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【レビュー】楽天モバイルは固定回線代わりに使える?モバイルルーターで試してみた

2021年2月22日

ドコモ、au、ソフトバンクに続く国内4番目の通信キャリア「楽天モバイル」。

月額3,278円(税込)で月無制限のデータ通信が使えることから、同じく月額3,000円前後で使えるWIMAXやポケットWiFiのようなポジションで運用する人も多い。

それこそ、楽天モバイルが取り扱う0円ルーター(1円ルーター)を購入すれば端末費用もかからない。そのうえWIMAXやポケットWiFiと異なり2年縛りや違約金の設定もなく、必要なくなったらいつでも解約できる。

あまりに気前が良すぎて不安すら覚えるレベルだが、内容だけ見ればすべて事実だ。

そのうえでの疑問が実際のところ楽天モバイル回線は使い物になるの?という点だろう。

そこでこの記事では、楽天モバイルをモバイルルーター運用するにあたっての注意事項だったり、楽天モバイル回線の実際の通信速度をレビュー解説していく。楽天モバイルをWIMAXやポケットWiFiのようなポジションで運用しようと考えている人は記事を参考にしてほしい。

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楽天モバイルをモバイルルーターで使うために確認しておきたい基本事項

楽天モバイルはSIMカード・サービス

楽天モバイルはSIMカード経由でサービス提供される。モバイルルーターで使う場合はルーターにSIMカードを挿れて使う。

WIMAXあたりだとルーターで直接通信しているような感じだが、あくまで楽天モバイルは携帯キャリア・サービスであり、SIMカード通じて通信する。

SIMカードはスマホやタブレットでも使える汎用SIM。スマホにSIMカードを挿れてテザリング経由でルーター代わりに使うといったことも可能

 

月額3,278円で月無制限のデータ通信が使える

楽天モバイルは月額3,278円(税込)で月無制限のデータ通信が利用できる。データ通信量に応じた月額0円からの定額制プランで月20GB以上は月額3,278円で使い放題になる。

料金帯はWIMAXやポケットWiFiと同じくらいだが、楽天モバイルの場合は月無制限のデータ通信プランとありコスパに優れる。

楽天モバイルの料金プラン概略

月々のデータ通信量月額料金(税込)
1GB以内0円
3GB以内1,078円
20GB以内2,178円
20GB〜(上限なし)3,278円

実際に月に数百GBのデータ通信を使う猛者も続々登場。楽天モバイルが #今月のデータ利用量 ハッシュタグで紹介している。

 

最低利用期間や違約金の設定なし、いつでも解約できる

楽天モバイルは最低利用期間、違約金(解約金)の設定なし。

いざ必要なくなれば、あるいは使い物にならなかったら、契約初月でも無料で解約できる。いまだに2年契約&違約金ガチガチのWIMAXやポケットWiFiに比べて良心的だ。

楽天モバイルの諸経費まとめ

初期費用(新規事務手数料)なし
最低利用期間なし
違約金(解約金)なし
MNP転出手数料なし

また、楽天モバイルの契約が始めての人であれば、契約から3ヶ月間はプラン料金も無料になる。同期間に解約しても違約金など発生せず。

 

楽天モバイルをモバイルルーターで使う際の注意点

1日あたり10GBしか高速通信できない(10GB以降は低速通信に)

楽天モバイルは月額3,278円で月無制限のデータ通信が利用できる。

とはいえ、1日10GB以上の通信を行うと翌日まで速度制限がかかる。制限時は最大1Mbpsを上限とした低速通信になる(※最近は3Mbps上限っぽい)。

低速通信であっても通信自体は可能なので「楽天モバイルなら月無制限で利用可能!!」との宣伝文句に嘘偽りないが、低速通信だと最大1Mbps止まりなのでNetflixなど垂れ流すには不便かと思う。

 

au回線(パートナー回線)だと月5GBしか高速通信できない

楽天モバイルは楽天回線(自社回線)とau回線(パートナー回線)の2回線で利用できる。

au回線は楽天回線が普及するまでの予備回線。楽天がKDDIに金を払って直々に借り入れてる。2021年現在、わりかし都市部だとau回線の提供が終了しつつあるが、地方だとまだまだ現役だったりする。

そのうえでau回線は月5GBまでしか高速通信できない。月5GB以降は上限1Mbpsの低速通信になる。

月無制限もちろん月5GB以上のデータ通信を使いたい人だと、あくまでも楽天回線が使えることが絶対条件だ

 

楽天回線は屋内や地下鉄だと通信速度(通信品質)が落ちがち

楽天モバイルの自社回線となる楽天回線だが、建物の中に届きにくい1.7GHz帯の周波数回線を使っている。そのせいで屋内だと回線が掴みづらく、通信品質が落ちがちだ。特に通信基地のエリアカバー率が低い地方だと影響でそうだ。

楽天モバイルを自宅の固定回線代わりに使いたい場合、自宅が楽天回線エリアであるのはもちろん、きちんと自宅環境で楽天回線が受信できるかを確かめた方がいい。

 

楽天回線エリアでも楽天回線が不安定だとau回線に切り替わってしまう場合も

2021年現在、都市部はほぼ楽天回線オンリーのエリアに

都市部だと楽天回線オンリーのエリアが増えているが、地方だと楽天回線とau回線が併存しているエリアが多い。

もとよりau回線は楽天モバイルのパートナー回線であり、楽天回線だと通信が不安定な地域ではau回線で通信代替している。そのため、楽天回線エリアでもau回線に切り替わってしまうことがある。

前述とおり、au回線だと月5GBしか高速通信できないので楽天モバイルを使うメリットが極めて薄い。楽天モバイルを月5GB以上使う予定であれば、自宅が楽天回線エリアであるのはもちろん、自宅環境で楽天回線がau回線に切り替わらずに安定的に受信できるかを確かめたい。

 

楽天回線(自社回線)なら5G通信も利用可能だが、対応エリアは極めて限られる

楽天モバイルはすでに5Gサービスを提供。楽天回線(自社回線)の5Gエリアであれば5Gで通信できる。au回線(パートナー回線)下でのauが提供する5Gは利用できない。

ただ、楽天モバイルの5Gは広範囲をカバーせず、特定の狭範囲をカバーするスポット型の5G通信となるため自宅で使える人はまずレア。運よく出先で使えれば御の字だろう。

楽天モバイルの5Gエリアは公式サイトから確認できる。

 

「Rakuten Casa」を使うには光回線の契約必須

楽天回線専用の簡易基地局ルーターである「Rakuten Casa」。

自宅に設置すれば楽天回線の通信品質が向上。楽天モバイル契約者であれば機器は実質無料で入手できるので、楽天モバイルを固定回線代わりに使いたい人なら調達したいところ。

ただ、「Rakuten Casa」を使うためには光回線契約が必要。それも楽天モバイルが指定する特定業者の契約が必須となる。

光回線の料金をケチりたくて楽天モバイルの固定回線利用を検討している人だと、なんというか本末転倒感ある。活用できれば御の字だが、活用するには高くつく。コスパを踏まえて考えると実用性は皆無かと思う。

Rakuten Casaが契約できる光回線サービス一覧

Rakuten Casaを公式サイトで確認

 

【レビュー】楽天回線の実際の通信速度(通信品質)はどれくらい?

楽天モバイルを固定回線として月無制限で使う場合、まずなにより楽天回線が使えることが必須条件だ

肝心の楽天回線だが、どれくらいの通信速度なのか気になる人も多いかと思う。そこで以下では楽天回線の通信速度を実測レビューしていく。

 

楽天回線は2021年夏ころより劇的に改善しつつある

2021年2月時点の楽天回線の通信速度(テザリング経由で測定)

2021年が始まったころ、お世辞にも楽天回線は高品質とは言えなかった。キャリア・サービス(MNO)とはいえ、よくてダウンロード速度が20〜30Mbps止まり。時間帯によっては10Mbpsを切り、格安SIM(MVNO)の方が高速みたいな状況がよくあった。

ただ、2021年の夏ころより通信速度、通信品質が改善傾向に。筆者が住んでる地域の楽天回線が強化されただけかもしれんが、昼間の時間帯でも50Mbpsを超える日が出てきた。PING値も30ms内と悪くない。

2021年8月時点で50Mbps前後が余裕で出るように

 

2021年12月時点で、昼間の時間帯でも40〜50Mbps台で通信できる

モバイルルーターと接続したMac側でスピードテスト計測

2021年12月時点で再度のスピードテスト計測を行った。平日の昼12時台と通信回線が一番辛くなる時間帯でもダウンロード速度で40〜50Mbps台、アップロードで30Mbps台をキープしていた。

これもうGoogleで検索したり、Wordpressをいじったり、SNS投稿する程度の作業ならなんら問題なく使える。

また、なによりPING値(サーバーからの応答速度)が10ms台と高速。YouTubeやNetflixなど動画を見る場合でも読み込みが速い。ビデオ通話もほぼ延滞なくできてしまうレベルだ。

モバイルルーターは楽天の1円ルーター「Rakuten WiFi Pocket 2B」を利用

実用性のあり/なしで言えば「あり」。これだけの通信速度、PING値が出てれば、おおよその作業はらくらくこなせる。

もちろん前提条件として、楽天回線エリアに住んでいて、楽天回線が安定的に受信できる環境にあることが挙げられる。この2点さえクリアしている人であれば、2021年12月時点において、すでに楽天回線は実用段階にあると断言できる。

楽天回線エリアを検索する

 

楽天モバイルが利用できるモバイルルーターの選び方

楽天モバイルとして公式に提供しているモバイルルーターは以下3機種のみ(2021年8月時点)。

  1. Rakuten WiFi Pocket 2B
  2. Aterm MP02LN
  3. Aterm MR05LN RW

 

1. Rakuten WiFi Pocket 2B

製品価格1円
実質価格(割引込み)0円

公式サイトで確認

楽天モバイルが自前で手がける0円ルーター(1円ルーター)

2021年8月に発売開始。楽天モバイル契約時に同時購入すればポイント還元含めて実質0円で入手できる。

連続通信時間は10時間、待ち受け300時間。本体重量106gと軽め。SIMサイズはmicroSIM、充電端子はmicroUSB、無線LAN規格は2.4GHz帯のみと少し古めの仕様だが、とかく安いのでコスパ重視の人であれば狙い目だ。

公式サイトで確認

 

2. Aterm MP02LN

製品価格13,800円
実質価格(割引込み)8,800円

公式サイトで確認

NECが手がけるモバイルルーター。

モバイルルーター史上最軽量を謳う71gの軽量ボディが魅力。連続通信時間は10時間と一般的だが、待ち受け時間は900時間とハイスタミナ仕様なので出先で使う場合でも憂いない。

また、無線LAN規格は2.4GHzだけでなく5GHz帯にも対応しているので、自宅で固定回線代わりに使うときなども電子レンジあたりと混線せずに使いやすい。

公式サイトで確認

 

3. Aterm MR05LN RW

製品価格23,800円
実質価格(割引込み)18,800円

公式サイトで確認

NECが手がける往年の人気モバイルルーター(2019年モデル)。楽天モバイル回線に合わせて特別カスタマイズした「RW」型番で展開される。

連続通信時間は14時間、待ち受け500時間。Bluetoothテザリングにも対応しており、こちらは約30時間の連続通信が可能。無線LANの5GHz帯に対応しているほか、設置したまま充電できる専用クレードルも用意されるので、自宅で固定回線代わりに使うのにも最適だ。

公式サイトで確認

 

スマホ経由でテザリング利用したい人だと次の3機種がおすすめ

楽天モバイルはSIMカードで提供される通信サービス。スマホにSIMカードを挿れてモバイルルーター代わりに運用することも可能。

楽天モバイルは1円スマホをいくつか取り扱っており、こうしたスマホであれば1円ルーター(0円ルーター)の代わりになる。

もっぱら以下3機種が1円で入手できる。

  1. Rakuten Hand
  2. OPPO A73
  3. AQUOS sense4 lite

 

1. Rakuten Hand

製品価格20,000円
実質価格(割引込み)0円

公式サイトで確認

2021年1月より発売が開始され、ながらく売り切れ続いた楽天のオリジナルスマホ。

0円スマホながら安定したパフォーマンス。スペック的にはメモリ4GB、Snapdragon 720Gを搭載したローエンドモデルなのだが、普通に荒野行動できちゃうスーパーマシンだったりする。

画面サイズ5.1インチ、本体重量129gの軽量コンパクトボディも魅力。大きなスマホに辟易してる人、スマホの片手利用を重視する人なら購入して損はない。

公式サイトで確認

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2. OPPO A73

製品価格25,001円 15,001円
実質価格(割引込み)1円

公式サイトで確認

2020年11月に発売が開始されたOPPOのエントリーモデル。

メモリ4GB、Snapdragon 662、6.4インチの有機ELディスプレイを搭載している。エントリーモデルにしてはバッテリー容量が4000mAhと多め。モバイルルーター用途(テザリング用途)で長時間とスマホを使いっぱなし人だと加点ポイント。

また、DSDVにも対応しており、eSIMと物理SIMを1枚(1回線)づつセットできる。現在の電話番号を残したまま追加で楽天モバイルを使いたい人など丁度よさそうだ。

公式サイトで確認

 

3. AQUOS sense4 lite

製品価格25,001円
実質価格(割引込み)1円

公式サイトで確認

シャープの2020年秋モデル「AQUOS sense4 Lite」。AQUOS sense4を楽天モバイル向けにカスタマイズしたモデルとなる。

スペック的には、メモリ4GB、Snapdragon 720Gのミドルレンジ。省エネ効果に優れたIGZOの5.8インチディスプレイを搭載する。バッテリー容量も4570mAhと大容量とあり、モバイルルーター用途(テザリング用途)に耐えうる長時間スタミナスマホとしてうってつけだ。

先に紹介したOPPO A73と同じくDSDV対応。eSIMと物理SIMを1枚(1回線)づつセットして利用できる。現在の電話番号を残したまま追加で楽天モバイルを契約して2回線で運用したい人などにおすすめ。

公式サイトで確認

 

【まとめ】楽天回線さえ使えれば固定回線として文句なく運用できる

ここまで楽天モバイルのモバイルルーター利用について解説してきた。

2021年現在、楽天モバイルは楽天回線さえ使えれば実用性は十分ある。モバイルルーター経由の利用であっても楽天回線エリアに住んでいて、楽天回線がきちんとつかめるシチュエーションであれば問題ない。

とにもかくにも楽天回線が使えるか否か。これが重要だ

楽天モバイルは契約後3ヶ月は料金プランが無料になるキャンペーンを展開中(初期手数料も無料)。このキャンペーン中に自宅や職場、よく行く場所で楽天回線がつかめるか、問題なく通信できるか確かめておきたい。

また、楽天モバイルはWIMAXやポケットWiFiと違って最低利用期間や違約金の設定がない。いざ使い物にならなかったら即日で解約できる。とりあえず感覚で試せるのはWIMAXやポケットWiFiには無い圧倒的な強み。

とにもかくにも楽天回線が使えるか否か。まずはこれをチェックしてみてほしい。

楽天回線エリアを検索する

 

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