ソフトバンクが提供する格安通信サービス「LINEMO」(ラインモ)。
月額990円で月3GBのデータ通信&音声通話が使える破格プランで注目を集める。
ソフトバンクの同様プランに「ミニフィットプラン+」があるが、こちらは月3GBで月額5,478円と割高。LINEMOにすれば毎月あたり月額4,400円の節約になる。これが1年となると52,800円、2年で105,600円の節約と馬鹿にならない。
かくいう筆者も現在進行系でLINEMOを契約中だ。
この記事ではLINEMOに乗り換えるにあたって知っておきたいメリットとデメリットを現役ユーザーの目線からまとめた。乗り換えを検討している人は参考にしてほしい。
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LINEMO(ラインモ)サービス概要
LINEMO は、ご存知ソフトバンク(ソフトバンク株式会社)が手がける格安通信サービス。
もともと「LINEモバイル」としてLINE社がサービス提供。ソフトバンク子会社のヤフーがLINEが経営統合したのに伴い、2021年3月よりソフトバンクが手がける格安通信サービス「LINEMO」として新装開店した。
LINEMOの料金プラン
LINEMO は月額990円プランと月額2,728円プランの2つを提供。どちらも音声通話付き。
契約後のプラン変更は無料。最初は月額990円プランを契約して、データ容量が足りないので上位プランに変更するといったことも可能。
料金プラン詳細
※以下すべて税込
月額990円プラン(ミニプラン) | 月額2,728円プラン(スマホプラン) | |
月額料金 | 990円 | 2,728円 |
月間データ容量 | 3GB | 20GB |
制限時速度 | 300kbps | 1Mbps |
データ容量追加 | 1GB=550円 | |
通話料 | 30秒/22円 | |
無料通話 | なし(別途オプション) | |
最低利用期間 | なし | |
解約金(違約金) | なし | |
事務手数料 | なし | |
契約者特典 | LINEギガフリー(LINEアプリで発生するデータ通信量がノーカウントに) |
無料通話オプション(プラン共通オプション)
※以下すべて税込
オプション名 | 月額料金 | 内容 |
通話準定額 | 1回5分以内の国内通話が完全無料 | |
通話定額 | 国内通話が完全無料 |
現在「通話オプション割引キャンペーン」実施中。
契約後1年間は無料通話オプションから550円引きとなるため、通話準定額は無料で、通話定額は月額1,100円で利用できる。
キャンペーンはLINEMO契約者にもれなく適用される。
ソフトバンク、Y!mobileと比べてどれだけ安くなる?(料金シミュレーション)
ソフトバンク、Y!mobile、LINEMOともにソフトバンクが手がける通信サービス。
この3つのサービス内容を比較すると以下のとおり。
※以下すべて税込
月額料金 | 月間データ容量 | 無料通話 | |
LINEMO(990円プラン) | 990円 | 3GB | なし(キャンペーン適用で1回5分以内の国内通話無料) |
LINEMO(2,728円プラン) | 2,728円 | 20GB | |
ソフトバンク(ミニフィットプラン+) | 2,178円〜5,478円 | 1GB〜3GB | 家族間通話のみ無料 |
【割引フル適用時】 | 2,178円〜4,378円 | ||
ソフトバンク(メリハリ無制限) | 7,238円 | 無制限(テザリングは月30GBまで) | |
【割引フル適用時】 | 4,928円 | ||
Y!mobile(シンプルS) | 2,138円 | 3GB(+繰り越し) | なし |
Y!mobile(シンプルM) | 3,218円 | 15GB(+繰り越し) | |
Y!mobile(シンプルL) | 4,158円 | 25GB(+繰り越し) |
LINEMOはやはり安い。特に月3GBプラン(月額990円)は格安SIMと変わらぬ料金帯なので「ソフトバンク」「Y!mobile」では追随できず。
ソフトバンクは「メリハリ無制限」は検討余地あり。ヘビーユーザーで家族割と光回線割がフル適用できる人であれば料金的にもLINEMOの事実上の最上位プランとして運用できそうだ。
Y!mobileはソフトバンクとLINEMOの中間。ソフトバンク同様にソフトバンクショップでの実店舗サポートが受けられる。そのうえでソフトバンクよりも安価な料金設定を実現した。LINEMOだと実店舗サポートが受けられない。
通信回線は(当然ながら)ソフトバンク回線
LINEMOはソフトバンクが直々に手がけるサービスとあり、通信回線もソフトバンク回線となる。
iPhoneやSIMフリースマホもちろん、ソフトバンクやY!mobileが取り扱うスマホでもSIMロック解除さえ行えば問題なく使える。
ドコモやauのAndroidスマホだと多少なりに相性の問題があるので先に公式サイトの動作確認ページで確認あれ。
【重要】LINEMOは格安SIMだけど格安SIMじゃないカラクリ
LINEMOはイオンモバイルやBIGLOBEモバイルなどと並べて「格安SIM」と紹介されることが多い。
ただ、あくまでLINEMOはソフトバンクが提供する通信サービスであり、厳密には格安SIMではない。
世にいう格安SIMとは「MVNO」のこと。ドコモ、au、ソフトバンクの通信基地を間借りしてサービス提供しているに過ぎず、昼間などユーザーが大挙して混み合う時間帯だと通信速度が遅くなる。
対してLINEMOはソフトバンクがソフトバンクの通信基地をそのまま使ってサービス提供するMNOサービスに該当。昼間の時間帯に通信速度が遅くなったりするわけではない。1日を通して安定した通信速度で通信できる。
そこらの格安SIMことMVNOでは太刀打ちできない高品質な通信回線が格安SIMの料金帯で利用できるので非常にお得。
LINEMOのメリット
LINEMO のメリットはおおよそ以下のとおり。
- ソフトバンクの高品質回線が月額990円で使える
- LINEカウントフリー特典あり、LINE通話もデータ消費ゼロで使い放題
- 無料通話オプション(月額550円)が1年無料に
- プラン変更は無料
- 初期費用なし、解約金なし、なんなら最低利用期間も設定なし
- ソフトバンクの5G通信も利用可能
- LINEの年齢認証も可能(LINEをはじめて使う場合)
ソフトバンクの高品質回線が月額990円で使える
LINEMOはソフトバンクが直々に手がける通信サービス。
大手キャリアの通信基地を間借りしているだけの格安SIM(MVNO)とは比べ物にならない高品質な通信回線が利用できる。
昼間の時間帯でも安定した速度で通信できるので、これまで格安SIM(MVNO)で昼間の時間に割りを食ってきた人にもおすすめ。
LINEカウントフリー特典あり、LINE通話もデータ消費ゼロで使い放題
LINEMO契約者はLINEアプリで発生するデータ通信量がノーカウントになる特典あり。
LINEトークやLINEニュースだけではなく、データ通信量を食いがちなLINE通話で発生する通信量もノーカウントになる。わりと実用的な契約特典だ。
無料通話オプション(月額550円)が1年無料に
1回5分以内の国内通話料が無料になる通話オプション「通話準定額」(月額550円)。
LINEMO契約者はもれなく同オプションの1年無料キャンペーンが適用される。キャンペーン終了時期は不明だが、2021年9月時点ではまだ展開中。
プラン変更は無料
月3GBプランから月20GBプランに、逆に月20GBプランから月3GBプランに無料で変更できる。
いざ使ってみてデータ通信容量が足りない、あるいはありあまってしまった場合はプラン変更すれば無駄なく使えるのでお試しあれ。
初期費用なし、解約金なし、なんなら最低利用期間も設定なし
格安SIMでよくある初期手数料3,000円みたいな手間賃なし。
また、最低利用期間や解約金も設定されておらず、必要なければいつでも即日で解約(MNP)できる。
ソフトバンクの5G通信も利用可能
LINEMOはソフトバンクの通信基地をそのまま使った通信サービス。ソフトバンクの5G基地もそのまま使える。
実測で数百Mbpsの固定回線クラスの爆速通信となるので、運よく自宅や職場で5Gがつかめれば固定回線代わりの運用も現実的だ。
LINEの年齢認証も可能(LINEをはじめて使う場合)
こどもや高齢者などまだLINEアカウントを持っていない場合でも問題なし。
LINEMOはもとよりソフトバンク(ないしLINE)のサービスとあり、LINEの年齢認証もそのまま行える。
格安SIMだといまだにLINEの年齢認証に対応しないものが大半。こどもや高齢者などはじめてのスマホで使うSIMサービスとして考えた場合、LINEMOの年齢認証対応は大きなセールスポイントだ。
LINEMOのデメリット
LINEMO のデメリットはおおよそ以下のとおり。
- サポート&申し込みの一切はネットから、実店舗サポートなし
- SIMカードのみの提供、スマホは自分で用意する必要あり
- キャリアメール&留守番電話サービスの提供なし
- 家族割、光回線割など各種割引の提供なし
- 余ったデータ容量を翌月に繰り越せず
- 短期解約だとブラックリスト入りするおそれ
サポート&申し込みの一切はネットから、実店舗サポートなし
LINEMOはソフトバンクのオンライン専用プラン(オンライン専用ブランド)の位置付け。
ソフトバンクショップでの実店舗サポートは受けられない。いざというときはLINEアプリか公式サイトのオンラインチャットを使って対処する必要がある(電話サポートも提供なし)。
SIMカードのみの提供、スマホは自分で用意する必要あり
LINEMOは、ソフトバンクはじめとした大手キャリアのようにスマホ(キャリアスマホ)とのセット契約はできない。
SIMカードだけの提供となるため、対応するスマホは自分で用意する必要がある。
おおよそiPhoneであれば問題なく使えるが、Androidスマホ(特にドコモとau)だと相性の問題があるので事前に公式サイトの動作確認ページを確認あれ。
キャリアメール&留守番電話サービスの提供なし
LINEMOはキャリアメール、および留守番電話サービスの提供なし。
もとよりLINEMOを使おうと考えている人でキャリアメールを使いたい人は少ない...?かもしれない。
留守番電話サービスに関しては、iPhone、Androidともにスマホ本体の留守電機能を使えば問題ない。ただ、スマホの電源がOFFだったり圏外だったりすると留守電が機能しないので注意。
家族割、光回線割など各種割引の提供なし
LINEMOは一切の割引提供なし。
ソフトバンクやY!mobileだと家族割があるが、LINEMOだと家族割すら提供ないので何人で契約しても料金変わらず。
よくも悪くもわかりやすい、シンプルな料金プラン体系を売りにしたサービスだ。
余ったデータ容量を翌月に繰り越せず
格安SIMだと一般的な翌月繰り越しサービスだが、LINEMOは繰り越し対応せず。
短期解約だとブラックリスト入りするおそれ
LINEMOは最低利用期間と違約金が設定されておらず、いつでも解約できる。
ただ、ソフトバンクが直々にサービス提供するキャリアサービス(MNO)とあり、もっぱら契約から半年以内に解約するとブラックリスト(要注意契約者リスト)入りする可能性がある。
ブラックリスト入りするとソフトバンク系列の通信サービスが契約しにくくなる。
格安SIM(MVNO)であればブラックリストなど関係ないのだが、LINEMOはよくも悪くも格安SIMではない。ソフトバンクが提供するキャリアサービス(MNO)ならではのデメリットだ。
LINEMOへの乗り換え方法(MNP方法)
手順としては以下のとおり。
- MNP予約番号を取得(ソフトバンク、Y!mobileユーザーは必要なし)
- 公式サイトから申し込む
- SIMカードの到着を待つ(契約後2日〜3日ほどで到着)
- 自動ダイアルに電話をかけて回線切替する
- SIMカードをスマホに挿れてAPN設定する
LINEMOはオンライン専用プラン(オンライン専用ブランド)。公式サイトからのみ申し込み可能。ソフトバンクショップなど実店舗では申し込めない。
ソフトバンク、Y!mobileユーザーば「番号移行」扱いで契約できる。My Softbank上の個人情報がそのまま引き継げるので情報入力の手間暇も省ける。MNP予約番号の取得も必要ない。
iPhoneであればAPN設定の必要なし。大手キャリアのようにSIMカードを挿れるだけで通信が始められる(というかLINEMOはソフトバンクサービスだが...)。
回線切替は気持ち5分ほどで完了。マニュアルには「1時間〜2時間」と書いてあったが、そこまでかからない。なお、後日の回線の自動切り替え日を設定することも可能。
この記事のまとめ
ここまで LINEMO についてまとめてきた。
ソフトバンクサービスながらソフトバンクショップでの実店舗サポートが受けられないが、その分、圧倒的コスパが享受できる。
なにやら難しそうと考える人もいるかもしれないが、Amazonで商品が注文できるくらいのネットリテラシーあれば難なくこなせる。
LINEMOに乗り換えることで大手キャリア比で月額4000円の節約、年48000円の節約になる。そのうえソフトバンクの高品質回線が使えるので格安SIMのような昼間の時間の通信延滞もない。
スマホ料金を節約したい大手キャリアユーザーもちろん、これまで格安SIMで割りを食ってきた人にもおすすめ。
ぜひこの機会にLINEMOに乗り換えてコスパともどもその使い勝手のよさを体験してみてほしい。