2021年を代表する大ヒットサービス「ahamo」(アハモ)。
ドコモの新料金プランとして今年3月にサービス開始するや否や、わずか数ヶ月で180万契約を獲得。au、ソフトバンクも同様プランを開始したが、auは100万契約、ソフトバンクは50万契約にとどまり、「ahamo」がその強さ見せつけた。
「ahamo」最大の魅力はやはり「月額2,970円でドコモの高品質回線が使える」という点。
かくいう筆者も現在「ahamo」を契約しているのだが、昼間の時間帯でも50Mbps〜の通信速度が出ていて感動してる。格安SIM(MVNO)ならではの昼間の時間帯の遅さがないだけで、ここまでストレスフリーなのかと格安SIMにこだわり続けた日々を悔いている。
これまでドコモ回線の格安SIMなど使っていた人であれば、間違いなく「ahamo」の勝手の良さにジャストミートする。それくらい格安SIMユーザーとの相性はいい。
この記事では「ahamo」のメリットとデメリットを元格安SIMユーザーで「ahamo」の現役ユーザーである筆者が解説していく。
「ahamo」への乗り換えを検討している格安SIMユーザーなどいたら、ぜひ記事を参考にしてほしい。
この記事の目次(タッチで移動)
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ドコモ「ahamo」サービス概要
ドコモ「ahamo」は、ドコモの新料金プラン。
月20GBのデータ通信と1回5分以内の無料通話が月額2,970円で利用できる。
ドコモいわく、「ニューノーマル時代を切り開いていくデジタルネイティブ世代」、ようはスマホやデジタルに慣れた若者をターゲットにした料金プランとなる。申し込みから解約まですべてネット上で完結するドコモ初のオンライン専用プランとして提供される。
なお、若者向けとは言いつつも契約は20歳以上が対象。20歳未満で使いたい場合は、親権者名義で契約した上で利用者登録する必要がある。
料金プラン
ahamoの料金プランは1つだけ。
月額料金(税込) | 2,970円 |
回線ネットワーク | ドコモ(4G/5G) |
月間データ容量 | 20GB |
データ超過時の制限速度 | 1Mbps |
データ容量追加料金(税込) | 1GB=550円で追加可能 |
無料通話 | 1回5分以内の国内通話無料(ほか30秒/22円) |
最低利用期間 | なし |
解約金 | なし |
MNP転出料 | なし |
初期手数料 | なし |
そのほか | 5G利用料金込み、テザリング利用料金込み、海外82カ国でのデータローミング対応 |
無料通話オプション
月額料金(税込) | 内容 | |
かけ放題オプション | 1,100円 | 国内通話料が完全無料に |
「dカード」支払い特典
ドコモのクレジットカード「dカード」「dカードゴールド」でahamo料金を支払う場合に無条件で適用される。
特典内容 | |
「dカード」支払いの場合 | 月々のデータ通信量が+1GB |
「dカードゴールド」支払いの場合 | 月々のデータ通信量が+5GB |
そのほか割引など
以下3つとも既存ドコモプランを契約している家族との間で組むことができる。
内容 | |
ファミリー割引 | 家族間の通話料が無料に(※ahamo回線側から発信した場合は無料対象外) |
みんなドコモ割 | ahamo回線も家族回線としてカウントされる(※家族割の回線数にカウント) |
ドコモ光セット割 | ahamo回線をドコモ光ペア回線として設定可能 |
いずれも既存ドコモプランを契約している家族向けの救済措置となる。「ahamo」ユーザーだと特に割引らしい割引は受けられないが、既存ドコモプランを規約している家族だとそれぞれメリットあり。
ahamoはドコモプランの中で「中容量プラン」に位置づけ
昨今ドコモは料金プランの多角化を進めているが、その中で「ahamo」は中容量プランに位置づけられる。
もとより月20GB以上の大容量が使いたいなら「ギガホプレミア」(月額7,315円、月無制限)を選べばいいし、月1GB〜2GB程度しか使わないのなら「ギガライト」(月額2,178円〜、月1GB〜)を選べばいい。
また、これまでどおり格安SIMでも問題ない人、昼間の時間帯の遅さが回避できる人であれば、OCNモバイルONEなどドコモ公認の格安SIMこと「エコノミーMVNO」を選べばいい。
ahamoは月20GBの中容量プラン。もっぱら出先で動画を見る人だったり、ビデオ通話を使う人におすすめ。
LINEしたりニュースアプリを見る程度なら月20GBも必要ないし、一方で自宅回線も兼ねて使いたい人だと月20GBじゃ心もとない。自宅ではWiFiを使ってギガ消費を回避できる人で、なおかつ出先で動画を見る人だったり、ビデオ通話を使う人が主なターゲットになる。
それこそ月20GBあれば、Netflixなら約30時間前後のビデオ視聴が可能(標準画質で)。週5の電車通勤で1日1時間とNetflixを視聴していてもギガ不足に悩まされることはない。月20GBでも十分にやっていけるはずだ。
現役ユーザーから見たドコモ「ahamo」のメリット
ドコモ「ahamo」のメリットは多々あるが、その中から主なものを抜粋すると以下4点が挙げられる。
- ドコモの高品質回線がそのまま使える
- 5G回線がガチで速い
- 最低利用期間&違約金の設定ない安心感
- キャリアスマホもセット購入可能(そして安い)
【メリット1】ドコモの高品質回線がそのまま使える
ドコモ「ahamo」は格安SIM(MVNO)ではない。あくまでドコモが提供するドコモの料金プランの一つ。
ドコモの通信回線がそのまま使えるため、これもう本当に通信品質が高品質すぎて感動する。
昼間の時間帯でもゆうに50Mbps〜の通信速度が出るし、PING値(サーバーからの応答速度)も30ms前後と高速。SNSのTLに流れてきた動画リンクを開いても即レスで再生が開始されるのでストレスない。
格安SIMことMVNOだと大手キャリアの通信回線をレンタル利用しているだけなので、どうしても昼間や夕方など通信混雑する時間帯には通信速度が遅くなる。これが嫌で格安SIMを敬遠している人も多いかと思う。
対してドコモ「ahamo」ならドコモ回線そのものなので問題ない。これまで格安SIMを使ってきて昼間の時間帯の遅さで割りを食ってきた人に重々おすすめできる。
【メリット2】5G回線がガチで速い
「ahamo」契約者であってもドコモの5Gエリアであれば、追加料金なしで5G通信が利用できる。
格安SIMのようななんちゃって5Gではなく、ドコモ仕様の、キャリア仕様の純5G通信となる。
5Gの通信速度はエリアによって多少なりに異なるが、筆者環境で5Gを試してみたところ300Mbpsを超える爆速通信が行えた。
ドコモの5G回線はau、ソフトバンクに比べて地方でも普及しているので、5Gスマホを持っている人なら活用できる機会が多そうだ。
【メリット3】最低利用期間&違約金の設定ない安心感
ahamoは最低利用期間と違約金の設定なし。いつでも解約(MNP)できる。
また、MNP転出料も無料なので解約時は完全にノーコスト。
格安SIMであれキャリアであれ、音声通話が使えるSIMサービスとなれば最低利用期間が設定されるのが半ば常識。これに歯がゆさないし鬱陶しさを感じてきた人も多いと思う。「ahamo」ならそうしたネガティブな感情を抱かずに済むし、データ通信SIMを契約するくらいのノリで、とりえあずのノリで気軽に契約できてよい。
【メリット4】キャリアスマホもセット購入可能(そして安い)
ahamoは「iPhone 11」「Xperia 1 Ⅱ」「Galaxy S20」の3機種をセット購入可能。いずれもドコモで取り扱うキャリアスマホ(ドコモ版スマホ)となる。
いずれも中古相場から2割〜3割ほど安い。もとより購入を検討している人なら狙い目。
▼ ahamo価格と中古相場の比較(2021年10月時点)
ahamo価格 | 中古相場(A〜Bランク品準拠) | |
iPhone 11(64GBモデル) | 49,390円 | 5万円後半 |
Xperia 1 Ⅱ | 71,500円 | 8万円前後 |
Galaxy S20 | 62,700円 | 7万円前後 |
「Xperia 1 Ⅱ」「Galaxy S20」に関しては5G通信にも対応しているので、ドコモの5Gエリアであれば5Gで通信できる。
「iPhone 11」は5Gこそ対応していないが、2019年準拠のハイエンドスペックとiPhoneならではの使い勝手のよさをコスパよく兼ね備える。最新OS「iOS 15」にもアップデート可能だ。
現役ユーザーから見たドコモ「ahamo」のデメリット
ドコモ「ahamo」のデメリットは以下のような感じ。
- 無料通話オプションが外せない
- キャリアメール&留守番電話サービスが利用できない
- ドコモのキャリア決済サービスが利用できない
- 短期解約だとブラックリスト入りするおそれ
【デメリット1】無料通話オプションが外せない
ahamoは1回5分以内の無料通話を含めたオールインワンプラン。
au、ソフトバンクの同様プランだと無料通話をオプション扱いにすることで基本料金を安く提供しているが、ahamoは全部込みのオールインワンプランとなる。よくも悪くもシンプルな料金プランを売りにしている。
これまで大手キャリアを契約してきた人まだしも、格安SIMから乗り換える人だと煩わしさあるかもしれない。
【デメリット2】キャリアメール&留守番電話サービスが利用できない
キャリアメール(@docomo.ne.jp)は既存ドコモユーザーであっても「ahamo」にプラン変更するとメールアドレスが削除されるので注意。
留守番電話はスマホ本体の留守電機能で代替できるが、スマホが圏外だったり、電源OFFの状態だと留守電が預かれない。また、ahamoは着信転送サービスを提供していないので、所々カスタムして留守電を受け取ることもできない。
ここらの勝手の悪さは否めない。
【デメリット3】ドコモのキャリア決済サービスが利用できない
ドコモのキャリア決済サービスである「spモード コンテンツ決済サービス」だが、「ahamo」契約者は利用できない。
既存ドコモユーザーがahamoに乗り換えた場合、キャリア決済で継続支払いしているコンテンツはすべて解約となる。ファンクラブ加入など何かしらキャリア決済を活用している人は「ahamo」乗り換え前に支払い方法を他の手段に変更しておく必要がある。
格安SIMからの乗り換えユーザーだと特に問題ないと思うが、ドコモから乗り換える人だと注意すべき。
【デメリット4】短期解約だとブラックリスト入りするおそれ
ドコモ「ahamo」は最低利用期間や解約金が設定されておらず、いつでも解約できる。
一方で格安SIM(MVNO)ではないので短期解約だとドコモのブラックリスト(契約注意者リスト)入りする可能性がある。
既存ドコモプラン基準だともっぱら契約90日以内の解約でブラックリスト入りすると見られる。ahamoであっても契約したら最低3ヶ月、4ヶ月くらいは契約をキープしといた方がよさそうだ。
ドコモ「ahamo」への乗り換え方法
手順としては以下のとおり。
- MNP予約番号を取得(ドコモユーザーは必要なし)
- 公式サイトから申し込む
- SIMカードの到着を待つ(契約後2日〜3日ほどで到着)
- 専用アプリから回線切替する
- SIMカードをスマホに挿れてAPN設定する(iPhoneで使う場合は設定必要なし)
ahamoはオンライン専用プラン。公式サイトからのみ契約を受け付け。ドコモショップなど実店舗では契約できず。
回線切替は気持ち5分ほどで完了。専用アプリ(iOS、Android)から切り替えられる。任意のタイミングで切り替えられるが、注文完了から15日経つと強制的に切り替えが行われる。
iPhoneならAPN設定の必要なし。SIMカードを入れるだけで通信が開始できる。なお、既存の格安SIMのAPN(プロファイル)など残った状態だと通信できないので注意。先に削除しておく必要がある。
【まとめ】ahamoはドコモユーザー以上に格安SIMユーザーにこそおすすめ
ドコモ「ahamo」のメリットとデメリットを現役ユーザー目線でまとめてきた。
純然たるドコモ品質の通信サービスとあり、昼間の時間帯でもストレスなく使える。ドコモユーザーの乗り換えはもちろんおすすめだが、それ以上に昼間の通信速度の遅さで割りを食ってきた格安SIMユーザーにこそおすすめだ。乗り換えによる幸福度がはんぱないと思う。
ドコモ回線を使った格安SIM(MVNO)は多いし、料金だけ見ると安い。ただ、それでも通信品質を加味して考えるとサービスクオリティは「ahamo」の下の下の下。「ahamo」はあくまでドコモの料金プランであり、それが月額2,970円で使えるという意味で唯一無二の最強プランだと思う。
昼間の時間帯の遅さで割りを食ってきた格安SIMユーザーなど、ぜひ「ahamo」を試してみてほしい。これまでの生活が一転するはずだ。
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