約2年ぶりリニュアルとなったソニーのフラッグシップ・ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」。
ソニーのワイヤレスイヤホンだが、物自体はBluetoothイヤホンであり、iPhoneともペアリング接続して利用できる。
とはいえ、どの程度までiPhoneで「WF-1000XM4」の機能が使えるのかが気になってる人も多いかと思う。
そこで、この記事ではiPhoneとペアリングした場合の「WF-1000XM4」の動作具合をレビューしていく。
iPhoneユーザーで「WF-1000XM4」の利用を検討している人は記事を参考にしてほしい。
この記事の目次(タッチで移動)
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この記事で取り上げているのは「WF-1000XM4」
この記事では、2021年6月に発売が開始された「WF-1000XM4」を使ってiPhoneでの検証レビューを行っている。
【概略】ソニー「WF-1000XM4」はiPhoneでどこまで使える?実機で試してみた
以下のような機能動作チェックを行った。チェック項目をタッチすると該当部分までスクロールできる。
ペアリングまわりの機能動作チェック
対応可否 | チェック項目 |
○ | ペアリング接続 |
× | Google Fast Pairを使ったペアリング接続 |
○ | 専用アプリ使ったペアリング接続 |
○ | ペアリング再接続 |
○ | 複数デバイス間のワンタッチでのペアリング切り替え |
○ | 専用アプリ使ったペアリング切り替え |
○ | iOSショートカット使ったペアリング切り替え |
オーディオまわりの機能動作チェック
対応可否 | チェックリスト |
○ | オーディオ再生 |
○ | 「DSEE Extreme」使ったオーディオ再生 |
× | 「LDAC」使ったオーディオ再生(ハイレゾ相当再生) |
○ | イコライザー調整 |
○ | イヤホン着脱によるオーディオの自動停止/再生 |
ノイズキャンセリングまわりの機能動作チェック
対応可否 | チェックリスト |
○ | ノイズキャンセリング(ANC) |
○ | 外音取り込み機能(&クイックアテンション) |
そのほか細かな機能動作をチェック
対応可否 | チェックリスト |
○ | 音声アシスタント(Siri)起動 |
○ | タッチ操作コマンドの割り当て変更 |
○ | スピーク・トゥ・チャット |
○ | 360 Reality Audio |
とりあえずのまとめ
「WF-1000XM4」はソニー製品ではあるが、iPhoneでもほぼ問題なく使える。土台BluetoothイヤホンなのでBluetoothでiPhoneと接続すれば、そのままオーディオ再生できる。
数少ない欠点がLDAC(エルダック)非対応な点。LDACはハイレゾ相当の高音質再生を可能とするBluetoothオーディオコーデック。もっぱらAndroidスマホだとLDAC対応だが、iPhoneはLDAC非対応なので、いくら「WF-1000XM4」を使おうともハイレゾ相当再生できない。
逆に言えばLDACに興味のない人なら何を悩む必要もない。iPhoneユーザー向けの日常用途のワイヤレスイヤホンとしておすすめできる。
【詳しく】ペアリングまわりの機能動作チェック
【○】ペアリング接続は問題なし
WF-1000XM4はBluetooth 5.2仕様のBluetoothイヤホン。iPhoneのBluetooth設定画面から問題なくペアリング接続できた。
新規ペアリングモードは左右イヤホンのタッチセンサー5秒押しで起動
WF-1000XM4は、左右イヤホンを装着してタッチセンサーを同時に5秒押しすれば新規ペアリングモードが起動する。
【×】「Google Fast Pair」を使ったペアリング接続はできない
WF-1000XM4は、Googleが提供するペアリング簡素化システム「Google Fast Pair」に対応。
Androidスマホであれば専用のポップアップ画面からワンタッチでペアリング接続できるが、iPhoneでは利用できず。
【○】専用アプリからの初回のペアリング設定可能
専用アプリ「Headphones Connect」を使えば初回のペアリング接続&アプリへの機器登録が可能。
iOS版アプリであっても問題なく接続設定できた。
【○】ペアリング再接続も問題なし
初回のペアリング設定さえ完了させれば、次回以降はケース蓋を開くだけで自動でiPhoneと「再接続」できる。
【○】Bluetooth設定画面からのペアリング切り替え可能
iPhone以外のデバイスとペアリング接続しているとき、iPhoneの「設定」アプリの「Bluetooth」設定画面からイヤホン名をタッチすれば、そのままペアリングが切り替えられる(iPhoneと再接続できる)。
格安ワイヤレスイヤホンだとペアリングの切り替え都度、現在のペアリングを解除したり、イヤホンの電源を一度落とす必要があるが、WF-1000XM4ならそうした手間暇かからない。
【○】専用アプリを使ったペアリング切り替え可能
専用アプリ「Headphones Connect」を使ったペアリング切り替え可能。
アプリトップ画面に表示される「接続する」ボタンをタッチするとiPhoneとペアリングできる(再接続できる)。
【○】iOSショートカット(AirPlay)使ったペアリング切り替え可能
iOSショートカットで提供される「AirPlay」を使ったペアリング切り替えに対応。
ホーム画面に設置したショートカットの起動アイコンをタッチするだけで、そのままペアリングが切り替えられる(iPhoneと再接続できる)。
切り替え都度「設定」アプリを開いたり、専用アプリを起動しなくていいので手間暇かからない。ショートカットの作り方は以下記事で解説している。
iPhoneとワイヤレスイヤホン(Bluetoothイヤホン)をペアリング再接続するショートカット
続きを見る
【詳しく】オーディオまわりの機能動作チェック
【○】オーディオ再生は問題なし
WF-1000XM4は、iPhoneで主流のBluetoothオーディオコーデック(ワイヤレス転送規格)であるAACに対応。iPhoneとペアリングした場合でも特に問題なくオーディオ再生できた。
【○】「DSEE Extreme」を使ったオーディオ再生可能
専用アプリに機能ON/OFF項目あり。
「DSEE Extreme」はソニー独自のオーディオ補正技術。手持ち楽曲ほかYouTubeやNetflixなど動画アプリのオーディオ再生をハイレゾ相当に高音質補正できる。機能ONにすると中音域〜高音域の音が底上げされ、よりクリアなオーディオが楽しめる。
専用アプリから機能ONにすればiPhoneでも高音質化できた。
【×】LDAC非対応(ハイレゾ相当再生不可)
iPhoneはLDAC(エルダック)非対応。
LDACはSBC、AACと並ぶBluetoothコーデックの一つ。ハイレゾ相当のデータ量をワイヤレス経由で転送できる。
WF-1000XM4は完全ワイヤレスイヤホンで世界初となるLDAC対応を果たした。ただ、iPhoneだとLDAC非対応なのでLDACを使ったハイレゾ相当再生ができない。この点、明確なデメリットなので注意あれ。
【○】専用アプリを使ったイコライザー設定可能
専用アプリ「Headphones Connect」を使ったイコライザー調整が可能。iOS版アプリでも設定項目が表示される。
【○】イヤホン着脱によるオーディオ再生/停止に対応
iPhoneで使った場合でもイヤホン着脱によるオーディオの自動再生/停止が機能した。
iOS版の専用アプリ「Headphones Connect」にも機能ON/OFF項目が確認できる。
【詳しく】ノイズキャンセリングまわりの機能動作チェック
【○】ノイズキャンセリングは利用可能
iPhoneとペアリングした場合でも問題なくノイズキャンセリング(ANC)は動作している。
今作より新搭載された「自動風ノイズ低減」(ノイズキャンセリング利用時の風切り音の除去機能)も選択できる。
【○】外音取り込み機能&クイックアテンションも動作
ノイズキャンセリング同様に外音取り込み機能にも対応。専用アプリ上で音の取り込み具合が調整できる。
また、タッチセンサーを長押ししてる間だけ外音取り込み機能がONになるクイックアテンションも動作した。
【詳しく】そのほか細かな機能の動作チェック
【○】音声アシスタント(Siri)は動作する
iPhoneで使う場合でも音声アシスタントが起動可能。Siriはもちろんだが、Googleアシスタント、Amazon Alexaも設定できる。
音声アシスタントは右イヤホンのタッチパッド長押しで起動できる(デフォルト状態、割り当て変更可能)。
【○】タッチ操作コマンドの割り当て変更可能
専用アプリを使ったタッチ操作コマンドの割り当て変更に対応。
初期状態では右イヤホンに「再生コントロール」、左イヤホンに「外音コントロール」が設定される。
操作コマンド(デフォルト、割り当て変更可能)
右イヤホン | 左イヤホン | |
1回タップ | オーディオ再生/停止 | ノイズキャンセリング←→外音取り込み機能の切り替え |
2回タップ | オーディオ先送り | なし |
3回タップ | オーディオ前戻し | |
長押し | 音声アシスタント起動 | クイックアテンション |
クイックアテンションは長押ししてる間だけ外音取り込み機能がONになる。
着信対応コマンド(割り当て変更不可)
右イヤホン | 左イヤホン | |
2回タップ | 着信対応/通話終了 | |
2秒長押し | 着信拒否 |
【○】スピーク・トゥ・チャット利用可能
今作より搭載された「スピーク・トゥ・チャット」。iPhone接続時でも利用できる。
同機能は、通話マイクが自身の声を検知すると自動で「外音取り込み機能」をONにする機能。コンビニレジでの会話など都度イヤホン操作して「外音取り込み機能」を起動する必要がなくなる。
【○】360 Reality Audioも使える
ソニーが提供する空間オーディオこと「360 Reality Audio」。iPhone環境でも設定&利用できた。
ただ、肝心の対応楽曲がほとんど存在せず実用性は皆無。サンプル楽曲のお試し程度が限度かと思う。興味のある人は以下記事を参考にしてほしい。
【Tips】ソニー「360 Reality Audio」の使い方と対応楽曲の探し方(WF-1000XM4使用)
続きを見る
この記事のまとめ
ソニー「WF-1000XM4」がiPhoneで使えるかレビューしてきた。
LDAC(ハイレゾ相当再生)とGoogle Fast Pairの2点のみ使えないが、もとよりiPhoneなのでGoogle Fast Pairが使えないのは問題ない。
せめてもの悩みどころはLDACが使えない点だろう。
「LDAC対応!」「ハイレゾ再生可能!」といったセールスポイントに惹かれて「WF-1000XM4」の購入を検討しているiPhoneユーザーだとLDACが使えないのが拭えぬマイナスポイントとして響きそうだ。
LDACを特に必要としていない人であれば問題ない。iPhoneユーザーでも「WF-1000XM4」を購入する価値は十分にある。
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