Apple Watch以外では数少ないSuica対応スマートウォッチこと「GARMIN vivomove 3S」。
スポーツ・アウトドア分野で高い知名度を誇る米GARMIN(ガーミン)が手がける同製品。物理針と簡易ディスプレイを組み合わせたハイブリッド・スマートウォッチとして展開される。
見た目はアナログ腕時計だが、中身はSuicaを内蔵するスマートウォッチというギャップ萌えたまらん1品。Suica狙いの人はもちろん、できるだけゴツくないスマートウォッチを探している人にもおすすめしたい。
この記事では、「GARMIN vivomove 3S」をレビューしていく。
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レビュー対象製品
GARMIN vivomove 3S レビュー
製品概要
GARMIN vivomove 3S は、GARMINが手がけるスマートウォッチ。2019年10月に発売開始した。
市場価格は3万円前後。Amazonやヨドバシカメラだとおおよそ2.5万円前後で購入できる。国内正規品であればGARMIN JAPANによる1年の製品保証が付く。
スペックシート抜粋
ケースサイズ(ケース径) | 39mm |
厚さ | 10.9mm |
本体重量 | 38g |
ディスプレイ(デジタル表示エリア) | OLED(有機EL) |
ディスプレイサイズ(タッチ可能範囲) | 縦0.9cm ✕ 横1.8cm |
バッテリー駆動時間 | (Smartモード)最大4日、(時計モード)最大7日 |
防水 | 5気圧 |
搭載センサー | 心拍、気圧高度計、加速度計、環境光 |
対応決済サービス | Suica |
外観デザイン
長針、短針はいずれも物理針。フェイス下部半分にタッチ操作できる簡易ディスプレイを搭載している。
物理針を動かすだけなら公称7日のバッテリー持ち。Suicaや心拍センサーを使う場合だと公称4日のバッテリーになる。
Apple Watchなどのスマートウォッチに比べてがっつり通信するわけではないので比較的バッテリー持ちはよい。
ディスプレイOFFの状態だと非常にシンプル。竜頭もないミニマルライクな腕時計デザインに心惹かれる人も多いだろう(かくいう筆者もその口だ)。
カラーリングは「Granite Blue / Silver」。商品写真を見るとベルトがグレーに見えるが、実物はもっと青い。暗めの紺碧色(こんべき色)と言うべきか。ビジネスシーンでも使えるオシャレで落ち着いた色合いなので気に入っている。
腕に付けたイメージ。ケース径39mmなので一般的な腕時計と同等サイズに収まる。
ウォッチフェイス(タッチディスプレイ部分)のデザイン
タッチディスプレイ点灯時のホーム画面代わりになるウォッチフェイスは以下9種類から選べる。
ウォッチフェイスの追加インストールなどには対応していない。
充電には専用ケーブルが必要
充電には専用端子のケーブルが必要。タッチ充電(Qi充電)には対応せず。
製品に1本同梱されるが、単体で購入するとAmazon価格で2,700円前後と結構いい値段がする。
Suica仕様まとめ
Suicaは専用アプリから設定する独自仕様
GARMIN vivomove 3SはSuica対応。駅やコンビニで決済端末にかざせばSuica決済できる。
Suicaの初期設定は専用アプリ「GARMIN Connect」から行う。アプリはiOS、Android双方に配信あり。
Apple WatchだとiPhoneユーザーしか使えないのがネックだが、GARMIN vivomove 3SならAndroidスマホユーザー向けにも門戸が開かれる。
残高チャージはクレジットカードから(現金チャージも可)
Suicaの残高チャージは専用アプリ「GARMIN Connect」から行う。Google Pay経由のクレジットカードチャージとなる。
Google PayはGoogleアカウントにクレジットカードを登録するだけで使えるのでiPhoneユーザーでも問題ない。
クレジットカードを使わず、駅の券売機やコンビニレジで現金チャージすることも可能。
ーーーただ、Suica発行時の初回チャージのみGoogle Pay経由でクレジットカード払いする必要がある(最低1,000円)。クレジットカードを持っていない人だとSuica自体が発行できないので注意。
Suicaチャージ残高は上限2万円
本家モバイルSuicaと同じくSuicaチャージ残高は上限2万円。
ただ、セキュリティ考慮してか、Suicaアカウント発行から気持ち2週間前後は上限金額が5,000円に制限される。
「新幹線eチケット」や「スマートEX」、「JRE POINT」との紐付け可能
GARMINのSuicaでも一般的なSuica同様にSuicaID番号が発行されるため、「新幹線eチケット」「スマートEX」の入場用Suicaとして紐付けられる。
また、JR東日本のポイントサービス「JRE POINT」も問題なくSuica IDが登録できた。
Suica定期券は利用不可
GARMIN版Suicaは、あくまで簡易版Suica、駅の券売機で発券できる無記名Suicaの立ち位置。
Suica定期券の購入、およびSuica定期券の登録などできない。
スマートウォッチでのSuica定期券は、今日なおApple Watchのみに解禁される。どうしてもSuica定期券が使いたい人だとApple Watchを検討するほかない。
参考記事GARMIN(ガーミン)スマートウォッチ版Suicaで使える機能・使えない機能まとめ
続きを見る
【メリット】GARMIN vivomove 3S の良いところ
【メリット】スマートウォッチとは思えぬシンプルデザイン
GARMINは全体的にゴツめのアウトドアウォッチ、スポーツウォッチ(ランニングウォッチ)が多いが、一転して GARMIN vivomove 3S はシンプル、ミニマルな腕時計。
見た目アナログ時計そのものなのでパッと見ではスマートウォッチとわからない。スマートウォッチならではのゴツさ、チカチカさが嫌いな人だと、まず間違いなく気に入るビジュアルだと思う。
ケース口径が39mmと小さめなので女性にもおすすめだ。
【メリット】とにもかくにもSuica対応
Apple Watch以外のスマートウォッチでは初のSuica対応。
iOS、Android双方に配信される 専用アプリ 通じてSuica設定、Suicaチャージを行うので、iPhone、Androidスマホユーザー関係なくSuicaが利用できる。この点、iPhoneユーザーしか使えないApple Watchよりも1枚上手。
電車まわりで使うのはもちろん、日常的な買い物で使う決済デバイスとしてもおすすめ。JRE POINTとも連携できるのでキャッシュレスガチ勢だと文字どおりの意味で手放せなくなりそう。
【メリット】このビジュアルながらアクティブトラッカー機能にも対応
GARMIN vivomove 3S は心拍センサーを内蔵しているのでアクティブトラッカー機能がひととおり使える。もっぱら心拍数、カロリー、歩数、睡眠時間などのデータが測定できる。
正直なところ、アクティブトラッカー機能はよくも悪くも普通で特徴がない。ただ、一般的なスマートウォッチ同等の測定手段は揃っているため、Suicaプラスアルファでアクティブトラッカー機能を目的に購入するのもアリだと思う。
【デメリット】GARMIN vivomove 3S の悪いところ
【デメリット】Suicaがフル機能で使えず、Suica定期券も使えず
GARMINスマートウォッチ版Suicaだと以下のようなSuica機能は利用できない。
- Suica定期券の購入&利用
- モバイルSuicaグリーン券の購入&利用
- 残高オートチャージ
- エクスプレス予約
- Suica利用履歴の即時確認(翌日朝に一括更新される)
一番のネックは、やはりSuica定期券が利用できない点だろう。
あくまで駅の券売機で発券できる無記名Suicaの扱いなので、定期券など個人情報の確認が必要になるSuica機能は使えない。
どうしてもSuica定期券を使いたい人だとApple Watchを選ばざるを得ない。
【デメリット】通知機能はオマケ(さすがに画面が小さい)
アプリ権限さえ通せば、ほぼすべてのアプリから通知が受けられる。メールやSMSであれば定型文の返信も可能。
ただ、ディスプレイサイズが小さいので視認性や操作性は微妙。使うにしても簡易な通知確認が限度だと思う。
スマートウォッチでがっつり操作したい人だとフル画面ディスプレイを搭載したスマートウォッチを選んだ方がいい。
【デメリット】バッテリー残量が確認しにくい
地味だが気になるデメリットがこれ。
ディスプレイに表示されるバッテリー残量がインジケーター仕様。パーセント表示には変更できない。
スマホ上からもバッテリー残量を確認する手段がないため、バッテリー残量の確認それ自体が難しい。というか面倒くさい。早々に改善してほしいと願うばかり。
この記事のまとめ
Suica対応スマートウォッチ「GARMIN vivomove 3S」をレビューしてきた。
Apple Watchのようにがっつり操作して使うスマートウォッチではないが、その分、アナログ・ミニマル・シンプルなビジュアルが映える。いかにも露骨なビジュアルのスマートウォッチが嫌いな人でも許容できる美しさだと思う。
そのうえでのSuica対応。また、バッテリー駆動時間は約1週間。スマートウォッチをそこまでがっつり操作する目的なく、Suica対応スマートウォッチとして使いたいだけの人であれば、「GARMIN vivomove 3S」はおすすめだ。
レビュー対象製品
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