クイックアテンション」も動作した。
【○】音声アシスタント(Siri)は起動できる
iPhoneで使う場合でも音声アシスタントが起動可能。Siriはもちろん、専用アプリ「Headphones Connect」からAmazon Alexaも設定できる。
音声アシスタントは右イヤホンのタッチセンサー長押しで起動できる(デフォルト状態、割り当て変更可能)。
【○】タッチ操作コマンドの割り当て変更可能
専用アプリ「Headphones Connect」を使ったタッチ操作コマンドの割り当て変更に対応。
初期状態では右イヤホンに「再生コントロール」、左イヤホンに「外音コントロール」が設定されるが、これとは別に「音量コントロール」が割り当てられる。
左右イヤホンの機能をそのまま反転させることも可能。
操作コマンド(デフォルト、割り当て変更可能)
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回タップ | ノイズキャンセリング←→外音取り込み機能の切り替え | オーディオ再生/停止 |
2回タップ | クイックアクセス(オプション) | 曲の先送り |
3回タップ | 曲の前戻し | |
長押し | クイックアクション | 音声アシスタント起動 |
クイックアクセスは、SpotifyやIngressなど連携アプリを起動できるオプション枠。
クイックアテンションは、長押ししてる間だけ外音取り込み機能がONになる。
着信対応コマンド(割り当て変更不可)
左イヤホン | 右イヤホン | |
2回タップ | 着信対応/通話終了 | |
2秒長押し | 着信拒否 |
クイックアクセスの連携アプリはすべて設定可能
iPhone接続時でも専用アプリ「Headphones Connect」から連携&設定可能。
連携したサードパーティアプリをイヤホンのタッチ操作コマンドとしてワンタップで起動できる。
Androidスマホ版と同様に以下6つのサービスと連携できる(2022年8月時点)。
- Spotify
- Endel
- Auto Play
- Ingress Prime
- Locatone
- Soundscape
【○】スピーク・トゥ・チャット利用可能
「スピーク・トゥ・チャット」はiPhone接続時でも利用できる。
同機能は、通話マイクが自身の声を検知すると自動で「外音取り込み機能」をONにする機能。
もっぱらコンビニレジでの会話など都度イヤホン操作して「外音取り込み機能」を起動する必要がなくなる。
【○】アダプティブサウンドコントロールは使える
アダプティブサウンドコントロールはiPhone接続時でも設定できた。
同機能は、特定のGPS場所や行動(徒歩、ジョギング、電車など)に合わせてイヤホン設定を自動で変更できる機能。
電車移動中にはノイズキャンセリングONに、徒歩中は外音取り込み機能をONに、自宅では再びノイズキャンセリングONに... といった操作をオートメーション化できる。
設定は専用アプリ「Headphones Connect」から可能だ。
【○】360 Reality Audioは使える
ソニーが提供する立体音響サービスこと「360 Reality Audio」。iPhone接続時でも設定&利用できた。
ただ、肝心の対応アプリ、対応楽曲が壊滅的なので実用性は皆無。期待しない方がいい。
この記事のまとめ
ここまでソニー「LinkBuds S」がiPhoneで使えるか試してきた。
iPhoneだと「LDAC」と「Google Fast Pair」の2点のみ使えないが、いずれもAndroidスマホ向けの機能。iPhoneユーザーでなにがなんでも使いたい人はまれだろう。
iPhoneユーザーで「LinkBuds S」を使うのは十分に現実的だし、特段の問題は見られない。
音楽を聞いたり、動画を見たりするためのワイヤレスイヤホンとしては問題なく利用できる。また、ノイズキャンセリングはじめとした最新機能も動作するので安心してほしい。
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