サムスンのワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds」。2021年5月時点で最新モデルに位置付けられるのが「Galaxy Buds Pro」、そして「Galaxy Buds Live」だ。
Galaxy Buds Proは2021年4月に、Galaxy Buds Liveは2020年9月に国内発売を開始。上位互換、下位互換というわけではなく、コンセプトの異なる別枠シリーズのワイヤレスイヤホンとなる。
そのため、からなずしも新しい方(Galaxy Buds Pro)を購入する必要はなく、利用シチュエーションさえ合えばGalaxy Buds Liveでも十分だったりする。
この記事ではGalaxy Buds ProとGalaxy Buds Liveを比較。どういった違いがあるのか、どちらを購入すべきなのかレビュー解説していく。
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製品概要
Galaxy Buds Pro
2021年4月に国内発売を開始した新作モデル。市場価格2万円前後。
ノイズキャンセリングや外音取り込み機能など最新機能を搭載。ワイヤレスイヤホンとしての使い勝手はよく、ここ2年くらいのGalaxy Budsシリーズの弱点を堅実に潰した安定感あるモデルとなった。Galaxy Budsシリーズで初となるスポーツ防水相当(IPX7)の防水性能も搭載した。
カラーリングはファントムシルバー、ファントムブラック、バイオレットパープルの3色展開。
Galaxy Buds Live
2020年9月発売の一世代前のモデル。市場価格は2万円前後。
Galaxy Budsシリーズ初のオープンイヤーイヤホン(耳穴を完全にふさがないイヤホン)に位置づけ。形状としては耳穴に突っ込むカナル型イヤホンだが、イヤーピースを使わず、クネクネしたボディで耳穴に隙間を作ることでオープンイヤー相当の開放感を得た。何気にノイズキャンセリングにも対応しているので静かな場所であればノイズキャンセリングらしい静寂も得られる。
カラーリングはブロンズ、ブラック、ホワイトの3色展開。
Galaxy Buds ProとGalaxy Buds Live、何が違う?
Galaxy Buds ProとGalaxy Buds Liveは、そこまで大きな性能差のあるワイヤレスイヤホンではない。どちらかというと製品コンセプトが異なるワイヤレスイヤホンであり、性能の違いよりかは製品コンセプトの違いを確認すべきだ。
そのうえで、もっぱら異なるのが以下6点だ。
- イヤホン形状(つけ心地)
- ノイズキャンセリング
- オーディオ(音質)
- 防水性能
- タッチセンサーの使い勝手
- 専用アプリの対応有無
1. イヤホン形状(つけ心地)
Galaxy Buds Pro
Galaxy Buds Proは業界一般的な耳栓型のイヤホン。イヤーピースを耳穴に突っ込むだけの簡単仕様なので使っていて違和感ない。遮音性も高く、ノイズキャンセリング(アクティブノイズキャンセリング)と合わせて使うことで非常に高い静音性能が得られる。
デメリットだが、イヤーピースを使ったイヤホンなので長時間付けていると耳穴に圧迫や疲れを感じる。また、イヤホンを外側から抑え込むイヤーウィング(※耳のひだに引っ掛けるヒレのようなパーツ)が付いてないので、ガムを噛んだり顎を動かすとイヤホンの位置がズレることがある。
Galaxy Buds Live
Galaxy Buds Liveは、イヤーピースを使わないインナーイヤー型のイヤホン。イヤホン先端部を耳穴に突っ込み、耳穴のラインに沿うようにして装着する。意外や意外にホールド感がよく、インナーイヤー型のワイヤレスイヤホンでありがちの紛失リスクも軽減されている。
イヤーピースを使わず、イヤホン本体も軽いので(片耳5g)、長時間使っていても耳が疲れない。耳穴への圧迫感もない。ただ、耳穴を完全に塞いでいないので遮音性が低めという弱点がある。(再生するデバイスにもよるが)音量を半分から大きめにすると音漏れ気味なので図書館など静かな場所で使う際には注意した方がいい。
2. ノイズキャンセリング
Galaxy Buds Pro
Galaxy Buds Proはイヤーピースを使った古典的なイヤホンなので遮音性が高い。ノイズキャンセリングと合わせることで非常に静かだ。
ただ、電車のガタガタ音は消せておらず、屋外で使うと風切り音(イヤホンに風が当たったボォーボォー音)もある。業界トップのノイズキャンセリング性能と名高いAirPods Proに比べると、そこまで静音性能は高くない。
Galaxy Buds Live
Galaxy Buds Liveはノイズキャンセリングにこそ対応しているが、イヤホンの遮音性の低さと相まりノイズキャンセリングらしい静けさは感じにくい。
もとよりオープンイヤーイヤホンであり、騒音のある場所だとオープンイヤーの開放感の方が勝ってしまう。あくまで自宅や図書館など静かな場所でより静けさを得るためのノイズキャンセリングだと言える。
そのため、Galaxy Buds Liveの宣伝文句としてノイズキャンセリングがアピールされてはいるが、そこまで期待しない方がいい。場所やシチュエーションかかわらず使えるノイズキャンセリング狙いであれば、素直にGalaxy Buds Proを選ぶべきだ。
3. オーディオ(音質)
Galaxy Buds Pro
Galaxy Buds Proは、俗に言う解像度の高いオーディオ。低音から高音まで聞き分けられる明瞭な音が楽しめる。普段の音楽再生、動画視聴、ソシャゲプレイなど雑多な用途で使いまわしたい人だと丁度いい。
Galaxy Buds Live
Galaxy Buds Liveは低音重視のワイヤレスイヤホン。12mmの大型スピーカーと重低音を響かせるベースダクトを内蔵しているので、ハードからして低音仕様だ。高音がきゃぴきゃぴしておらず、高級感ある低音オーディオとして楽しめる。
ただ、高音の抜けがあまりよくない。それこそ女性声優ソングが鼻声ソングに聞こえるので、高音シャンシャンした音楽を聞いたり、音ゲーをプレイする人だとオーディオ相性が悪そう。
4. 防水性能
Galaxy Buds Pro
Galaxy Buds Proは、スポーツ防水相当のIPX7仕様を実現。プールで泳ぎながら使っても問題ない。もっと普通の使い方、雨の日の屋外利用やスポーツジムで汗かく環境で使う程度なら問題すら感じない。
Galaxy Buds Live
Galaxy Buds Liveは、IPX2とオマケ程度の防水性能となる(※IPX4以下は厳密には防滴)。とはいえ、日常用途であれば故障することもないと思う。かくいう筆者もジムで運動中に使っているが、特に故障や不具合に遭遇してはいない。
5. タッチセンサーの使い勝手
Galaxy Buds Pro
Galaxy Budsシリーズはタッチセンサーの使い勝手の悪さがシリーズ共通の弱点となっていたが、Galaxy Buds Proのタッチセンサーは今までになく安定している。
1回タッチ、2回タッチなどきちんとカウントしてくれるし、反応処理もしっかりしている。タッチセンサーの位置も明瞭でわかりやすいので押し間違いも少ない。また、イヤホンを取り外すときも側面部分を持てば誤タッチしにくいのでストレスない。
Galaxy Buds Live
Galaxy Buds Liveの弱点として挙げられるのがタッチセンサーの使い勝手の悪さ。
タッチセンサーの場所が非常に不明瞭。タッチセンサーがイヤホン筐体デザインと同化しているので、そこそこ勝手を理解した現在でもタッチする場所を間違っていて反応しないことがある。そのくせ、イヤホンを取り外すときにはタッチセンサーを触っていて、音楽の再生が勝手に始まったりとストレスに感じることがある。
6. 専用アプリの対応有無
Galaxy Budsシリーズは、専用アプリ「Galaxy Wearable」(iOSはSamsung Galaxy Buds)が利用できる。ただ、Galaxy Buds ProとGalaxy Buds Liveでアプリ対応可否が異なる。
▼ Galaxy Buds ProとGalaxy Buds Liveのアプリ対応可否
iPhoneアプリ(※iPad非対応) | Androidアプリ | |
Galaxy Buds Pro | × | ○ |
Galaxy Buds Live | ○ | ○ |
Galaxy Buds Proは、iPhone版アプリに対応せず。
アプリはからなずしも必要ではなく、スタンダードの状態でもワイヤレスイヤホンとして利用できる。一方でアプリを使うことで以下のようなカスタマイズ設定が行える。
- イコライザー調整(音質調整)
- タッチコマンドの割り当て変更
- 音声通知するアプリの選択
Galaxy Buds ProとGalaxy Buds Live、そこまで変わらない部分
先に挙げた6点を除けば、Galaxy Buds ProとGalaxy Buds Liveはほぼほぼ同等性能のワイヤレスイヤホンだ。どちらも同じGalaxy Budsシリーズとあり、使い勝手は変わらない。
もっぱら以下3点など同製品のような差分しかない。
- バッテリー性能
- マイク性能
- ワイヤレス接続の安定感
1. バッテリー性能
バッテリー性能はどちらも同じくらい。
ノイズキャンセリングON | ノイズキャンセリングOFF | |
Galaxy Buds Pro | イヤホン単体5時間、ケース併用で最大18時間 | イヤホン単体8時間、ケース併用で最大28時間 |
Galaxy Buds Live | イヤホン単体6時間、ケース併用で最大21時間 | イヤホン単体8時間、ケース併用で最大29時間 |
なお、双方ともに充電はUSB Type-C充電、およびQi充電(ワイヤレス充電)に対応している。
2. マイク性能
Galaxy Buds Pro、Galaxy Buds Liveともに通話マイクを内蔵。ノイズキャンセリング用の集音マイクを使った精度の高い雑音カット機能も搭載しており、周囲の騒音など口元以外の音を強制的にトーンダウンさせて通話伝送できる。テレワークのビデオ通話などで使うにも丁度いい。
3. ワイヤレス接続の安定感
Galaxy Budsシリーズはワイヤレス接続の安定感で知られる。Galaxy Buds Pro、Galaxy Buds Liveも変わらず安定した使い勝手だ。
Bluetoothコーデックはいずれも「SBC」「AAC」「Samsung Scalable」の3つ。流行りのapt-Xには対応していないが、Galaxy S7以降のGalaxyスマホであればapt-X以上の高音質&低延滞を誇る専用コーデック「Samsung Scalable」が利用できる。
【まとめ】Galaxy Buds Pro、Galaxy Buds Live、どっちがおすすめ?
Galaxy Buds Proをおすすめする人
- ノイズキャンセリング重視の人
- スポーツ防水に価値を見いだす人
- 日常用途のイヤホンとしてオールマイティーに使いまわしたい人
Galaxy Buds Proは業界一般的な耳栓型イヤホンとあり、ノイズキャンセリングと合わせて高い静音効果が得られる。オーディオも解像度高めで聞く曲を選ばず楽しめる。
普段使いのワイヤレスイヤホンとして欠点らしい欠点なく、オールマイティーに使いまわせる汎用性の高さが何より評価できる。
Galaxy Buds Liveをおすすめする人
- オープンイヤーイヤホンとして使いたい人
- 一般的な耳栓型イヤホンだと使いにくい、疲労を感じやすい人
- 高級感ある低音オーディオを楽しみたい人
Galaxy Buds Liveはオープンイヤーイヤホンとあり、Galaxy Buds Proに比べると王道さに欠けるが、その分、ハマる人はハマる。その豆型デザインと軽量ボディと相まり、長時間イヤホンを使っていても耳が疲れない。
オープンイヤーとは言いつつも自宅や静かな場所で使うのであれば普通のカナル型イヤホンとして使えるし、一定の遮音性が確保される。軽いつけ心地のワイヤレスイヤホンを探している人などGalaxy Buds Liveに挑戦してみてもいいと思う。