Apple傘下の人気オーディオブランド「Beats by Dr.dre」。
2024年現在、上位版モデル「Beats Fit Pro」、通常版モデル「Beats Studio Buds+」の2機種を公式展開している。
同2製品は明確にスペックが異なるわけではなく、どちらかと言うと製品コンセプトの違いにとどまる。そのためスペックシートだけ並べて比較しても、いざどちらを選べばいいのかわからなかったりする。
そこで、この記事ではスペックシートではわからぬBeats Fit Pro、Beats Studio Buds+の違いを比較。それぞれどういった人におすすめの製品なのか解説する。
この記事の目次(タッチで移動)
広告
「Beats Fit Pro」と「Beats Studio Buds+」何が違う?
基本的なスペックは変わらず
Beats Fit Pro | Beats Studio Buds+ | |
製品の立ち位置 | 上位版モデル | 通常版モデル |
公式価格 | 27,800円 | 24,800円 |
Bluetoothバージョン | 5.0 | 5.3 |
対応Bluetoothコーデック | SBC、AAC | |
ケースの充電ポート | USB Type-C | |
ケースのワイヤレス充電 | × | |
防水性能 | IPX4 | |
ノイズキャンセリング | 対応 | |
外音取り込み機能 | 対応 | |
バッテリー駆動時間(通常再生時) | イヤホン単体7時間 | イヤホン単体9時間 |
ケース併用30時間 | ケース併用36時間 |
Beats Fit Proが上位版モデルに位置付けられるものの、スペックシートで見るとそこまで違いはない。
「Beats Fit Pro」と「Beats Studio Buds」で明確に異なる5つのこと
1. Apple自社製チップの搭載有無(Apple版マルチポイントの対応有無)
Beats Fit Pro | Beats Studio Buds+ | |
Apple自社製チップの搭載有無 | ○ | × |
Apple版マルチポイントの対応有無 | ○ | × |
Beats Fit Proは、Apple自社製チップ「Apple H1」を搭載。AirPodsシリーズ同様にApple版マルチポイントに対応する。
対してBeats Studio Buds+は他社製チップ(詳細非公表)を搭載。Apple版マルチポイントは利用できない。
Apple版マルチポイントを使えば、同一のApple IDでサインインしているiPhone、iPad、Mac、Apple Watch間で同時接続可能。なにかしらオーディオ再生しているデバイスに都度、自動でオーディオ出力先が切り替わる。
もとより手元デバイスをApple製品で固めている人であればApple版マルチポイントに対応するBeats Fit Proを選ぶ理由になる。
2. 空間オーディオの種類の違い
Beats Fit Pro | Beats Studio Buds+ | |
Apple版空間オーディオの対応有無 | ○ | ✗ |
Beats Fit ProならAirPodsシリーズ同様にApple版空間オーディオ再生が利用可能。
iPhone・iPadと接続した場合に限り、YouTubeやNetflixなど任意のアプリを空間オーディオ化。ホームスピーカーのような360度から音が鳴るオーディオ再生に変更できる。
対してBeats Studio Buds+はApple版空間オーディオ再生に対応せず。
Beats Studio Buds+も「空間オーディオ対応」と宣伝されるものの、あくまでApple MusicやAmazon Musicで提供される空間オーディオ楽曲(ドルビーアトモス楽曲)を再生することによる擬似的な空間オーディオにとどまる。YouTubeやNetflixといったアプリだと当然ながら空間オーディオにならないので勘違い注意。
参考Beatsワイヤレスイヤホンが対応する空間オーディオの種類の違い(&設定方法)
続きを見る
3. イヤホン構造の違い
Beats Studio Buds+はごく一般的な丸ころワイヤレスイヤホン。
対してBeats Fit Proは上に伸びるイヤーウィング(ウィングチップ)あり。
Beats Fit Proはイヤーウィングにより極めて安定した装着感を実現。イヤホンの揺れをほぼゼロに軽減できる。ジョギングやスポーツ中に使いたい人でも問題ない。
ただ、Beats Fit Proのイヤーウィングは本体一体型で交換できない。サイズが合わない人、耳の形との相性が悪い人だと致命傷になる。
普段からイヤホンの装着感で悩みがちで、イヤーウィングとの相性が悪そうな人であれば、シンプル構造のBeats Studio Buds+を選んだ方がよさそう。
4. イヤホン着脱と連動したオーディオ自動再生/停止機能
Beats Fit Pro | Beats Studio Buds+ | |
イヤホン着脱と連動したオーディオの自動再生/停止機能 | 対応 | × |
AirPodsシリーズだと標準提供される同機能。イヤホンを外すとオーディオ再生が一時停止、イヤホンを再び装着すればオーディオ再生が自動で開始される。動画視聴中などに地味に便利な機能だったりする。
Beats製品だとBeats Fit Proのみ機能に対応。意外にも?Beats Studio Buds+は対応せず。
5. 音質(音の方向性)
どちらも似たような低音サウンドだが、トータルで見たときの音の完成度はBeats Studio Buds+の方が上。
Beats Studio Buds+は低音にくわえて音場の広さあり。ボーカルも聞き取りやすい。低音イヤホンならではの音こもった感じが少なく、聞く曲のジャンルに関係なく無難に使いまわせるオールマイティーな仕上がりに。
Beats Fit Proはイヤーウィングでイヤホンと耳穴をしっかりフィットさせるため、やはり音こもった感じは強い。バックサウンドを楽しむだけならまだしも、ボーカルも含めてトータルでオーディオを楽しみたい人だとBeats Studio Buds+の方がおすすめ。
【まとめ】「Beats Fit Pro」と「Beats Studio Buds」、結局どっちを選ぶべき?
Beats Fit Proをおすすめできる人
- Appleデバイス間のマルチポイント狙いの人
- YouTubeやNetflixで「空間オーディオ」が使いたい人
- 運動中に使える揺れの少ないイヤホンを探している人
【✗】Beats Fit Proをおすすめできない人
- ボーカルくっきりした音質を好む人
- イヤーウィングが邪魔になりそうな人
Beats Fit Proは、Apple自社製チップを搭載した紛うことなきApple製品。AirPods向けに提供されるApple版マルチポイントや空間オーディオがそのまま利用できる。
Appleデバイス間であればペアリング切り替えのストレスがほぼゼロ。複数デバイス間で使いまわすイヤホンとしてはまたとない強み。
イヤホン本体にイヤーウィングを搭載することもあり、イヤホンの装着感も安定。ジムで運動中に使いたい人、ジョギング中に使いたい人にもおすすめ。
ただ、イヤーウィングは本体一体型で交換できない。イヤホンの装着感でハズレを引きやすい人だとイヤーウィングを窮屈に感じるかもしれない。
音質は典型的な低音イヤホン。音こもった感じが嫌いな人だとオーディオ相性が悪そう。イコライザー調整にも対応せず。
Apple製品としての機能面を重視する人になによりおすすめ。音質やイヤホンの装着感を重視する人だとケースバイケース。
レビュー記事Beats Fit Pro レビュー|Apple版マルチポイント&空間オーディオ対応したBeats上位版モデル
続きを見る
Beats Studio Buds+をおすすめできる人
- ボーカル含めて聞きやすいワイヤレスイヤホンを探している人
- Beats Fit Proのイヤホン本体に付いてるイヤーウィングが邪魔だと感じる人
- Apple製品とは関係ない製品(AndroidスマホやWindows PC)で使おうと考えている人
【✗】Beats Studio Buds+をおすすめできない人
- Apple版マルチポイントや空間オーディオ再生を使いたい人
Beats Studio Buds+はApple自社製チップを搭載しないスタンダードモデルの位置付け。
Apple版マルチポイントが利用できず、Apple版空間オーディオにも対応しない。Apple製品ではあるが、思いのほかiPhoneユーザーとの相性は悪い。
2023年に発売した製品とあり、音質面は改善。Beats Fit Proよりも音場が広く、持ち前の低音サウンドと相まって音の臨場感を演出してる。低音イヤホンだが、ボーカルが聞き取りやすく、(オーディオ相性にもよるが)トータルで見るとBeats Fit Proよりも高音質だ。
もとよりApple版マルチポイントやApple版空間オーディオに興味なく、音質を重視したワイヤレスイヤホンを探している人だとBeats Studio Buds+の方がおすすめ。
Beats Studio Buds+(第2世代)レビュー|Beatsで数少ないボーカル重視モデル
続きを見る
関連記事
他のBeatsワイヤレスイヤホンを探す
Beats(ビーツ)ワイヤレスイヤホンの選び方&おすすめ5選【2024年版】
続きを見る
「AirPods」と「Beats」何が違う?Apple現行ワイヤレスイヤホン5製品を比較する
続きを見る
他のワイヤレスイヤホンを探す
iPhoneと相性よし!おすすめのワイヤレスイヤホンまとめ(2024年)
続きを見る
【2024年】完全ワイヤレスイヤホンの新製品&人気製品まとめ(発売予定含む)
続きを見る