AirPodsと並ぶApple純正ワイヤレスイヤホン「Beats」(ビーツ)。
そのスタンダードモデルたる「Beats Studio Buds」の後継機「Beats Studio Buds +」が2023年6月より発売開始になった。
ノイズキャンセリング性能の向上、バッテリー駆動時間の向上など宣伝されるものの、いざ初代モデルと比べてどこまで違うのか、現在も併売される旧世代モデルでも十分なのでは?等々... 迷っている人も多いのではないだろうか。
そこで、この記事では「Beats Studio Buds +」と「Beats Studio Buds」を実機で比較。その使い勝手など比較レビューしていく。どちらを購入するかの参考にしてみてほしい。
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【概略】「Beats Studio Buds +」と「Beats Studio Buds」何が違う?
スペックシート上の違いはほぼない
Beatsワイヤレスイヤホンは、スタンダードモデルに「Beats Studio Buds」、上位版モデルに「Beats Fit Pro」を展開している。
Beats Studio Buds + は、スタンダードモデル「Beats Studio Buds」の後継機であり、第2世代モデルに相当する。
Beats Studio Buds + と Beats Studio Buds(初代)だが、いざスペックシートで見るとそこまでの違いはない。
スペックシート比較
Beats Studio Buds +(第2世代) | Beats Studio Buds(初代) | |
Bluetoothバージョン | ? | |
対応Bluetoothコーデック | SBC、AAC | |
ケースの充電ポート | USB Type-C | |
ケースのワイヤレス充電(Qi) | × | |
防水性能 | IPX4 | |
ノイズキャンセリング | 対応 | |
外音取り込み機能 | 対応 | |
Apple自社製チップ | × | |
Appleデバイス間のマルチポイント接続 | × | |
空間オーディオ | △(専用楽曲のみ) | |
バッテリー駆動時間(通常再生時) | イヤホン単体9時間 | イヤホン単体6時間 |
ケース併用36時間 | ケース併用24時間 |
「Beats Studio Buds +」で明確に変わったところ
1. 音場の広さ(...による音質の方向性)
Beats Studio Budsシリーズは、Beatsらしいドンシャリ・サウンドを志向。EDMはじめとしたクラブ・サウンド系の低音が映える。
Beats Studio Buds + も土台はドンシャリ・サウンドだが、プラスアルファで音場の広さを追加。流行りの空間オーディオ再生を思わす音の広がりが感じられるように。
ドンシャリ・サウンドだと低音こもってボーカルが聞きづらい印象あるが、Beats Studio Buds + は音場の広さのおかげか、そこまでボーカルが聞きづらくない。前作モデルよりもボーカルがくっきり際立ち、ボーカルそのものも楽しめる。
バックサウンドだけ楽しみたい人なら従来モデルでも十分だが、ボーカルも含めてトータルで楽しみたい人だとBeats Studio Buds + の方がオーディオ相性はよさそう。
2. 空間オーディオ楽曲に最適化
Beats Studio Buds + はApple MusicやAmazon Musicで提供される空間オーディオ楽曲(ドルビーアトモス楽曲)の再生に最適化。
公称64個のスピーカーから音が鳴ってるような、ワイヤレスイヤホンながらホームスピーカーのような多角的で重層的な音を再現した。
いざ対応楽曲を再生してみると前作モデルとの違いは明確。音の鳴る位置がくっきりと変化。音場の広さだけではカバーできない、短長さまざまな音の距離感が再現できてる。
なお、Beats Studio Buds + の空間オーディオは空間オーディオ楽曲(ドルビーアトモス楽曲)の再生に限って機能する。AirPodsシリーズで提供されるiPhone向けの空間オーディオ機能とは異なるので注意。YouTubeやNetflixだと当然ながら空間オーディオ再生できない。
3. バッテリー駆動時間
Beats Studio Buds +(第2世代) | Beats Studio Buds(初代) | |
バッテリー駆動時間 | イヤホン単体9時間 | イヤホン単体6時間 |
ケース併用36時間 | ケース併用24時間 |
※どちらもノイズキャンセリングOFFの場合の数値
バッテリー駆動時間は前作モデルから飛躍的に向上。Beats製品もちろんAppleワイヤレスイヤホンの中では史上最長のバッテリー水準に。できるだけ充電しなくていいワイヤレスイヤホンを探している人だと Beats Studio Buds + を選ぶ理由になる。
4. 透明カラー追加
ガジェット界隈でプチブーム中のスケルトン・カラー。Beats Studio Buds + も新作カラーとして透明色(トランスペアレント色)を追加。スケルトン狙いの人だと前作モデルよりも Beats Studio Buds + を選ぶ理由になる。
前作モデルに比べて正直そこまで変わり映えしないところ
1. Apple自社製チップは搭載せず
前作モデル同様に今作もApple自社製チップを搭載せず。Apple自社製チップに依存したAppleデバイス間のマルチポイント機能、Apple独自の空間オーディオ再生にも対応せず。
空間オーディオ再生はApple Music、Amazonミュージックで提供されるドルビーアトモス(Dolby Atmos)楽曲の再生を通じた擬似的な空間オーディオ再生にとどまる。AirPodsシリーズのようなiPhone依存の空間オーディオには対応せず、YouTubeやNetflixといった他のアプリだと空間オーディオ再生できない。
BeatsワイヤレスイヤホンでApple自社製チップを搭載するのは上位版モデル「Beats Fit Pro」のみ。
2. ノイズキャンセリング性能はそこまで変わらず
前作モデルに比べて公称1.6倍の静けさを謳うノイズキャンセリング(アクティブノイズキャンセリング)だが、いざ使うとそこまで明確な違いはみられない。
イヤホン形状そのものは前作モデルから変わっておらず、物理的な遮音性能が強化されたわけではない。もとより機械的なノイズキャンセリングで除去しにくい人の話し声などは除去しきれてない。
ノイズキャンセリング性能を第一にこだわる人だと最初からAirPods ProやBOSEを選びたい。
3. ワイヤレス充電(Qi充電)には対応せず
前作モデルに続き今作もワイヤレス充電(Qi、MagSafe)に対応せず。
AirPodsシリーズだとワイヤレス充電が半ば標準搭載されてる時代だが、Beats製品だとなぜか一向にワイヤレス充電に対応しない(上位版モデルも含めて)。
ワイヤレス充電を活用している人だと充電都度、逐一ケーブルを抜き差しする必要あって面倒くさい。
【まとめ】「Beats Studio Buds +」どういう人が購入すべき?
音質を重視している人なら買ってよし
Beats Studio Buds + は前作モデルに比べて音質が明確に進化。
Beatsらしいドンシャリ・サウンドに音場の広さを加味。音の臨場感は前作モデルよりも明確に向上してる。
音場の広さのおかげでドンシャリながらもボーカルが潰れず、前作モデルよりも音のバランスよい。バッグサウンドだけでなくボーカルも含めてトータルで音を聞きたい人だとオーディオ相性よし。
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コスパ重視の人なら前作モデルでも十分
Beats Studio Buds + は、音質の仕上がりこそ微妙に異なるが、スペックシートだけ見ると前作モデル「Beats Studio Buds」(初代)とさして変わりない。
宣伝文句たるノイズキャンセリング性能の向上も体感レベルだと違いを感じるのは難しい。バッテリー駆動時間こそ向上したが(今作はケース併用で36時間、前作は同24時間)、これを除くと同一モデルといってもバレないレベルの瓜二つの製品だ。
Beats Studio Buds は現在も公式販売あり、おおよそ2万円で購入できる。コスパ重視の人だと Beats Studio Buds でも十分かもしれない。
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Appleデバイス間でマルチポイント接続したい人なら上位版「Beats Fit Pro」を選ぶべき
Beatsワイヤレスイヤホンの上位版モデル「Beats Fit Pro」。
Beats Studio Buds + には搭載されないApple自社製チップを搭載。AirPodsシリーズのようにAppleデバイス間でマルチポイント接続できる。
また、iPhone・iPadで使う場合であれば空間オーディオ再生も可能。YouTubeやNetflixなどアプリ選ばず一律に空間オーディオ再生になる。
もとよりAppleデバイス間のマルチポイント機能や空間オーディオ再生を重視している人だと Beats Fit Pro を選びたい。
オリジナル価格は27,800円だが、Amazon直販だと2.2万円前後で販売。なぜかスタンダードモデルであるBeats Studio Budsシリーズと価格が逆転してる。
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