ようやくの発売が開始されたiPhone SE 第2世代。
コンパクトサイズで人気博した「iPhone SE」の第2世代モデルであり、かれこれ初代発売から4年がかりでのリニュアルとなった。
初代モデルでは省かれたApple Pay、ワイヤレス充電を新たに搭載。代名詞たるコンパクトサイズ、そしてホームボタン(Touch ID)は残ったまま。そのうえ価格は4万円台からとコスパに優れる。これもう「安くて普通に使えるスマホ」の完成形と言っても過言ではない。
この記事ではiPhone SE 第2世代 をレビュー。メリット、デメリット、どういった人におすすめのスマホなのか、ひととおり解説したい。
この記事の目次(タッチで移動)
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iPhone SE 第2世代(2020)製品概要
スペックシート
iPhone SE 第2世代 のスペックシートは以下のとおり。
画面サイズ | 4.7インチ(1334×750) |
本体サイズ | 縦13.8cm、横6.7cm、厚さ0.7cm |
本体重量 | 148g |
メモリ | ?(公式記載なし) |
ストレージ | 64GB/128GB/256GB ※microSD非対応 |
CPU | Apple A13 Bionic |
カメラ | 外側1200万画素、内側700万画素 |
充電端子 | lightning |
ワイヤレス充電(Qi) | ○ |
イヤホンジャック | × |
指紋センサー | ○ |
対応SIMカード規格 | nanoSIM、eSIM(DSDS仕様) |
そのほか | felica搭載、防水/防塵 |
基本スペックは「iPhone 11」同等のハイエンドクラス
iPhone SE 第2世代は、最新モデル「iPhone 11」シリーズ と同じApple自社製CPU(A13)を搭載。スペックだけで言えば最新iPhoneと変わらない。
ベンチマークスコアで見てもiPhone 11シリーズと同等性能を叩き出しており、iPhone SE 第2世代 だからといって低スペックということはない。紛うことなきハイエンドスマホだ。
▼ 主要iPhoneのベンチマークスコア(Geekbench 5基準)
モデル | シングルコア得点 | マルチコア得点 |
iPhone SE(2020) | 1332 | 3241 |
iPhone 11 Pro Max(2019) | 1327 | 3401 |
iPhone 11 Pro(2019) | 1328 | 3398 |
iPhone 11(2019) | 1326 | 3247 |
iPhone 8(2017) | 919 | 2233 |
本体サイズは「iPhone 8」と同じ(というか筐体使いまわし)
iPhone SE 第2世代は、画面4.7インチの小型スマホ。iPhone 8の筐体をそのまま流用しており、本体サイズはiPhone 8と全く同じ。iPhone 8のケースもそのまま使える。
iPhone SE(第2世代)の本体サイズ:縦13.8cm、横6.7cm、厚さ0.7cm
本体重量も148gとiPhone 8と同じ。中身は色々と変わったはずだが、なぜだか1gたりとも違わない。
昨今のiPhoneは200g近い重量なので148gは圧倒的に軽い。スマホの片手操作も難なくこなせる。
▼ 主要iPhoneの本体重量まとめ
モデル | 本体重量 |
iPhone SE 第2世代(2020) | 148g |
iPhone 11 Pro Max(2019) | 226g |
iPhone 11 Pro(2019) | 188g |
iPhone 11(2019) | 194g |
iPhone 8 (2017) | 148g |
iPhone SE(初代) | 113g |
Apple Payほか最新iPhone同等機能はほぼ搭載
iPhone SE 第2世代 は、iPhone 11シリーズと変わらぬ最新機能を全部盛り。Apple Pay、ワイヤレス充電、USB PD充電、DSDSなどすべて使える。
また、nanoSIMに続く次世代のSIMカード規格「eSIM」(イーシム)にも対応しているので、一部通信キャリアや格安SIM事業者が提供しているeSIMプランも利用できる。
iPhone SE 第2世代に搭載される主要機能
- Apple Pay
- ワイヤレス充電(Qi充電)
- 急速充電(USB PD充電)
- 防水/防塵
- DSDS(SIMカード2枚運用)
- eSIM
【メリット】iPhone SE 第2世代、ここが良い
「iPhone 8」のように片手でらくらく使える
iPhone SE 第2世代は「iPhone 8」そのままのサイズ感とあり、非常にコンパクト。片手で持ってらくらく操作できるし、片手&親指での文字入力も難なく可能。
昨今のスマホないしiPhoneだと異様の本体サイズが大きくなってしまい、片手で操作するのが困難になりつつある。こうしたスマホの大型化に辟易していた人であれば、「iPhone 8」同等のコンパクトiPhoneことiPhone SE 第2世代は間違いなく気に入るはず。
ホームボタン復活!指紋認証でロック解除&Apple Pay決済可能
iPhoneからホームボタンことTouch IDが無くなってから早3年。iPhone SE 第2世代はiPhoneシリーズで久々にホームボタンを搭載。指紋認証一つでロック解除やApple Pay決済処理が行える。
コロナ下のマスク生活において顔認証が極めて使いづらくなってしまい、指紋認証ニーズが再び高まっている。最新モデルのiPhone 11シリーズだと顔認証しか対応しないので、これに比べるとiPhone SE 第2世代の指紋認証対応は間違いなくセールスポイントの一つだ。
無難に使える高性能カメラ
iPhone SE 第2世代は、今日では地味めなシングルレンズモデル。超広角レンズや望遠レンズは搭載していない。
とはいえ、シングルレンズそれ自体の描写力は安定していて風景写真などきれいに撮影できる。ハードの違いあれどiPhone 11と同じ最新CPU「A13」準拠の撮影処理能力なので実用十分な水準はクリアしている。
▼ iPhone SE(2020)のカメラで撮影した写真サンプル(写真クリックで拡大)
【デメリット】iPhone SE 第2世代、ここがダメ
有機ELディスプレイ非搭載、視認性&省エネ性能に難あり
昨今のiPhoneは有機ELディスプレイが一般的だが、iPhone SE 第2世代は昔ながらのRetina HDディスプレイ(TFT液晶)を搭載している。
画質こそ問題ないが、有機ELディスプレイではないので太陽光の下だと画面が見づらいという欠点がある。また、有機ELならではの省エネ効果が期待できず、もとよりバッテリー容量が少ないのも含めてバッテリー持ちに不安ある。
バッテリー持ちはいくらか不安あり(特にゲームする人)
iPhone SE 第2世代は内蔵バッテリーが1821mAhと少ない。iPhone 8そのままの容量だ。
iPhone 11シリーズが3000mAh前後のバッテリー容量で、なおかつ省エネ効果に優れた有機ELディスプレイを搭載しているのに比べると幾分不安が残る。
普段使いで致命的なバッテリーレベルではないが、スマホゲームをがっつりプレイしたり、出先でGoogleマップやカメラなど多用すると思いのほかバッテリーが減っているなと感じるシチュエーションがある。特にスマホゲームする人であればモバイルバッテリーなど用意しておいた方がいいかもしれない。
iPhoneとしての目新しさは少ない、よくも悪くも完成系
皮肉ではあるが、iPhone SE 第2世代はよくも悪くもiPhoneとして完成しすぎている。
いざ使えば安定したパフォーマンスが期待できる。ただ、従来iPhoneと変わらぬビジュアル、変わらぬ使い勝手とあり、体験ベースでの新鮮味は薄い。
機種変に際して目新しさを重視する人、新しいiPhoneに乗り換えて心機一転したい人だと変わり映えしなさすぎて飽きが来そう。
結局のところ、iPhone SE 第2世代はどういった人におすすめ?
1. 小さいスマホを探している人
最近のスマホは大きすぎて手に余る、腱鞘炎になる、つらたにえんの人であればiPhone SE 第2世代を強くおすすめする。
なんだかんだで4.7インチというサイズ感は日本人の手の大きさにジャストフィットする。特に片手での操作を前提にした場合、ほどよく小さく、ほどよく大きい、片手でホールドしやすいサイズ感だと常々思う。
サイズだけでなくスペックもそう。ここ最近の小さなスマホというとRakuten MiniやJelly Proといったキワモノスマホが多く、スペックが低くて動作すら不安定になる製品が多かった。
これらに比べるとiPhone SE 第2世代はまさしく王道スマホ。そのうえで小さい。今日の小さなスマホの大本命と言ってしまって問題ない。
2. 指紋認証が譲れない人(出先でホームボタンをがっつり使いたい人)
コロナ禍のマスク生活でホームボタン、指紋認証対応が馬鹿にならないセールスポイントに昇華している。特に出先でiPhoneのロック解除したり、店頭レジでApple Pay決済するときに指紋認証一つで決済処理できるので非常に勝手がよい。
最新iPhoneだと顔認証にしか対応しておらず、指紋認証できない。出先でマスクを付けた状態だと顔認証できず、律儀にパスコード入力する羽目になる。これまた面倒なところ。
対してiPhone SE 第2世代なら指紋認証でささっと処理できる。日常的な使い勝手の面では最新iPhoneに劣らないどころか勝っている。
3. ハズレのない格安スマホが欲しい人
iPhone SE 第2世代は、新品が4万円で購入できる格安スマホに相当する。
昨今のスマホは全体的に高額化しており、iPhone 11シリーズも最安で9万円〜と結構いい値段がする。一方の格安スマホは中華スマホばかりという状況が続いていた。
だからこそiPhone SE 第2世代は、iPhoneながら格安スマホという時点で最強。スペックは十分にして充分だし、iPhoneならでは、Apple製品ならではの使い勝手のよさも健在。面倒くさいことを考えずに使えるハズレのない格安スマホとして、iPhone SE 第2世代が強くおすすめできる。
iPhone SE 第2世代を安く買う方法
格安SIMとセット購入するならIIJmio一択(17,800円〜29,980円)
格安SIM大手IIJmio。iPhone SE 第2世代を17,800円〜29,980円で販売している。
未使用品だとMNP価格で29,980円。ごくまれに販売される美品だとMNP価格で17,800円と相場よりも圧倒的に格安だ。
iPhone SE 第2世代はApple Store価格だと4万円台、中古で3万円前後の相場水準。特に17,800円の美品モデルは在庫があったら即買いしても損はない。普段はほとんど売り切れてるのだが、ごくごくまれに出現するのでiPhone SE 第2世代を安く調達したい人は確認あれ。
楽天モバイルで分割契約すれば月額933円で運用可能
楽天モバイルはiPhone SE 第2世代を公式に取り扱う。
64GBモデルの端末価格が44,800円。これに「iPhoneアップグレードプログラム」(iPhone返却プログラム)を適用させれば、月々933円で分割契約できる。48回分割だが、契約24ヶ月以降に端末を返却すれば残債が全額免除される。
楽天モバイルの料金プランは最安で月額0円から運用できるので端末価格を含めて最安で月額933円から運用できる。できるだけ初期投資を抑えたい人なら楽天モバイルを活用するのも手だ。
イオシスなら端末だけで3万円前後で購入可能
中古スマホ販売大手「イオシス」。Aランク品(ほぼ新品)がおおよそ3万円前後で購入できる(2021年12月時点)。
もとより回線契約が必要ない、MNP契約したくない人であれば、イオシスで端末だけ購入してしまうのも手。
イオシスは赤ロム永久保証があるのでネットワーク利用制限がかかったら無条件で返品できる。下手な中古ショップやオークションで購入するよりも安心だ。
この記事のまとめ
iPhone SE 第2世代をひととおりレビューしてきた。
コンパクトサイズのよさ、iPhoneならではの使い勝手のよさ、コスパのよさが相まり、格安スマホとは思えぬ安定感が見て取れる。何気にハイエンド相当のスペックも積んでるので、これもう言うことなしだ。
すでに中古であれば3万円前後で購入できてしまう。下手な格安スマホ、中華スマホを選ぶくらいならiPhone SE 第2世代を選んだ方がトータルで満足できそう。安くて普通に使えるスマホを探している人はぜひ試してみてほしい。
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