世界初のLDACに対応した完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」。
LDACはBluetoothコーデックの一つ。ハイレゾ相当の情報量をワイヤレス経由で転送できる。
ダウンロード購入したハイレゾ楽曲の再生だったり、Apple MusicやAmazon Music HDで配信されるハイレゾ相当楽曲の再生など行う際にLDACが活用できる。
この記事では、WF-1000XM4をLDACで接続する方法、ハイレゾ相当のオーディオ再生するまでの手順をまとめている。
Androidスマホなど使っていて、WF-1000MX4をとことんまでに使いこなしたい人は記事を参考にお試しあれ。
この記事の目次(タッチで移動)
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そもそものLDACとは
LDACとは、ソニーが開発したBluetoothコーデックの一つ。読み方は「エルダック」。
SBC、AAC、aptX同様にワイヤレス経由で音楽データを転送する際の音声圧縮コーデックとなる。
ハイレゾ相当の情報量(サンプリング周波数96kHz、量子化ビット数24bit、ビットレート990kbit/s)をワイヤレスで転送できるため、巷ではハイレゾ再生できるBluetoothコーデックとして知られている。
※LDACがハイレゾ再生か否かは諸論あるため、当記事では「ハイレゾ相当再生」として一括記載します。
これまでLDAC対応はワイヤレス・ヘッドフォン止まりだったが、ソニー「WF-1000XM4」は完全ワイヤレスイヤホンで世界初となるLDAC対応を果たした。
iPhone、AndroidスマホのLDAC対応事情
iPhoneはLDACが使えない
iPhoneはLDAC非対応。
SBCとAACコーデックでしか接続できないので、もとよりLDAC接続によるハイレゾ相当再生が行えない。
Androidスマホなら大方LDAC対応
ここ数年で発売されたAndroidスマホであれば、LDACにほぼ標準対応している。日本国内で発売されたスマホに限れば100%に近い採用率だと思う。
AndroidスマホでLDACを設定する方法
LDACはハイレゾ相当再生時に自動で切り替わるわけではなく、事前にLDACをデフォルト・コーデックとして設定しておく必要がある。
何も設定していない場合、AAC(あるいはSBC)再生のまま変わらない。
LDACを設定する手順は以下のとおり。
- 専用アプリからBluetooth接続品質を「音質優先」に切り替え
- スマホ本体のBluetooth設定画面から「LDAC」にチェックマーク
1. 専用アプリからBluetooth接続品質を「音質優先」に切り替え
専用アプリ「Headphones Connect」を使用。「サウンド」タブにあるBluetooth接続品質を「音質優先」に切り替えることでLDACコーデックが適用できる。
2. スマホ本体のBluetooth設定画面から「LDAC」にチェックマーク
スマホ本体の「設定」アプリを開き、Bluetooth設定画面からWF-1000XM4の詳細情報を開く。
機種によって多少なりに文言が異なるが、「LDAC」の機能ON/OFF項目があるので、これをチェックして機能ONにする。
なお、LDAC非対応のスマホだと同設定項目が表示されない。
以上2つを行うことで専用アプリの一番上に「LDAC」表記が登場する。これでLDAC再生の準備は完了だ。
あとはハイレゾ音源なりハイレゾサブスクなり再生してみるとよい。
【補足】AndroidスマホでLDACを使う場合、SRCを回避しないとスペック上限の96kHz再生にならず
Androidスマホの「SRC」について
Androidスマホには端末上で再生しているオーディオ楽曲のサンプリングレートを強制的に「44.1〜48kHz」に変換するSRC(Sampling Rate Converter)と呼ばれる仕組みがある。
通常どおりAndroidスマホとLDACをペアリングしている状態だと上限「48kHz/24bit」のままでのオーディオ再生となる。
定義上「48kHz/24bit」もハイレゾに含まれる。ただ、いかんせんLDACのスペック、もっと言えばソニー「WF-1000XM4」のスペック(最大96kHz/24bit)をフル活用できず、なんか損した気分になるかもしれない。
Androidスマホの「SRC」を回避する方法(ワイヤレス環境で)
純AndroidスマホだとXperiaの最新機種を除けばSRC回避できる方法はない
ソニーフラッグシップ「Xperia 1 Ⅱ」「Xperia 1 Ⅲ」の2機種は、純AndroidスマホながらSRC回避できるスマートフォンとして注目を集める。
ワイヤレスイヤホンとLDAC接続している状態でもSRC回避できるので、Apple MusicやAmazon Music HDでハイレゾ楽曲を聞くにも丁度いい。
Xperia 1 Ⅱは2020年度のフラッグシップ。中古で7〜8万円くらいで購入できる。
Xperia 1 Ⅲは2021年7月に発売開始となった今年のフラッグシップ。元値が18万円近いのでなかなか手を出しづらい。スマホの乗り換え時期の人なら検討してもいいかもしれないが。
カスタム版Android OSを搭載したDAP(ミュージックプレーヤー)であれば、SRC回避できるモデルがいくらかあり
1. ソニーウォークマン
Android OSを搭載したソニーのウォークマン「NW-ZX507」、「NW-A100」シリーズであればLDAC接続が可能。なおかつ、端末設定の一つとしてSRCそのものを回避できる。
参考記事:『amazon music HD』が追加料金無しでハイレゾ利用可能になりました(TEC STAFF)
Android OSを搭載しているのでApple MusicやAmazon Music HDも利用可能。なおかつ、SRC回避できるのでソニー「WF-1000XM4」とペアリングして使った場合でも「96kHz/24bit」のスペック上限でハイレゾオーディオが楽しめる。
「NW-A100」が市場価格3万円前後、「NW-ZX507」が市場価格7万円前後で販売される。
2. 中華ハイレゾDAC
有名なところだとFiiO(フィーオ)など。「M11」シリーズなどSRC回避できるカスタム版Android OSを搭載したハイレゾDACとして展開される。LDAC接続も可能なのでワイヤレスイヤホンとペアリングして使える。
関連リンク:M11 Plus LTD(FiiO公式サイト)
この記事のまとめ
ソニー「WF-1000XM4」でLDAC接続してハイレゾ相当再生する方法をまとめてきた。
ハイレゾはハイレゾなのだが、AndroidスマホのSRCの仕様上、大方48kHz/24bit止まりの再生になってしまうのは覚えておきたい。
なお、「NePLAYER Lite」(音楽アプリ)など使えばソフトウェアベースでのSRC回避が可能な場合もある。ただ、今回LDAC接続で試してみたところ、あまりめぼしい結果にはならなかったので掲載は省いた。
外部参考記事
- 【保存版】 「Amazon Music HD」 リリース開始! さっそく環境ごと(Mac, PC, iOS, Android)の「UltraHD」対応状況をまとめてみました。
- amazon music HD』が追加料金無しでハイレゾ利用可能になりました
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